風吹く豆腐屋

内容はいろいろ。不定期更新中。

炊いても、おこわ?

2009-03-31 23:26:39 | Weblog
五木寛之著「人間の覚悟」を読みました。

新聞で広告を見て興味を持ち、
amazonでも評価が高かったから外さないだろうと思って買ったのに、
見事に外れました。

考えてみたら、本の評価ってバイアスがかかってますよね。
基本的には好きな人の本を中心に買うものだろうから、
そもそも母集団に偏りがあるんだろう・・・

amazonの書評は、ゲーム評に比べると当てにならないことに気づいた今日この頃です。


何が気に入らなかったか。

同属嫌悪的な理由が主です(笑
目新しい発見がありませんでした。
もちろん、全てとは言わないけど。

「今までは、いかに生きたか、ただ生きているだけでは意味がないではないか、
そういわれ続けてきたと思います。
しかし、ただ生きているだけで意味がある。
哲学者のようにものを考えなくても、みすぼらしくても生きて存在している、
それだけですごいことだと私は思います。」


何を今更・・って思ってしまいました。申し訳ないけど。
頭で分かっていても、すごいと感じられなくて苦しむのが人間なんじゃないのか、と―

一冊のしめがこれだったので、インパクトがなかったのは確かです。


あと、揚げ足取りですが、基本は「ですます」なのに、
しばしば「である」が割り込んでくることにもいらいらしました(笑
編集者が直さないことには何が意味があるんだろうか・・

(このブログもそうなってますが、それは一応使い分けているつもり)


この本よりもむしろ、新聞の小さなコラムで見つけた一文が気に入りました。


「私は強い快・不快の感情を覚えたときに、強烈な「生」を実感するのである」


「快」については誰しも経験があると思いますが、
「不快」を併記してしまうところが変わっています。

なかなか面白い考え方だと思いませんか?

その人は不快感にも自らの生を見出せるらしいですよ。
それが本当だとすれば、相当打たれづよい人なんでしょうねぇ。 



そうそう、話は飛びますが、今日は赤ちゃんが生まれる瞬間に立ち会えました。
これが「命」なんだなぁ・・・としみじみ―。



最後に、タイトルについて。

おこわを調べたら「もち米を蒸したもの」ってあったんですが、
炊いたものはなんて言うんでしょうか。
作ってみたはいいものの、名前が分からない上にあんまりおいしくありませんでした。

臨床実習一日目

2009-03-31 00:48:42 | Weblog
淡々と今日一日を振り返ってみる。


02:00 眠れない。

03:00 眠れない・。

04:00 眠れない・・。

05:00 眠れないっ・・・。

ということで、寝るのは断念し、徹夜で実習に臨むことに。
悪評高い(?)産婦人科の実習初日で寝坊はさすがにやばいだろうと―


午前中 オリエンテーション。眠い。聞いた情報が右から左へ抜けていく。

残った時間で実技のオリエンテーション。器具の名称や使い方を聞く。
その際、「こんなの入ったら壊れちゃう」なんて言葉をきいて面食らう。
どんなエロ本から引っ張ってきたんですか・・
ちなみに、大きなクスコを持った女医さんが練習用の人形(の下半身)に向かって放った言葉。

昼食 班皆で連れ立って学食に。
千円札がなかったがためになかなかご飯にありつけなかった。
クリーニングしたての白衣に、さっそくソースの染みがつく。

午後 指導医の先生とご対面。
30代くらいの女医さんだった。
今回産婦人科は基本的に1対1でずっと面倒見てもらえるらしい。

突然、「内診いくからついてきて」で内診を見学。
いきなりなのでまたもや面食らう。
もうちょっと羞恥心とか配慮するものと思っていた。
経膣エコーの画像診断について少し習った。

あとはひたすらその女医さんの後ろをついてひたすら回診。
僕が出て行くと、若い患者さんはさすがに少し嫌がる。

カンファレンスで患者さんの状況を話し合っていたけど、
略語が飛び交っていてよく分からないままに終わる。眠たい。そろそろ限界。

夜勤の申し送りに参加。
やっぱり分からない。そもそも夜勤するわけじゃないけど。

手術に関してインフォームドコンセントを得るため、
患者さんとその配偶者を呼び、小さな部屋で現病歴と手術の説明をする。
僕は指導医の先生が話すのを隣で聞くだけ。
ところが、途中でPHSがなり、指導医の先生、何も言わずに即退室。

患者さんとその配偶者と自分の3人が残される。



・・・きまずい・・・



「これは大掛かりな手術なんでしょうねぇ?」と尋ねられる。

「そうだと思います」で逃げる。

予後など勝手な憶測を言うなと釘を刺されているけれど、
分からないというのもまずいと思って・・・。

どうやら患者さんのほうも僕に聞いても埒が明かないとわかったらしく、
指導医の先生が帰ってくるまでひたすら沈黙。



・・・きまずい・・・




先生、しばらく後に帰ってきて説明をしおわる。

患者さん「なんだかこれだけ話を聞くと怖くなってきました」

先生「怖い話しかしてませんからね」




・・・え、それでいいの?



晩御飯を出前でとるというので、ありがたく奢ってもらうことに。
(なんでも医局のお金で落ちるんだって。

ほか弁で一番安かったのり弁を頼む。


病理学のカンファレンスがその後すぐあるというので、嫌々それに同行。
指導医の先生も嫌々だったけど、偉い先生に直接言われてしまったからと。

病理の教室に移動。
病理の先生が示すプレパラートを皆でのぞいてわいわいがやがや。
もうなんだか、派手な異型を示す癌の組織像が美しく見えてくる・・


「病理に出したら何だって診断付けてくれるとか思わんでな」

はい、思ってません。
僕は未だに病理学がさっぱりです。


病理の勉強が終わったら、ようやくのり弁当。
当直室にある大画面の薄型テレビでフィギュアを見ながら晩御飯。


短い休憩の後、腹部エコーの診察の見学。
好きあらば襲い掛かってくる睡魔と格闘しながら、カラードップラーをひたすら眺める。

その後、指導医の上役っぽい先生が登場し、同じようにひたすら腹部エコー。
僕への解説どころか、患者さんにも何も言わないまま何十分か経過。

逆流が生じる箇所を聞いていたので、
それに注目しながら眺めていたけど・・・さすがにそれだけじゃ眠くなる・・・


・・・座っていると眠ってしまうので、立つことに。

でも傍で立たれていると鬱陶しいだろうから、
カーテンの向こう側で先生と患者さんのやり取りを盗み聞きした。


子供が何人も欲しく、帝王切開を繰り返すなら縦に切ったほうがよく、
目立たないようにしたいなら横に切ったほうがいいんだとかなんとか・・・


9時過ぎて、「途中で帰っても良かったのに」といわれ、ようやく解放される。
・・・帰りますって言える情況じゃありませんでしたけど?


荷物を置いていた部屋は鍵をかけられていて、さらにタイムロス。



帰ってきてから、出された課題を調べて勉強。

 


疲労が限界突破して、今あまり眠たくありません。
本気で明日の朝が怖いです。

もう今日はさっさと寝ることにします。

でも産婦人科ってなかなか楽しそうだと思いました。