ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

第133回・須磨寺落語会・・還暦の会

2010-11-28 22:41:59 | 梅団治・須磨寺落語会

紅葉の須磨寺境内、毎回お伺いするだけで、変わりゆく四季も味わえる。


今年最後の、須磨寺落語会・還暦の会と題して、松枝さんの登場。
大ネタ「らくだ」を披露、たっぷりの一席、楽しみですな。


320人の大入り満員。・・・充実の落語会ですな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

良かったですな。・・・・・松枝さんの長編「らくだ」・・。

一、笑福亭飛梅・・・・・・・・・・・・・・・・・「十徳」

師匠の還暦の会で、師匠のハナシをマクラに、旬の海老蔵をからめておもしろい。
携帯電話の注意事項を言いだすと噛みだす。そして、噺に入ると、すんなりと喋りだす。
ネタは、噛まず、一般的な話になると噛むなんて、飛梅さん、芸人さんらしくなってきましたな。

噺は、一番最初のネタ「十徳」、今回も慣れていて、腹に入っているという状態で、
もう何度、高座で噺しているのか、安心して聴けるし、笑いもたっぷり。

私の中では、「十徳」といえば、今や、飛梅さんですな。


二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・「寝床」

今日は、出番からして、「野ざらし」か、「道具屋」あたりかなと思いながら、
「宿替え」とか「寝床」のコンパクトバージョンが聴けたら良いなと思いきや、
以心伝心・・・「寝床」がはじまる。

「寝床」といえば、枝雀さんのが、すぐに頭に浮かぶが、
無駄がナイ、縦横のしっかりした、鶴二さんの「寝床」、私は好きですな。


三、桂梅団冶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「佐々木裁き」

今年、聴いた梅団冶さんのBEST落語と思っていた「佐々木裁き」が、
再び聴けるなんて・・・・・。

四朗吉のかわいらしさと、佐々木信濃守の優しさ溢れる人間味が
梅団冶さんの「佐々木裁き」には、感じられる。

梅団冶さんの落語は、どれをとっても、秀逸。
来週の、12日(日)には、徳々亭で出会える落語会
東京の噺家を迎えてどんな噺をされるのか、楽しみですな。


四、笑福亭松枝・・・・・・・・・・・・・・・・・「らくだ」

松枝さん、55分の長講「らくだ」、大熱演。
らくだ、から、紙屑屋へ、ヤタケタの主人公が、どんどん、移っていく。

「ソーレンや、ソーレンや、らくだのソーレンや」
人の死に、心からお弔いができる、そんな、二人の声を聞いていると、
なぜか、ホロリとしてしまいましたで。

「らくだ」は、笑福亭の十八番・・
・来年には、鶴二さんも、手掛けるとか、楽しみでおますな。



第133回・須磨寺落語会・・還暦の会
2010年11月28日(日)午後2:00開演
須磨寺青葉殿

一、笑福亭飛梅・・・・・・・・・・・・・・・・・「十徳」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・「寝床」
三、桂梅団冶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「佐々木裁き」
仲入り
四、笑福亭松枝・・・・・・・・・・・・・・・・・「らくだ」

10-58-251


大阪の鶴二さんファンが、今回は受付のお手伝いを・・・。

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懐かしの鉄人28号

2010-11-25 22:33:17 | 街で
今日、仕事で、神戸の新長田へ、そこで見たのは、鉄人28号。


悪を滅ぼし、正義の為に、戦う28号。


作家、横山光輝さんは、地元ではないが、神戸出身で、この新長田にこの鉄人28号を。
でも、製作は、私の地元、岸和田だとか


周辺には、横山光輝さんの、もう一つの代表作の「三国志」の石像もあちこちに。
(写真はなくて、すいません)


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かいぶん~またたび浴びたタマ

2010-11-24 06:09:53 | 本の少し
またたび浴びたタマ
村上 春樹,友沢 ミミヨ
文藝春秋


古本屋で、おしゃれな装丁の本を購入、村上春樹の回文の本。

回文で五十音かるたを、作成。
おもしろいのもあれば、なんとなくこじつけで、はてなの作品もあり。

納得、感心の作は・・・。

そうよわたししたわようそ。

てんぐのぐんて。

ねだんたしたんだね。

へんきんからうらかんきんへ

けさはくすりでりすくさけ

〇さて、意味は何、どういう事。


そうよ、私したわよ。・・・・嘘。

天狗の軍手。

値段、足したんだね。

返金から、裏金へ。

今朝は、薬でリスクは避け。

回文、自ら、作ろうとするが、難しい。

八尾の親、ぐらいしか浮かばず、情けない。

ここは、島田陽子さんの本から

あかんたれ・・・・・・の詩を

あかんたれほれたんかあ
あかんたれがこがれたんかあ
あかんたれらふられたんかあ
あかんたれあれたんかあ



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第551回・田辺寄席~桂文華の段

2010-11-21 23:57:15 | 田辺寄席


文華さんの段、前座はまめださん、このGAP楽しみですな。






開口〇番・・「質問アレコレ」・・・桂文太

よくある質問に、この田辺寄席の舞台どうしておられるのですか。
この会場、普段は、卓球とか合気道に使っていて、土曜日の朝に設営し、
日曜の終演後には、ほぼ1時間で解体、ほんまお世話の方、ご苦労様です。

田辺寄席の後ろの額は、橘右佐喜さんの寄席文字、めくりも毎回書いていただいて
噺家さんも、持って帰って、大事に使われているとか。
繁昌亭の額は、言わずと知れた、米朝師匠の「楽」という字。
本人曰く、書というより、落書きと・・・。

見台と膝隠しは、三枝兄はんがくれたもので、材質(ケアキ)が良いので、
しっかりしているけど、結構重い。

座布団も、もし贔屓の噺家さんに寄贈されるなら、中の綿は適当に。
あまり多くて、フアフアは、やり難いし、逆に足が痺れやすいと・・・。

田辺寄席は、鳴物も生でと、一番太鼓もできるだけ多くの方に聞いてほしいので
あえて、時間を遅らせて、いつも叩いています。

まあ、これからも、気になることがあれば、受付にメモでもいれてもらえば
次の機会に、お答えすることにします・・・と。


一、桂まめだ・・・・・・・・・・・・・・「みかん屋」

朝から仕事があったとか、若草色の着物のまま会場入り。
訥々と喋り初め、お客様に大丈夫かと、不安がらせながら、ご自分のペースへ。

田辺寄席とかけて・・・・・とお決まりのなぞかけで、場が和む。
師匠の文福さん、そのままで、語り口まで似てきている。

噺は「みかん屋」、私の噺を聴く為の三つの約束事。
①おもしろかったら、大いに笑う。
②おもしろいとこを探して、笑う。
③おもしろくなくても、笑う。

落語仲間に聞くと、この前の、まめださんの独演会。
「長短」の、長の方がニンにおうてと、「一文笛」も良かったと

でも、今日は、三つの約束事の、②と③の繰り返し。
上を見んと、女房、子供が養えません。
これから文福一門の吉本復帰で、どう変わるのか、まあ
まめださんは、このままのキャラで突っ走るんでしょうな。


二、桂文華・・・・・・・・・・・・・・・・「短命」

一年程前に、引っ越しされた、家が、北田辺で、今日は自転車で、3分半で着けましたと。

でもこの田辺寄席、今日で、551回目、月三回で12カ月、一回が5演目とすると、年間180の噺が聴ける。
上方落語の数は、400とも600とも云われていますが、200あれば、ほぼ網羅しまので、
それを、一年間でやってしまうとすれば、文太師匠、(演者、演目)決めるだけで大変ですな・・と。

いつも、2~3、演目を出すのですが、今回2席なので、6~8演目だすと、
やはり、あまり出ないようなのと意識してだした、「短命」と「猿後家」で決まり。

久し振りなので、昨日、きっちり、繰ってきましたと・・・。

でも私が、会場に早く着いたら、庭で文華さん携帯で話しておられると思いきや、
「猿後家」の奈良案内のくだりをおさらい中・・
文華さんの、常に完成度の高い芸を届けようとする姿勢には、頭が下がりますな。

噺は、「出養生、毒も一緒に、連れて行き」で「短命」。
勢いがあり、噺のおもしろさが直球で伝わる。

文華さん、言葉使いは悪いが、いっこうに柄の悪さにならないのは、
生粋の大阪人の強みか。

喋りだけで、(鳴物なしの噺でも)、上方落語の世界を充分、堪能させてくれる
最高の噺家さんですな。



三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・「味噌蔵」

ケチの旦那が留守の間に、お店の者が、どんちゃん騒ぎ。

「始末の極意」につながる普段のケチ振りがおもしろいが、
食べたいものを注文しようと、番頭が、何が食べたいと聞くと、
マグロの刺身、鯛の塩焼き、レンコンの天ぷらタコの酢の物、
そしてでたのが、「るーちゃん餃子」この言葉、
私が中学の時、初めて落語に出会った時の知ったフレーズ。
確か、仁鶴さんであったようで、懐かしい。

でも、この噺、発生は、江戸それとも上方・・・・。


仲入り


四、桂三若・・・・・・・・・・・・・・・・「堪忍袋」

ざこばが、義理の父であるというのをネタに・・・・。

声の大きいのは良いが、限度がありますな。
特に、ネタに入ってからは、過ぎたるは及ばざるがごとしのように、
大き過ぎて、逆に中味がないようで逆に損をしている。

「堪忍袋」、やはり、夫と妻の、心の機微でおまっしゃろ。
喧嘩するほど、仲が良い。
「家、うまいこと、いってますか、うち、ボロボロですわ」は、義父のざこばさんのマクラ
この、芸風、三若さんも、継承するんでしょうか・・・。

五、桂文華・・・・・・・・・・・・・・・・「猿後家」

すべての登場人物が、活き活き。
特に、べんちゃらを言う太兵衛と、べんちゃら言われて、満更でもないお家はんが、最高。
文華さん・・・凄い、そして、何より、おもしろい。

文華さんの落語を聴いてると、上方落語というより、なぜか
大阪落語(こんな言葉があるのかどうか知りませんが)やなぁ・・・と思う
今日、この頃でおます。
(CDで聴いて楽しいのは、枝雀さんと、文華さんですな。)



最後の、いつもの抽選会、次回の通し券、ペア券、昭和町寺西長屋のお食事券に加えて、
今回の551にちなんで、「551の蓬莱の豚饅」が景品に・・・。

大阪らしい、しゃれでおますな・・・次回12月師走寄席は、「昭和46年入門組」として、
文太、仁智、春駒、雀三郎、の面々が、「がっぷり四つの会」を18日(土)、19日(日)で開催。
結構、濃いおますな・・・。


第551回・田辺寄席~桂文華
2010年11月21日(日)午後1:00開演
桃ヶ池公園市民活動センター

一、桂まめだ・・・・・・・・・・・・・・「みかん屋」
二、桂文華・・・・・・・・・・・・・・・・「短命」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・「味噌蔵」
仲入り
四、桂三若・・・・・・・・・・・・・・・・「堪忍袋」
五、桂文華・・・・・・・・・・・・・・・・「猿後家」


10-57-247


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第549回・田辺寄席~桂宗助の段

2010-11-20 23:06:19 | 田辺寄席

今や、上方の中堅で、一番の実力派、宗助さん、銀瓶さん、文華さん、の登場。
落語ファン、楽しみの二日間ですな。


今日は、思ったより少なめの120名の入り・・・・・落語ファン必聴なのに、もったいない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
開口〇番・・・「崇徳院」・・・・・・・・・・・・・桂文太

崇徳院といえば、恋わずらいの若き二人、若旦那とお嬢さんのお噺ですが、
実際の崇徳天皇は、怨霊伝説があったそうで、その辺りをNHK的に解説。

第75代天皇だが、父鳥羽天皇の実子ではなく、祖父の白河法皇の子であったとか。
それ故に、5才で皇位についたが、24才で異母弟である近衛に譲位し、上皇するが、
その後、武士と手を組み、天皇方を倒すという、今でいうクーデターをしかけるが失敗。
流罪となる。

その後、哀れなる死を遂げた崇徳天皇の怨霊伝説があったとか、・・・・・
そのとき、歴史は動いたと、崇徳院伝説を、史実に基づき解説。

「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の、われても末にあはんとど思う」
あのロマンチックな歌とは違った、崇徳院の一面を知る。


一、桂二乗・・・・・・・・・・・・・・「強情灸」

「京都の二条の四畳半に住んでる二乗が、田辺寄席に参上」といつものフレーズではじまる。
髪の毛も長くなり、羽織も着ての登場、堂々の貫禄。

噺は「強情灸」。本来はもっと、お灸が熱くて悶えてもらわなければ、
そこは、現代青年の二乗さん、いたって、スマート。
でも、最後の方は、ほんのり額に汗がにじんできまってましたな。


二、桂宗助・・・・・・・・・・・・・・「釜猫」

聴いたことがあるようで、誰で聴いたのか思いだせず、米朝さんの珍品集のCDで
生で聴いた気になっていたのか・・・まあ、珍品なる噺でよくいわれる、
皆が語ろうとしない理由は一つ、しんどい割りに、ウケない。笑いが少ない噺だと。

そして、この様な、米朝さんが残した噺を隅々まで伝承しようとする、噺家さん、
お弟子さんが居られるのは、頼もしいですな。

でも、宗助さんの、声量と声の良さには、惚れ惚れしますな。
(目をつぶって聴くと、心地良いこと限りなし・・でも寝てまへんで)


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「夢の革財布」

東京では、「芝浜」、あるとき、「粉浜」として演じると、大先輩からお叱り、
それからは「夢の革財布」として、演じている。

前半の河岸へ仕入れに行き、早すぎて浜で、煙草を吸いながら、
朝明けを迎える、三木助さんの紫のシーンは、わざとらしくて嫌なのか、なし。

財布を懐にいれて、慌てて帰ってくるところから、はじまる。

最後に、50両を内緒にしていた女房が打ちあけるところが、山だが、
ここも、文太さん、案外あっさり。怒りもせず、おかみさんに「ありがとう」。
夫婦の心の乱れ、もつれもなく、淡々とした運び・・・・・・・
「芝浜」を「粉浜」とよんだ時から、人情噺とはオサラバしていたのか。

ウェットのようで、シャイな、文太さんの「夢の革財布」でおました。



中入りの際に、お庭ででるお茶とお菓子。お庭は、お世話の方が整備され気持ち良い。

四、桂しん吉・・・・・・・・・・・・・・「ふぐ鍋」

初めて聴く、しん吉さん。・・・・媚びを売って笑いを取りにいくタイプではなく、
師匠吉朝さんの高座は、こんなんだったのではないかと、聴く。

吉弥、よね吉、吉坊、そしてあさ吉に一人加わる、吉朝の弟子たち。
落語に正面から対しながら、それぞれの個性が出て、頼もしい。

来年も、吉朝一門への足は多くなりそうですな。


五、桂宗助・・・・・・・・・・・・・・「風の神送り」

昔は、「風の神送り」とは、今の、インフルエンザのこと。

医術、薬より、まず、神、仏の力をかりて、それでもダメなら、
風邪の神にお引き取り願おうと・・・・手軽な発想。

「弱身につけこむ風邪の神」という、慣用句があったそうで、
それが、そのまま、「それで、夜網(弱身)につけこんだか」の、サゲになっている。

町の若い者がこころざしを集めて回る、先でのおもしろさ。
送り出す時の、鳴物も入っての「風の神送ろう」は賑やかで、
この二、三日、風邪気味の私の風の神も一緒に飛んでいってくれたようでおます。


夕方、用事で家に帰るが、明日は、文華さん・・・この中堅どころのたっぷりじっくりは
来年も続きそう、しばらく、目が離せませんな。


549回・田辺寄席~桂宗助の段
2010年11月20日(土)午後1:30開演
桃ヶ池公園市民活動センター

一、桂二乗・・・・・・・・・・・・・・「強情灸」
二、桂宗助・・・・・・・・・・・・・・「釜猫」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「夢の革財布」
仲入り
四、桂しん吉・・・・・・・・・・・・・・「ふぐ鍋」
五、桂宗助・・・・・・・・・・・・・・「風の神送り」

10-56-242


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誰よりも落語を愛してる~新釈落語噺・立川談志

2010-11-19 09:17:17 | 本の少し
新釈落語咄 (中公文庫)
立川 談志
中央公論新社

☆☆

この頃、立川流を聴く機会が増えてきたので、ずっと前に読んだ本を
本棚から引っぱり出して、再読する。

最近聴いた噺のお題と重なるのは、「化物使い」「寿限無」「片棒」
「だくだく(書割盗人)」「粗忽長屋」「孝行糖」辺りか。

全てで20席あるが、噺の題材を使いながら、談志は落語一席ずつ、
人間そのものをみている。

15年前だが、既に、今述べている「人間の業」を見定めている。

まあ、おもしろいところをご紹介すると、ラジオで円蔵とやった
「寝床」が、ナンセンスで言葉のイリュージョンである。

「おい番頭、新選組は何で来ないんだ」
「何でも大林組と合併しまして、いま揉めていまして・・・・。」

「猿飛佐助はどうした」
「忍術で消えたンですが、元に戻らなくなっちゃて来ても分からナイとか」

「山手線の運転手はどうした」
「ブレーキがきかなくなっていまグルグル回ってまして・・・。」

「幼稚園の生徒はどうした」
「皆ンな家に帰っちゃいました。」

バカバカしくて、おもしろい。

こんな、遊びができるのも、談志が常々云う、「古典」に感謝ですな。

1995年6月初刊であるが、この本から、伝わるものは、
談志は、誰よりも「落語を愛してる」の一言である。


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ハナシのはじまりか~明烏

2010-11-17 06:33:36 | 本の少し
明烏 落語小説傑作集 (集英社文庫)
小松 左京
集英社

☆☆

落語にちなんだ噺が四作。本の題になっている、「明烏」よりも、
二作目の「天神山縁糸?w環」(てんじんやまえにしえのおだまき)が、
おもしろい。

ここにでてくる、桂文都は、桂米朝氏であり、
大杉先生は、作者自身の、小松左京氏である。

この二人が落語の世界で、絡む、場所は「天神山」の舞台、一心寺で、
小糸の墓を探す。落語会でのネタは「立ち切れ」・・・そして舞台の上で
三味線の音が・・・・。

TVの「ちりとてちん」、や田中啓文さんの「笑酔亭梅寿、ハナシシリーズ」の
原型は、この左京さんの「天神山縁糸?w環」にありとみた。

大森望さんが、後ろの解説にて、コンパクトに述べられているので、
そのまま写させていただくと、

「天神山縁糸?w環」、問題小説1975年11月号初出
上方落語の「天神山」と「立ち切れ」を組み合わせ、落語という芸能の本質に
迫りつう、楽屋噺まで、盛り込んで、現代的な人情噺に仕立て上げた奇蹟の様な
傑作。のちに上方落語界初の人間国宝となる・桂米朝の至芸を活写した落語論
としても出色の出来ばえだ。小松作品のみならず、落語をモチーフにした
あらゆる短編小説の中でも、これに太刀打ちできる作品はいくつもないだろう。
上方落語ファンを自任しながこの傑作を未読の方がいたら、この一編のため
だけにでも本書を購入する価値があ・・・・・と。・・・べた誉めである。

「ハナシ」のはじまりは、この「明烏」か・まずは、読むべし。


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恐妻家のつぶやき~「妻と罰」

2010-11-15 00:03:01 | 本の少し
妻と罰 (文春文庫)
土屋 賢二
文藝春秋



久しぶりに読む、土屋賢二さんのエッセイ。


◎「新年の誓いで、性格と運勢が分かる」の項では、誓いを個別に分類している。

①「ダイエットする」「無駄使いをやめる」「タバコをやめる」
②「今年中に世界平和を達成する」「地球の自転を念力で止める」
「平和な家庭を築く」「哲学の細かい問題を一つでも解決する」
③「今年から公金を横領するのをやめる」
「脂肪と塩分中心野料理を夫に食べさせるのを控える」
④「犬に吠えられない」「一日一回は叱られない」
「今より苦しみの少ない年にする」
誓いを立てないのも、誓いを守れないのも、間違った生き方だが、
それ以上に問題なのは、安易に、年の初めに誓いを立てる人だと。
そもそも、実行できるなら、誓いを立てるまでもなく、即実行しているはず、だと。

でも、新年を迎えて、自分も新しくかえるべく、何か誓いたいもんですな。


◎「女は不純だ」の項では、オーディオマニアには、女はいないという。

カネが無いからではない、興味を示さないのは、いくら良い音がでても
①着られない、②おいしくない、③痩せない・・・からだ。
土屋さんの、聞きなれた、独特のこの云いまわし。

だが、この結論は間違っていたと、実際は機械にお金をかけるぐらいなら、
ライブへ行って、ナマで見たいという。狙いは音楽そのものではなく、
演奏者なのだ。

作者の土屋さん、家の中であれやこれやと文句を言われているような
恐妻家で、いかにも、妻の存在がうとましいように、書かれているが、
実際は、愛する妻の行動が気になってしかたがない、愛妻家に違いない。

我家でも、今週、ちょっとした事件が、
娘が買って着た、堂島ロールを食べていて、妻が突然、
「あぁー・・。忘れてた・・・。」の、一言で・・・、自分もはたと・・・・。
二人とも、先月末の結婚記念日を忘れていた・・
・・・・今まで、こんなこと一度もなかったのに。

その日は、・・・私は出張から帰って来た日であり、妻は
娘と一緒に、その日は、「嵐のコンサート」やんか。
ついに、私も嵐に負けてしもたんですなぁ。

ああ、あの日、何かプレゼント、買っとけば、この一年、エラそうな態度で
過ごせたのに、チャンスを逃してしまった・・残念。

まあ、色んなことが、思いつく、土屋さんのエッセイは、続くと辛いが、
たまに読むと、おもしろいですな。



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市民寄席・東成区ふれあいのつどい~豪華メンバー

2010-11-10 23:44:34 | 笑福亭鶴二

市民寄席・・・・・・仕事の終えて掛けつけるが、雀太さんは終わり、壱之輔さんの途中で入場。



531名のぎっしりのお客さま。
一番、後ろで見る・・・滅多にないない、アングル。



中入り後の舞台、都さんが出てこられたところ・・・。


二、桂壱之輔・・・・・・・・・・「真田小僧」

遅れて着くと、もう既に壱之輔さん、それも「お父ちゃんがおらん時に、
お母ちゃんはと、男の人が訪ねて来たで、あと、聞きたい?」
ああ、真田小僧(六文銭)や、今日の壱之輔さん、どっかんどっかんと
大いにうけている。・・高座の壱之輔さんも、どっしりとしていて、
お客さまとの、笑いの間合いが、最高に良い。

こんな、壱之輔さん初めて・・まぁ、落語仲間では、最近の壱之輔さん、
一皮剥けてなかなかのもんと、そして、既に師匠を超えてしもうたと、
シャレですが、もっぱらの評判。目の前の舞台を見て、納得。

真田幸村のくだりは、一切なし。今度はじっくり、最初から聴きたい
壱之輔さんのネタが、できましたな。


三、笑福亭鶴二・・・・・・・・「延陽拍」

500名もの会場の最後尾で見るなんて、久しぶり。
でも、客席の笑いを感じながら聴くのも、これまった、よろしおましたで。

今日の鶴二さん「延陽拍」、独演会も終わって、ほっと一息なのか、
余裕が感じられ、客席の笑いのこだまを待っているように、
笑いのツボの間合いが、絶妙。

「ちんちろりんの、がーさ、がさ」
「ぽーりぽり、の、ばーりばり」
「よいよい、よい」、「いてこらせ」
会場に合わせて、普段より、おおきな仕草。

いつもと違うアングルだけに、いつもと違う鶴二さんを見たような
気になりましたな。

鶴二さんが、終わって舞台へ下りると、客席がざわざわ、
「おもしろいな」「、良かったな」とかの、お客さんの呟きで、会場がざわつく。
こんな空気、吉本か、角座の寄席以来、市民寄席ならでは雰囲気、よろしいな。


四、林家染丸・・・・・・・・・・「天下一浮かれの掛取り」

来月は、もう師走であり、「掛取り」
大晦日の節季に、支払いのできない夫婦。夫が、考えたのは、
取立ての人の、それぞれ好きなもので、追い帰そうと、
最初は、狂歌好き、次は浄瑠璃、歌舞伎に喧嘩。
それぞれ、演じ終わると、客席から拍手が沸く。

落語が、古典芸能として、歌舞伎や浄瑠璃の基礎が必要な
奥の深い芸であることを、知らしめる、染丸さんの格調高い高座でおました。

尚、原作は、林家のオハコなのか、林家蘭丸というお方とか・・。


五、露の都・・・・・・・・・・・・「みやこ噺」

全編、みやこ噺で、通して聴いたのは初めて、創作の部類に入るのか
そしたら、題名は、「天ぷら」か・・・。

まずは、買ったお釜・・・「おやすみなさい」、「おはようございます」と、
挨拶する、炊飯器の話し。

保険屋からの電話に、断るには「今、天ぷら、揚げてんねん。」が、一番。
夜中の寝ようとしている、旦那さんに、機関銃のように、喋り続ける都さん。
たまに聞く私たちは笑えるが、毎日聴かされる旦那さんは、大変でしょうな。

でも、家族の楽しさが暖かく伝わってくる都さんの「みやこ噺」おもしろおましたで。


六、月亭八方・・・・・・・・・・「算段の平兵衛」

恥ずかしながら、生で八方さんの落語が聴くのは初めて、
それも得意ネタの「算段の平兵衛」が聴けるとは。

さすが、吉本で鍛えた芸、笑いは貪欲にとっていく。
ただ、サービス過剰で、例えば、お花が化粧する処で、一般の女性が化粧をするならなどと、
他のとこでも、度々、落語の世界から現実の世界へ、引戻す。

どっぷりと、落語の世界のみで、十分笑いがとれるのに、もったいないと思うが、
なぜか、自ら、自分の落語に突っ込みをいれる、これが、八方落語なのか。

サゲは、あんまの徳さんが出てきて、平兵衛をゆするという処で、終わり。

他の噺も、早く聴いて、確かめてみたい・・・。

各噺家さんの、得意ネタのオンパレード。価値あるこの東成の市民寄席は年一回との事。
帰りは、皆で鶴橋まで歩いて、お誘いいただいた、Ⅰ氏とT氏と、焼鳥で一杯・・・・。


市民寄席~東成区ふれあいのつどい
2010年11月10日(水)
東成区民ホール

一、桂雀太・・・・・・・・・・・・「(道具屋)」

二、桂壱之輔・・・・・・・・・・「真田小僧」
三、笑福亭鶴二・・・・・・・・「延陽拍」
四、林家染丸・・・・・・・・・・「天下一浮かれの掛取り」

仲入り
五、露の都・・・・・・・・・・・・「みやこ噺」
六、月亭八方・・・・・・・・・・「算段の平兵衛」

10-55-237


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第13回・笑福亭鶴二独演会

2010-11-07 21:42:38 | 笑福亭鶴二

第13回・笑福亭鶴二独演会


写真はすべて、Takeshi Masuda PhotoGraphyより転載、主催者の許可を得ています。


補助席まで、でて、大入り満席の会場。


一、笑福亭呂竹・・・・・・・・・・・・・・「普請ほめ」

鶴二兄さんは、笑福亭の次代を担う方であり、それでいて下の者には優しく、
私たちの憧れの存在ですと・・・・・これぐらい誉めておくとあとでたっぷり
お酒をいただけそうで・・・誉めることから、「普請ほめ」へ。

牛ほめでまで往かず、普請ほめで終わるが、どんどんサゲにむかって、
客席の笑いが、大きくなっていく。噺自体の、おもしろさがにじみ出る、
好青年の呂竹さんの落語に、またまた、はまってしまう。

サゲは、「うち息子が会社で、帳簿に穴をあけてしもうたらしい」
「それやったら、そこにも、あきばはんのお札、貼っときなはれ。」と、
新しい、スタイル。・・・・・すべてのことに、気づかいのできる呂竹さん、
落語は、最後には、その人なりが落語にでるので、じっくりと
安心して眺めることのできる噺家さんの一人です。



二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「野ざらし」

待ってましたの声とともに、鶴二さんの登場。

鶴二さんが、高座に上がるなり、いつもながら、二人のファンの方が
舞台の袖まで来て、ご祝儀を手渡しされ、独演会がはじまる。

今年で、13回目の独演会ですが、来年は芸能生活25周年、会場も国立文楽劇場で
、ここのキャパの2.5倍の大きさで、満員になるのか今から心配ですと、
今日お越しのお客様は、是非、一名ずつ、お連れさんを連れてお越しくださいますよう
お願いします・・・と。

噺は「野ざらし」、私は、鶴二さんの野ざらし、好きですな。
明るくて、楽しくて、こんな奴、おらんと思いながら、
やることなすこと、おもしろくて、釣り人ではないですが、
釣りはいつでもできます。こんなんめったに見れまへんで」と・・・・
そんな気にさせる・・鶴二さんの、「野ざらし」でおます。




三、笑福亭瓶吾・・・・・・・・・・・・・・「化け物使い」

瓶吾さん、鶴二兄さんの人柄の良さと、師匠の鶴瓶さんとの、
少しオトボケのエピソードを披露。

噺は、「化物使い」、瓶吾さんの化物、一つ目小僧、三つ目入道、のっぺらぼう、
すべてがかわいい・・・。私も、執念、怨念で、でてくる幽霊は怖いですが、
人を驚かしてやろうとする、シャレででてくる化物は、見てみたい気がする。

本来、人遣いの荒さが強調されるが、瓶吾さんの場合、化物との会話を楽しむと云うか
化物を怖がらない人間に戸惑うのを、楽しんでいる。

でも、三人の化物の実際の台詞がなく、一人語りですすめられるが、
化物が、活き活きと現れる・・落語って、凄いですな。




四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「替り目」、

「お母ちゃん、いつも心の中で、大明神と手を合わせてるで」
「ああ、お前、そこに、おったんかいな」・・・と。

そのあと、うどん屋に、燗をつけさし、友達の娘の結婚式の話で、ほろりと。
後半の鶴二さんは、一人酒盛状態で、最高に良い。

あと、三年もすれば、しっとりする噺、「立ちきり線香」あたり、
聞けるんでしょうか。



五、ミヤ蝶美・蝶子・・・・・・・・・・・「漫才」

「てぇい」で、一世を風靡した、おねいさんたちの登場。
当時18才でデビュー、漫才していたのは、5年間。
お互い、結婚したので、、コンビ解散、17年間芸能活動休止していたが、
再び、舞台へ、理由は、二人とも揃って離婚。それから7~10年、
お歳は、50才~か。

蝶美さんは、秋吉久美子似と自らいうように、可愛い。
蝶子さんは、小林幸子似というが、辛うじて面影はあるが、
どちらかと云うと、斉藤陽介さんに酷似。

この頃、生の漫才を聴く機会がないだけに、蝶子さんの歌に
仰向けにこける蝶美さんを見てるだけで、嬉しくなる。

漫才さんとの出会いは、鶴二さんの独演会の楽しみのひとつですな。


六、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「遊山船」

なぜか、夏の噺を・・喜六、清八のかけあいが楽しく、庶民の夕涼みの光景が目に浮かぶ。

「去っても、きれいな、錨の模様」・・「風に吹かれて、流れんように」
「さっても、汚い、イカリの模様」・・「質においても、流れんように」
粋な、嫁さんですな・・・。

「青菜」の嫁さんといい、「替り目」といい、落語にでてくる嫁さんは、
いちびりのおっさんに、結構つきおうて遊んでくれますな。



それぞれ、においの違う三席、鶴二さん、味わい深く演じきる。

来年は、笑福亭の十八番「らくだ」とか、楽しみでおますな。


第13回・笑福亭鶴二独演会
2010年11月7日(日)午後2:00開演
ワッハ上方5F・ワッハホール

一、笑福亭呂竹・・・・・・・・・・・・・・「普請ほめ」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「野ざらし」
三、笑福亭瓶吾・・・・・・・・・・・・・・「化け物使い」
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「替り目」
中入り
五、ミヤ蝶美・蝶子・・・・・・・・・・・「漫才」
六、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「遊山船」

10-54-232


第14回・笑福亭鶴二独演会
・・・芸能生活25周年・・・・・
は、2011年9月17日(土)夕方開演
国立文楽劇場にて、開催予定。



打ち上げでの、ほっとした鶴二さん。


仲良しの、鶴二さんファンのお顔・・・。


奥の席の、大姉御(失礼)たちと、今回のお世話役の正覚寺の住職と、本こころやさん。

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寝ずの番~中島らも

2010-11-05 00:36:56 | 本の少し
寝ずの番 (講談社文庫)
中島 らも
講談社


落語仲間の方から、らもさんの「寝ずの番」と、左京さんの「明烏」という
落語関連の本があると、紹介されたので、早速、本屋へ。
「明烏」は、現在、大阪の本屋には無く、「寝ずの番」のみ購入。

本の題になっている「寝ずの番」は、三部作。
最初の「寝ずの番」はの噺家橋鶴は、六代目松鶴の死ぬ間際の話がそのまま語られる。
死ぬ間際の一言は有名だが、ここでは、多少変えられている。

次の、橋鶴師匠の一番弟子の、橋次さんというのは、
独演会を開いたら、千日前のデパートは火事になるし、天六でガス爆発はおこるは、
ニュージャパンの火災はおきる終いには、飛行機まで落ちると、大惨事が不思議とおきる。
まあ、禍を呼ぶ男と異名をとる、三代目桂歌之助がモデル。

三部の、志津子ねえさんというのは、松鶴師匠の奥さん、あーちゃんの事。
粋で、弟子たちを可愛がり、破門になりかけているのをいつも間に入ってとりなす。

あとがきで。吉朝さんが、ぼやいているように、これらのエピソードは、すべて
噺家たちが、普段、話している事ばかりで、そのネタを、らもさんが、本にしただけと・
それで、印税が入るとは、納得いかないと・シャレか本音、とにか、ぼやく。

まあ、既に、色んな本で語られていることばかりだが、売れっ子の本書きともなれば、
こんな酒場での、うだうだ噺でも一冊の、本になってしまう。

最後のほうの、「ぽっかぁーん」は、小さい時に言って遊んだような、懐かしさが湧くが。
夏に読んだ「変」も、良いも悪いも、ほったらかしになっている。
私にとって、らもさんの本は、いつも後悔するのに、なぜか買ってしまう、不思議な作者である。




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つらい人生~噺の咄の話のはなし・春風亭一柳

2010-11-02 07:30:10 | 本の少し
噺の咄の話のはなし (1980年) (ヤゲンブラ選書)
春風亭 一柳
晩声社


「噺の咄の話のはなし」・春風亭一柳・・・・・・「つらい、人生ですなぁ」

前回読んだ、さん生(川柳)さんの「、ガーコン人生」に連れの好生(一柳)さんと
共に、師匠の円生さんに感情のもつれから、真打昇進も遅れ、結局遠ざけられる
存在になっていく。

落語界の師匠と弟子は親子、でも馬が合わないとかで、この関係が崩れると、
これは、悲劇としか言い様のないものになる。

でも、師弟間のもつれは、この世界では、どんな場合でも、弟子に非があると
考えるのが、常識になっている。それは、弟子の方から選んだことであり、
師匠の方から、決して、勧誘などした訳ではないからである。

ただ、師匠とうまく合わなくても、好きな落語を愛し、その腕を磨くことを
拠りどころにすれば、何も問題は無かったと思えるが、
それを、酒へと、自分の逃避の道を、結びつけたことが、つらい人生の始りである。

自分は悪くない、悪いのはすべて、師匠であり、周りのものである。
そして、そんな自分にも嫌気をさす、まさに、鬱病患者の典型症状である。

1979年9月、円生師匠は亡くなり、この本の最初の出だしで、
「うれしかった師匠の死」と書いているが、2年後の7月、追かけるように
一柳さんは、自宅であった団地の屋上より投身自殺で亡くなる・・
・・・・・・・享年45才であった。

「つらい、人生ですなぁ」




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