昔東京でサラリーマンだった頃、元気いっぱいだった私は週末になると家にも帰らずそのままクルマで八ヶ岳のふもとまで走り、そこで仮眠を取って土曜早朝から赤岳や天狗岳などに登って頂上小屋に泊まり、日曜に下山して漸く家に帰ってまた月曜に電車に揺られて出勤、というような生活をしていました。
その時も仕事の量は結構多かったのですが、今はそれより更に多くなって、ここしばらくは山に登れず鬱々としています(笑)。
自然の風が呼ぶ声はしかし忘れがたく、だからといってすぐにそこに行くこともままならず、そこで誤魔化しでこの前の日曜の午後、思い立って河口湖に車を飛ばしました。
せめて山の湖の湖面を流れる冷たい風に浸ってみよう。
そんなことを思いながら。
途中、富士山須走登山口を左に見て、「あ、まだ5合目へのゲートは閉じられていないんだ♪」とか、雪の頂上付近を車窓からみては、以前登ったときの足元のガレ場の苦労を思い出したり、頭の中は半分以上自然界の空気に引き戻された気がしました。
同時に、毎日毎日私や他の講師たちから叱咤激励されて勉強に追い立てられる子どもたち(特に受験生)のことを思いました。
彼らの息抜きはなんなのだろう。
それはどこにあるのだろう?
そんなことがあったせいか、今週の私の目には、いつも見る子どもたちの顔がとても繊細な、例えばガラス細工のようにも感じられ、いつもそうですが、ここはこれまで以上の愛情を持って接していかなくては、と心から思った次第です。