HAPPY-GO-LUCKY!

E・コッカーと戯れる浪費派リーマンのゆるい生活

クソじじいなお話

2005-12-10 23:28:19 | 受験・学校

私の父は75歳である。

元公務員であるが、あまりマトモな人生を送ってきていない。

ギャンブルでアパートを建て、

「わしゃあ、ママさんから小遣いをもろうたことが一度もない」と豪語する彼。

感覚がどこかフツーではないのだ。

そんな彼が今日も一発かましてくれたらしい。

奥さんは赤面し、チビは仰天。

大笑いの話である。

先般、チビが模擬試験を受け、望外の好成績を収めたことに端を発し、

我が家は今、ちょっとした受験ブーム。051210

で、今日は鴎州塾の模擬試験を受けたのだそーだ。

送っていくはずの私は、前日の深酒で完全にダウン。

奥さんとチビは市内電車で試験会場に向かった。

そこに父が偶然、乗り合わせた。

以下、奥さんの証言である。

ジジイ 「おっ。あんたらどこ行くんや」(耳が遠くなっているため、大声である)

奥さん 「塾の模擬試験なんですよ」

ジジイ 「ほうか、あっ君、受験するんか。ほおーー」(でっかい声)

チビ 「まだ決めてないけどね」

ジジイ 「ほうか、受けるんか。頑張れよ(人の話を聞いちゃいない)。

    よっしゃ、お父さんと同じ学校に合格したら、お爺ちゃんが50万円やろう」。

何の脈絡もなく、「50万円やる」と断言。それも年端も行かぬ子どもにである。

しかも、たくさんの乗客のいる電車の中である。

子どもにとっては夢のような額。チビは本当に驚いたらしい。

そして奥さんはものすごく恥ずかしかったらしい。

夜、塾が結果を伝えてきた。これまた結構な成績であった。

そりゃ、頑張るよな、チビも。

このジジイは、ほんと変わった人。彼と遊んだ記憶はほとんどない。

「カブトムシを採りに連れてって」とねだった35年前ぐらいの私に対し、

「よっしゃ、天満屋(デパート)に行って来い」と千円札を手渡した男である。

数少ない彼とのふれあいも強烈なものである。

ある夏、二人っきりで海水浴に行った。母も姉も同行しなかった。

この辺からすでに怪しいのだが、小学生低学年の私が鮮明に覚えているのは、

お札を無造作にやりとりする男たちの姿である。

確かに海には近づいたのだが、そこは海沿いのマンションの一室。

紫煙漂う部屋で、父たちはひたすら麻雀である。

綺麗なお姉さんが私の相手をしてくれ、本とか読んでくれたような気がする。

そのメンバーの中に、あっと驚くような大企業のトップがいたりして、

翌日はそいつのモーターボートで松山まで行ったのを覚えている。

ようするに滅茶苦茶なのである。

いまだに彼が何を考えているのか、よくわからない。

実に面白い男である。