ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

第5回・桂梅團治のこれ独演会~梅團治さんと花緑さんの競演

2011-07-31 06:45:42 | 梅団治・須磨寺落語会


上方のこってり味の梅團冶さんと、江戸のサラブレッドの花緑さんの落語会。
笑いの多様性が体感できそうですな・・・。


二人だけの独演会。エコですが、中身は濃い。



補助席まで出た、満席の繁昌亭。


充実の落語会・・・・・・満足感、120%でおます。

一、桂梅團治・・・・・・・・・・「道具屋」

まずは、省エネの落語会で、前座もなく。・・・・即、梅團治さんの登場。

今日を迎えるにあたって、よく聞かれたのは「何で、花緑さん知ったはりますの」・・。
出番が一緒の際、こんな会、やってますとお話ししといて、今回も厚かましくも勇気をもって
ご連絡すると、こころよく返事・・・一昨年の市馬さんといい、江戸の中でも旬を選ばれるのはさすがですな。

この「道具屋」は、染語楼師に教えてもらったそうですが、前座で語られる機会が多いので軽い感じのする噺ですが、梅團治さんが演じると、もっちゃり感たっぷりで、どっしりとしていて、朝から炒飯のよう。
途中で金魚すくい屋が入り(こごろうさんは、射的まで入るが)、縁日の楽しさは、増す。

この男単なるナマケ者で、決してアホではない。
大きな声で呼びこみをしたり、客の足元をみたり、商売気は十分あり・・
アホの登場というより商売の壺を教えられる様な、梅團治さんの「道具屋」でおました。


二、柳家花緑・・・・・・・・・・「片棒」

爽やかに登場、なんとも不思議な縁で今回、この梅團治さんの会に呼んでいただきましたと・・。
あの「もっちゃり感」は独特ですね・・、ああいう方は東京には誰一人としておられませんと、日本一と
最大の賛辞。

今、高座返ししていたのが、息子さんの「小梅」ちゃんで、・・顔を見ると、瓜二つ(いや、ホンマ)。
今東西合わせて、約650名ほどの噺家さんがいますが、二世噺家が20名で、彼が21番目と、
二世のプレッシャーとかから、祖父の小さんさんのハナシへと。

そして、「片棒」へ
噺の導入の一言「番頭さん、番頭さん、こっちへ・・・・」で空気が替る。
声の張りといい、、ましてや東京詞、噺に入った瞬間に会場の空気が澄んでいくのが解る。

息子の名は「金、銀、鉄」・・・・次男の「銀」が語る葬儀は、お祭り騒ぎだが、そこは江戸。
木遣りが入り、芸者の手古舞、山車の人形はお父っあんで、人形の動きは愉しく
神田の神輿では、口での笛と太鼓が入って、かっこよさと粋さで、おもわず拍手が・・・・・・。

普段から、鳴物が一切入らない東京では、この賑わいは大いにうけるだろう。
この噺だけでも十分価値ありの、花緑さんの「片棒」の一席。


三、桂梅團治・・・・・・・・・・「持参金」

小梅ちゃんが登場すると、客席から「小梅ちゃん」の声。客席が和む。
客席見ることもなく、真面目に座布団返しと、名ビラめくりを行う。(好感)

出てきた梅團治さん、来月の生國魂神社で、実行委員長を務める彦八まつりのご案内を。
今回は、隣の公園まで会場を広げての開催・・・そこには120m線路の上を石炭くべてミニSLが走る。
「お子様にと言っているが、実は一番楽しみにしているのは、私」と・・・。

この噺をつけてくださったのは、米二さん。
花緑さんのあとだけに、いつもにも増して、もっちゃり感倍増の「持参金」でおます。

四、桂梅團治・・・・・・・・・・「青菜」

夏らしい噺で、これは、文太さんにつけてもろうたと、

「いちいち言い種変えな」植木屋に言わす、女房の言い種が、
「・・・・・・・・この、アンケラソウ」、「・・・・・・・・・・。この、腸チブス」、「・・・・・・・・・、この九官鳥」
これって、私が中学の時に、初めて聴いた仁鶴さんの「青菜」の言い回しと、一緒。

言い種の懐かしさも含めて、大阪の暑苦しさに汗ばむ様な、梅團治さんの「青菜」大好きでおますな。


五、柳家花緑・・・・・・・・・・「明烏」

「明烏」と言えば、八代目文楽。
あの甘なっとうを食べるシーンが有名だが(志ん朝さんは小梅)でも花緑さんは一切無し。

なだめる源兵衛と、覚めている太助、二人の性格も大いに違い、ぼっちゃんの扱いでの絡みでも
大いに愉しませてくれる。

でも、若さいっぱいの「明烏」花緑さん、うぶな若旦那が等身大で、色っぽくて、
この台詞がすべて、「昨晩、ぼっちゃんの部屋から、二度、男の悲鳴が聴こえた」・・・いいな。

江戸落語の紹介も兼ねた、梅團治さんの、これ独演会。
第六回のゲストは誰なのか、今から楽しみですな。


第5回・桂梅団治のこれ独演会
2011年7月31日(日)午後5:30開演
天満天神繁昌亭

一、桂梅團治・・・・・・・・・・「道具屋」
二、柳家花緑・・・・・・・・・・「片棒」
三、桂梅團治・・・・・・・・・・「持参金」
仲入り
四、桂梅團治・・・・・・・・・・「青菜」
五、柳家花緑・・・・・・・・・・「明烏」

11-21-95




落語仲間の井上さんの、骨折した足の甲。(全治何カ月なのか)





【 第21回 上方はなし 彦八まつり 】 

日時:平成23年9月3日(土)、4日(日)

今年のテーマは 「東日本大震災復興支援」

    第21回 実行委員長:桂 梅団治

  



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バス釣りの教則本~バスフィッシング革命

2011-07-28 05:32:47 | 本の少し
バスフィッシング革命〈Vol.5〉バスの生態&フィールド学 (Basser COLLECTION)
クリエーター情報なし
つり人社

☆☆☆


☆☆

バスフィッシングの為の所有している唯一の本。
貸していたのが、一年振りに返ってきたので、パラパラと読み返す。

Basserに掲載していたのを、まとめたものと思えるが、漫画がとってもユニークでユーモアたっぷりで
それだけを拾い読みするだけでも十分楽しめる。

2000年の初版本で、その時点で5冊は販売されていたようであるが、
なぜかVol・4は手元のはない。(購入していないようだ)
Vol・1は、バスフィッシング革命「新世紀のストラテージ」
Vol・2は、バスフィッシング革命「+1フィッシングの為のバイト誘発術」
Vol・3は、バスフィッシング革命「バスプロという超人たち」
Vol・4は、バスフィッシング革命「バスの生態&フィールド学」

いつものごとく、本の各ページの耳の処に、11年前の私自身の気になったことのメモがある。

Vol2の分を引っぱり出すと、

ハードとソフトのお互いの良さ・・・。
曇りのクリアウォーター・・・スモーク系のグレーか薄いブラック、パープル
晴天のマッディウォーター・・ウォターメロン、パンプキン
カラーやアクションより、まずは目の前を通すルアーをチョイス
ソフト・水深、縦、静か・・・・・・ハード・リトリーブ、横、動き
ボトムの釣り・・ワームでは「底をとる」・・ロッド、横に倒す。
水深=サスペンド・・・・水深2Mのボトム=水面から2Mのところで釣れた。
真実一路・・・ワームは真っ直ぐ。
アタリを感じたら全て即アワセでよい。
バスがディープに落ちるのは「タフるとき」や「ターンオーバーで活性が落ちる時」

など、基本中の基本がメモられている。
特に、サスペンドの意味が理解できてからは、私自身はダムなど深みの釣り場では、釣果が上がった様である。

まあ、興味ある方には当り前のことばかりですが、興味の無い方にはさっぱりなんのこっちゃの教則本です
が、何度も読み返すだけの価値はありますな。


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御乱心~三遊亭円丈

2011-07-26 06:04:12 | 本の少し
御乱心―落語協会分裂と、円生とその弟子たち
クリエーター情報なし
主婦の友社

☆☆

落語協会分裂を、当事者の円生とその弟子たち、そのとき歴史は動いた・・・。
25年前の、1986年に出版された、三遊亭円丈さんの「御乱心」。

既に、春風亭一柳(好生)の[噺の咄の話のはなし]と、川柳川柳(さん生)の「ガーコン落語一代」を読んでいたので、全体像は掴んでいたつもりだが、先に読まなければならないこの本で、一本の柱がとおり、すべてがスッキリと理解される。

特に、野望に満ちた円楽氏が、権謀術数、師匠の円生さんを動かし、結果「御乱心」という形で
落語協会を去り、執念で過密な仕事こなし、結局早まる死をむかえた。

ことがおこった時の、談志、志ん朝、円蔵、馬生、各人が己の立場、損得、そして己の生き様で決断したことは、
どんな時代、どんな世界でも相通じる気がする。

今でこそ、歴史は動いたとか、NHKの番組でも取り上げても良いぐらいの時が経過しているが、
この本が出版された当時は、生々しくて、さぞ筆者にも、風あたりが強かっただろう。

筆者曰く、95%が事実との事、事実に基づいた事柄だけに、色褪せることなく、今読んでも十分楽しめる。
最後に、この本を貸して頂いた、明彦さんに感謝でおます。


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おお、なんと、本日はバス釣りでおます。~和泉鳥取のダム

2011-07-23 20:00:01 | 釣り
今年最初のバス釣り・・・4時半、現地集合とは、起きれるのか・・・。
釣って、バスの写真をご披露したいもんですな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ああ、目が覚めると、4時50分・・・遅刻だ、あわてて駆けつけると6時過ぎ。
既に、仲間の車はあるが、姿は見えず・・・。


曇り空で、台風の雨で水は濁り水温も低く、活性は低そう。
7人ぐらいが既に、ボートとフローターでダムに。

すぐさま入り、ダムサイトに、仲間のフロターを発見、「仲地さん」と声をかけるが無視。
怒っているのかと見ていると、オーバーハングの下のポイントへ、見事なキャスチング。
ああ、人違いと、一目見て納得。(失礼、仲地さん)

追いかけてダムの半ばまでいって、ようやく二人に」会う。


今日の釣果、二匹。(これは大きい方の30㎝のバスさん)

遅れて、ごめんなさい、のお友達を紹介。


釣りの師匠、増田さん。


奈良から遠征の、仲地さん。

日射しはさしているが、木陰で涼しく、半袖では寒いぐらい、心地よさ。
上がってからは、恒例のランチタイムで愉しい時間を。

次は、汗の滴る、夏の釣りがしたいですな。

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都と鶴二の落語会~平成22年度文化庁芸術祭優秀賞W受賞記念

2011-07-18 23:21:41 | 笑福亭鶴二

なでしこジャパンが優勝、そして台風が近づいている祝日の夜のめでたい落語会・・・・。
都さん、鶴二さんの雨女と雨男が最強コンビを組む。
でも、終演後は雨も小降りになり、傘もささずに帰路に。

一、露の紫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「道具屋」

師匠の都さんの口調、そのままの道具屋。
どっしりとした、体格そのままの道具屋。
創作のようで、古典そのままの道具屋。
途中でサゲかなと思いきや、手元を見てますまでいった道具屋。
初めて聴いた紫さんの道具屋でおました。

二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・「眼鏡屋盗人」

良かった。
この会の開催までのいきさつを・・・・。
まずは、一緒に芸術祭の賞を受賞したので記念の落語会をしましょうと。
どんな会にしようかと、布施のマクドで打ちあわせ、そのとき都師匠の提案で
お互いのもちネタを交換しようと、都さんからは「眼鏡屋盗人」
(露の五郎さんのテープを渡されたらしい)、私は「遊山船」を録音して渡す。
でも、最後には忙しいてできへんわ・・・の一言で終わり。

踊りも練習して入れようと「どじょうすくい」に取りかかるが、ご主人の小山さんは、
持病の腰痛をおして通われていたのすが、肝心の都さんは銭太鼓もパス。

布施で決めたチラシは、二人は新郎新婦の姿、紫と眞は鶴亀で撮って・・・・・・と、
あの時決めたことはすべて実現せず・・・・弟子曰く「、師匠は結構、思いつきです。」

そのとき決めて、実行できるのは、今から演る、「眼鏡屋盗人」だけですが・・。

でも、この「眼鏡屋盗人」が大当たり、小品ながら最高。
聴きなれた前座噺とは、ひと味もふた味も違った、小粋さがある。
鶴二さん、来年あたりからは、山椒は小粒のこんなネタ、ますます開発して欲しおますな。


三、露の都・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「子は鎹」

今、東京のテレビ局がつきっきりで、私のドキュメンタリー番組を収録中。
この前も、新婚旅行で行った温泉ヘ久しぶりに・・・・・・と今の自然体でありながら
いつのまにか、幸せな自分に気づいて、私ってめぐまれていると・・・・。
そんなに努力していないのに、周りの人めぐまれてなんとかなっている・・と
私、私ではなく、人への感謝、日頃の都さんの気持ちの賜物である。

噺は「子は鎹」、亀ちゃんがお母さんと一緒に飛びだした形。
「子は鎹」は20分弱でしたが、都噺も入れると45分の長講。
持って帰って来た、お金のことで、亀ちゃんの頭をげんのうで叩くところはホロリ。

でも、笑福亭のやる、一人で母親が飛びだす方が、女性の方が主人公扱いで、
女性落語家には向いている様な気がするのですが、是非、逆バージョンを
都さんで聴いてみたいもんですな。


四、笑福亭鶴二・露の眞・・・・・・・・・・・「どじょうすくい」

鶴二さんと眞さんの「どじょうすくい」
腰の振りといい恥ずかしさの照れがあるのは、鶴二さんの方。
穴あきコインを鼻につけるあの顔は、乙女にはかわいそう。
でも、真面目に取り組む、眞さんに好印象。


Takeshi Masuda PhotoGrafheyより、転載。


五、露の眞・露の紫・・・・・・・・・・・・・・・「銭太鼓」

30cmぐらいの、筒状の飾り棒を持っての演技。
段々、技が難しくなっていくのが、見ていて解る。
紫さんは愛嬌で落とすが、眞さんはノーミス、さぞひたすら練習したんでしょうな。

拙い説明では解らないので画像で。

Takeshi Masuda PhotoGrafheyより、転載。


六、露の都・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「青菜」

女性版にすべて、入れ替えて演出。
出先の主人は奥様に。その奥さんは娘さんに。男性の植木屋は髪結の女性に。
植木屋の嬶は、娘に、連れの大工は、友達に・・・・ああ、ややこしい。

「植木屋はん、あんた仕事はもう済んでやったんかいな」の決め台詞ではじまる定番「青菜」。
途中の連れが言う「俺は、大工や、おまえが、植木屋やろ」、押しいれに入っている嬶にいう、
「奥や」、「はい、旦さん、なんぞご用事で」、青菜で必ず笑いの誘う決まり文句がすべてが、
都さんの「青菜」には、消されて出てこないのはさびしい。

というと、落語とは、何度聴いても面白いのは、予測される緊張にそれなりの答がでて緩和される
学習効果というか、安心感も大いに、笑いには影響してるんでしょうな。

へんな、違和感だけが、溜まってしまった、「青菜」でおました。


七、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・「猫の災難」

友達の分まで、酒を呑んで、へべれけ状態、すべて隣の猫の所為に。

禁酒関所といい、替り目といい、鶴二さんの酔態、酔っぷりは最高。
呑んで減っていく酒を見ながら、あれこれ都合の良い、言い訳を考えるのは、
酒飲みの心理。しらふでは到底考えつかないし、言うのも憚れる。

この、酒呑みの、酔いっぷりは、9月の独演会の「らくだ」につながりますな。


都と鶴二の落語会~平成22年度文化庁芸術祭優秀賞W受賞記念
2011年7月18日(月・祝)午後5:30開演
天満天神繁昌亭

一、露の紫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「道具屋」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・「眼鏡屋盗人」
三、露の都・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「子は鎹」
仲入り
四、笑福亭鶴二・露の眞・・・・・・・・・・・「どじょうすくい」
五、露の眞・露の紫・・・・・・・・・・・・・・・「銭太鼓」
六、露の都・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「青菜」
七、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・「猫の災難」

11-20-92

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第574回・田辺寄席~新・じっくりたっぷり・桂文鹿の段

2011-07-16 23:03:15 | 田辺寄席

今日は、文鹿さんの段・久しぶりに田辺寄席へ・・・。


開演前、早かったので、二席目の文鹿さんの名札がない。


この時期になれば、裏の桃ヶ池は、一面の蓮池に。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

開口一番・・・・・・・・「ぬ」・「ぬる燗」・・・・桂文太
熱燗なら50℃、上燗で45℃、ぬる燗で40℃、
それよりもぬるい(日向燗)、人肌燗もある。

今や、焼酎のソーダ割りだけではなく、お酒ハイボールまで
多彩にアルコール類は増えましたな。

一、桂ちきん・・・・・・・・・・・「十徳」

初めて見るちきんさん。もうすぐ3年の年季明けか。
「十徳」のような、前座ネタでも、たっぷり笑いのとれる日が待ち遠しいですな。

二、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・「8時ちょうどの「くろしお1号」」

特急「くろしお」の車掌が、酔った客や、大阪のおばちゃんの四人組につかまって
困り果てる。三十石や住吉駕籠の酔っ払いを彷彿させるシュチュエーションで
大阪のおばちゃんの厚かましさと悪乗りで、笑い満載の楽しい噺に。
さすが、文鹿さんの代表創作落語でおます。

三、桂枝光・・・・・・・・・・・・・「船弁慶」

あの、小つぶちゃんが、今や50過ぎ。
元気いっぱいの舞台で、途中から、衿元に汗しみが、左脇にも大きなしみ、
舞台を下りる際には背中がグッショリ大きな汗しみ。
それと同じように、お松さんの登場辺りから、息切れ気味、暑さ負けか・・・・
落語って、ほんま体力勝負ですな。

仲入り

・・・桂文福・・・・・・・・・・・・・「飛入り」

飛入りの、スペッシャルゲスト。
たまたま、チラシを持って来たら、愛弟子、文鹿の、じっくりたっぷりの段。
これは、出て応援しなければと・・・、文太さんとは入門は一年違いですが、
学年同じのほぼ同期とか・・。舞台を下りても、袖で当り鉦を打つ文福さん、
ほんま、シャイで、人間味のあるお師匠っさんですな。

得意の、相撲甚句の数え唄を・・・。
ものの初めを、一という。
車に積むのを、荷という。
女の大役、産という。
子供の小便、シーという。
白黒競うを、碁という。
昔の侍、禄という。
ものの出し入れ、質という。
泣きっ面には、蜂という。
貧乏したこと、苦という。
さんまを焼いたら、ジューという。
ドスコイ、ドスコイ。


四、桂文太・・・・・・・・・・・・・「孝行糖」

この噺、孝行糖の売り声が愉しい。

「孝行糖、孝行糖、テン、スケテン、スケテンテン。」
「孝行糖の本来は、昔々、その昔、二十四考のそのなかで、老らいしという人が
親を長生きさせよとて、こしらえはじめた孝行糖。食べてみな、美味しいで、
また売れた、嬉しいな、テンテレツク、スッテンテンテン・・・」

それにも増して、愉しいオチ。
「どこを、叩かれた」・・・・「ここと(孝行糖)、ここと(孝行糖)」
このばからしさが、嫌味なく聴こえる文太さんの「孝行糖」、よろしおますな。

五、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・「お文さん」

これも、文鹿さんの、十八番。
どっしりとした中に、お店(タナ)の人間模様が演じられる、聴き応えのある一席。
武骨でありながら、人間味が滲みでる、文鹿さんらしい噺でおます。

喜六のでる滑稽噺ではなく、どっしり構えたお店や相撲の、
猿後家、ざこ八、花筏なんぞ、聴きたいもんですな。

久しぶりの田辺寄席・(文月席)、文福師匠も入っての二時間半、たっぷり愉しめましたで。


第574回・田辺寄席~新・じっくりたっぷり・桂文鹿の段
2011年7月16日(土)午後1:30開演
桃ヶ池公園市民活動センター

一、桂ちきん・・・・・・・・・・・「十徳」
二、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・「8時ちょうどの「くろしお1号」」
三、桂枝光・・・・・・・・・・・・・「船弁慶」
仲入り
・・・桂文福・・・・・・・・・・・・・「飛入り」
四、桂文太・・・・・・・・・・・・・「孝行糖」
五、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・「お文さん」

11-19-85

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現役の噺家が語る志ん朝落語

2011-07-14 04:47:05 | 本の少し
落語を聴くなら 古今亭志ん朝を聴こう (落語ファン倶楽部新書1)
クリエーター情報なし
白夜書房

☆☆

14名の現役の噺家さんが語る、志ん朝落語の魅力。
志ん朝さんの噺家としての素晴らしいのは当然ながら、
各噺家が語る一言一言に各人の落語への見識がみえる。

上方からは三人、桂米団冶、笑福亭鶴瓶、笑福亭仁鶴が語っている。

鶴瓶さんは、ご自分が落語会にでる時、落語をやるためのコンディションを整える為に、志ん朝落語を聴くと。
そうすると、いいリズムになるというか、フラットにしてくれて、キーを合わせてくれる。

言葉は違うが、いいのは、志ん朝師匠は、「うまく見せてやろう」とか、「何々をやってやろう」とかの
わざとらしさが全然ない。クスグリを変えても、どうみても元からあったように見せる。
その自然さが凄いと絶賛する。

仁鶴さんは、15年間、二人会を一緒にやらしてもろうて、サービス精神の旺盛な方と云う。
大阪で演る場合はアクションは大きかったし、声もボリュームを少ぉしあげてやらはったと。
ご自分の落語観に基づいた演じ方で押し通すというのではなく、臨機応変に、地元のお客さんの
気持ちに添うように演っておられた・・・と。
「くさくなければ(派手目に演じること)大衆芸能ではない。」
「くさみを抜いたら何もないよ」と、お客様はそういうところを楽しむもんだと、心得てはったと。

また、出来るだけ、今の人に、ある程度の古い言葉を噺の中に残そうと努力してはったと。
江戸の雰囲気を落語の中に保ちながら、お客さんに現在とは違う世界を楽しんで貰うと
ですから、解りやすくても古典落語を時代に合わせ過ぎる事には、とても神経質だったと。

合わせ過ぎると古典落語が崩れると、常に攻めの気持ちで落語をやっておられたように思うんです。
だからこそ、ああいう速いテンポになったんではと思われる、何かに折にご本人が
「恐怖感があるから、テンポが速くなるんだ」と、そういう思いを噺家が抱くことはなきにしもあらずと
仁鶴師もしみじみ、語っておられる。

そして、最近の東京の若い噺家さんたちのほうが志ん朝はんのアクションを真似ているのをみて
だんだん派手になってきている、真似をするとどうしてもご本人より味が濃くなりますからと。
ご本人はこれ以上やるとあざとくなる手前でやめているのに、真似る方はついそれ以上やってしまう。
怪我の元と、立場は違っても、落語を愛する仁鶴さんらしい芸談がきこえてくる。

他の方、正蔵、たい平、小朝、昇太、小遊三、朝太、木久蔵、志ん五、花禄、志の輔、圓楽も
それぞれ味のある芸談を語り、一流は一流を知ると、大いに愉しめる。


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新丸八寄席~鶴二さんネタおろし~

2011-07-10 23:43:14 | 笑福亭鶴二

今里・丸八

今日は、独演会でのトリで演じられる鶴二さんの「らくだ」のネタおろしとか。






落語ファンの西尾さんんと銘子さん。

一、笑福亭喬介・・・・・・・・・・・・「看板の一」

「説明しなくても、いや、しますわ」と、チョボイチの説明をしてから、
いつもの「落語をします」ではじまる。

いつもながらの明るくて愉しい、喬介さんの高座。
最初の元博打打ちのおっさん、喬介さんの愛嬌が勝ちすぎて凄みのないのが少し残念。

この噺、このおやっさんのカッコよさが勝負。
この主人公のアホも、もちろん金を儲けたいのであるが、
このおっさんのかっこ良さに憧れて、おんなじようにしたいと真似る。
「女房、子供を質に入れても」、「家を売ってでも・・・。」

「おまえらの銭は貰うわけにはいかん」と返すおっさん、かっこよろしおますな。


二、桂壱之輔・・・・・・・・・・・・・・「転失気」

でてくるなり、今日はトリの鶴二師匠が大ネタでチラシには「お楽しみ」と、
ヒントを言いますと、動物の名前で、(そこで、客席から・・笑い)
落語通の方が多いようで、決して動物そのもは出てきません。
私の方は、軽く、一席と・・・・・・・壱之輔さん、得意の「転失気」へ。

「天失気」とは「気を転び(ころび)て失う」、すなわち、屁、おならのこと。
盃と嘘をつかれ、お住職が思いつくのが、「天に口と書いて、呑、酒、器(テンシキ)」
とは、とっさながら、上手いですな。

笑いのヤマ場のない噺を、淡々と語る壱之輔さん、
まさにつかみどころのない「転失気」でおました。


三、桂春之輔・・・・・・・・・・・・・・「皿屋敷」

この時期になると、幽霊とか心霊とかのはなしが多くなりますが、
昔、テレビの仕事でレポ―ター、しかもヤラセのはなしをマクラに「皿屋敷」へ。

もちろん、春團冶しこみの「皿屋敷」・・・・、随所に師匠を彷彿させるが、
お菊の幽霊姿は・・・・やはり、師匠には及ばない。

季節がら、かけられる事も多いと聞くので、
この夏、三代目の「皿屋敷」を観たいもんですな。


仲入り

四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・「らくだ」

今日が、ネタおろし。(稽古は鶴瓶さんにつけて頂いたとか)

ネタおろしとは思えぬぐらい、立派な出来ばえで、凄おます。
特に、紙屑屋に、清めの酒とヤタケタの熊が酒を呑ませてからは絶品。

これから、独演会に向けて、随処でかけられるようだが、
成熟していく鶴二さんの「らくだ」に注目でおます。

新丸八寄席
2011年7月10日午後5:00開演
今里。まるはち

一、笑福亭喬介・・・・・・・・・・・・「看板の一」
二、桂壱之輔・・・・・・・・・・・・・・「転失気」
三、桂春之輔・・・・・・・・・・・・・・「皿屋敷」
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・「らくだ」

11-18-80



打上げに集まった、鶴二ファンのメンバー。
(他の人の会でも、よく見かけますが・・・・・・)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

笑福亭鶴二・芸能生活25周年・・第14回独演会・・のお知らせ


笑福亭鶴二・噺家生活25周年・・第14回独演会
2011年9月17日(土)午後5:00開演
国立文楽劇場

一、笑福亭鉄瓶・・・・・・・・・・・・・・・「阿弥陀池」
二、桂春蝶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「こうもり」
三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・「稽古屋」
四、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・・・・・・「お楽しみ」
仲入り
五、鶴瓶・鶴二対談
六、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・「らくだ」

前売・3500円・・当日・4000円

先行予約・・・7月19日発売
一般発売・・・8月1日発売

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恋の歌、百首~俵万智。

2011-07-09 12:16:28 | 本の少し
あなたと読む恋の歌百首 (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋

☆☆

短歌の、奥の深さを思い知らされる本。
恋の歌を百首、選んでいるのを、よんでいると、俵万智さんの解説に感心も得心。
この歌には、こんな背景があり、この一言に、こんな意味が含むまれているなんて。
ひとつの歌を、何回も読み返すごとに、新しい発見がある。

短歌の愉しみ方を、ご教授いただいた様な気分である。

でも、私にとって一番はわかりやすくであり、お気に入りは、久松洋一さんの作品で

新妻の笑顔に送られ出でくれば 中より鍵を掛ける音する

微笑ましい、ありふれた日常に、心の機微を感じる。
玄関でのいってらっしゃいの声に送られ
真っ直ぐバス停に向かっているようだが、
気持ちは何度も妻の顔を振り返っているのが、毎日の私の朝である。


他に紹介されているのも書くと

林檎から始まる君の尻取りに 我は今宵もゴリラで返す

製造日を確認のことと書いてある 妻のメモ持ちスーパーへ行く

我が妻が作りし七草粥には 今年は三草しか入っておらず

作者の歌集に「ビジネス・ダイアリー」があるらしい、探さなければ・・・。


そのほか、私が気にいった他の人の作品をあげると、

赦せよと請うことなかれ赦すとはひまわりの花の枯れるさびしさ・・・松美啓子
いつかふたりになるためのひとりやがてひとりになるためのふたり・・・浅井和代
一度にわれを咲かせるようにくちづけるベンチに厚き本を落として・・・梅内美華子
たとふれば心は君に寄りながらわらはは西へでは左様なら・・・紀野恵
観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生・・・栗木京子
一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております・・・山崎方代
体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ・・・穂村弘
「たった今全部すててもいいけれどわたしぼっちの女でも好き?」・・・渡邉志保
暖かき春の河原の石しきて背中あわせに君と語りぬ・・・馬場あき子
君がふと冷たくないかと取りてより絡ませやすき指と指なり・・・角倉羊子

こうして見ると、いかに女流作家の作品に偏っているのか・・・・
私の恋に関する、奥底が見えるようで恥ずかしい感じがするが、

百の恋愛の歌をじっくり、味わうのもよろしおますで・・・。















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文化はマニアがつくる~「落語進化論」志らく

2011-07-03 13:33:25 | 本の少し
落語進化論 (新潮選書)
クリエーター情報なし
新潮社

☆☆☆☆

「落語進化論」、立川志らくの新潮選書からの二冊目。

題だけ見ると、「落語が消えゆく世界」、「稽古をする落語家にろくな奴はいねえ」
「たちきりなんざ誰にでもできる」、「名人の落語を聴くと眠くなる理由」とか、
まるで、喧嘩を売っているような題が並ぶ。

でも中身は、落語を愛し、真っ向から落語に挑戦している志らくさんがいる。

落語は、演者と客が価値観を共有してこそ、共に楽しめると、「落語は客を笑わせるのが
第一義だから、一人でも多くの客を笑わせなければならない」という考えもあるが、
談志の生き方を是とする志らくさんは、「いけなくはないが間違いだ」と言いきる。

そして、志らくはその日の気分でネタを選ぶ。お客さんを楽しませようという意志は勿論あるが「自分が楽しく感じなければその日の落語会は負け」だと・・・・芸術肌と称されたりもしたが、これでは来た客全員を満足させることは出来ないと自覚しながら、客を横に広げるのではなく、縦に広げる芸であると自己分析している。

そこには、落後はただの娯楽だと考える落語家と、落後を自分の活き様を見せる芸術だと考える落語家が存在する。

そして、落語を面白く表現する一番の近道は「噺の本質」を見抜くことと・・・。
歌舞伎の富十郎さんが、対談で「芸を継ごうとするとテンポが遅くなる。近頃の芝居はだらだらと長い。」
落語でも、「長い噺、すなわちいい芸」と思いこんでる節がある。
落語は極力、刈り込むべきである。覚える時には目一杯の長尺で覚え、稽古をしながらそぎおとしてゆき、年齢を加え人間としての深みが出てきたら、演出を変えて少し長くする。志らくさんが現時点でのベストの作品へのアプローチを披露している。

落語は、落語家自身を主体に考えるならば、必ず飽きがくる。真剣にし続けてもいつかは飽きる。それが芸の本質だと、落語に飽きない落語家の芸には安定感があり、いつでも楽しめるが、刺激が少ない。反面、落語に飽きる落語家の芸は不安定だが、客をも狂わせるぐらいの衝撃を与える可能性がある・・・揺れ動く、志らくさんの本音が揺れ動く。

そして最近、「普通に落語を演じているだけなのにここまで面白いなら、勝負にならないな」と志らくさんに思い知らせた落語家として、柳亭市馬さんをあげている。観客に戻っている自分を発見し、素直に良いものはものは良いと素直に認めている。

この本ででてくる志らくさんが思う、魅力的落語家さんを列挙すると、
志の輔、談春、談笑、市馬、昇太、白鳥、花禄、三三、たい平、喬太郎、彦いち、百栄、一之輔、白酒、などなど。
将来のスター候補も頭角をあらわし、落語界の未来は明るいとまで、明言している。

そして、流行は時代を動かすが、文化はマニアがつくるというのが、志らくさんの持論であり、今の落語が単なるブームで終わるこのと無いよう、進化すべき落語とは、進むべき道はと、心の内が語られている落語本でおます。











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