◎毎日新聞は小野寺・ヘーゲル会談をどう報じたか
昨日の続きである。今月四日の小野寺・ヘーゲル電話会談というのは、日米外交においても、日本の対アジア外交にとっても、また日本の政治状況への影響という点から見ても、かなり重要な意味を持つ出来事だったと思う。しかし、新聞報道における扱い方は、大きいとは言えない。
たとえば、五日の毎日新聞記事を見てみよう。
■日米、沖縄負担軽減で一致
小野寺五典防衛相は4日夜、米国のへーゲル国防長官と電話で協議し、米軍普天間飛行場(沖縄県宣野湾市)の県内移設に向けた埋め立て承認を受け、沖縄の基地負担軽減に全力で取り組むことで一致した。
小野寺氏は、安倍晋三首相が昨年12月26日に靖国神社を参拝したことについて「二度と戦争を起こしてはならないという不戦の誓いを示したのが本意だ」と理解を求めた。へーゲル氏は「説明は分かった」と述べた。電話協議は昨年12月27日の予定だったが、急きょ延期されていた。
二面の下のほうにあるが、ヘタをすれば見落としてしまうような小さな記事である。最後のほうに、「12月27日の予定だったが、急きょ延期されていた」とあるが、これは、12月26日の安倍首相の靖国神社参拝を受けて、アメリカ側から、電話会談がキャンセルされた事実を示唆している。このこと自体、かなり重要な事件である。ともかく、越年して(八日のちに)、ようやく電話会談が実現したわけだが、安倍首相の靖国神社参拝は、当然、話題にならざるをえなかったであろう。
記事によれば、小野寺防衛相は、「不戦の誓い」を強調した模様である。しかし、これに対するへーゲル国防長官の「説明は分かった」という反応を、どのように解釈すべきなのか。
やはり各社新聞は、この問題をもっと詳しく、できれば解説つきで報じる必要があったように思う。