◎病床で『丸山眞男とその時代』を読む
この間、病床で、いろいろな本を読んだ。どうしても、寝たままで、手が届くところにある本が中心となる。
最初に読んだのは、福田歓一著『丸山眞男とその時代』(岩波ブックレット、二〇〇〇)だった。A5判、本文六二ページ。
手に取って気づいたことだが、病床で読むには、このくらいのページ数の本が、ちょうどよい。また、A5判の本というのは、開いて両手で持ち上げた時、両手の間の幅が、だいたい肩幅と同じぐらいになって、まことに具合がよろしい。
このブックレットは、文章も平易で、内容も興味深かった。丸山眞男を師と仰いできた人物が書いているから当然とも言えるが、丸山眞男に対する敬意があふれており、その点でも、気持ちよく読めた。
三四ページに、「八月革命」という言葉を最初に使ったのは、丸山眞男だったと書かれていた。東大内の憲法研究委員会における発言で、これに感銘を受けた宮沢俊義が、丸山の承諾を得て、論文のタイトルに使用した、ということが、伝聞の形で記されていた。ただし、ブックレットなので、典拠などは示されていない。この典拠については、当ブログ、昨年一一月一四日のコラム「八月革命説と丸山眞男」で、紹介済みである。
それにしても、丸山眞男という人は、よくよく、八月一五日に縁がある。一九四五年のこの日に、母親を亡くし、みずからも、一九九六年のこの日に亡くなっている。そのうえに、「八月革命」というネーミングの発案者だったとは。
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