Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

ヴィーデルは四条烏丸の美容室です。フランス仕込みの技術 ナチュラルで優しく ふんわりとしたヘアスタイル

本当に手に汗握る回顧録

2016-01-21 09:09:22 | 映画
バカの映画。
バカと言っても頭が悪いという意味ではないし、バカにする気などは毛頭ない。
野球バカとか映画バカとか、アホかと言うほどそのことに打ち込む人のこと。
この映画の主人公は、言うなれば「ワイヤー・ウォーク(綱渡り)バカ」。
もっと言えば「高所バカ」とか「ヤバさ(スリル)バカ」でもある。
実在するフランス人のワイヤー・ウォーカー、フィリップ・プティ、当時25歳。
ニューヨークにそびえる高さ411メートルのツインタワー(ワールド・トレード・センタービル)の間にワイヤーをかけて渡ってやろうと考えて、実行してのけた。
もちろん命綱なし、ビルの関係者には一切無断で。
これほど無謀で奇天烈なことを考える人間に、バカ以外の賛辞が送れるだろうか?
しかも、それを映画で完全再現しようという「映画バカ」が、3Dで映画にまたもや革命を起こし、持てる力のすべてを使って映画にした。
SFでもファンタジーでもないのに。
これが、ロバート・ゼメキス。
おまけに生粋のアメリカ人なのにフランス訛りを駆使し、猛特訓をして短期間で実際に綱渡りを習得、フィリップになりきったのが「役者バカ」のジョセフ・ゴードン=レビット。
映画はプティがサーカス団と出会った幼き日から、“祭”の後の姿までを映し出す。これで破天荒な映画ができないわけがない。
プティの冒険は映像として残っていないが、ドキュメンタリー「マン・オン・ワイヤー」ですでに映画化されている。
その映画でも十分ビックリさせられたわけだが、「こうだった」と言葉や写真で説明されていたことが、すべて3Dで目の前に表出される。
「へえー」というレベルだった驚きが、本作では「なんてことをっ!」というレベルで大興奮を呼ぶ。
なにしろ全身で、彼がやろうとしてやり遂げたことをリアルに体感させられる。
高さを、ワイヤーの揺れを、ヤバさを、有無を言わさず。
自由の女神から自分の冒険を回想するプティがいまそこにいるのだから命を落としていないことはわかっているのに、手に汗ハンパない!
計画実行までのスパイ大作戦的な連係プレーも、それはもう想像を絶するチャレンジで愉快だし、プティの狂熱を支えた愛や友情もカラフル。
青春映画としての魅力にもあふれている。
そして幕引きとともに残るのは、一握りのノスタルジー。
何ごとも、あのころのままではないことを、二つの塔が象徴している。


観光客気分で

2016-01-20 06:23:55 | 町ネタ(京都編)
観光客気分で錦市場を歩いていますと....
なにやら見たことの無い不思議な店が...








漬物屋かなと思いきや、ジュースを売っていたり。
中を覗いてみると、日本酒のメニューがあるので、尋ねてみれば...
日本酒の立ち飲み屋。
アテは漬物。








朝ごはんも、お昼ごはんも食べていなかったのですが..
イキナリ一日の初めての食べ物が日本酒になるとは...
とりあえずは値段が高そうな日本酒と漬物を注文しました。
口当たりや、香り、飲んだときの印象はわかりますが...
正直言って日本酒の通ではないからね..
で、ちょっと食べて飲むと腹が減ってきまして








豚皿+ポン酢と牡蠣皿。
それから








キンピラ牛蒡に特製塩こぶ。
たらの煮付けにミノ。
そんな感じです。
今や日本酒といえばこちらの店ですが、こちらのオープンは17:30からなので、この錦市場の店のように12:00~20:00と言う逆行したような営業時間は、昼飲みには歓迎されますね~



荒神口hohoemiの後

2016-01-19 09:13:40 | 町ネタ(京都編)
荒神口のパン屋hohoemiさんが移転して、ドーナツ屋を開いてはや2年。
そのもともとの場所にもパン屋がオープンしてました。








第一印象 見ていて楽しい。
第二印象 すべて買いたい
そんな好印象のパン屋です。








その中でも、何とか買いたいのをガマンしてチョイスしました。
右 ジャムパン。 フランスパンでのジャムパンは見た事が無い。








アボカドが乗ったパン。
コレもベースはフランスパン。
そしてオレンジのフレンチトースト。
ココかなりスペックが高いかもしれませんね~
☆☆☆☆


美・妖・艶・笑

2016-01-18 06:33:20 | 映画
真骨頂であるダークな幻想世界がハマりそうな3人。
「クリムゾン・ピークに気をつけろ」と母親の亡霊から忠告を受けていたのに
ヒロインの悔恨から幕を開ける物語を魅力的なものにしているのも、この3人の存在。
映画作家としての評価が高まると、ビッグネームがキャスティングされたり、製作スケールが大きくなったりで、作家の持ち味が薄れることがままあるものだが、それを補うのもまた豪華キャストのオーラでもあるわけで。
例えば、幽霊を見ることができるという主人公の力によって、おどろおどろしく彩られることになるとはいえ、彼女と没落貴族との恋もひと皮剥けば古典的なラブストーリー。
なかでもなお視覚的にも興奮を味わわせてくれるのが、優雅や頽廃が似合うキャスト。
女性たちを虜にする英国貴族の気品を漂わせながら、その裏に隠された弱さをも魅力に変えて女性客の心をくすぐる。
また細い体躯に纏う血の色のドレスに、女の底知れない怖さをうかがわせて出色。
蝶を思わせるドレスの大きなパフスリーブといい、ドレスもまたそれぞれのキャラクターを物語るのが今作の醍醐味の一つなのだが、そのドレスが似合う演技陣が揃ったことがまた素晴らしい。
忠告されても耳に入らないだろうくらい恐ろしい母親の亡霊の姿にはツッコミを入れずにはいられないし、クライマックスは劇場だったら爆笑が起こりそう。
そのへんは3人のキャスティングと相まって生み出される映像美が吹き飛ばしてくれていたことに、観終わって時間が経ってから気づく。



スピルバーグよりもコーエン兄弟

2016-01-17 06:40:42 | 映画
ブルーグレーに統一された画面の裏側から、硬直した時代の冷気が客席にまで下りてくる。
マンハッタンの片隅で市井の人を装い、黙々と諜報活動と思しき動きを繰り返す男の日常が詳らかにされる。
男はソ連がアメリカに派遣したスパイ。
彼がいかに忠実な諜報員かは、鏡に映った自分の顔に度々目をやりながら、丹念に自画像を描く姿を見れば明らか。
スパイは自らを客観視する観察眼が劣化してないかどうかを、日々、確認しなくてはいけない。
東西冷戦真っ直中の1950~60年代にかけて、逮捕されることになるアベルと、方や、アメリカ政府の指示により国選弁護人として彼を弁護することになるジェームズ・ドノヴァンの人物像に迫るドラマは、対極の立場にある男2人を、深い部分で同化させて行く。
どちらも、祖国から託されたミッションを遂行する過程で、その行いが自らの信念に反してないかを見定めることができる、自分自身に対して忠実な者同士。
その立場を超えた結びつきは、大義名分もなく、国益という身勝手な理由付けの下、いがみ合いを続ける現実世界が過去に置き忘れて来たもの。
「20世紀を映像で遺すことが監督としての使命」と言い放ったスティーヴン・スピルバーグが再現する、これもまた、失われた前世紀の一コマに他ならない。
アベルを演じるマーク・ライランスはすでにニューヨーク批評会協会賞の助演男優賞を獲得し、来る1月10日に発表される第73回ゴールデングローブ賞でも受賞が有力視されている。
冒頭の自画像シーンから、飄々として切なげな表情で観客の心を鷲掴みにしてしまうライアンスの名演は、監督の演出より、むしろ、アイロニックな人間描写に長けたコーエン兄弟の脚本に負うところが大きいと思う。
兄弟の手によって独特のユーモアとペーソスが描き込まれたことで、スピルバーグ的ドラマ構成にいつもとは少し異質な陰影が生まれている。