子供に向かって「あんたはやればできるのに」とは、大人たちがよく使う叱咤激励の言葉です。
実際、殆どすべての大人たちが、殆ど全ての子供たちにこの言葉を投げかけた経験があるのではないかと思います。
それほど、この言葉には真実味があるということなのでしょうか。
「でも」と私は思います。
「やればできる」
この言葉は、大抵の場合「やっていない」から言うのであって、問題はいかにして「やらせるか」にあるのではないでしょうか。
子供たちの中には、いい気になって「そうか。やればできるのか」などと好き勝手な解釈をし、「だったら今すぐにやらなくてもいいんだ」などと、これまた好き勝手な結論をこじつけて、そのためやっぱり相変わらず「やらない」状態を続けるという救いがたい例も少なくありません。
「やればできる」のは、すなわち「やっていないからできない」のであって、では「いつやるのか」「何をやるのか」をひざ詰めで押さなければ、それまでやってきなかった子供が独力でことを始めることは期待できないというのが、これまでの経験からくる私の結論です。