『どうしてこうなった! どうするニッポン? 3(2023/10/14日経新聞)高速道路の橋脚、耐震化1割、地震で381区間「不通」の恐れ』
環太平洋火山帯の上にある日本は地震大国です。 火山大国・地震大国の日本は外国との比較の数値を、見るとよくわかります。
活火山がもっとも多い国は?
単位面積(百万ha当たり)の数値桁違いのダントツのトップ
1位 アメリカ 178(0.18/百万ha)(国土面積: 983百万ha)
2位 ロシア 150(0.09/百万ha)(国土面積:1,709百万ha)
3位 インドネシア 140(0.73/百万ha)(国土面積: 192百万ha)
2位 ロシア 150(0.09/百万ha)(国土面積:1,709百万ha)
3位 インドネシア 140(0.73/百万ha)(国土面積: 192百万ha)
4位 日本 129(3.39/百万ha)(国土面積: 38百万ha)
活火山が多いのは、海洋プレートの沈み込むスピードが日本周辺は相対的に速く、地下にハイペースで水が運び込まれているからで、そのため、他の沈み込み域よりもマグマが大量に生み出され、より火山活動が活発になり、火山がたくさんできるそうです。 この地震大国日本には原発が、54基(停止中含む)あり、使用済み燃料の処理や貯蔵や、廃炉作業等未解決の、大変な課題が残っております。
そこに、今回の標題『どうしてこうなった! どうするニッポン? 3(2023/10/14日経新聞)高速道路の橋脚、耐震化1割、地震で381区間「不通」の恐れ』です。
ウエブ情報から引用
ウエブ情報の抜粋引用です。
会計検査院の調査で、全国の高速道路で橋脚の耐震化が進んでいないことが明らかになった。 耐震化が必要な橋脚は全国で4454橋あるが、2022年度末時点で工事を終えたのは1割に過ぎない449橋。3059橋は工事に着手すらしていない。 資材高騰による入札不調が原因で、2026年度の耐震化完了目標が厳しい状況。 大規模地震発生時に381区間が不通になる恐れも。
西日本高速道路や名神高速など、不通になりやすい路線・区間が判明。 災害時の救援活動に影響が出る可能性がある。 検査院は効率的でない同時施工を改め、可及的速やかに耐震化を進めるよう高速道路会社に求めた。コストはかかるが早期の復旧が可能に。 高速道路の橋脚耐震化は喫緊の課題。 会社は検査院の指摘を真摯に受け止め、一刻も早い対策が望まれる。
高速道路の橋脚、9割がまだ耐震化されず
1960年代、日本中に架けられた数多くの橋脚が、50年以上経過した今も耐震化されていないことが明らかになりました。会計検査院の調査で、耐震化が必要な橋脚は全国で4454本あることが判明。しかし2022年度末時点で工事を終えているのはわずか1割の449本に過ぎません。新聞記事によると、資材高騰による入札不調が原因で、2026年度の耐震化完了目標が厳しい状況だそうです。
建設業界では、公共事業の予算削減により、専門技術者が不足しているといった課題が指摘されています。技術継承ができず、品質管理にも支障をきたすというのです。業界全体で担い手不足が深刻化する中、限られた予算と人材で巨大なインフラのメンテナンスを続けるのは、相当に困難な状況にあるのだと思います。
コンパクトシティ化で「通行止め」の議論も
記事を読むと、日本の国力の低下を感じてしまいます。 少子高齢化と過疎化が進み、耐震化のための予算確保が難しくなっています。 ある意見では、通行止めにしてしまえばコストがかからない、とさえ言われているそうです。 こうした「コンパクトシティ化」の動きは、地方の疲弊を加速しかねません。 通行止めで分断された道は、地域の活力を奪います。 コンパクト化で得るメリットより、デメリットの方が大きいのではないでしょうか。
医療業界でも、病院の統廃合で過疎地の医療環境が悪化する事例が報告されています。 生活の糧を奪うような合理化は、住民感情を害する恐れがあります。やはり、社会インフラを維持する責任が政府にはあると思います。
安全な社会を次世代に引き継ぐ責任
橋梁やトンネルといったインフラが途切れることで、国土の結びつきが失われてしまうのはとても寂しいことです。私たちは、安全な道路を次世代に引き継ぐ責任があるのではないでしょうか。
親から子へ、バトンを受け継ぐように、安全な社会を次世代につないでいくことが大切です。一時的なコストカットではなく、国家百年の大計を考えて、しっかりと整備を続ける必要があるでしょう。
私たち一人ひとりも、社会の一員として、声を上げていく責任があるのではないでしょうか。
今日の問い
貴方の会社では、設備のメンテナンスは定期的に行われていますか?老朽化した設備が事故の原因にならないよう、適切な管理が必要不可欠です。
- 従業員の高齢化が進む中、技能・ノウハウの継承に取り組まれていますか?後輩育成が会社の宝です。自動車や施設のメンテナンスと同じく、人材の育成にも長期的な視野を持つ必要があります。
- 社会インフラのメンテナンスは、次世代への重要なバトンタッチの一つといえます。貴方の会社ではその自覚が従業員に共有されていますか?
この課題を含め、ほとんどの問題は複合原因で、国家が縦割り多機能で、いつも検討・議論~検討・議論で万事が、他人事かつ先送りに見えます。 政治家と、官僚と、団体のリーダーの皆様には、できるだけ『部分(自分・家族・団体)最適よりも全体最適』を、具体的数値を示して、いつも考えて頂きたいと願っております。
(記事投稿日:2023/10/15、#693)