山田洋次が小津安二郎の「東京物語」をモチーフに撮ったと喧伝されているが、主要キャラクターの役名、職業設定、肝となる名台詞がほぼ踏襲されている点でリメイクとしてさしつかえない。
世界映画史でも歴代1位の小津名画は、家族のゆるやかな崩壊を深い視点をもってとらえ、今でも時代を超えた普遍的な感情をおこさせる。
しかし時代が違いすぎる。
戦死した次男の未亡人が、戦争の不穏な影を象徴するシーンを現代に再生するに、本作では戦争の傷痕の代わりに、東日本大震災という悲劇をクローズアップした。
「東京物語」では不在だった次男昌次を召喚させ、被災地でのボランティアで知り合った婚約者紀子(蒼井優)が、原節子と同様に、ドラマの後半を牽引することになる。
スローな口調で脱力気味な母親を好演する吉行和子をはじめ女優陣が健闘するなか、気になるのが長男を中途半端に模倣した奇怪な台詞回し、長女の夫の腰の据わらぬ浮薄な芝居かな。
どうも全体の演技のアンサンブルを良く見せていないような。
監督は、おそらく小津と言う手法んは興味が無く、素材として利用しながらも、自信独特のホームドラマにしたのだろう。
そういう意味では原作が勿体無いようにも思えます。
世界映画史でも歴代1位の小津名画は、家族のゆるやかな崩壊を深い視点をもってとらえ、今でも時代を超えた普遍的な感情をおこさせる。
しかし時代が違いすぎる。
戦死した次男の未亡人が、戦争の不穏な影を象徴するシーンを現代に再生するに、本作では戦争の傷痕の代わりに、東日本大震災という悲劇をクローズアップした。
「東京物語」では不在だった次男昌次を召喚させ、被災地でのボランティアで知り合った婚約者紀子(蒼井優)が、原節子と同様に、ドラマの後半を牽引することになる。
スローな口調で脱力気味な母親を好演する吉行和子をはじめ女優陣が健闘するなか、気になるのが長男を中途半端に模倣した奇怪な台詞回し、長女の夫の腰の据わらぬ浮薄な芝居かな。
どうも全体の演技のアンサンブルを良く見せていないような。
監督は、おそらく小津と言う手法んは興味が無く、素材として利用しながらも、自信独特のホームドラマにしたのだろう。
そういう意味では原作が勿体無いようにも思えます。