礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

橇の訓読みは「そり」、ではその音読みは?

2012-06-27 04:48:32 | 日記

◎橇の訓読みは「そり」、ではその音読みは?
 
 橇の訓読みは「そり」。これが読める人は少なくない。しかし、この字の音読みを答えられる人は稀だろう。「新潟」の「潟」についても、同様のことが言える。
 橇の音読みは、手近の漢和辞典で引いてみると、「ゼイ」または「セイ」とある。しかし、正しくは「キョウ」だと言っている大家もいる。辞書さえ信じられないとしたら、一体、何を信じればよいのか。
 昨日に引き続き、難読漢字の話。今回は、「訓」は知っているが「音」を知らない漢字、あるいは、無理に読もうとすると読み間違える漢字など。例によってタネ本は、岩垂憲徳著の『漢字声音談』(清水書院、一九四三)である。
 ワードやテキストでは出せそうもない漢字については、「説明」によって字形を示した。参考のために、その字を含む熟語も挙げておいた。

廾             ジュウ  『角川漢和中辞典』では〈ニュウ〉  
奴の下に巾       トウ(〈ヌ〉でない) 「内□」〈ナイトウ〉
卅             ソウ    『角川漢和中辞典』でも〈ソウ〉 
齊の下に皿       シ(〈サイ〉でない) 「玉□」〈ギョクシ〉
山の下に疑       ギョク(〈ギ〉でない) 「岐□」〈キギョク〉
門ガマエに癸      ケツ(〈キ〉でない) 「服□」〈フクケツ〉
若の下に虫が横並びに二つ  カク(〈ジャク〉でない) 「毒□」〈ドクカク〉
ケモノヘンに爾     セン(〈ヤ〉でない)  「秋□」〈シュウセン〉
ウカンムリに九     キ(〈キュウ〉でない)  「姦□」〈カンク〉
執の下に土       テン(〈シツ〉でない) 「昏□」〈コンテン〉
テヘンに取        ソウ(〈シュ〉でない) 「郊□」〈コウソウ〉
クサカンムリに禹    ク(〈ウ〉でない)   「規□」〈キク〉
クチヘンに胃       キ(〈イ〉でない)    「□然」〈キゼン〉
萬の下に虫        タイ(〈マン〉でない) 「蜂□」〈ホウタイ〉
ヘンが武、ツクリが虎   ホウ       「□虐」〈ホウギャク〉
木ヘンに施        イ(〈シ〉ではない) 「□架」〈イカ〉 
ヘンが高、ツクリが欠  キョウ(〈コウ〉ではない) 「□雲」〈キョウウン〉
潟              セキ(〈シャ〉ではない) 「潟鹵」〈セキロ〉
ヘンが鼻、ツクリがリットウ  ギ(〈ビ〉ではない)   「□刑」〈ギケイ〉
蔵の臣の部分が貝    テン           「□事」〈テンジ〉
橇              キョウ  『角川漢和中辞典』では〈ゼイ・セイ〉

今日の名言 2012・6・27

◎嫌いだったひばりに今は涙する

 大阪市中央区鰻谷〈ウナギダニ〉の通称「鰻谷川柳通り」の街灯に掲げられている川柳のひとつ。作者はリリー・ローズ(女性であろう)。昨日の日本経済新聞夕刊より。生前、絶大な人気を誇っていた美空ひばりだが、一方で、その性格などを嫌う人も少なくなかった。「美空いばり」などという陰口さえ叩かれた。しかし没後は、時が経過するほど、その歌唱力・表現力を評価する声が高まっている。

コメント
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