
いわゆる撮り直し?リメークが大流行。
「007」に「スパイダーマン」「バットマン」も
コレもそう。
けっこうクセのある監督ポール・バーホーベン作品で、かつ、アーノルド・シュワルッツネーガーのリメイクをコリン・ファレルというので心配していましたが、今までに見たことのある過去のSF映画の数々を連想させながら、映像表現技術の向上で格段にリアルになった近未来社会の描写とアクションで魅せる、未来のジャッキー・チェン風の娯楽作になっている。
前作では他の惑星と地球という舞台だったが、今回は地球のみに変更された。
居住可能な地域は、裕福で独裁的な集団の支配層が住むエリアと、貧困な労働者が暮らす隔離されたエリアだけという設定が微妙~。
両地域は地球の中心を貫く巨大なエレベーターで繋がれ、毎日これに乗って貧困層の労働者は富裕層のエリアに通勤する。
そんな2種類の近未来都市を、富裕層からの反発分子として警察組織から追いかけられながら、失った過去の記憶と、真実の自分の正体を捜す主人公のアクションを体感できるストーリーだ。
猥雑で雨が降っている貧困層のエリアは完璧?「ブレードランナー」の趣。
と言うよりは、コピーだろ?そんな感じです。そっくりな設定。特にアジアチックな雰囲気を作っているところもそっくり。
富裕層のエリアは、超高層ビルの狭間に磁力で浮上するホーバークラフト?の道路が血管のように何層にも重なり、こちらはどちらかと言うと「フィフス・エレメント」を思い出す。
そんで「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」のような目も眩む空中カーチェイスが繰り広げられる。
さらに、前後左右にも移動するエレベーターを使ってのアクションもあり、アイデアはパクリ?そんな風に思えてならないな。
前作のバーホーベン版へのオマージュもある。
主人公の変装に絡み、バーホーベン版で印象深かった大柄女性が登場し、同じセリフで、顔が段階的に真っ二つに分かれて、その中から主人公が出てくるのかと思いきや、実は違って、見ている僕らを楽しませ、惑わす。
また主人公の発信機は、鼻の穴から取り出す球体から手に埋め込まれた携帯電話に変わり、多彩な機能で目を奪う。
また、レジスタンスとして立ち上がった主人公が、「これはリコール社が植え付けた嘘の記憶」と説得される名シーンも健在。
“冷や汗”とは別の液体が鍵となり「そうきたか!」とうれしくなる。
ただ、この「自分という存在の不確かさ」というテーマは、前作バーホーベン版の方は主人公は解りながら演じていたが、今回はいつまでも主人公が疑いを持ちながら、より深く描かれていた。