『人類の叡智・英知は凄い 1』『二千年の時間を超えて「フランスの石橋・ローマ時代のポン・デュ・ガール橋」vs「スイスの石橋・現代のランドヴァッサー橋』
スイスの氷河急行の『石橋・ランドヴァッサー橋』の写真を見て、即思い出したのが、南フランスのガール県のガルトン川に架かる、こんなキャッチフレーズで紹介される『接着剤を使わない、古代ローマ時代の驚異の技術力!「水道橋に託されたローマの夢~フランスのポン・デュ・ガール橋~」』です。
三階建のアーチの列は当時実現したことのなかった程の巨大な湾曲面を持ち、6トンもの石材を、しかもモルタルやセメントなど一切使わずくさび状に積み上げている。驚くべきは600m離れた石切り場からこれらを運び、一体どうやって12階建ビルに匹敵する高さまで積み上げたのかということだ。当然クレーンなどない時代、途方もない労働力と試行錯誤が必要だったであろう。史上初のプレハブ工法ともいわれ、同じ大きさの石材を大量に造り一気に積み上げたと考えられる。
写真と下記はウキペデイアから引用です。
- ニームへの導水路は全長約 50 km、平均斜度は 1 km あたり 24.6 cm で、ポン・デュ・ガール上流でもっとも大きくなっている。それはこの橋の高さを出来る限り低くしようとしたためであった。流水量は1日約2万立方mであった。
- 3層のアーケードは上に行くほど幅が狭くなっている。全体の高さはガルドン川の最低水位から 49 m である。
- 下層は6つのアーチから成り、長さ 142 m 、幅 6 m 、高さ 22 m である。
- 中層は11のアーチから成り、長さ 242 m 、幅 4 m 、高さ 20 m である。
- 導水路がある上層は35のアーチから成り、長さ 275 m 、幅 3 m 、高さ 7 m である。
『この3層からなる素晴らしい建造物の上を歩き回ったが、敬意からほとんど足を踏めないほどであった。自分をまったく卑小なものと思いながらも、何か魂を高揚させてくれるものを感じて、なぜローマ人に生まれなかったのかとつぶやいていたのだった』。
スイスには、有名な氷河急行(または氷河特急、グレッシャー・エクスプレス, Glacier Express)があります。 ウキペデイア情報の抜粋引用です。
氷河急行は、スイスを代表する山岳リゾートを結ぶ山岳鉄道である。マッターホルン・ゴッタルド鉄道とレーティッシュ鉄道というスイスの私鉄2社が、ツェルマット駅とサン・モリッツ駅の間で1930年から運行している。
オリエント・エクスプレスにならい氷河急行と訳されることもあるが、スイスでは特別列車/車両という意味合いで「エクスプレス」という商品名を使用しているため、日本でこの商品が紹介される時に、現地の鉄道会社が<氷河特急>という日本語名でロゴを作成したため、スイス政府観光局や主な旅行会社では<氷河特急>と表記している。
スイスの氷河鉄道には、鉄道マニア・アマチュアカメラマン・橋マニアには、垂涎の的の橋が沢山架かっています。 そのトップが『石橋・ランドヴァッサー橋』、石橋ですが、石橋と呼ぶ人はいません。
ウキペデイアより引用
ウキペデイアより引用
ラントヴァッサー橋があるアルブラ線の建設は1898年に始まった。工事は11の区間に分けて行われ、55の橋と39のトンネルが建設された。なかでもラントヴァッサー峡谷はもっとも越えるのが難しい地点だった。スイスを代表する観光列車も走る、レーティッシュ鉄道のアルブラ線。世界遺産に登録され、世界各国から旅行者が訪れるこの鉄道旅のハイライトともいわれるのが、ランドヴァッサー橋だ。
長さは136メートル、高さは65メートル。2つの険しい岩壁の間にアルプスの自然石を組み造られたこの大きな橋は、1901年から翌年にかけて、わずか20カ月という短い期間で造られたもの。
すでに鉄やコンクリートが使われていた時代に、わざわざ石を積み上げて造ったのは、自然の景観を損なわないようにするため(古代ローマとは異なり石材の結合にセメント使用)。天候が厳しい山岳地帯で今日まで耐えた石造りの橋は、鉄道建築の傑作ともいわれている。
竣工して106年目の2009年には、初めての修復工事も行われた。1日60本の列車が通過する運行状況はそのままに、夜間作業を組み合わせた大工事を経て、橋は再び美しい姿を見せている。
ここで余談です。やはり、日本はなにか違います。日本の鉄道には、その発着時間の正確さと、運行パターン(区分)の複雑さは凄いものです。 関東地方の私鉄某社のもので、相互乗り入れを含めると、その運行パターンは、過去のものも含めると、『普通・準急・急行・エアーポート急行・特急・快速特急・通勤特急・エアーポート快特』等があります。この区分は超遠距離通勤を可能にして、さらに、その鉄道ダイヤグラム管理は、海外の運行管理システムとは異なるようです。この日本の運行パターンの多様性は、世界に稀な表意文字の日本語の日本人にはぴったりなのでしょうか。 (20200708纏め #191)