礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

尾張地方ではモルモットを「もりもと」と呼ぶ

2017-09-16 03:54:32 | コラムと名言

◎尾張地方ではモルモットを「もりもと」と呼ぶ

 先日、某書店の「二冊百円」の棚から、佐藤一英〈イチエイ〉著『詩集 乏しき木片』(萬里閣、一九四七)を拾い出した。「木片」には、【こは】というルビが振られている。
 佐藤一英(一八九九~一九七九)は、愛知県祖父江町〈ソブエチョウ〉出身の詩人で、弘前市出身の詩人・福士幸次郎(一八八九~一九四六)と交流があった。佐藤一英のことは、よく知らないが、以前、福士幸次郎のことを調べていたときに、しばしば出てきた名前であった。
 さて、『乏しき木片』の一八~一九ページに、「洋鼠」と題した詩がある。洋鼠には、【もりもと】というルビが振られている。

 もりもとは をかしかりけり もりもとは
 かなしかりけり もりもりと 日はひもすがら
 ものかみて 小さきはこを まはりけり

 かがやくくろき ひとみもて われのひとみを
 のぞきては さてうなづきて かけまはり
 かなしきをかしきなかまぞと またのぞきみる

 あと二節あるが、割愛。
 最後に、小さい活字で、次のような「註」がついている。本人による註であろう。

 註 もりもと(尾張の方言)モルモットmarmotの訛〈ナマリ〉

 
コメント (4)
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