「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」は面白い。派手で、速くて、突き抜けていて、空間に対する嗅覚が鋭く、ジョークを飛ばす機会を見逃さない。ヒッチコックやホークスの愛好家が見ても、にんまり笑って合格点を出すのではないか。
もちろん、トム・クルーズは素晴らしい。見た瞬間に手を叩きたくなる「クルーズ走り」は49歳のいまも健在だし、広い空間や高い場所に物怖じしない存在感は、ハリウッド・スターのなかでも抜群といってよい。
しかし、今回の殊勲賞は監督のブラッド・バードではないか。54歳。実写映画の監督は初めてだが、傑作アニメーションの「アイアン・ジャイアント」や「レミーのおいしいレストラン」などで鍛えた技や嗅覚は伊達ではなかったようだ。脇役の光らせ方が巧いのもそのひとつだし、格闘場面で残虐趣味に走らないのも後味のよさを引き出している。私は途中まで悪役にもっと迫力が欲しいと感じながら見ていたのだが、あとで思えば、これもどうやらバードの計略だったようだ。こんな「新人」が平然と出てくるのだから、ハリウッド映画はまだまだ隅に置けないだろう。
もちろん、トム・クルーズは素晴らしい。見た瞬間に手を叩きたくなる「クルーズ走り」は49歳のいまも健在だし、広い空間や高い場所に物怖じしない存在感は、ハリウッド・スターのなかでも抜群といってよい。
しかし、今回の殊勲賞は監督のブラッド・バードではないか。54歳。実写映画の監督は初めてだが、傑作アニメーションの「アイアン・ジャイアント」や「レミーのおいしいレストラン」などで鍛えた技や嗅覚は伊達ではなかったようだ。脇役の光らせ方が巧いのもそのひとつだし、格闘場面で残虐趣味に走らないのも後味のよさを引き出している。私は途中まで悪役にもっと迫力が欲しいと感じながら見ていたのだが、あとで思えば、これもどうやらバードの計略だったようだ。こんな「新人」が平然と出てくるのだから、ハリウッド映画はまだまだ隅に置けないだろう。