礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

『忍術キートン』ほか、昭和初年の「教育映画」26作品

2013-05-07 10:43:11 | 日記

◎『忍術キートン』ほか、昭和初年の「教育映画」26作品

 興文社の小学館全集の第七七巻(上級用)『教育映画物語』(一九二八)は、なかなか興味深い本である。
 著者は、仲木貞一〈ナカギ・テイイチ〉で、ここでいう「教育映画」とは、仲木が、「学校教育に資する」と判断した映画のことである。この本では、当時の「教育映画」二六作品のあらすじが紹介されている。また、巻頭のグラビアには、各作品の主要場面が写真で紹介されている。以下に、二六作品のタイトルとデータを紹介する。おそらく、すべてがサイレント映画であろう。

二つの玉(全九巻――松竹キネマ製作)
闇の手品(全三巻――本庄映画研究所製作)
壷(全一巻――文部省製作)アニメーション
良心のひらめき(全四巻――ライオン歯磨口腔衛生部製)
東京見物(全四巻――文部省製作)
忍術キートン(全五巻――メトロ社製)〔1924〕
蛙(全三巻――川上児童劇楽団製作)
運動会の日(全四巻――東京シネマ紹介製作)
ノンキナ・トウサン(全二巻――岡本洋行製作)
福の神(全三巻――不動貯金銀行製作)
愛の灯台守(全八巻――岡本洋行提供)
少年夜警番(全三巻――堀内紹介製作)
強者(全五巻――日本少年指導会製作)
この子この親(全四巻――日本活動写真株式会社製作)
家なき児(全十一巻――GPC社製)
先生とその娘(全七巻――松竹キネマ株式会社製作)
父を助けて(全四巻――文部省製作)
灰色の騎手(全一巻――ロバート・ブルース製作)
吹雪(全五巻――東京シネマ商会製作)
森の夜話(全三巻――岡本洋行提供)…
パヅアの愛国少年(全一巻――グロリア芸術映画社製作)
街の子(全六巻――東京シネマ商会製作).
故郷の唄(全五巻――日本活動写真株式会社製作)
蛸の骨(全一巻――岡本洋行提供)アニメーション
情の光(全五巻――日本活動写真株式会社製作)
勇敢なる孤児(全五巻――フアースト・ナシヨナル社製作)

今日のクイズ 2013・5・7

◎昭和初期、アニメーションは、何と呼ばれていたでしょうか。

1 線画  2 漫画  3 動画  4 その他

今日の名言 2013・5・7

◎朝餉焚く光に文字を読みにけり

 映画『情の光』に出てくる言葉(俳句)。朝餉は〈アサゲ〉と読む。仲木貞一『教育映画物語』(1928)のグラビアページより。映画の主人公・山田純一は、小学校六年生。父は罪を犯して入獄し、獄中で死んだ。母は病気で寝たきりの生活。そうした中で、純一は、毎朝、花を売り歩いて、家計を支え、食事の支度もする。この映画は、サイレント映画なので(多分)、字幕として、この言葉が出たのではないだろうか。

コメント
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