ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

クラクラ感覚との出逢い~毎月新聞・佐藤雅彦

2009-09-27 12:21:18 | 本の少し

毎月新聞
佐藤雅彦
中公文庫・648円
☆☆☆☆☆

「毎月新聞」、毎日新聞の夕刊に月一回の割で掲載。
1998年から2002年の毎月、日本一小さな全国紙として、
佐藤雅彦さんが、御自身の出来事と想いを書かれている。

3コマまんがの「ケロパキ」もあり、2003年以降は単行本でも
あり、追いついて買わなければ、そして、朝日から毎日に新聞
変えようかと、それぐらい、次が読みたくなる本。

でも、実は、この新聞、この本に掲載されている、
47話(2002年9月18日(水))で終わっている。
ホットするような、そして淋しい想い。

ちょうど、昨日、仕事で津山へ、その高速バスの中で完読。
第22号の「情報の力関係」はズバリ、売場でのPOPに通じるし、
第31号の「これを~とする」は、信じるものこそ救われる、
これをすべてとする、これをBESTとする。
信じる者が儲けになると、今日一日の仕事に通じる。

でも、経済的に、論理的に、述べていると思うと、第34章の
「真夏の葬儀」では、感情的に、情けの部分に訴えるられる。
バスの中なのに、不覚にも目頭が熱くなる。・・かっこ悪い。
なんという文章の力、文章の情報・・・とても恐ろしい。

この、4年に亘る、47号のミニ新聞がすべて掲載。
毎日新聞の購読者には、既にご承知にの感動かも知れませんが
初めての出逢いした私には、最高の喜び。
一気に読むというのでは無く、何度も本を閉じる。
それを、車中で何度となく繰り返す。
今から、思うと一番感動した時の、私の本の読み方か。

昨日まで気づかない「日常のクラクラ構造」は、クスリの笑い。
今、日頃感じている、よき刺激であり、よきお手本となる一冊。
この本の出逢いが、私にとっての、クラクラ感覚でおます。

早速、大阪着後、梅田のヒルトンの上の、JUNKUDOで、
佐藤雅彦さんの「プチ哲学」、買いましたでぇ。

落語会、行けぬ分、本で紛らわしていますが、
来月は、落語会に足を運ぶぞ・・・。


毎月新聞
佐藤 雅彦
毎日新聞社

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もう駄ァ目~談志絶倒昭和落語家伝

2009-09-26 05:31:38 | 本の少し

談志絶倒昭和落語家伝
立川談志
大和書房・2600円
☆☆

立川談志が、昭和の名人を自分の見たことだけを基準に、
すき放題、こけおろす。
名人、円生、柳好、文楽を筆頭に、少ない思い出と浅いエピソードと
言いながら、ここまで名人の細部まで見ている噺家は、東京でも
いないのではないか・・何を見るにもへそまがりであるが
本質を見る談志ならでは名人紹介・・・・・・まさに生き字引。

落語とは何かを伝えるべく、談志しかできない次世代への
歴代の師匠連と談志本人も加えた、伝承すべき、落語家伝である。

いつものごとく、論理めいて、自分の世界ヘ引きずり込もうと
しているが、その根底には、落語を愛する心意気が脈々と流れている。

あとがきには、久しぶりに書いた。疲れた。もう駄ァ目。
立川談志、終わりに近い。いや、もう終わったか。
「落語とは何か」が解ったのは六十代だったと、つまり遅咲きだ。
それでよかった。それで今があり、満足がある。
いつ死んでも構わない。いや、仕方ない。・・・・いたって弱き。

今、体調をこわされていますが、談志師匠には、弱気は似合わない、
早く元気になられて、再び舞台でのあの毒舌を期待しますな。



談志絶倒 昭和落語家伝
立川談志
大和書房

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大層なお題~人生の醍醐味を落語で味わう。

2009-09-24 21:01:44 | 本の少し
人生の醍醐味を落語で味わう (PHP新書)
童門 冬二
PHP研究所

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700円・☆

第一章・困った人付き合いに効く落語の一言
・・・・・・「道灌」、「厩火事」、「酢豆腐」
第二章・イヤな仕事を楽しむ落語の知恵
・・・・・・「堪忍袋」、「長屋の花見」、「居残り」
第三章・家族の人情を描く落語の名場面
・・・・・・「藪入り」、「火事息子」、「近日息子」
第四章・憧れる?呆れ返る?落語的生き方のすすめ
・・・・・・「芝浜」、「小言幸兵衛」、「碁どろ」

など、帯を見ると、いたっておもしろそうだが・・・・・。

落語の噺の中身を教訓めいたものに置換えて述べているが、
はたして、落語から人生の生き方を学ばなければならないのか。

落語の笑いも、悲しみもすべて人を愛することからはじまる。、
落語の知恵を活かせと、落語的生き方を薦めているが
普段から、落語大好き人間には、教科書としての存在自体が、
ナンセンスなような、説教じみてて、素直になれない一冊である。
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休日の昼下がりの居酒屋~新・丸八寄席

2009-09-22 23:59:21 | 笑福亭鶴二

・・今回から、カラーのチラシ・・・

大好きな、鶴二さんと、ナオユキさんが、同時に見れるとは。
中津寄席以来か、遠い昔のような気がしますな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


会場の今里商店街にある・丸八・・・居酒屋そのまま・・


2階の片隅につくられたコンパクトで、チョット不安定な高座。

いつもは開催が夜で、一杯のお客さん・・でも今回は昼過ぎで
落語優先のお客さんだけで、30名ぐらいで、ゆったりと。
小選挙区の落語ファン、比例代表の居酒屋ファン、
票の読みが難しい・・・・次回はいつもどおりの、夜に開催予定。



丸八の暖簾・・・・・・元々は春團治師匠がやっておられた丸八寄席。
それを弟子の春之輔師匠と、丸八の若旦那と高校の同級生
鶴二さんが受継いだ、新・丸八寄席・・・今回で四回目。


一、フル・コンタクト・・・・・・・・・・・・・「漫才」

M1グランプリ、第一次予選通過のコンビ。
名前の、フルコンタクトは、空手でいう寸止めではなく、
正味、どつくことなり・・真剣勝負という意味か。

名前通り、突っ込みの度に、相方の顔面に厳しく平手がとぶ。
落語になれている私には、生身への音、正味の叩きが痛々しい。
面白味の前に、芝居、決め事と解っていても、引いてしまう。

落語、漫才、笑いの追求は同じながら、道は違うのか
考えさせられる、漫才・コント(この違いも正確には解らない)でした

二、桂壱之輔・・・・・・・・・・・・・・・・・「転失気」

前回は、「崇徳院」をトリで演じましたが、今回は降格か、
また前座で出直しと定位置に戻っての出番ですと。

マクラもそこそこに、即本題ヘ。

知ったかぶりをするのは、いつの世にもあるようですが、
「天失気」オナラが解らず、お住持と小僧の珍念との珍問答。
でも、この噺、騙された珍念の騙す方に回る逆襲劇。
この、小僧の悪戯心が、笑いの壷。・・・そこを押さえなければ
・・大きな笑いが少ない噺・・壱之輔さん難しい噺に挑戦ですな。

サゲは、「酒杯(サカヅキ)古い時代からあったんでしょうな」
「ええ、そら、奈良、平安の時代から」・・・

三、桂春之輔・・・・・・・・・・・・・・・・・「まめだ」

まめだ、豆狸、ちびの小狸の事。
「豆狸が徳利もって、酒買いに・・・・」

「まめだ」。三田純市さんの作。米朝さんの「一文笛」と同じように
新作でありながら、既に古典の仲間入り。

この噺、の舞台のくすり屋さん、現在、三津寺さんを通る度に
斜め向いに、大きさも丁度、勝手にここかといつも思っている
陶器屋さんがある。・・・迷惑なはなしでんな。

最初に、主人公、大部屋の役者で、トンボきるのが得意というのが
抜けていて、突然のトンボに客としてはツイテいけず戸惑う。

サゲは、まめだの回りに、イチョウの葉がサラサラと集まって、
「狸の仲間から、ぎょーさん、香典が届いたな」と

この噺、笑いは少ないが格調高く、
サゲは情感たっぷりで美しい。

春之輔師匠の十八番、有難う御座いました。

四、ナオユキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・「スタンダップコメディー」

フスマから登場、舞台の前に立っただけで、
期待が膨らむナオユキさん。

最初の出会いの不思議感から、たまに戻る田舎のような
哀愁感に進化か。解っているけど懐かしさに、クスクスと
思いだし笑いのような微波がおこる。

主観的にみるか、客観的にみるか。
ノーマルか、アブノーマルか。
どこに位置するか、視点の位置で全ての価値観が変わる。
その、発想の着眼点、GAPが、ナオユキさんの笑い。

ごまめの選ぶBEST3は、「バーで、何で割りましょか」
「天然の女の子」、そして今日聴いた「踏んだり、蹴ったり」ですな。

どれも、紹介したいが、ネタばらしは営業妨害になるので遠慮。
あの、ボソボソ感が無ければ、十分の一も伝わらないので
是非、ライブでご覧あれ。

まだ、一度も見たことがない方、ナオユキさんの出るTVあり。
深夜ながら、マニアには密かな人気らしい。
今日知ったところで、私も実はまだ見てないのですが。

☆水曜日の関西TV(CH8)、01:35~「ビデグラジン」☆
まずは、録画のセットしておかなければ。

五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・「高津の富」

笑福亭の十八番、そしていまや、鶴二さんの十八番「高津の富」。
何度聴いても。よろしいな。

今日は、お客さんが、30名・・・最初、笑いの渦が小さかったのが、
高津さんの境内ヘ行ってからは、エンジン全開、・・爆笑の渦。

笑いというのには、日によっては、客席が温まるというか
アイドリングに時間を要するのが、ようわかりましたで・・・。

でも、「高津の富」この噺、いったい季節はいつなんでしょう。
宝くじ、イコール、年末ジャンボで、
勝手に冬の噺と思っているのは、私だけでしょうか。

来月は、正覚寺落語会、須磨寺落語会、と
鶴二さんの落語会が続き、楽しみですな。

・・・・・・・・新しい落語会のご紹介・・・・・・・・

◆第一回・正覚寺落語会
10月4日(日)14時開演
「第一回 正覚寺寄席」
笑福亭鶴二・桂福矢・笑福亭呂竹
@正覚寺(南海高野線「帝塚山」徒歩5分)

木戸銭・1500円・・・問:正覚寺06-6671-6229


第4回、新・丸八寄席2009年9月22日(火)午後2;30開演
今里・居酒屋丸八

一、フル・コンタクト・・・・・・・・・・・・・「漫才」
二、桂壱之輔・・・・・・・・・・・・・・・・・「転失気」
三、桂春之輔・・・・・・・・・・・・・・・・・「まめだ」
仲入り
四、ナオユキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・「スタンダップコメディー」
五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・「高津の富」



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第509回・田辺寄席~桂雀々の段

2009-09-20 23:26:27 | 田辺寄席
今回、大学時代の友達に声をかけると、ご両親と奥さんの四名で参加。
実家が、昭和町なので、これからも落語ファン、
田辺寄席ファンになって貰えれば。

・・・・・・・・・・・・・・・雀々さん二席の表看板・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・雀々人気・大入り満員の会場・・・・・・・・・・


開口一番・・・・・・・「チ」・・・・・・中の舞

出囃子紹介・・・染左さん締め太鼓持って舞台へ。

「本調子、中の舞」の後、
「二上がり中の舞」を、
これ東京では、小三冶師匠、大阪では枝三郎さんが使用とか。
出囃子で、誰の出囃子か、イントロドン、難しいですな。
曲名までと言われると、いくら答えられるか・・・。

一、林家染左・・・・・・・・・・・・・・・「花色木綿」

染左さん、上品でどこか知的な泥棒。
長屋で何にも無い部屋と言われながら、引越し前の
新しく無いが畳もすっきり見えてしまうのは私だけか。
染左さんの育ちの良さが災いしている、どろぼうネタ。

何事も、芸の肥しと、経験がものをいうというても、
まさか、泥棒する訳にはいかず、
ネタ選びで上品路線を選ぶ方が、早いようで・・・。

二、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・「天王寺詣り」

敬老の日で、先日行った敬老会での話し、おもしろい。
本ネタが、霞むのでは無いかと危惧するぐらい、
マクラから、たっぷり、じっくり、雀々ワールドに引き込む。

主人公は、雀々さんが乗り移った様な、
物知らずというより、おちょこちょいのキャラ。

縁日で、寿司を握る達者な手さばきみていると
ほんまに握れるかと思うぐらいお見事。

お彼岸に相応しいお噺、一緒にお詣りさせてもらいました。

三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・「茶目八」

太鼓持ちの語源は、芸子さんの太鼓を持ってあちらこちらへと。
太鼓は常に、当り撥のそば、金持ちのそばにおるから、とか。
幇間の、幇の字は、幇助とかの助けるとかの意味。
場を盛り上げ、助けるとか、いずれにしても、別名、男芸者。
旦那の機嫌を覗う、大変な仕事ですな。

これは、太鼓持ちのネタ、それとも泥棒ネタ。
それしても、靴は盗む、時計は盗む、又知らぬ顔で、これを売りつける
これだけの事をされても、茶目八を可愛がる旦那。
・・・・・遊んでるお人は、懐の大きさが違いますな。

サゲの「頭から火がでますわ」の後、
茶目八の騙されぶりを肴に、二人で一献したためたんでしょうな。

こんな、酒、呑みたいですな。

四、フロッグ西嶋・・・・・・・・・・・「ステージ漫画」

木川かえる師匠の弟子、といいながらそこそこの高齢。
今日はマイク無しで、肉声でこの大きな会場の皆さんに
聞こえるように声張り上げて・・なぜか入れ歯の調子が心配に。

フロッグといえば、昔「コルゲンコーワ」のかえるの人形。
小さい時、指にはまるあの小さな人形、欲しかったですな。

味のあるステージ。音楽は60年代ポップスをラジカセで流しながら
ボソリボソリの語り。絵が似ているとかではなく、色物、息抜きですな。

特に、雀々さん二席では、このような舞台、癒しの芸、貴重ですな。


五、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・「遺言」

落語作家、小佐田定雄さんの作。
雀々さん以外でかける人が居られるのか。
他の人では、想像がつかないぐらい、雀々さんの噺。

玉造のおばはんから、川口のおっさん、そして住吉のおっさんとこへ
地下鉄も車も乗らず、只ひたすら大阪中を駈けずり回る。

演じる雀々さん,いつも汗ビッショリの体力勝負ですが、
この噺,聴いてる方も最後にはぐったり。

この落語のサゲではないですが、
世の中、子供に残したい言葉なんぞ、こんなものかもしれまへんな。

「遺言」・・この噺、筋立てというより、演者の技量で聴かす噺。
坊枝さん、文華さん、あたりで、是非聴きたいですな。

嫁さんもご満悦の、雀々さん、たっぷり二席でおました。


第509回・田辺寄席~新じっくりたっぷりの会
~桂雀々の段

一、林家染左・・・・・・・・・・・・・・・「花色木綿」
二、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・「天王寺詣り」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・「茶目八」
仲入り
四、フロッグ西嶋・・・・・・・・・・・「ステージ漫画」
五、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・「遺言」

09-64-290
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充実の二時間~らくご道

2009-09-18 23:46:58 | 南天(こごろう)の会
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上方亭の玄関・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・開演前の照明が落ちている舞台・・・・・・・・

一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「三人旅」

語り口は、上手い。
入門してまだ、確か二年だが、もう5から7年目の噺ぶり。
良き師匠に一番弟子としてつけば、基本が出来、成長も早いのか。

それぞれの馬方、喜六、清八、源兵衛、
登場人物のセリフのリズムが良く心地よい。

この三人旅、ひとつ間違えれば、何のおもしろさ、山場の無い噺で
たっぷり笑いをとるなんぞ、・・この噺では、福笑師匠並みか。

笑いたっぷりのネタを聞くのが、今から楽しみですな。


二、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「骨つり」

今、露出が多すぎて、マクラを毎回替えるのが大変で
そう度々に、おもしろいことが、ある訳では無く・・辛いですと。

この前のマクラ、なかなかようできて、たっぷり笑いもあるので、
聞いてない方には是非と思うし、聞いた方には失礼やしと。

マクラは「旬」のものと云う考え方が、こごろうさんにはある。
いまどき、マクラにそう凝らない噺家さんの多い中、
いつもマクラが新鮮なのは、本題の落語はもとより、魅力ですな。

今年の秋から、ABCラジオの「歌謡大全集」レギュラーに決定。
ナイターオフ期間だけですが南光師匠の後釜に。
有難いですな・・ほんま、師匠に感謝、感謝です。

その南光師匠が、米團治襲名の地方公演で出られない時、
ピンチヒッターで、出さして頂いた時、もう一人のパーソナリティの
土谷多恵子さんに、こごろうさん、話題の映画忌見いや。本読みやと。
普段一切本を読まないこごろうさん、今必死に読み出している。

読みやすいところでは、清原和博の「男道」、でも文学賞の受賞作品
皆読んだはりますか、芥川賞の「ポストライムの舟」
直木賞の「悼む人」なんか、作者の天童荒太の荒太をどう読むのかが
そればっかりが気になって、気になって、・・・「あらた」とか。
題が私にピッタリと坂口安吾の「堕落論」を読むが、難解。
でも、読書の快感を感じていると・・・。

噺は「骨つり」、この頃、江戸落語の「野ざらし」は、かい枝さん、
鶴二さんで良く聴くが、「骨つり」として聴くのは初めてか。

太鼓持ちが、木津川ヘ、若旦那のお伴で舟で、魚釣りに。
そこで、どくろを釣ると、それが夜絶世の美女の幽霊に。
隣の男も行って見つけたどくろは、石川五右衛門の幽霊。

サゲは、蒲団の上で、夜伽でもと言われて、「カマはいらんわ」と。
少し、変えているのか。

後の対談で、釣った魚、一寸、一円(銭)のご祝儀出ると言われて、
長い魚を釣ろうと頑張るところと、二番目の男が、美女が来るのを
いまかいまかと待ちこがれるところを目一杯、明るく楽しくと・・・
ほんま、演者が愉しんでいるところは、客も心底、愉しめますな。

でも、「野ざらし」と「骨つり」、似ているようで、
まるっきり別物の噺ですな。


三、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「牛の丸薬」

後で、生喬さん、本来「牛の丸子」と書きたいが、
「まるこ」と読まれそうで、でも、昔、仁鶴師匠で聴いた時の
パンフレットには、「牛のがんぢ」と・・・。

最近、文太師匠で、何年振りかで聞いたネタですが、
四十年前に仁鶴さんで聴いた噺の中で、筋を覚えていない
唯一のネタがこの「牛の丸子」。まあ子供心ながら、後味の悪い噺
自然消滅させていたのか、人間生きる上で、
良い情報だけ残すように、できているらしいとか。

こごろうさんは、騙すところは、うまい事やりよんなと、あえて
膨らますと、快感にも。でも、純朴な田舎の人を、大阪の狡い人間が
騙すという、詐欺師の話しですが。

「まあ、信じる者こそ、救われる」と、
人の幸せ。価値観はどこにあるのか。

人間の思いが詰っているだけ、
この噺、落語としてはおもしろさは、十分ありますな。

生喬さんの、良さは、すべて、ご自分のヒダに触れる落語は
演じてみようと、試みることか。
その、アプローチが、他の噺家さんと、一味も二味も違うところ。

10月9日の繁昌亭のテーマ落語会「自分流に変える」では
20分ぐらいにまとめながら、
もっとエグく、後味の悪いようにするつもり。
本日のお客さん中で、その日にも来て頂けると期待して、
その違いを見て貰おうと、今日は「牛の丸子」はフルバージョンの
原型で演りましたと・・・。

落語家は、演者で、プロジューサーであり、総監督ですな。

次回、らくご道、、10月8日「茶目八」、11月14日「茶の湯風呂」と
生喬さんの演目だけでも、行きたくなる落語会ですな。


らくご道・・・笑福亭生喬と桂こごろうの落語会
2009年9月18日(金)午後7:00開演
上方演芸資料館・上方亭

一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「三人旅」
二、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「骨つり」
三、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「牛の丸薬」
対談・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・夕焼け日記

09-63-285
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久しぶりの落語会・「コソクスン」~虎武士亭

2009-09-13 23:54:25 | 田辺寄席

虎武士亭が急遽、閉じられ会場が、寺西家に変更。
ねたのたねにて、発見・・・・明日は直行で昭和町ヘ。
落語会の名称はどうなるのか、古武士亭か、小の月の会か。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
田辺寄席とおなじように開口0番、文太さんの登場。
虎武士さんが、突然の廃業でビックリ
急遽この寺西家のご好意で、本日開催できました。

しかし、お客様の入りは七分程度で、35名ぐらいか、
あの食べ放題、飲み放題のお値打ちの打上がなければ不入りか。
いや、私の言葉ではなく、文太師匠の言葉でっせ。

師匠、笛を持ってこられたので、出囃子、小さん師匠の「序の舞」を。
本調子、二あがり半、三さがり半と、弾き比べ、聴き比べ、
西洋音楽でいう、長調と短調か、同じ曲でもまるで雰囲気が違う。
でも、文太師匠の笛、いい音色ですな。

ちなみに、文太さんの「さわぎ」は、東京では小朝さん、
東西の名人が使用とか。

一、桂三四郎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「道具屋」

三四郎さん、この噺、いたって苦手とか。
なぜかと言えば、きっちり覚えていないからか。
でも、おもしろい。

道具を並べてから、その上にござをひいたり、
指が抜けなくなっている客に、「鋸で切りまひょか。」
「笛かいな」「いや、指を」など、若さがあってよろしいな。

最初はどうだったのか、
三四郎さんの道具屋、五段活用が知りたいですな。


二、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「茶目八」

太鼓持ちの噺、初めて聴くが、最初の旦那の意見に合せては
じゅんさいぶりを発揮する処、文太師匠特にのっけからよろしいな。

中身は、どろぼう紛いで、あまり感心しませんが、
サゲは、「まるで、火事に焼き出されたみたいやでぇ」
「どおりで、頭から火がでましたわ」

三、旭堂南海・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「直江兼続」

おもしろいな、南海さんの講談。地語りの落語みたい。
丁度。今NHKの大河ドラマ「天地人」がやっているので
登場人物に、妻夫木聡、小栗旬、常盤貴子、松方弘樹の名をいれて
くれるので、人物のイメージが湧き、いたって解り易い。
それが、証拠に、前の小学生の女の子二人も笑っていた。

上手い演出。・・・よく浜村淳さんが映画の話をしていますが、
高倉健が演じる主人公が・・・・・、よう考えると、ズルイですな。
半分は、視聴者の知っている共通認識の舞台で喋っているなんて。

石田三成と直江兼続が出会いで、意気投合。
誕生日は魚座、血液、AB型、小学校は阿倍野小学校、同じや。

ほんと、講釈師、みて来たような、嘘を言い・・・ですな。


四、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「軒付け」

軒付け、はじまる時に、富田先生が会場の外に出られる。
一瞬、私も、ついて出ようかと、迷う。
実は、昼過ぎからお腹の調子が悪くああ、落着かない。
でも、あと一席、辛抱、辛抱・・・ではじまるが。

文太師匠の軒付け、三味線の屑やのテンさんが最高。
弾こうとして「コソクスン」、支えてもらって「コソクスン」
この「コソクスン」、響きも、語感もよろしいな。

でも、腹から笑うというの、ほんまですな。
お腹に力がはいらない状態で笑うのは、辛いでっせ。
椅子に坐っていたのが、多少なりとも救いでしたが、
正直、下半身は「コソクスン」状態でおました。

後片付けもそこそこに、打上げにも出ず、
急いで、「コソクスン」と会場をあとにさして頂きました。

まあ、何事も、健康第一でおますな。


虎武士亭・文太の会
2009年9月13日(日)午後2:00開演
昭和町・寺西家

一、桂三四郎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「道具屋」
二、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「茶目八」
三、旭堂南海・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「直江兼続」
四、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「軒付け」

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本を探すことは、自己を探すこと~多読術

2009-09-12 21:43:18 | 本の少し

多読術
松岡正剛
ちくまプリマー新書・800円
☆☆

凄い、初めて知った多読の世界。著者の「千夜千冊」のウェブ必見。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/toc.html

自分にあった読書スタイルで読めと、セイゴウさんは言う。
「ワインを飲むように読む」、「アスリートのように読む」
「温泉であたたまるように読む」、「竹を割るように読む」
「教えを乞うように読む」、「時間つぶしのために読む」など
いろいろな読み方をするべきで、わざとちょっと熟語っぽく言うと
「感読」「愛読」「耽読」「惜読」「氾読」「食読」「味読」「雑読」「狭読」
続いて、「乱読」「吟読」「攻読」「系読」「引読」「広読」そして「精読」
「閑読」「蛮読」「散読」「粗読」「筋読」「熟読」「逆読」、と造語ながら
それと感じる読み方、多種多彩。

私の場合は、電車の中、ベットの中、トイレ、風呂、
ソファなどではいたって少ない。家では、音楽聴きながら
ごろごろしながらの読書スタイル。・・「寝読」「湯読」「怠読」か。

読書とは、書いてあることと、自分が感じることが
「まじる」ということだと。

あるところでは、「自己編集」と「相互編集」のコラボレーションと。
ひらたく言えば、共感か。

読書の楽しみは、「無知」から「未知」への過程。
それが読書の醍醐味と、また本は二度読めと・・・20才で読んだ本が
今読めばどう感じるのか・・・一冊で二度おいしい。
セイゴウさんの教えにしたがって読み直そうと・・。

でも、多種多彩な「千夜千冊」、一度ごらんあれ。

http://senya.pictopic.info/
そして、検索のエンジン、お隣の本が分る。・・お勧めでおます。
本を探すことで、自己を探せる、心の中の図書館である。


多読術 (ちくまプリマー新書)
松岡 正剛
筑摩書房

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大阪のベタが好き~志ん朝と上方

2009-09-10 22:50:57 | 本の少し

志ん朝と上方
岡本和明
アスペクト・1800円


図書館で借りてきた3冊の中の一冊。
三代目桂春團治、笑福亭仁鶴、露の五郎兵衛、内海英華が、
志ん朝師匠の想い出を語る。
その中身は、鏡のごとく、語り手の上方が浮彫りに。

志ん朝さんが最も敬愛した上方の噺家は、六代目松鶴であると。
志ん朝師匠は、四段目(蔵丁稚)を譲り受けている。

弟子の仁鶴との二人会がなぜ十年も続いたかの問いに、
「いちばん、大阪くさいから」と仁鶴師匠の芸を評価しており。

その根底には、志ん朝さんは、京都より大阪、大阪は北より南が好き。
大阪のベタが好き。・・・・そして笑福亭が・・・好き。につながる。
ええぞ・・・志ん朝。

そして、カラオケの曲は、「宗右衛門町ブルース」。

志ん朝の落語に多大の影響を及ぼしたものは、
三木のり平と上方落語であるとますます嬉しくなりますな。

東京落語の中でも、私の一番手持ちのCDが多いのが志ん朝さん。
その志ん朝さんが、上方贔屓とは真にうれしい限りでおますな。

今夜は、大好きな「厩火事」でも聴きながら、寝ましょうか。



志ん朝と上方
岡本 和明
アスペクト

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現実は夢か、夢は現実か~現実入門・穂村弘

2009-09-08 06:02:14 | 本の少し
現実入門・・・ほんとにみんなこんなことを
穂村 弘
光文社文庫・514円
☆☆

作者の「ほむらさん」が、これまで一度もしたことのない
あれこれ・・・献血、占い、合コンから部屋探しまで、
世間では多くの人が経験していることを初めて挑戦する。

でも、そのサポート役の「サクマさん」、女性の編集者である。
その、魅力的な容姿。立振る舞い。

次から次に出てくる、「結婚祭」への参加、
ウェディングドレスを見にいくこと、そして部屋探し。
「ほむら君」の「サクマさん」への憧れとも言えるほのかな恋心。
途中から、恋愛小説に思えてきた。

二人は、結婚できたのかどうか。
すべてが、夢のまた夢なのか。

現実入門・・・・ほんとうにみんなこんなことを・・・・。
一人の女性を愛し、一つ屋根の下で暮らし、子供をつくり、
共に生きる。・・・毎日の「生活」が繰り返される。

リアリティとは何か、経験がリアリティなのか、現実がリアルなのか

東海林さだおのルポタージュ風日記のようでもあるが、
誰もが経験する平凡なる「生活」の中に、未知なる現実があると。
真の主張は、案外、硬派なものと・・・勘ぐりすぎか。

前回、読んだ「本当はちがうんだ日記」よりは、数段読み易い。




現実入門-ほんとにみんなこんなことを? (光文社文庫)
穂村 弘
光文社

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暑かったですな~第19回彦八まつり

2009-09-06 19:43:43 | 落語
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彦八まつり・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日は、仕事で行けないので、明日6日、嫁さん連れて生國魂さんへ。
落語家さんのサインを頂こうと、色紙大量に購入。
お目当の、噺家さんに会えるのか・・・まあ落語ファンの集い。
同じ趣味の方ばかり・・・それだけでも嬉しくなりますな。


昼には、会場一杯の人集り。・・・案外、若い人が多いのにびっくり。


今日の主人公、米澤彦八の碑。
そして9月5日は六代目松鶴の命日とか。・・・・合掌・・・・・


11時前に着くと、奉納落語会のチケット発売の長蛇の列。
入場は確約できませんが、整理券お渡ししますと、
手にしたのは、42番と43番、まだ後の30名にも。

12時半から並んで、最終整理券で入れた方は15名程度。
炎天下に伸べ45分も並ばして、奉納なんか興行なんか。
200枚のチケット販売だけで終わって、すっきりした方が
よろしおますで。・・欲とサービスは相反しますな。


似顔絵書いて頂いた、いわみせいじさん。


書いて頂いた、似顔絵、恥ずかしながら、ご披露。


丁寧に書いて頂いた、福笑師匠。

見かけより優しい、鶴志師匠。

気さくに書いて頂いた、きん枝師匠。

ご本人さんからでは無いですが、どうしても欲しかったので、
手拭付きで、いや色紙付きの手拭を購入。
仁鶴師匠は、私の落語のルーツだけに・・・。

今日頂いた、すべての色紙、和室の鴨居の上にずらりと並べる。

でも、暑かったですな。正味会場にいたのは3時間弱。
来年は、落語の回数も増やして頂いて、
やはり落語を一席は聴いてみたいもんですな。

第20回、実行委員長は、桂ざこば師匠に決定。
コメント (2)
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日々ムラのある日記~本当はちがうんだ日記

2009-09-03 00:38:54 | 本の少し
本当はちがうんだ日記
穂村 弘
集英社文庫・457円


前回、「によっ記」が面白くて、気になってた、穂村弘さんの本があると、
取りあえず、文庫本で二冊購入。

その一冊を、東京出張の新幹線の中で読む。
私の読書の仕方は、普段から電車の中で読むことが多いので、
気になる箇所があれば、ページの上をまず折る。
全部読んだ後、ペンを持って、そのページを開け、線を引く。
そして、その箇所を、ふぁふぁの気持で、ペラペラと、読み返す。
まあ、気になる箇所は、都合、三回読むことになりますな。

さて、今回の「本当はちがうんだ日記」。
なんと、折り返したのは、1ページ。

そして、線を引いてあるのは、一箇所のみ

冬の夜の星なりき一つをば云うにはあらずことごとく皆・・与謝野晶子

些細な事に気を病み、自分にも当てはまるという箇所もあれば、
作者の鬱々状態に到底ついていけない文章も。

いやはや、各文章でこれほど、気持の起伏がある本も珍しいのでは、
でも、心の中まで裸になれるとは、羨ましいですな。


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