(この提言を 分かりやすく描いた説明画を載せます。 )
何回かに分けて 森里川海をつなぎ、支えて行くための 『 提言 』 を 私なりにまとめてきました。
今日が最終回です。今日本を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。 地方から都市への人口移動は
止まるところがなく 今後30年の間に50%以上人口が減る地域が 日本の多くを占めています。それは
地方の都市の消滅を意味しています。日本全体が人口減少に向かうのですから 当然といえば言えますが
その少ない人々が更に地方を捨て 都会に集中していきます。残された地方の人々は高齢化し 町や村は
過疎化して 生活インフラが維持出来ないところが多く出てきます。
人の管理が不足することにより 森林 里地里山の荒廃は進みます。人工林の荒廃や耕作放棄地が増加し
野生鳥獣の被害も増加します。森・里・川・海のつながりが失われ 気候変動に加えて 森林の保水機能
の低下 二酸化炭素吸収量の減少 身近な資源の枯渇 人々の自然とふれ合う機会も減少していきます。
記録的豪雨による災害も 森林の保水機能 土砂崩れ防止の機能が低下していることが一因となっています。
20世紀 特に戦後に起きたライフスタイルの変化によって 輸入に頼る化石燃料の増加、食料 飼料の
外国依存 (食料自給率は40%)など 食料 燃料 資材など国外に頼ることで 日本の農業 林業
里地里山への依存が少なくなり 働きかけも少なくなりました。都会と農村のコミュニティが失われて
きました。森里川海が生み出す生態系サービスも減少 自然が提供し続けた きれいな水 清浄な空気
土壌の保全安全で美味しい食料などのサービス失われてきています。都会の人々が受けている自然の恵みは
農山漁村が生み出してきたことを 私たちは忘れてきました。
気候変動による生存が脅かされる中で 国土の価値の見直し 地域経済の活性化 健康と豊かさの両立
環境を守る経済活動 日本に期待される環境技術の開発・普及 更に食料不足・水不足に悩む外国への
援助協力 など人類の文明を新たに創造していく大きな課題もあります。
つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト を今こそ国民的テーマとして実行していく時です。
この提案を多くの人々に伝え 理解を得て 関係者が協力して 様々な検討を行う必要があります。
中でも森里川海循環共生協議会(仮称)などの仕組みが地域の実情に合わせ 検討が必要です。
各地でモデル事例を作ることが現実的です。森里川海の役割について 国民的合意を得ることです。
私たちのライフスタイルの見直し 変更に向けた取り組みも大事です。この提言は森里川海をつなぎ
支え私たちの暮らしとのつながりを再構築するため とりまとめたものです。地方や都市 世代や
職業を越え 多くの人々が集い それぞれの立場で行動し 自らのメッセージを発信し 社会を
ライフスタイルを変革する大きな力へと 発展することを願っています。
『 『 つなげよう 支えよう 森里川海 プロジェクト 』から利用させて頂きました。感謝します。