続き。
学習障害という言葉に敏感なのは、子供が勉強嫌いであったり、成績がちっとも伸びないなどといった日常誰もがありがちな悩みをお持ちの子供の保護者、特にお母さん方ではないかと思います。それらは確かに悩みの種ではあろうかと思いますが、でも学問的な意味、或いは厳密な意味での学習障害がこれなのかというと、それらが常に一致するものではありません。時には単なるだらけた生活の問題であったりもします。
シンポジウムでは、そういった正しい考え方をする必要が繰り返し述べられていましたが、これはそのまま、いかにこの辺(勉強が出来ないという問題とその他の要素)を一緒くたに考えて右往左往している人が多いかということの裏返しでもあります。
私も、他のシンポジウム参加者の多くも、おそらくは医師でもなければ、特に医業に従事する人間ではないと思います。ですから、ここで「学習障害とは?」という命題をその方面から論じることはここではできませんし、そうする意味もありません。私たちが今考えるべきことは、言葉の上ではなく、現実の生活の中で「学習或いは勉強面で何某かの問題を抱えている子供、或いはそういう子供の保護者にとって、何をどうすればその現状を打開できるだろうか」という、まさに目の前の行動について策を練ることだと思います。その意味で、まず最初に学習障害とは何であるかという、いわば言葉の定義を正しく認識するところから始めることが大切ですよ、と言いたいわけです。
で、ここでいきなり私なりの結論ですが、この場合、「やるべきこと?そんなもの色々あってその人たち一人一人の緊急度に応じて片っ端から手をつけるもよし、取捨選択したうえで着手するもよし」です。
私の立場~学習塾~~すれば、現実的な策としてはまず3~5の取り組み方を保護者に向けて提示します。うまくいけばそれらの中の一つが当たるかもしれませんし、或いはそれらのいくつかを組み合わせる中でより良いものが見いだせるかもしれません。それはまず話を詳しく聴いてみて、そして実際に着手しないことにはわかりません。