ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

これ市馬さんとの二人会~桂梅團治のこれ独演会

2009-07-27 06:54:48 | 梅団治・須磨寺落語会
東京の柳亭市馬さんとの初出逢い。
江戸落語の粋さに、期待ですな。


・・・・・・・・かっこいいな・・梅團治さん・一枚看板・・・・・・・・・・・・

一、桂梅團治・・・・・・・・・・・・・・・「子ほめ」

トップに出るのは、久しぶりですが、今回満員御礼でございます。
まことに、市馬さん効果で、早々とチケットぴあ販売分が完売。
凄いですな。

市馬さんは、今後東京の落語界を支えていく方。
私は、家族でさえ、ささえるのが、精一杯ですが。

今日は、たっぷり江戸落語を堪能して貰いたいと、
ゲストの市馬さんを立てながら、二人会の意気込みを語る。

噺は「子ほめ」・・梅團治さんの子ほめ。良かったですな。
間抜けな主人公ではなく、べんちゃらのひとつもいうて、
ただ酒にありつけたいということで。

呑みたい一心で、人の話など聞く耳をもたないのが、
ストレートでおもしろい。

まずは、梅團治さんの「子ほめ」が聴けだけでも、得した気分ですな。


二、柳亭市馬・・・・・・・・・・・・・・・「かぼちゃ屋」

上方落語でいう、「みかん屋」。・・大阪弁に慣れている私には、
数段、みかん屋の方がおもしろい。

長屋の賑やかさなくて、ものさびしい。
みかんは衝動買いはあるかも知れないが
かぼちゃの衝動買いは如何なものか。
その日、長屋全部がかぼちゃ料理とは、気持悪いでっせ。

元々は、どちらの噺か。・・長屋噺は、上方に限りますな。
凄い・・えこひいき。


三、桂梅團治・・・・・・・・・・・・・・・「宇治の柴舟」


私の隣に坐った男性、今日初めて繁昌亭に来ましたと。
「ええ、小屋ですな。」
「まあ、大きさも丁度よろしく、二階席でも充分楽しめまっせ」と
小屋主みたいに、誉め言葉を述べる。

その方が、終わったあとで、「崇徳院と思いましたわ」の一言。
ほんま、若旦那の悩みとやらを聞くのは「千両みかん」もあるけど
「宇治の柴舟」と「崇徳院」は最初のところ、瓜二つですな。
惚れたのが、生身の女性ではなく、絵の中の女性。
まさに、究極の恋患いでおますなが。

プログを見ていると、梅團治さん、
鉄道写真に、この若旦那以上に、恋患いですな。

仲入り

四、桂梅團治・・・・・・・・・・・・・・・「寝床」

最初に、お断りしときますが、私の寝床は、短いです。
今日初めて聞く人は、是非他の人のも聴いてください。
本来、そこそこ長いネタです。

いきなり、「久七、・・・・どうやった、すると町内の皆さんは、
誰も来られんということか。」というと、
客席から、思わずああなんと大胆なという笑い。

でも、その後は、最後の定吉のくだりまで、一切の手抜き無しの
ノーカット版。・・・・・・・・・・・・・おもしろい。

実は、大好きな鶴二さんの寝床も、このバージョン。
噺家さん、縮めたり、伸ばしたり、、今日の梅團治さんの「寝床」
時間は短いが、中身は濃縮の味わいでしたな。


五、柳亭市馬・・・・・・・・・・・・・・・「百川」

梅團治さんの、好きなものを語っている時の顔はよろしいな。
私は実は無趣味・・・・・・いや、昭和歌謡が好きで・・・と。
三橋美智也の最初のヒット曲「おんな船頭唄」を客席の期待に
応えて歌ってくれる。・・・伸びのある、いい声。

与太郎、与次郎、与三郎と、一字違いでアホから若旦那まで大違い。
与太郎の説明しているようで、最後のさげの複線、にくいですな。

噺は、百川に勤める百兵衛が、言葉足らずで、河岸の若い衆と
「主人家の抱え人」を、「四神剣の掛けない人」とトンチンカンの勘違い

江戸言葉に馴れない私は、一度こちらの言葉に変換するので
素直に笑いに入れない。

サゲは、「かめもじ」、と、「かもじ」、の一字違いと。
最初の、仕込が生きてくる・・・。

語り口、品の良さは最高。
江戸落語は、やはり上方にはない人情噺、武家噺なら素直に入れるが
私には、今日の二席は、チョット違和感ありましたな。

本日は、市馬さんより、梅團治さん。
江戸落語より、上方落語が
私の笑いの壷にはあいましたな。

でも、もっともっと、江戸の、噺家さんに、
こちらで会えるような企画、大いに増やして欲しいですな。



第3回・桂梅團治のこれ独演会
2009年7月26日(日)午後6:30開演
天満天神繁昌亭

一、桂梅團治・・・・・・・・・・・・・・・「子ほめ」
二、柳亭市馬・・・・・・・・・・・・・・・「かぼちゃ屋」
三、桂梅團治・・・・・・・・・・・・・・・「宇治の柴舟」
仲入り
四、桂梅團治・・・・・・・・・・・・・・・「寝床」
五、柳亭市馬・・・・・・・・・・・・・・・「百川」

09-54-249
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染雀さんの「質屋芝居」最高~第3回質屋寄席

2009-07-26 01:31:48 | 落語
・・・・・・・・・・・・・・・・なんと男前揃いのチラシ・・・・・・・・・・・・・・

中央はめがねで、福車さん・右上は頭と貫禄で梅團治さん
左下は目が離れているので佐ん吉さんか・・・・残るは
左上が歌之助さんで、右下が染雀さんですか。
でも、過大広告で訴えられそうなチラシですな。



・・・・・・・・・・・・・・落語会で初めて貰った領収書・・・・・・・・・・・・・

案内状をもって行ったら、前売りの1500円。
受付で、支払うと何も言わなくても、領収書が。
質屋協会主催だけに、札は必要ですな。



・・・・・・・・・・・・完売ながら、空席が目立つ会場・・・・・・・・・・・・・・・・

入場の際受付の方に聞くと、90人前売り完売、30名予約で
今日は120名の大入満員といいながら、ほぼ90名のお客さん。

領収書が必要な方への販売は・・・実際はお越しになるかどうか、
別物というのは、ようわかりましたで・・・・。


一、桂佐ん吉・・・・・・・・・・・・・・・・「手水廻し」

得意の、手水廻し、余裕さえ感じられる。

長頭を回したり、手水を呑んだりの動きと表情を
マンガティックにやる人が多い中、
無駄な台詞も一切なく、シンプルでかつ静けさのある
手水廻しである。

例えば、番頭が、「だんさん、ついに大阪の朝がやってまいりました」
の一言で、場面変換をする様に、いたって簡素で、凛としてますな。


二、桂歌之助・・・・・・・・・・・・・・・・「青菜」

いつものおばちゃんの乗車の際のマクラ。
ぼちぼち、次のバージョンが聞きたいですな。

本題の「青菜」。この一週間に3回。いくら旬のものと言えども、
こない続くと、「わい、青菜きらいやねん。」と、
歌之助さんが悪いのではないが、多少飽き気味。

旦那、植木屋、大工の竹、女房と四人とも、印象が薄く
噺全体が、薄味に感じてしまう。

まあ、なんでも食べ続けるのはあきまへんな。


三、桂梅團治・・・・・・・・・・・・・・・・「禁酒関所」

このあと、繁昌亭で独演会があるので、中トリで登場。

昨日、昼席のあと、天神祭りの花火を見ず、鳥取の若桜ヘ。
若桜鉄道のSLとそこの花火と一緒に見れるという
至福の時を過してまいりました。

また、今日は、やまぐち号の客車が大阪の工場から山口に向って
運ばれていくのを、淀川の鉄橋で、写真に撮ってまいりました。

ほんま、独演会の前は普段こんな余裕はないのですが、
ゲストの市馬さんの効果、凄いですな。
個人でのチケット販売で営業に回る事もなく、・・・楽・・。

噺は、「禁酒関所」、関所の代官が酒に酔いつぶれていくさまは最高。
梅團治さんの日に焼けた(と思うが)顔が、酒焼けの顔に見えてくる

仕事をこなさなければ、と思いながらも、酔ってしまう酔態は、
あの中川大臣を思い出させますな。

今夜は、追いかけていきまっせ。


四、桂染雀・・・・・・・・・・・・・・・・・・「質屋芝居」

本日の秀逸・・・チラシに「質屋芝居」と一つだけ演目が・・。
終って見て、納得。

質屋の会なので、出演依頼が福車さんからあった時、
「質屋芝居」でもやりましょかと思わず言ってしまったと。

この噺、やるのは大変ですが、笑いは少し、
労多くして、益少なしという感じ。

私も、今回で三回目ですが・・・。いやいあ、なかなかのもの。
歌舞伎の科白廻しといい、本物の歌舞伎を見たことがないので
差異は正直分りませんが、本物にもひけをとらぬぐらい
さぞ立派な出来であろうと思う。

迫力と毅然とした舞台に、こちらまで思わず背筋が伸びました。

今まで、他の人でも何度も聴いた噺ですが、
今日初めて聴いた初物に出逢うたような感動。

ほんまええもん、聴かせてもらいましたで、染雀さん。

染雀さんの「質屋芝居」チラシ等で見たら、必聴でっせ。

追伸・・・・・・・・・下座とのかけあいで
佐ん吉さんの科白に、こちらまで緊張しましたで。


五、桂福車・・・・・・・・・・・・・・・・・・「花色木綿」

出てくるなり、もうよろしいやろ、三人分ぐらいたっぷり聴かれて。
あと、何をすれば良いのか、トリヘまわってくれと言うたんですが。

噺は「花色木綿」
余韻を消さぬよう、前座噺をくっつけるなんぞ
このあたり、福車さんの、センスを感じますな。

この、質屋寄席、中身は、オメガ、ロレックスの高級品がずらり
ほんま、充実の落語会でっせ・・・
・・チケット買うだけでなく是非見に来てください。

次回は、年末か、年明け一番ぐらいとか。




第3回質屋寄席
2009年7月26日(日)午後3:00開演
大質ビル5階

一、桂佐ん吉・・・・・・・・・・・・・・・・「手水廻し」
二、桂歌之助・・・・・・・・・・・・・・・・「青菜」
三、桂梅團治・・・・・・・・・・・・・・・・「禁酒関所」
仲入り
四、桂染雀・・・・・・・・・・・・・・・・・・「質屋芝居」
五、桂福車・・・・・・・・・・・・・・・・・・「花色木綿」

09-53-244

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トリは吉弥さん~久しぶりのパンジョ寄席

2009-07-25 06:33:50 | パンジョ寄席
今日は久しぶりのパンジョ寄席。
新顔の米市さんに、雀々さんと吉弥さん、
そして米團治さんの豪華メンバー楽しみですな。



・・・・・・・・・・・・・・・・・ひな壇になって見やすい会場・・・・・・・・・・・・・


一、桂米市・・・・・・・・・・・・・・「東の旅・・・発端」

出てくるなり、名前の自己紹介もなく、即「東の旅」へ。
ハリ扇と小拍子でリズムをとるが、そのリズムが不安定。
はなしと叩きの両方に神経がいっているのが分る。

途中から、それに下座の鳴物が入ると、更に合せる難しさ。
普段なんともない噺が、手を汗握るスペクタルに変身。

でも、最初に教えられる噺で、笑いはいたって少ないだけに、
最後まで、完走できたこと、立派ですな。

続々入門してくる落語家の初高座に出会えるのは幸せですな。
(今日の米市さんは正直、何度目でっしゃろか)

出囃子の「石段」のように、一段一段、・・・期待してまっせ。


二、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・「茶漬幽霊」

噺の筋は、省きますが、「ほたらなんですかい」ではじまる。
茶漬けを食べているところへ、幽霊が出てくるという・・・
・・・あれまと・・・・・それだけの噺。
ネタづくりは「茶漬けえんま」と一緒。

まあ落語の題は、楽屋での符丁とか。、
「ろっくろ首の女房」でもなく、「そんな青菜」でもない。
茶漬けを食べている時に、幽霊が出てきたら・・・の発想。

今日初めて聴いたので、どう展開するのか、新鮮でしたが
前半は幽霊が怨念で出てくる、夏の怪談噺かと思いきや、
後半、茶漬けを食べている処に前の女房の幽霊が出てくる、
それも昼間に、そして気は弱く、遠慮がち。
その落差が、この噺のおもしろさか。

まあ、あんまり美味しいとは思わんですが、
夏には食べる、鱧料理みたいでおますな、・・・・この噺。
雀々さん、めったに聴けぬ夏の噺、ありがとうでおます。


三、桂米團治・・・・・・・・・・・・「青菜」

聴きなれた噺だけに、各所の科白が抜けるのは、
それでいて同じ内容の繰り返し、言い直しはあるが・・・・・。
まるで、生ぬるい気の抜けたビールのようで、スッキリしない。

そして、お咲きさんが、ダミ声で15才年上のお咲き婆さんに。
お屋敷の広さ、長屋の狭さ、など噺の仕方ひとつで変わる。
「青菜」ひとつでも、一流料亭の食材にもなるし、それ以外にもなる。
今日の米團治さんで、よう解りましたで。

やはり、「青菜」は、九雀、こごろうさんの味付けが好きですな。



四、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・・「親子茶屋」

今日は、おまえも一人前か、大先輩がたてて頂いてトリをとれと。
二人とも、早く帰りたいだけでは・・それで最後まで居て頂こうと、
あえて、鳴物が入るネタで、あしどめをいたしました。

男の煩悩から、のむうつかう。
今は、ヤクルトを飲む、バッティングセンターで打つ、パンジョで買う
年配の噺家は、薬を飲む、点滴を打つ、大人用おしめを買うと
いうのもありますが。

「爪で火を、とぼして貯めた親の子が、ロウソクで読む傾城の文」
親が貯めた財産を、道楽息子が食い潰す。
「Y團治」さんそのままと・・・本日共演でよろしいが、
いない処では、笑えないだけに角がたちますな。

この噺、親が大事か、芸妓が大事か、それを聞かせてもらいましよ。
それなら、話させてもらいまひょの、親子の掛け合い・・・・・・・・・
私、この噺でここが一番好きでおますな。

噺の品格、質感、吉弥さんの噺、すべてクオリティは高いですな。
吉弥さん、ほんま立派な、トリでおましたで。

ちりとてちん終了して、一年半経ちますが、更に人気があるのは
なるほどと・・本日も、感心も得心も致しました、一席でおましたで。



パンジョ寄席
2009年7月25日(土)午後4;00開演
泉が丘・パンジョホール


一、桂米市・・・・・・・・・・・・・・「東の旅・・・発端」
二、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・「茶漬幽霊」
三、桂米團治・・・・・・・・・・・・「青菜」
四、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・・「親子茶屋」

09-52-239
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柳かげとは・・・「青菜」から

2009-07-22 06:40:22 | グルメ・スイーツ
参考・・・愛知県碧南市・・・・・・・・・・・・・「柳かげ」


味醂と焼酎を半々で割ったものを、
京阪では、夏に柳陰(やなぎかげ)と呼び、
江戸では、本直し(ほんなおし)と言い、飲んでいたようで。

この前の、落語会の打上げで、「柳陰」について意見噴出。
まとめてみると、次の三つに・・

①、最初に、柳陰という酒があり、
庶民が味醂と焼酎で味を似せてつくった。

②昔は、みりんの甘味料自体が高級品で、
みりんと焼酎の割ったもの自体が高級品であった。

③大名酒とは、たまたまお世辞での言葉で、
柳陰自身は高級であるが、一般庶民も一度は口にした事はあった

試しに、皆で作って飲んでみましたが、
味はいまでいう、カクテル。
・・・・・・冷やさんと呑めんぐらいの甘さでしたな。

まあ、青菜は青菜、柳陰は柳陰。
どちらでも、落語はおもしろければ良いし、
酒は美味ければ良い・・・まあ・・気楽に愉しむのが一番ですな。





参考・・・岐阜県蔵元・・白扇酒造・・・・・「柳陰」


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今日は釣りバカ日誌~稲倉ダム

2009-07-20 18:19:26 | 釣り
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・朝の雨に霞む風景・・・・・・・・・・・・・・・・



今日は、バス釣り、あいにくの雨模様。
5時に着けば、遠くで雷もなっている中で、水の中に入る。
でも、風景は水墨画のようで、風情が・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・稲倉ダム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結構大きな稲倉ダム、フロターで入るとそこそこ運動になる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




・・・・・・・・・・・・・・・遊び友達の、仲地さんと増田さん・・・・・・・・・・・


雨の中の釣りバカに、お魚さんたちは非協力的でした。


今日の釣果は、増田さんの40cmがベスト。
他は、20cm前後の小粒・・・・各人二匹ずつでおました。


次回は、汗だくだくになるような、夏らしい釣りがしたいですな。
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九雀の「青菜」・最高~第502回田辺寄席

2009-07-19 00:57:09 | 田辺寄席
502回目の新・じっくりたっぷりの会・・・・九雀の段・・・・




開口0番・・・・・・・・・・・・「ろ」・・「六代目松鶴」

文太さん、入門した昭和46年は、四天王全盛の時代。
各師匠、それぞれの個性があった。

着物では・・・・・
松鶴は、黒紋付。米朝は、大島や結城などの紬。
春団治は色紋付。小文枝は縞や小紋。

ネタでは・・・・・
松鶴は、「らくだ」、「一人酒盛り」。米朝は、「地獄八景」。
春団治は「高尾」に「皿屋敷」。小文枝は「子ほめ」、「「つる」に「十徳」
(まあこれは、洒落で、やはり「悋気の独楽」「稽古屋」、「天神山」)

六代目、亡くなられてもう23年か。
一番芸人さんらしい、噺家で、酒は弱かったらしいが
酒にまつわる、エピソードは豊富。

「松鶴だぁ」という声で、ミナミノ街を歩かれる姿、
見ておきたかったですな。


一、桂さん都・・・・・・・・・・・・・・・・「ろくろっ首」

師匠都丸が、塩鯛を襲名。それに伴い一門の弟子も襲名します。

私は鯛蔵。この人東京ヘ行き、最後は祈祷師なったとか。
兄弟子の都んぼは、米紫で、これは塩鯛の前の名なので、
後は塩鯛襲名。私は、祈祷師、えらい違いでっせ。

ちなみに、弟弟子のとま都は、小鯛、かわいいですな。

噺は、都丸一門、ざこば一門得意の「ろくろっ首」
楽しくて、勢いあって、前半は延陽伯みたいで、
前座には、都合の良いネタですな。

最初の晩、夏だけに首が伸びる怖ろしさでの涼しさ
もうちょい欲しかったですけど。、

来年の襲名をひかえ、一層の精進を期待ですな。


二、桂九雀・・・・・・・・・・・・・・・・・・「あくびの稽古」

九雀さん自身も、多くの習いごとを・・・。
クラリネットは、腱鞘炎になって残念。
ペン習字は、それなりに上手になりかけたら、パソコンの時代に。
英会話は、師匠の枝雀がはまり、一緒に習う。
我が国で最初に英語落語をしたのは、枝雀と言われていますが
最初の会で前座に上ったのは、実は私。
私の方が、15分早く、英語落語を最初に公演致しました。
これも、師匠が亡くなられて自然消滅・・・。

あくびの稽古、これも従来のあくびの稽古ではなく。
九雀版あくびの稽古・

落語を聴きに行っておもしろくなく、でるあくび。
寺を習いに行って、飽きてでるあくび。など色々。

現代版、あくび・・・麻生総理のコメントにはツッコミにも飽き
この頃は・・・ああーと・・あくびがでますな。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・「祝いのし」

春団治師匠とは違って、文太師匠の「祝いのし」お見事。
やはり、上手い。

でも、途中で暑くなったとかで、汗だくだく。
思わず扇子で扇いでしまったが、
頭がぼーっとして、多少入れ替ったりして、えらいすいませんと。

オチは「よう、覚えてきたな、5円やろうか。」に
「甲斐がおましたわ」


四、旭堂南青・・・・・・・・・・・・・・・・「雷電の初相撲」

若い講談師・・まだ30前か。
まず、肩をはらずに聞いてください。
講談も、あくまで大衆芸能のひとつ、難しいこと一切ありません。

噺は、雷電の入門からはじまる。
最後の初相撲の一番はやはり力が入る。
内容もわかり易く、若々しいて好感。

まあ、講談、笑いの少ない落語か、
太閤記とかの戦記物のイメージがあるので難しく思ってしまうが
内容もわかり易く、田辺寄席でも、出番を増やし。
講談の楽しさ、紹介してもらいたい。

岸和田でも、かじやま亭と毎月20日に旭堂一門会がある様なので
休み日にあえば、一度覗きたくなりましたな。


五、桂九雀・・・・・・・・・・・・・・・・・・「青菜」

最高の「青菜」でおました。

新じっくり、たっぷりの二席のトリに、季節柄と言えども
「青菜」思いの外、軽いなと・・でも今日の噺を聞いて納得の一席。

おもしろい、そして品があり、九雀さんの人柄の良さが
、主人公の植木屋と旦那に現れている。
ドタバタ劇でありながら、長屋に多少の涼風が吹く。

全編クスグリがいっぱい、科白もすべて変わっているが、
なんら、抵抗、違和感はない。

九雀さんの「青菜」として、完成度、完熟度100%。
この夏、早めに御賞味あれですな。






第502回・田辺寄席
新・じっくりたっぷりの会・・・・九雀の段・・・・
2009年7月18日(土)午後18;00開演
大阪市立阿倍野青年センター

一、桂さん都・・・・・・・・・・・・・・・・「ろくろっ首」
二、桂九雀・・・・・・・・・・・・・・・・・・「あくびの稽古」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・「祝いのし」
仲入り
四、旭堂南青・・・・・・・・・・・・・・・・「雷電の初相撲」
五、桂九雀・・・・・・・・・・・・・・・・・・「青菜」
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鶴瓶の「死神」~鶴瓶と都のお稽古会

2009-07-18 23:02:07 | 鶴瓶・都のお稽古会
・・・・・・・・・・・・・・・・・・この雑多な商店街・・・・・・・・・・・・・・・・・

京橋の街ヘ、朝から出かけまっせ。
今日の噺は、お稽古会だけに、お二人ともネタおろしなのか。
どんな噺が聴けるのか、楽しみですな。



椅子が80名、立見が15名程度の100名弱の満員。

一、鶴瓶・都・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「対談」

鶴瓶さん、出てくるなり、遅れているのは、
私の追っかけで東京から来る人の車椅子がこの会場に
入る入らぬで揉めていると・・・・。

「ほんま、迷惑でっせ。」と、・・普通では身障者には言えぬ言葉。
平気なのは、あとあとわかるが、本質の部分で、
人を愛しているから・・・鶴瓶さんの優しさが伝わる。

その方は、ホーキンス青山さんで、35才の芸人らしいが、
かつては、ビートたけしさんの追っかけだったのが、
今は、鶴瓶さんの追っかけ、各落語会ヘ来てくれるのは良いが、
その度に直接電話がかかってきて、私が建物のどこから入って
どこを通って会場までたどり着くのか・・を調べる。
ほんま、やっかいな事でっせ。

右足が女性の胴体ぐらいに腫れあがり、
幅70~80cmないと車椅子は通れない。
御自身との総重量が、300㎏。・・容易く持上げる事は不可能。

普段、私たち、心の底では迷惑やな。
わざわざ込んでいる街中ヘ出て来なくてもええのにと思う気持と
周りを意識して、大切にして手助けしなければと思う気持。
でも、今日の鶴瓶さんのように、ストレートに言えるのは気持良い。

笑いを求めて落語会に出掛けよういうのは、私たちとも一緒。
そういう意味で、バリアフリー・・ハードもソフトも遅れていますな。

狭い、ドアから、ホーキンスさんが入られた時、思わず客席から
ようこそおいでませでしゃろか・・・・拍手が湧き上がりました。


二、露の都・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「悋気の独楽」

お父さんさんの、手をつなぐ噺。犬の散歩での噺。
まあ、おばさんのおのろけ聴いているいるようで、
鶴瓶兄さん、どうしたらもっと売れるのと言いながら、
いつもながら、結構幸せそうでっせ。

噺は、「悋気の独楽」、女中のお竹どんがなかなかのもん。
「おっしゃれや、おっしゃれや」と御寮さんをたきつける。

男と女と子供が出てくる噺、都さんの得意のキャストですな。
でも、この御寮さんの悋気、可愛くて、品がありますな。

この、お稽古会、都さんの噺も楽しみでおますな。


三、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・・・・・・・「死神」

今、鶴瓶さん、39の噺があり、常に高座にかけれるよう
微修正と微調整をしていますと。

今回は古典落語でありながら骨組みだけを残した、
鶴瓶工務店がリフォームした「死神」

まずは、死神が白髪の老人ではなく女性。、それも妙齢の美人さん。
今は、やもめで、別れた女房と寅ちゃんという子供がいる。
ここらあたり、「子は鎹」風。

死神と出逢うたあと家に帰ると、死神が女房気取りで住んでいる。
ここらあたりは。「堪忍袋」の新婚さん時代か。
「こんな生活に憧れていてん」と死神、いろっぽい。

最後は、死神のお情けで、延命のろうそくに火を灯すが、
実はそのろうそく、死神本人のろうそく・・・。

そこで、死神本人の口から、幼なじみで昔から恋ごころがあったと
告白され。ろうそくの薄明りの中で、「こっちヘ来い」と・・。

「すっぴんやから」と恥ずかしがる死神に、
主人公、思わず、ろうそくの灯を吹消す。

「ああ、これでやっと一緒になれたわ。」・・・・・・・・・FIN・・・・・・・

・・・・・なんと、ええ、フランス映画みたいな、終わりかた。

まあ、鶴瓶さん
死神の不気味さを超えた、おもしろい死の世界の噺を、
死の世界を使った、恋愛物語に昇華。

実は、実演で聴いたのは、まだ「らくだ」と「堪忍袋」と三席でおますが
鶴瓶さんの古典落語では、現時点では「死神」を一番と推しますな。


次回も、都合のつき次第行なわれると・・・このお稽古会楽しみですな。


鶴瓶と都のお稽古会
2009年7月18日(土)正午開演
京橋・ビギンホール

一、鶴瓶・都・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「対談」
二、露の都・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「悋気の独楽」
三、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・・・・・・・「死神」

09-50-221

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珍品でわかる実力~文我・宗助・二人会

2009-07-12 00:47:49 | 太融寺


・・・・・本堂横の13重の塔・・お寺さんの数字はいつも素数ですな・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

普段聴けないネタばかり、上演されない理由は、
単におもしろくないのか、難しくてウケナイのか。

チラシにもあるように、吉と出るか、凶と出るか、
まあ、最初に口にする料理のように、
一流を食さなければ、あとで後悔します。

そういう意味でシェフとしては、今日のお二人は最適でおますな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いつもの太融寺の落語会より、ゆったり目のほぼ90名。

冷房が効いて寒いぐらい、
係りの人がエアコンの温度設定今24℃ですがどうしましょうかと
客席のお婆さん「私の年の26度位では」。と
そのあと、「実際の86度にしたら、皆煮えくりかえりますな。」
落語会に来るおばあさん、やはり粋ですな。



一、桂二乗・・・・・・・・・・・・・「牛ほめ」

いつものごとく、牛ほめの場面は一切なし。
普請誉め、どまり。・・・・でも、上手い。

前座時代の、宗助さん、さぞこんな風だったのではと思わすぐらい
華美でなく、それでいて端正、まさに端麗な落語。

サゲは、「これだけの口上、よう頭にいれてきたな」
「いや、フトコロにいれてきました。」でおました。

米朝一門の本道を進む二乗さん、新ネタへの挑戦楽しみですな。


二、桂文我・・・・・・・・・・・・・「鉄拐」

「拐」の字、これを見たら誘拐しか思い出しまへんな。
漢和辞典を引くと(久しぶりですが)、かどわかす、
人を騙して金品をうばうの意。

中国の噺なので、マクラで、20年ほど前に上海ヘ行った時の話
10年後、中国が日本を潰すのには容易い事だと、
どうするかと聞けば・・・・
今自転車が氾濫しているが、そのうちすべてが自動車に替わった時
排気ガスが黄砂のように流れて、日本を襲う。

もう、ひとつに、国民全員が海岸線に手をつないでづらっと並んで
いっせいにジャンプして、着地すれば、理論的には、大津波が発生、
日本は沈没すると・・・。ただ問題は、国民性も含めて、
息をあわせて、ジャンプするのが、難しい・・と。

これまた、さすが枝雀師匠の弟子、理屈っぽいマクラ。

噺は、中国が舞台のはなし、地噺で語る。
山里離れた、千人が、街中で芸を披露。

談志と、三代目三木助さんが演じたらしいが、
東京でも、演じる方は少ないらしい。

でも、この噺のおもしろさ、ようわかりまへんな。
今日の目的は、けったいなもん見たさに来ているので、
まぁ、文句は言えまへんけど。


三、桂宗助・・・・・・・・・・・・・「三年酒」

このあとの、「ネタあれこれ」で、
宗助さん、この噺次ごう10回演じているとか、
師匠の米朝に、お寺で二回ほど演じたと報告すると
「ええ、度胸しているな」と感心されたと。

まあ、神道の講釈に凝っていて、
寺ではなく、神社で葬儀をするというはなし。
その菩提寺のお寺にその旨を言いに行くのに、
「オネオネの佐助」、「傲慢の幸助」、「コツキの源太」の
三者三様のキャラがおもしろい。・・この噺の山場。

三年酒という、酔い潰れると、三年意識がなくなるという酒
死んだもんと思っていたが、幸い神道で火葬ではなく土葬にして
助かる。・・・生き返ったおやっさん、「のどが渇いたので、冷で一杯」
「ああ、焼かな、直らん」というのがオチ。

でも、人が生きかえるだけでも、このはなしよろしいな。


五、桂宗助・・・・・・・・・・・・・「近眼のニ売屋」

飛び込んできた友に、一杯の酒も、アテも食べさすことなく
一人で呑み、食す。

このきずし、このわた、さわらの焼いたん、焼き豆腐と一口ずつ
口へ運びながら、酒を呑む。・・・・・この場面、宗助さん秀逸。
ほんま、糖尿の気がある私ですが、
今日は冷やが呑みたくなりましたな。

そのアテ、すべてを煮売屋を騙してとってきたと言うのを聞いて
盗りにいくが、サゲは愛宕山のごとく、注文の品忘れてくる。

でも、他の盗人の噺は、泥棒が間抜けで頭から失敗するので
憎めん笑いがあるのですが、、
これは、強盗まじきで実行、やはり道徳上、問題を感じますな。

呑みたい友を前に、わかっていながら焦らして呑む酒。
おもしろさもこの場面、まさに「一人酒盛」のショート版。


六、桂文我・・・・・・・・・・・・・「佐野山」

負け続けの相撲取りが、大関谷風との、情け相撲で結びの一番。

「でるとまけ」というあざなまでついて、大関の体に触れば一両、
前褌をとれば三両、土俵際まで押し込めば十両と、口々に
勝つ見込みがないと、てんでに、応援する。
大関の油断もあって勝負は、意外や意外、「でるとまけ」の勝ち。

よくタレントが、キャラがかぶる芸人さんは要注意。
坐れる椅子は、ひとつなので、同じ芸風はいらないと言いますが。

同じ様な噺で、「花筏」が内容たっぷりで軍配があがったようで。

でも、今日の珍品シリーズ、どれも楽しませてもらいました。
噺家としての、技量、あからさまにこういう噺分かりますな。

また、普段よく高座にかけられる噺は、
残るべくして残った噺なんですな。

中堅落語家さん、この様な埋もれている噺を復活させるのも、
うでを磨く、良い修行のひとつでおますな。





裏手にある、不動明の像、奥には水が流れている。
大阪、梅田のど真ん中にこの様な処があるなんて・・・。



第十一回・文我・宗助・二人会
2009年7月12日(日)午後1:30開演
太融寺

一、桂二乗・・・・・・・・・・・・・「牛ほめ」
二、桂文我・・・・・・・・・・・・・「鉄拐」
三、桂宗助・・・・・・・・・・・・・「三年酒」
仲入り
四、文我&宗助・・・・・・・・・・「ネタあれこれ」
五、桂宗助・・・・・・・・・・・・・「近眼のニ売屋」
六、桂文我・・・・・・・・・・・・・「佐野山」


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第二十一回・江戸堀トラジャル寄席~今日は肥後橋ヘ

2009-07-11 10:59:17 | 笑福亭松喬一門
・・・・・・・・・・・土佐堀通りに面した、立派な学校・・・・・・・・・・・・・・・

今日は、江戸掘トラジャル寄席ヘ、
このトラジャルって、何の意味でしゃろか。

おたべさんから、コメント頂いたように、
トラベル・ジャーナルの略、元の学校名からの命名らしい。






一、笑福亭笑子・・・・[道具屋]

帰国女子という落語家。四年前に海外で師匠の鶴笑さんに弟子入り
今日は、得意の腹話術が見れるのかと思いきや、「道具屋」。

縁日での「ふぇー、ふぇー、ふぇー・・・」と奇声を発する下駄やの
おばあさんが、ユニーク。海外仕込で出来あがったキャラなのか。
笑子さんの道具屋では、準主役、客はおまけ的存在。

サゲも、「足もとみとんのか」に、「手元みてますねんや」と
答えるのは、隣の下駄屋のおばん。

女性が噺家になろうと思うだけで、ユニークなのに、
そのなかで鶴笑師匠を選んだだとあっては、
ユニークさはピカ一ですかな。

まあ、色んな噺家さんの登場で、更に上方落語界は充実しますな。


二、笑福亭生喬・・・・[遊山舟]

夏の噺、ただし生喬さん冷房の中でか、涼しげな「遊山舟」。
雑踏の騒がしさ、夏の暑さ、祭りの盛り上がり、
すべてが、涼しげで、この噺の夏の蒸し暑さで汗がでないのが
物足りないか。・・・・・まあいたって贅沢な不満ですな。

ただ、私も一週間の疲れか、冷房の気持良さに、
思わず目を閉じてしまう・・・不覚。

嫁さんいわく、名人は上手すぎて眠くなると、
本日の生喬さん、名人芸か。

三、青空・・・・[マジック]

なんとかわいいマジシャンがご登場。
九雀さんのお子さんとか。

途中で、アシスタントとして、九雀さんが出てくるが、
うまくできるかと、心配の親心がありあり。

新聞を破って、また元どおりに。
大きなトランプの丸の数が段々増えて最後は8つに。
4っつのリングの連結。
最後は、紙袋から透明の箱を三つ出す。

すべて、鮮やかに、安心して見れる。なかなかのもの。
親の九雀さん、息子をマジック界の、遼くんにさせ
自分は越後獅子の親方にと、憧れているとか。

この早くからの舞台経験は、良い勉強になりますな。


四、桂九雀・・・・[千両みかん」

マクラに、胡瓜が元々は曲がっているものを品種改良で真直ぐに
種やが悪いのか、百姓が悪いのか、形を選ぶ消費者が悪いのか
・・・・・・結論から言うと

周りがどうしようと、胡瓜自身が真直ぐになるのを拒まんとアカン、
それをせん、その胡瓜自身が一番悪いと。
このあたり、師匠の枝雀さんの理屈っぽいのに似てますな。

噺は、九雀さん、上品で、結構な「千両みかん」。
親心、いっぱいの九雀さんならではの親旦那。

今、現実に息子がみかんが食べたい寝込んでしもうたら、
ひとつ幾らまで出せるのか・・・まああるだけ出すのでしょうな。

オレオレ詐欺、やっぱりこれ、親心につけ込んでるんですな。

今日のスターは、九雀さんの息子、青空さんでおましたな。



第二十一回・江戸堀トラジャル寄席
2009年7月11日(土)午後3;00開演
ホスピタリティーツーリズム2号館

一、笑福亭笑子・・・・[道具屋]
二、笑福亭生喬・・・・[遊山舟]
仲入り
三、青空・・・・[マジック]
四、桂九雀・・・・[千両みかん」

09-48-214
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シューマンがお好き~ロマン派の交響曲

2009-07-09 00:56:15 | 本の少し
ロマン派の交響曲
金聖響+玉木正之
講談社現在新書
☆☆☆・760円

現役の指揮者がこれほどまでに、楽曲の解説したものがあったのか。

今回、その作曲家と、一般にマイナーと言われる曲を好きになるには
一週間とか、一月、シューベルトならシューベルト、シューマンなら
シューマンとその作曲家のCDだけを繰り返し聴くことを薦めている。

まあ、曲を聴きながら、本を読み進めようと思っていたら、
曲を聴く時間がとれず、5月に買った本がなかなか進まない。
取りあえず、シューマンのみで、感想を・・・・。

私の好きなのは、そのなかでも、昔から、第2番。

第1番の「春」、第3番の「ライン」とかが有名で、親しみ易いが、
第2番の暗さにはまる。特に3楽章は、我が嫁さんには、
私の葬式には、常々、流してほしいと言っているぐらい、落ちつく。

特にバーンスタインのウィーンフイルとのドキュメンタリーでの
各楽章のテーマ付け、楽員への指示は印象的だったですな。
(録画してあるので、再度見ようと思います。)

でも、金さんもシューマン入門はまず、第2番から入れと、
自分は違っていると思っていたのが、当たりと言われるのは、
うれしさよりも、へんな戸惑いがある。

感情表現のストレート感では、ブラームスの第三番の三楽章が
好きなように、自然体で、まあロマンチックなのかもしれまへんな。

そのなかで、一番よく聴くのは、何と、VOXBOXのCDX5019
Jerzy Semkow指揮のSaint Louis Symphony OrchestraのCD。

マイナーながら、録音といい、音色といい
なぜかシューマンらしい暗さがあると
勝手に贔屓にしているCDでおます。

金さんの提唱どおりでいくと、一月、一作曲家でじっくりと鑑賞。
あと、ブラームス、メンデルスゾーン、シューベルト、ベリオーズに
チャイコフスキーとくれば、まあ今年いっぱいはかかりますな。

それで言えば、この本、半年も常に傍に置けるなんて、
760円はお値打ちかもしれませんな。
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吉弥さんじっくり中トリ~浪切亭落語ワールド

2009-07-04 10:51:54 | 浪切亭・せんしゅう亭・落語
・・・・・・・・・・・三百人近く入っても・・・・・結構質素なチラシ・・・・・・・・・




見やすいような、見にくいような。
後から4列目、14列7番の席から見た舞台。
まあ、落語会としたら、ぎりぎりのキャパと距離ですな。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


一、桂三金・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「読書の時間」

三金さん出て来るがまっすぐ高座ヘ、お茶子がいなくて
名ビラが「浪切亭落語ワールド」のまま。

どうすんのかと客がドキドキしてると、脇から
都んぼさんが出てきて、降りて自分で替えんかいなと、
しゃれともつかん勢いで、きつく叱る。

同期と言えども。上下関係があるのかと入門月をみると、
一番上が、都んぼさんで、一番下が、三金さん。ああ、厳しい・・。

気をとり直して、もう15回目ですから、私のこと知っておられますな
反応薄いので、今日初めて三金を見る人は手をあげてもらうと。
ほぼ、二割の方が手をあげる。全員知ってもらうにはいつになることか

話は、「読書の時間」
親父の隠していたエロ本を、息子が間違って学校ヘもって行く。
教室で、読まされ、てんやわんや。

おもしろいような、下品なような、中途半端な話でおます。
私の中では、あまり好きな笑いではありまへんな。


二、林家染弥・・・・・・・・・・・・・・・・・「看板の一」

マクラは、林家一門の紹介。
結構、偏差値の高い噺家が揃うてますと。

すぐ上の、染雀さんが阪大出。
すぐ下の竹丸さんが神大で、元NHKの記者。
その下が、阪大出の染左さん、この方も学芸員の職を捨てて。
卯三郎さんは、元獣医、ほんと一門対抗・・・クイズでは勝つのでは。

染弥さん、私は、あの有名な大阪産業大学。
偏差値は低いが、学費は高い。

噺は、「看板の一」。
席が後列なのか、かつて博打打ちだったおやっさんが登場すると
それなりの、老人に見えてきた、染弥さんの演じぶり凄い。

でも、博打場のおどおどしさがないので、
マクラでの、パチプロがお金への執着心が薄かったように、
あっさりしすぎているのは、染弥さん自身の育ちが良すぎるのか。

「狸賽」は狸の出てくるファンタジー物語。
「看板の一」は人間の業が主題だけに、
人間臭さがちょっぴり欲しいですな。



三、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「遊山船」

ひと言で言うと・・凄い。・・・・・・上方噺を堪能させてくれる。
単に人気だけではなく、それ以上の実力がともなっているのが凄い。

マクラは、米朝師匠のはなし。
脳こうそくから復帰されても、お酒はほぼ毎日、
それも年寄りの呑みかたではなく、夜中にもどすぐらい・元気ですと。

二階ヘ上る時は、年寄りは後ヘこけるので、一人がお尻をささえ、
左右にこけたらアカンので、左に一人、右に一人。
三人掛りで師匠一人をささえるので、
今や一門では、桂米朝ではなく、桂文楽とよんでます・・・・と。

噺は、夏の噺「遊山船」。
ざこば師匠のとは、違った喜六。アホではなく単なる物知らず。

仲居さんで、香取くんとか、木村さんとか、が出てきたり。
錨の浴衣のしみで、ソースのしみがでたり。
おまえ、市役所行ったら、籍は女やろ・・とか。

吉弥匂いが随所にあり、これが若い新しいファンを掴む秘訣か。
初めてのお客さんを、リピーターにする、陰の努力はいかなるものか

ちりとてちんブームは終わったが、
吉弥ブームはいまだ継続中・・・でっせ。

「よう、ちりとてちん、去っても綺麗な吉弥の芸」
「贔屓に吹かれて、流れんように」


四、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「カラクゴボックス」

歌を歌いに行くのが、「カラオケボックス」
落語も聞くだけではなく、素人が自分で語ると
そこで現れたのが、「カラクゴボックス」

演者と、演目をいれると、噺家が画面に出てきて、
下に科白が出る。それをなぞって噺をして楽しむ。

二人連れが、行きそこでリクエストしたのは。
まず「三金」、元銀行員、どちらもこうざを大事にします。

続いて「春団治」師匠、ちょっと雰囲気似てました。
羽織脱ぐ様など、ネタでないと洒落でも到底演じにくいしぐさ。

「米朝」師匠、結構噺家さんでもものまねし難いと、どうするのかと
思いきや、バッハの協奏曲のNO4の3楽章の冒頭が流れる。
懐かしし「味の招待席」のテーマ。

最後は「三枝」師匠が・・・・

発想はおもしろく、各噺家が似ていれば、たんまりとうけるのに。

まずは、誰もが知っている人より、似ている人を並べてみては。
次は、文福一門偏とか、江戸偏、若手偏とか、
いろんなバージョン増やして欲しいですな。


五、桂都んぼ・・・・・・・・・・・・・・・・・「替り目」

「替り目」フルバージョンで、たっぷりと。

女房に、関東煮を夜中に買いに行ったと思って、
心の中では「すいません」、いつも「ありがとうと手を合している」
と、聞かれてしまう・・・ああ、やりにくい。

おしなべて男ってこんなもんでっせ。でもええ女房でんな。

小柄な都んぼさん、大きく見せようと身振り手振りが大きめですが
こんな噺、思いのほか、滋味にしてもろた方が、夫婦の味がしっとりと

でも、私の周りには、おりしも熱烈な都んぼファンの集団。
お目当てだけに、笑う笑う・・・。それも噺のおもしろさだけではなく
都んぼさんの存在自体が嬉しくて、エールをこめて笑っておられる。

各自のファンが、集まって更に飛躍する、浪切落語会でおますな。



落語ワールドより転載



次回開催予定・・・10月31日(土)14:00開演
発売日・・・・・・・・・・・8月8日(土)でおます。


VOL・15・浪切亭落語ワールド
2009年7月4日(土)14:00開演
岸和田市立浪切ホール・小ホール

一、桂三金・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「読書の時間」
二、林家染弥・・・・・・・・・・・・・・・・・「看板の一」
三、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「遊山船」
仲入り
四、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「カラクゴボックス」
五、桂都んぼ・・・・・・・・・・・・・・・・・「替り目」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三味線・・・・・・吉崎律子

09-47-210

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