Il film del sogno

現実逃避の夢日記

僕を葬る

2006-04-28 02:29:00 | 日記
4/27(木)曇り時々雨
連休前とはいえ緩やかな一日。
肌寒い。

日比谷シャンテ・シネにてフランソワ・オゾンの新作『僕を葬(おく)る』を鑑賞。
めずらしく邦題良し。
パリのファッション・フォトグラファー、ロマンは、突然、医師からガン告知をうける。余命は3カ月。
彼はゲイである。
同棲中の男性と別れ、家族にも何も言えない彼は祖母にだけは真実を話す。
不和であった姉とも和解し死を受け入れようとする彼は、偶然知り合った女性から奇妙な相談を持ちかけられる・・・。
主人公の死ぬまでの短い間を描いた作品は決して珍しいものではない。
マイケル・キートンとニコール・キッドマンの『マイ・ライフ』やサラ・ポーリーの『死ぬまでにしたい10のこと』などがあった。

主人公をゲイにしたのは、如何にもオゾン監督らしい。
ジャンヌ・モロー演じる祖母とのやり取りや、自分の生きた証を残そうと他人の奇矯な依頼を受けるシーンは、大変印象的でありました。
主人公の選択や死の迎え方に共感できるか?
『ヴェニスに死す』を髣髴とさせるラストシーン。
洛陽とともに眠るように息を引き取る。
ひとは一人で生まれ、そして当たり前だがいつか必ず天に召される。
孤独なものであります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

集金旅行

2006-04-28 01:30:00 | 日記
4/26(水)晴れのち曇り
打ち合わせと接客の一日。

帰路、池袋・新文芸坐にて往年の松竹映画『集金旅行』を観た。
1957年(昭和32)製作、今から50年近く前の作品である。
お話は男女二人が繰り広げるロードムービーで、互いに喧嘩しながらも次第に惹かれ合ってゆく珍道中を、西日本の名所巡り、ユーモアを交えながら描き出していた。
主演は佐田啓二と岡田茉莉子。
助演の伊藤雄之助、中村是好、トニー谷、澤村貞子といった芸達者たちが脇を固める。
キャバレーの女性たちの一人に栗原小巻がいた。
テレビの普及していない時代、方言は健在。
蒸気機関車、ボンネットバス、駅前旅館と時代を感じさせるアイテム満載。
佐田啓二がやや崩れた2枚目半を演じ、ショートカットの岡田茉莉子がキュートで若々しい。
原作は井伏鱒二、監督は中村登。
フランク・キャプラの『或る夜の出来事』を真っ先に思い浮かべた。
寝室の二人のやり取りなんぞ洗練されてました。
松竹自慢のグランド・スコープ、総天然色による風光明媚な瀬戸内各地の光景が実に綺麗でありました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする