「グッド・ウィル・ハンティング」のガス・バン・サントが青木ヶ原樹海を舞台に、マシュー・マコノヒー＆渡辺謙共演で描いたミステリードラマ。自殺するために青木ヶ原へやって来たアメリカ人男性が、そこで出会った日本人男性との交流を通じて再生していく姿を描く。
人生に絶望して自殺を決意した主人公は、富士山麓に広がる青木ヶ原樹海を訪れる。
磁石が狂い携帯電話も通じない森の中で、出口を求めてさまよう日本人男性タクミと遭遇した主人公は、怪我を負っているタクミを放っておけず一緒に出口を探すことに。
過酷な状況に立たされる中、主人公は運命共同体となったタクミに次第に心を開いていく。
やがて、自分が死を決意するきっかけとなったある出来事について語りはじめて... 物語の終盤で全てのピースがかちりとハマる。
味わいの感覚はミステリー小説を読んでいる時そのもの。
中盤までは、時折入る回想が、樹海を訪れた理由を説明しているようで説明しきれていないこともあり、 何が起こっているのか把握できず...
そして｢タクミ｣という存在。
ただ、台詞など、全体の至るところに伏線が張られ、｢ああ！あそこにあったあの！｣という発見、この映画の大事な楽しみの1つに違いない。
結末を知った上でもう一度、伏線探しをしたいと思う。
残念なのは、小説を読み慣れてしまっている人には、大まかなストーリーがありきたりで、独創性に欠けているところかと。