嗅覚、味覚、聴覚、ひとつずつ感覚が失われていくと、人はどうするのか?
例のない終末の異変に立ち向かう科学者と、五感で人を幸せにするシェフから見つめる世界観。
一応SFだが、この物語で科学は無力だ。
絶望未来を察知する中で恋をし、傷つき、真の愛に気づいていく。
どんな苦難に見舞われても前向きに生きようとする、人の切ない姿が映り込み、希望を生む。
とはいえ、暴力や略奪に走る人々の醜い姿も映しだす。
だが、感覚を失う直前、人々は異常な感情の高ぶりに見舞われ、負のエネルギーを爆発させるという予兆の仕掛けが絶妙で、いつしか人間を信頼してしまう。
人々が自分の醜さを知って平穏を望む思いに自然に包まれるのだ。
世界の状況については、詩的なナレーションで終始示した構成も、悲劇に一歩距離を置いている。
終盤、触れ合いを求めて捜し合うふたりの情感をナレーションが際立たせ、絶望的結末ながら生きる力と喜びが余韻となる。
例のない終末の異変に立ち向かう科学者と、五感で人を幸せにするシェフから見つめる世界観。
一応SFだが、この物語で科学は無力だ。
絶望未来を察知する中で恋をし、傷つき、真の愛に気づいていく。
どんな苦難に見舞われても前向きに生きようとする、人の切ない姿が映り込み、希望を生む。
とはいえ、暴力や略奪に走る人々の醜い姿も映しだす。
だが、感覚を失う直前、人々は異常な感情の高ぶりに見舞われ、負のエネルギーを爆発させるという予兆の仕掛けが絶妙で、いつしか人間を信頼してしまう。
人々が自分の醜さを知って平穏を望む思いに自然に包まれるのだ。
世界の状況については、詩的なナレーションで終始示した構成も、悲劇に一歩距離を置いている。
終盤、触れ合いを求めて捜し合うふたりの情感をナレーションが際立たせ、絶望的結末ながら生きる力と喜びが余韻となる。