ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

上方落語家はちょっと~今おもしろい落語家50

2011-03-26 10:45:41 | 本の少し
今おもしろい落語家ベスト50―523人の大アンケートによる (文春MOOK)
クリエーター情報なし
文藝春秋


近くの公民館での町会の会合に参加した時、下の市立図書館で、この本を借りる。
でも持っている、図書利用券を出せば、新しいのに切り替っていますと、
新しいのは、家からパソコンで、予約ができ最寄の図書館で受け取ることができる。
日中時間がとれない私には、いたって便利ですおますな。

借りてきた本は、書店ではパラパラと何度も手にしたが、
上方の噺家さんが少なくって、よう買わなかった本。

この頃、東京の噺家さんも、こちらでの落語会も増えてきたので、
タダなら、読んでみようと・・・・。

でも、やはり気になるのは、上方の噺家さんの評価。

落語好きの523人のアンケートによる、結果でベスト50入りは
34位の南光、36位の春團冶、三枝、米団冶、42位の吉坊、鶴瓶、46位の雀三郎の7名だけ。
淋しい限りですな。でも、やはりTVとか、東京での露出がものを云うんですな。

本で紹介されている、上方の噺家さんを推して頂いた方は・・・、

三宮麻由子(エッセイスト)さんは、②桂文珍
山川静夫(芸能評論家)、②桂文珍
いちかわあじゅん(漫画家)、③桂吉坊
森卓也(映画評論家)、①桂雀松②桂吉坊③笑福亭三喬
高世えり子(漫画家)、③桂春團冶
安斎あざみ(作家)、③桂吉坊
みうらじゅん(イラストレーター)、①桂米朝
村松友規(作家)、①桂南光
加藤武(俳優)、①桂春團冶②月亭可朝
北野勇作(作家)、①桂雀三郎
増田晶文(ノンフィクションライター)、①桂文我②笑福亭松喬
田中啓文(作家)、①桂雀三郎
植草信和(元キネマ旬報編集長)、②桂吉坊
童門冬二(作家)、③桂ざこば
澤田隆オ冶(テレビプロデューサー)①桂三枝③桂文珍
中村真規(落語企画業)、③桂文珍

よくぞ、選んでいただき、感謝、感謝。

でも、特筆は、吉坊、
東京での落語会も多く、あの端正な芸風が江戸の方にうけるんでしょうな。

これからも、もっと東西の交流が盛んになり、ベスト10、ベスト30への
ランク入りして欲しい限りですが、

この様な時こそ、
上方落語協会主催で、江戸との交流落語会でも積極的にやらなければ・・・と。



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ヴィアーレ・米朝一門チャリティ落語会

2011-03-19 06:48:19 | ヴィアーレ落語会

仕事に追われて、久しぶりの落語会・・・・
嫁さんと一緒に会社の近くのヴィアーレへ・・・
精選米朝一門会の趣き、楽しみですな。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
東日本最大地震のチャリティ落語会として、開催。ヴィアーレの広報の責任者が
ご時勢だけに一番太鼓のの前に気をつかってのご挨拶。

一、桂佐ん吉・・・・・・・・・・・・・「商売根問」

鳥とりで、雀、鶯でガタロがでてきて、「鷺とり」ではなく、「商売根問」。
でも、ガタロで終了・・・。吉坊で聴いた、野菜を売る売り声、
「茶っ栗柿、麩っー」のフレーズが忘れられない。

次節柄、遠慮がちにはじまった、佐ん吉さんでしたが、さすが米朝一門会の前座
緊張した会場をほぐすのに充分なる、安定感のある高座でおました。

二、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・・・「ちりとてちん」

今だ、TVの「ちりとてちん」のマクラで。そのあと朝ドラは良いのがありませんなと、
でもこのまえの「ゲゲゲの女房」と今の「てっぱん」は、結構人気があるみたいですが・・・。

演目は、マクラ続きでそのまま「ちりとてちん」へ。
口笛は出るし、外人のような大きなジャスチャーも入るし、
聴きなれただけに、食傷気味。

まさに、やり過ぎて、ご自分では「てっぱん」と思いきや
ぼちぼち賞味期限がきていると感じるのは、私だけでしょうか。


三、桂塩鯛・・・・・・・・・・・・・・・「はてなの茶碗」

鯛襲名後、貫禄がついて、どっしりとしていながら、三両、五百両を貰う
油屋の表情で遊ぶ。でも、お天子さんのところでは、あまり縁がないので、
こんなもんですがと、断りをいれるなんぞは、塩鯛さんの良心が見える。

何か、笑福亭とだぶる、どっしりとした塩鯛さんの「はてなの茶碗」でおました。


四、桂九雀・・・・・・・・・・・・・・・「公家女房」

眼鏡をかけての登場。古典落語ではないなぁと、思いながらはじまったのが、
やもめに嫁さんを世話する、「持参金」、「延陽拍」、「ろくろ首」、「不動坊」か
いや、これが九雀さんの十八番「公家女房」か・・・。

さすがに「父は元京都の産にして・・・・・・たらちねの胎内を・・・・・成長ののち
これを改め延陽拍ともうすなり」はズボットなし・・・いうてしもたら延陽拍に
なってしまいますもんなぁ。でも、随所に改作のおもしろさが散りばめてあり、
後半の出入りの者が芝居がかって、嫁さんに絡むとこなんぞは楽しめる。

よね吉さんで出会う前に、本家本元の九雀さんで聴けたのは、
本日の大収穫でおました。


五、桂ざこば・・・・・・・・・・・・・「一文笛」

CDでは、たまに聴いているが、生のざこばさんの「一文笛」は初めて。
かつて、兄貴が秀を諭すところで、ざこばさん、何度も感極まって自分が泣いて
途中で下りたとか。

スリというのが、職人業として成り立っていたというのが
昭和の匂いを感じさせる。

「何で、銭出して買うてやらへんねん。」「それが、ぬっすっと根性というもんや」
私も年ですな、この辺あたりで、ジーンとしてしまう、今日この頃でおます。

「子は鎹」、「厩火事」に続く十八番「一文笛」、やはりよろしいな。


本日は、全員十八番と言えるネタのオンパレードで、
一緒に行った嫁さんも寝ることなく楽しんでいましたし、
久し振りの落語で、ちょっと元気を取り戻した、ごまめでございました。

ああ、それと、久しぶりに、「落語日記」さんに会えて、ほっとしましたが。
一月に奥さんを亡くさられ、先週喪が明けられたとことか、
普段も物静かな、Ⅰ氏ですが、いつもに増して言葉少なめ、
早くお元気になられるよう、「笑い」にお誘いして、
今度はじっくりお酒でも飲み交わそうと・・・・。



ヴィアーレ落語会~あづち亭
2011年3月19日(土)午後3:00開演

一、桂佐ん吉・・・・・・・・・・・・・「商売根問」
二、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・・・「ちりとてちん」
三、桂塩鯛・・・・・・・・・・・・・・・「はてなの茶碗」
仲入り
四、桂九雀・・・・・・・・・・・・・・・「公家女房」
五、桂ざこば・・・・・・・・・・・・・「一文笛」

11-09-38


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おとなの味

2011-03-16 21:34:38 | 本の少し
おとなの味
平松 洋子
平凡社

☆☆

久しぶりに料理の本。

おいしいチャンプルーをつくるこつが書いてあると思えば、
もらい物のケーキを食べるのに、お父さんが帰ってきてからと、
こどものころは、待ちもうけることの忍耐をたっぷり仕込まれ、と
何とも幸せなことだったと述懐している。

水の味のところでは、菊乃井の村田さんが登場、
「日本料理は水がないとつくれへん料理や。水がすべての中心にあり、
その同心円上に塩味やうまみがある。うちの料理は、この京都の水があってこそ」
東京の水は硬水で、飲んだら喉にひっかかる、と
そして、和食のうまさと、洋食のうまさも、幅広く紹介している。

最近まで、恥ずかしながら、上用饅頭と思っていたぐらいで。
薯蕷饅頭の、「薯蕷」の字面とそのうんちくが聞けて納得。

何よりも、嬉しいのは、繰り返し読んでいる本で、「また、この本」と
自分でも呆れる数冊を紹介している。
獅子文六の「私の食べ歩き」、小島政二郎の「食いしん坊」、子母沢寛「味覚極楽」
すべて読んでないので、読まなければと思うが・・・
でも、あとに続く、金子信夫、荻昌弘、伊丹十三、壇一雄はすべて私の愛読書、
中の料理も作ったりしているので、ボロボロだが、いまだ手元においてある本である。

間にでてくる、料理の写真の上品なこと。
どこをとっても、思わず、お酒が欲しくなる平松陽子さんの「おとなの味」でおます。


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もしもし、運命の人ですか。

2011-03-13 21:21:24 | 本の少し
もしもし、運命の人ですか。 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
クリエーター情報なし
メディアファクトリー

☆☆☆

穂村弘さん独特の、一見頼りなさそうで、それでいて心をつかんでしまう。
母性本能をくすぐる、駄目男の見本のようで、「あなたもしもし運命の人ですか」と
押すでもなく、引くでもなく、一人悶々と女性との出会いを語る。

まるで、中学生か高校生が、初めて女性に声をかける時のような初心(ウブ)さが全編に漂う。
・・・読みながら、私自身も若き日のノスタルジーに浸っているのかも知れない。

恋の要素には、「ときめき」だけではなく、時間をかけてコミュニケーションの
積み重ねによる「親密さ」や「やすらぎ」に価値を見出すことができる、と。

「ときめき」とか「やすらぎ」とか、こんな言葉を48の男が語るだけでも、
見方を変えれば、それだけで気持ちが悪い。
でも、若い時は・・・女の子の、一言一言に過敏になっていた自分を思いだす。

高校時代に戻ったような、穂村弘さんの、恋愛論である。


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「あんたの知らない人よ」~場所はいつも旅先だった

2011-03-06 21:44:50 | 本の少し
場所はいつも旅先だった (集英社文庫)
松浦 弥太郎
集英社

☆☆

今や、「暮らしの手帖」の編集長をつとめる、松浦弥太郎が、
18才で渡米した先でのできごとを綴ったもの。

特に女性との出会いには、こんなことがあるのかと思うぐらい羨ましい
朝のやわらかい日差しにつつまれた朝食が、つねにある。

でも、一番心に残ったのは、「母のこと」と、素敵な関係を紹介している。
できるだけ、ト書きを省き「セリフ」だけを書くと、

久しぶりのニューヨークで過ごした冬・日本を離れて二カ月経ったある日の午後

母○「もしもし、お餅たくさん頂いたから、送ろうと思うんだけどいる?」
弥太郎●「「うん、でも、こっちには焼く道具はないよ。ホテルだから台所もないし、だからいいよ」
○「どう、そっちは」
●「寒いよ。風邪を引いて今日は寝てたよ」
○「熱あるの?」
●「測ってないからわからない」
○「あら、そう」
・・・・・・・
○「ちゃんとご飯食べてるの?」
●「ああ、食べてるから大丈夫だよ」
○「じゃあまたね」

それから、一週間後の朝
○「風邪は治ったの」
●「うーん、まあまあかな」
○「あら、そう。今ね、用事があって近くに来てるのよ」
●「えっ!来てるってニューヨークに?」
○「そうよ、友達に会いに来てるのよ。だからあなたのホテルに
これから行こうかと思ってるんだけどいいかしら?」
●「来るって、今どこにいるの?」
○「空港よ。タクシーでホテルまで行くわ」
●「大雪だから、タクシー走ってないよ」
○「大丈夫よ。じゃあね」

ホテルの部屋に、オーブントースタを持って来て
○「これでお餅を焼なさいね」
●「いいのにこんなにしてくれなくても」
○「じゃあ、私もう行くから」

●「どこに?」
○「友達のところよ」
●「そこはどこ?」
○「空港の近くよ」

○「がんばんなさいよ」
●「うん、ありがとう」

タクシーの中から
○「じゃあね、バイバイ」

三日後、の電話があって、
●「この間はありがとう。しかし、よく英語を話せたね?」
○「親を馬鹿にしちゃいけませんよ」
●「ニューヨークの友達って誰?」
・・・・・・・・
○「あんたの知らない人よ」

この母にして、心をいつも色鮮やかに保つ弥太郎、ありである。
会話は少なくても、想い想われるこころは、いたって濃縮。

旅先でも、読書後でも、こころ洗われる。

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