ぶらぶらにやにや、秋の休日。
激しく二日酔いの俺だが、奥さんに連れられタクシーで某所に。
ショーネンの体育祭でございます。
で、ここは私の母校。
親の目で見る体育祭は、なかなか面白い。
まず、グラウンドが芝生に張り変わったのが新鮮だね。
転倒しても痛くなさそうです。
中学2年のショーネン。
「流星ライナー」なんてゆー競技に出場。
台車にしがみつくダチを引っ張りまわしてリレーするとゆー、
アホ馬鹿テイスト満載の素敵なレースだ。
ショーネン、なかなか華麗な走りです。
もちろん転倒も続出。
しがみつくやつらはヘッドギアしてます(笑)
ここの体育祭の底流にあるのは「マジメ」ってこと。
これは昔からだ。
中一から高三まで、
上記のようなアホな競技も、真剣に取り組む。
しらけたり、茶化したりしない。
すると意外に面白くて、アツくなるんだよね。
運動部、文化部対抗レースなんてのも、オモシロマジメ。
白衣の科学部を、ラケット手にしたテニス部が追います。
野球部はバットを担ぎ、
ブラスバンド部は楽器を手に疾走するのさ。
アホな絵柄ですが、それぞれ真剣。
なので、笑いながらも、引き込まれます。
さまざまな種目が一捻りしてあり、頭を使うようにカスタマイズ。
採点基準については、
先生と生徒でつくる判定委員会がことあるごとに協議。
それを大真面目にやるもんだから、
その行方を生徒、観客も固唾を呑んで見守るって感じです。
バカをマジメにやるってのは、相当にオモシロイこと。
これは30年前から全然変わらないね。
で、変わらないといえば、俺。
騎馬戦とか棒奪いとか、乱暴系の種目は力が入っちゃう。
身を乗り出しちゃいます。
これは中学生の騎馬戦。
ショーネンの騎馬は敵の大将に果敢に挑み、
美しく敗れ去っておりました(笑)
実に素晴らしいことです。パチパチ。
すると、一緒に見てた奥さんが、
「お父さんはいつも退場になってたんだったね。お爺ちゃんに聞いたよ」だって。
いやあ、懐かしい「退場!」の響き。
俺たちのときは、
「棒上旗奪い」って野蛮な競技が、体育祭の「華」でした。
丸太の棒の先に旗を立て、スクラムを組んで敵から守る。
スクラムの上には、比較的軽量の「喧嘩上等」ってタイプが乗り、
駆け上がってくる敵を殴る蹴る。
重量級のゴロツキどもはスクラムに登ろうとする敵兵を引っぺがし、
ぶん投げたり踏みつけたり。
毎年救急車がやってくるとゆー、素敵な競技です。
で、多分、高三だったと思うんだけど、
体育祭前のある日、教室に見知った後輩がシオシオとやってきました。
いきなり、「HAPPYMANさん、すみません…」
何だか泣きそうな顔です。
???な私。
理由を聞けば…
その後輩、武闘派で鳴らすタイプでした。
それで勢い余って、宣言しちゃったんだそうな。
「今年の棒上旗奪いでは、俺がHAPPYMANを止めてやる」って。
当時の私はデタラメに馬鹿。
一部で「魔人」と呼ばれたりするよーなヒトでした。
後輩の発言は波紋を広げ、
「魔人(ワタクシ)が激怒している。これは大変なことになる」って話になったらしい。
で、かの後輩、涙目でやって来たってお話ですね。
初めて聞いたワタクシ。
「心配しないでいいんだよ。何も気にしちゃないさ」
やさしく声を掛けたのを、昨日のことのように覚えています。
わはは。
で、体育祭当日。
いよいよ棒上旗奪いです。
自分の「職務」を忠実に実行しようと、
俺は襲い来る敵を待っていた。
グルグル唸りながら。
号砲が鳴り、スクラムに殺到する敵方。
舌なめずりで動いた瞬間、ピピピーって笛の音。
そして「退場」って声がします。
なぜか先生2人がワタクシを指差してます。
???
って、ワタクシ、何もやってないんですけど。
敵に触れてさえないんですけど…
寄ってきた教師A、
「HAPPYMAN、まあ堪えてや。無事に終えようや」
ええーーーーーーーーーーー!?
これを憲法違反と言わず、何を憲法違反と言うのでしょう(笑)
開始5秒で退場。
観客席の母は息子の「雄姿」にうつむき、
そっと会場を後にしたそうです。
ぷぷぷ。
てな思い出のある体育祭です。
昔と変わらぬアホ馬鹿テイストに一安心しながら、
「出てえなあ、騎馬戦…」と呟く、
アラフィフのワタクシなのでありました(笑)