毎年、この時期になると生徒たちの気持ちの中に緩みが生じてきます。
上の学校に進んだ者も、上の学年に進んだだけの者も、4月当初の緊張感が少しずつ消えてくると同時に、そこにはよい意味でも悪い意味でも慣れが出てきて、更には気候の面でも過ごしやすさが余計に子供たちの心身から緊張感を奪うようになって、そうした諸々のことがマイナスの相乗効果を発揮してくるのがこの時期です。
また、学校の定期テストも昔のような頻度で行われなくなったので(3期制の頃は、5月に1学期中間テストがありましたが、2期制の今は7月までテストらしいテストはありません)、これも子供たちの気持ちの中から緊張感を奪うのに一役買っているようです。
でも、ここでちょっと考えてみてほしいのは、敵が油断している時は、即ちそのまま自分にとってはチャンスなんだということです。
ここでは、周囲の仲間たちを敵と見做し、そう位置づけることの是非は横に置いておきます。
但し、現実的に、受験というのは敵を蹴落とし、自分の勝ち残りを目指して行うイベントなわけですから、そうそう綺麗事ばかりを言っていてもしょうがないですよね。
私たちが活動する場は学習塾であり、そこで目指すものは学力向上と、それを証明する成績アップ、そしてそれを最高の形で実行する受験での勝利ですから、ここでは敢えて綺麗事は言いません。
私たちの教室の中では、(これは一つの方針として)、無用の尻たたきや追い込みを掛けるような指導は行いませんが、それでも結果的にこの時期の頑張りと積み上げが後々の成績となって結実するという事実から目をそらさず、そのためこの時期特有の授業体勢を十分にその中身に加味して行っています。