( 花の都公園の ポピー。 今が見頃のようです。 )
私は忍野村という田舎にいます。富士山のふもと 森の中にいます。富士山の山開きも始まり 夜頂上を
目指す人々の光の道を見ることも出来ます。窓から 鳥が森の中を飛び回っているのを見る事が出来ます。
ウグイスの清んだ声 ホトトギスの声も聞こえます。静かな中に カジカの声 水の流れる音を遠くに
聞きます。そこにはつくり立ての新鮮な空気が流れています。高さ10mの木から 毎日6人分の酸素が
供給されると聞きます。冷たい水は直接地下から来ます。雨として富士山に降ってから 何十年たっている
かも知れません・・。沪過された天然水の冷たさ おいしさは格別です。
落ち葉が重なって 雑草が伸びている草むらを歩きます。柔らかい土の感触があります。勿論太陽の光が
あります。標高1000mですから日射しはやさしいです。朝焼け 夕焼けは一日の始まりと終わりです。
太陽が雲に覆われ 富士山が雲で隠れると 気分まで落ち込みます。黒い夏の富士山が見える時は外へ出る
時です。外へ出るのは 陽が出ている間です。木々の間に木漏れ陽が見えます。目に見えないような小動物が
います。もちろん蚊やハエ、蜂もいます。見たことはありませんが クマ出没注意の張り紙もあります。
他の生き物と共にあることが実感出来ます。共存している生活が貴重です。生態系の中に人類も他の生き物も
います。だから 蜘蛛が出ても カメムシが出ても 叩いたりしません。(蚊だけは別ですが・・)
自然の中に居ると言っても 100年前 200年前の生活をしている訳ではありません。田舎暮らしと
言っても 自給自足ではありません。河口湖近くの富士山科学研究所や山中湖の図書館 その間にある
忍野村や富士吉田市が私の行動範囲です。距離的に言っても十数キロです。忍野村の役場 郵便局 富士
吉田のスーパーやレストラン スタバなどがあってこそ 私の林住期の生活があります。
鴨長明のように 独り庵に隠れ住んでいる訳ではありません。現代の『 便利 』を享受しています。
地理的空間をつないでくれるのが 110ccのバイク 『 ベンリー 』です。正に便利そのもの
です。コンビニもコンビニエントで 銀行代わりをしてくれます。 現代の生活がパソコンやスマホに
依存しているように 都会が与えてくれる便利さが 私の一人暮らしを支えてくれています。
別な言葉で言えば土田さんの言われる 『金力』 です。何の生産もしない私が 自分の願うように
生活できるのも資本主義のお蔭です。進歩した社会の技術・知識に感謝します。スティーブ・ジョブス
やビルゲイツに感謝です。この50年、日本で言えば戦後70年で 世の中すっかり変わりました。
民主主義と平和な社会、教育や福祉のシステム、近代化した社会ルールの中に私たちは生きています。
外国に較べると 日本は豊かで 平和です。そのように見えます。でも問題、欠点も多くあります。
戦後大きく変わった社会につかず離れず生きていますが 私の選択は田舎暮らし 自然の中です。
今都会は 余りに便利すぎますね。人々が望んだ結果なのか? それとも企業や社会が便利の押し売りを
しているのか? 近くのスーパーやコンビニへバイクで走って10分 図書館へは15分、雨の降る時は
冷蔵庫の中を探します。もう若くないせいか 夜遊びに出かける気持ちはありません。代行車もあると
聞いたことがありますが そこまでして 飲みに行くエネルギーはありません。日が暮れて暗くなれば
夕食の準備とテレビ・録画した番組を見る程度。夜本を読むとすごく疲れるので それらは午前中の作業です。
周りの風景を眺めていて そう退屈はしません・・。退屈と思った時こそ 次に何かをするエネルギーに
満ちてきていると思い 別の作業をします。それでもし残した事は多いです。年寄りは退屈する という
思いはありません。と言って 忙しい 忙しい思いもありません。緩急をつけ 自分を飽かせないように
やっています。高齢者になって無欲になった訳でもなく 生きている間が花! と焦っているわけでも
ありません。 健康オタクで 不老長寿を願っているわけでもありません・・。結構矛盾した生き方だと
思われるかも知れません ? 『 朝に道を聞かば 夕に死すとも可なり 』 そう私は朝型人間です。
五木寛之の本 『 林住期 』が世に出たのは私が62才の時でした。丁度会社を定年で辞める時 既に
不況に入っており 肩たたきもありました。林住期とは 社会人としての務めを終えたあと もっとも
輝かしい第三の人生のこと、人生の収穫期となる60代に 指針を与える本でした。八王子に住みながら
富士山の周りを訪ね歩いていました。その中に忍野村もあったのです。あれから10年以上も過ぎました。
未だ林住期にあり この先に 『 遊行期 』があります。肉体の死を超えて神の御国へのスタート台に
立つ時があるからです。あの月山のお花畑のようなところ 或いは桂浜や白砂の海辺が 天国の楽園かと
思う時があります。私の天国のイメージは 映画『コンタクト』にあります。とすれば 現世は『失楽園』 ?
そうとも思いません。神様が造った天地は 素晴らしいものです。それを楽しみ 良い形で次代につなげて
いきたいと 願っています。
こんな思いを与えてくれるのも 自然の中に居るお蔭でしょう。今もウグイスが高い声で鳴いています。
カラスも今日の仕事を始めるぞーというように カーカー鳴いています。スズメも結構忙しそうに飛び
回っています。今日も黒っぽい富士山が窓に見えています。 窓を開けると爽やかな風が入って来ます。
一日の始まり・・ですね。
林道を行く。
こんな林の中にも 小さな道はついています。 時々歩いています。
森に中で見る花たちです。 しもつけ
林の中にも ホタルブクロ
ギボウシ
クマイチゴと言うようですが・・。
少し街の中に出てきて 立葵(たちあおい) いつも鮮やかです。
岩シャジン でしょう。
マツバギクも今盛り。
ひさし振りに見た アロエの花
私の御用達 山中湖の図書館 (正確には 山中湖情報創造館)
その庭にある 山法師
街と言っても 家と田畑が混在している。
山中湖付近 花の都公園の ポピー。