Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

ヴィーデルは四条烏丸の美容室です。フランス仕込みの技術 ナチュラルで優しく ふんわりとしたヘアスタイル

ブラック・スワン

2011-05-17 07:22:41 | 映画
話の枠はバレエだ。
ナタリー・ポートマン主役のダンサーが苦悩する映画だ。
ただ彼女は、バレエを取るか恋愛を取るかという古典的はざまをめぐって苦しむのではない。
だから良くある筋書きのように、はじめは満たされない立場だが、後に挽回してハッピーエンドの大成功、そんな映画ではない。
メロドラマ1割、サイコスリラー5割、ホラー4割、そんな感じ。
妄想劇?自虐?被害妄想?
主人公を取り巻く女たちは、主人公の天敵である。そして主人公の分身だ。
競争相手のバレリーナ、過保護で過干渉の母親、もと花形バレリーナ(これはウィノナ・ライダーだったのでビックリ)。
映像上は登場人物であり、他人である。
中身は自分自身の鏡であり、自分自身の分身でもある。
だから、誰よりも、主人公は自分自身に苦しめられてる。
それはタイトルどおり白鳥と黒鳥に現れている。
天使と悪魔?
善と悪?
劇中にドラッグも出てくるが、言葉がドラッグが妄想が主人公の脳裡で一斉に明滅する。
そして映画のテンションも急激に高まる。
現実と妄想の境界線は溶け、映画は薬物のように侵入する。
勇敢、無謀、大胆さか。
芸術と人生を串刺しに貫き、自分の中心を突き貫いて、バレエ芸術世界の中心に迫っていく。
主人公が受ける激痛、覚醒は観客に感染する。
まったくゴージャスな悪夢だ。