◎真実を話さない限り自身が苦しむことになる
昨日のブログに、「映画『クイズ・ショウ』(1994)のテーマはウソ」というコラムを書いた。もちろん、エイプリル・フールを意識したのであった。
本日は、話題を変えるつもりだったが、昨日たまたま、三月三一日付の「日刊ゲンダイDEGITAL」を読んで、「ウソ」の話を続けたくなった。
同紙の同日の記事「宗教施設に潜伏情報 SNSからも姿消した安倍昭恵夫人は今」には、次のような一節がある。
とくに、昭恵夫人が心酔している人物が、ブログに〈昭恵さんも同罪になります。昭恵さんが彼女(※本紙注 夫人付だった谷査恵子さん)の汚名を晴らさない限り、それには真実をすべて話さない限り、彼女の人生を翻弄させてゆくでしょう。そして、昭恵さん自身がずっと苦しんでゆくことになるでしょう〉と書いていることを気にしているという。
同記事は、このブログの名称、主宰者の氏名に触れていないが、検策すれば、すぐにこれは判明する。その主宰者は、安倍昭恵夫人や谷査恵子さんと面識がおありのようで、昭恵夫人に対し、三月二四日のブログで、次のようなメッセージを送っている(改行は原文のまま)。
昭恵さんが彼女の汚名を晴らさない限り、
それには真実をすべて語らない限り、
彼女の人生を翻弄させてゆくでしょう。
そして、
昭恵さん自身がずっと苦しんでゆくことになるでしょう。
ここで、「彼女」とあるのは、記事の注釈にもあるように、夫人付の公務員・谷査恵子〈タニ・サエコ〉さんのことである。
さて、ゲンダイの記事の信頼性だが、昭恵夫人が、上記ブログの主宰者に「心酔している」のが事実かどうか、夫人が、このブログを開いて主宰者のメッセージを読んでいるのが事実かどうか、そのメッセージを「気にしている」のが事実かどうかについては、アイマイな書きかた(伝聞)がなされており、読者としては、その真偽を判断することができない。
しかし、もし記事の言うように、昭恵夫人が、このメッセージを気にしているとすれば、このあと、昭恵さんが、谷査恵子さん彼女の汚名を晴らすために、「真実をすべて語る」などの展開もありうる。
さて、映画『クイズ・ショウ』において、大学講師のチャールズ・ヴァン・ドーレン(レーフ・ファインズ)は、事件との関わりを避ける意図で、当初、メキシコに居を移していた。しかし、その後、気が変わり、立法委員会に証人として出席し、「不正がなかった」ことを証言しようと思い立つ。
帰国したチャールズを待っていたのは、立法管理小委員会の捜査官ディック・グッドウィン(ロブ・モロー)であった。チャールズは、ディックの情理を尽くした説得を受け、さらに父親のマーク・ヴァン・ドーレン(ポール・スコフィールド)に背中を押されて、「不正があった」ことを証言する決意を固めるのであった。
さて、今回の森友学園問題において、今後、これに似た「劇的な」展開があるかどうかは、何とも言えない。しかし、それを期待する人にも、期待しない人にも、この『クイズ・ショウ』という映画は、おすすめである。映画そのものが、実によくできている。楽しめ、かつ考えさせられる。ちなみに、『クイズ・ショウ』のビデオ(ポニー・キャニオン発売)のパッケージによれば、五〇年代の「クイズ・ショウ」、六〇年代の「ケネディ暗殺」、七〇年代の「ウォーターゲート」は、アメリカの「三大スキャンダル」と呼ばれているらしい。
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