2017年は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」「スパイダーマン ホームカミング」そして「マイティ・ソー バトルロイヤル」と、笑劇ポップ路線の連投だったマーベル・ユニバース。そして今年はヒーローの王道路線「ブラックパンサー」は、アフリカンなスーパーヒーローをブラック・スプロイテーション的に見せている。
ただブラックスプロイテーションでもアメリカ郊外のアメリカ内のものではなく、動物をモチーフにしたヒーローと掛け合わせ、それも人類の最端、超先頭を突っ走る文明科学を持ったアフリカの国家。
爆破テロの急襲によって亡くなった父の後を受け、ワカンダ国の王位を継いだ若き王子。
そんな彼の使命は、高度な文明とテクノロジーを持つ自国の秘密を守り、他国の侵略を防ぐこと。
そのために王国の守護神であるブラックパンサーを世襲し、ワカンダを脅かす陰謀に立ち向かっていく。
映画はそんな王子と、自国の文明を支える超鉱石を奪い、歪んだ正義をおこなおうとする悪との戦いを描いていく。
そして「王国の秘密を死守していくのか」それとも「世界全体の平和のために立つべきか」という究極の選択を迫っていく。
監督がロッキーの続編を撮影した監督だけあって、幾つもの越えなければならない障壁、偉大な親、環境などが組み込まれ、そして正義に立ち向かうという。
そして西洋映画にありがちな白人からの概念を取り払い、世界で優秀な有色人種が立ち上がるという設定
ブラックパワーを反映させ、時代を象徴する「黒人を主人公とした超人」をブラックパンサーという形で成就させた、
なかなかの革命的作品。