◎定説を否定した黒川一夫著『赤穂事件』
今月にはいってから、高円寺の古書展で、黒川一夫著『赤穂事件』(青史出版、2009年7月)を入手した。
本文は430ページ、上下二段でビッシリと組んである。著者の黒川一夫さんは、本文の冒頭で、「ここで述べる赤穂事件は、従来、扱われてきた忠臣蔵とは異なった内容になる」と述べている(1ページ上段)。読んでみると、「異なった内容」どころの話ではなかった。通説を完全に否定する大胆な新説が展開されていた。
本書によって明らかにされる赤穂事件の「真相」は、これまで信じられてきた赤穂事件(忠臣蔵事件)の「真相」とは、まったく別のものである。
著者は、徹底的な調査および研究の結果、この驚くべき「真相」にたどりついた。もちろん、これが「史実」であるという断定はできない。しかし、本書によって、歴史学の世界に、有力な「仮説」が提示されたことは間違いない。
同書が刊行されたのは、2009年7月である。それからすでに15年以上が経っているが、黒川さんの新説は、歴史学の世界からは、完全に無視されているもようである。アマゾンへのレビューも、今のところ、一件もない(私は、12月10日に投稿した)。
本書は、文章が平易で推論も明快である。ただし、年表や系図のページが多く、初学者にとっては、かなりハードルが高い本と言えるかもしれない。
著者は、本書の323ページ上段から425ページ下段にかけて、「まとめ」を置いている。「まとめ」は、10項からなり、その「6」は次のようになっている。
6、元禄十五年十二月十四日の大石隊の吉良家討入りにより、吉良上野介は斬られたと伝えられたが、その後、吉良は生存していることが確認された。その対応に幕府として混乱があった。しかし、柳沢吉保は逆に吉良が斬られたこととして、大石隊だけが浅野長矩の敵討ちを計画・実行したと作為し、……〈424ページ上段〉
「大石隊だけが」という字句に注意しなければならない。本書の説くところによれば、大石内蔵助率いる「大石隊」のほかにも、「吉良上野介」を狙っていた一団が組織されていたという。詳しくは、直接、同書に拠って確認されたい。
今月にはいってから、高円寺の古書展で、黒川一夫著『赤穂事件』(青史出版、2009年7月)を入手した。
本文は430ページ、上下二段でビッシリと組んである。著者の黒川一夫さんは、本文の冒頭で、「ここで述べる赤穂事件は、従来、扱われてきた忠臣蔵とは異なった内容になる」と述べている(1ページ上段)。読んでみると、「異なった内容」どころの話ではなかった。通説を完全に否定する大胆な新説が展開されていた。
本書によって明らかにされる赤穂事件の「真相」は、これまで信じられてきた赤穂事件(忠臣蔵事件)の「真相」とは、まったく別のものである。
著者は、徹底的な調査および研究の結果、この驚くべき「真相」にたどりついた。もちろん、これが「史実」であるという断定はできない。しかし、本書によって、歴史学の世界に、有力な「仮説」が提示されたことは間違いない。
同書が刊行されたのは、2009年7月である。それからすでに15年以上が経っているが、黒川さんの新説は、歴史学の世界からは、完全に無視されているもようである。アマゾンへのレビューも、今のところ、一件もない(私は、12月10日に投稿した)。
本書は、文章が平易で推論も明快である。ただし、年表や系図のページが多く、初学者にとっては、かなりハードルが高い本と言えるかもしれない。
著者は、本書の323ページ上段から425ページ下段にかけて、「まとめ」を置いている。「まとめ」は、10項からなり、その「6」は次のようになっている。
6、元禄十五年十二月十四日の大石隊の吉良家討入りにより、吉良上野介は斬られたと伝えられたが、その後、吉良は生存していることが確認された。その対応に幕府として混乱があった。しかし、柳沢吉保は逆に吉良が斬られたこととして、大石隊だけが浅野長矩の敵討ちを計画・実行したと作為し、……〈424ページ上段〉
「大石隊だけが」という字句に注意しなければならない。本書の説くところによれば、大石内蔵助率いる「大石隊」のほかにも、「吉良上野介」を狙っていた一団が組織されていたという。詳しくは、直接、同書に拠って確認されたい。
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