アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

当ブログへようこそ

 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

 これが、当ブログの主張です。
 詳しくは→こちらを参照の事。
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2・20アメリカ大使館前での弾圧を許さない

2011年03月02日 19時39分16秒 | 監視カメラよりも自由な社会に
 まず最初に我が身の不明を恥じます。如何に身辺異動と新しい職場に慣れるのに忙しかったと言えども、また、如何にマスコミが報じなかったと言えども、この様な重大な人権弾圧を見過ごしていた事について。
 確かにエジプトやリビアでの民主革命のニュースも大事です。民主化の波が中国や北朝鮮にも伝わって欲しいと思います。でも、この日本国内で今も進行している人権侵害の現実を抜きにして、リビアも北朝鮮もないでしょう。それでは、リビアや北朝鮮の人々はどこまで行っても「哀れみ」の対象でしかなく、「そんな遅れた国々に生まれなくて良かった」という「差別意識」の裏返しでしかない。
 そんな姿勢では、リビアや北朝鮮の人々とも本当に連帯する事は出来ません。身近な職場や自国内における人権侵害からも目を背けないでこそ、初めて「憐憫」ではなく本物の「弾圧への怒り」や「解放への連帯」が湧き起こってくると思います。
 その自戒も込めて、遅くなりましたが2.20アメリカ大使館前弾圧救援会(アメ大救)からの以下の転送・転載要請を紹介します。


■■2.20アメリカ大使館前での弾圧に対する抗議声明(映像・カンパ口座追加しました)■■

02.20アメリカ大使館前(JTビル前)での弾圧


★★★転送・転載お願いします★★★

 2月20日15時45分ごろ、アメリカ大使館申し入れ行動の参加者2名を赤坂警察署が不当逮捕しました。私たち救援会は主催者から事態を以下のように把握し、強く抗議したいと思います。
 沖縄・高江では昨年末から米軍ヘリパッド建設工事が強行され、2月は連日、沖縄防衛局が押し寄せ座り込み参加者がケガをする事態にまでなりました。そこで主催者の「沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委員会」らは1月から3回に渡って東京のアメリカ大使館へ抗議申し入れ行動を行い、2月20日当日は大使館の目の前を通り申し入れするデモを計画していました。
 http://d.hatena.ne.jp/hansentoteikounofesta09/
 しかし東京都公安委員会が直前になって集合場所・デモコース・解散場所を全て変更する暴挙を行い、当日も異常なまでの警備体制をしき参加者への妨害や挑発を繰り返していました。そこで主催者は大使館への申し入れ行動のみに切り替えました。申し入れのアポイントは大使館に当日16時で取れており、赤坂警察も「大使館手前のJTビル前まで全員行って良い」と合意したからです。
 ところがJTビル前に到着したところ、赤坂警察が参加者の行く手をふさぎ、いきなり「解散しろ」と圧力をかけてきました。そして参加者に襲いかかって2人を不当逮捕しました。
 映像を見てください。
 http://www.youtube.com/watch?v=OnwiaVSQ1ig
 1人目は道に押し倒され、髪の毛をつかんで引きずりまわされるなどの暴行を受けました。2人目も強引に引きずられて全身に擦り傷と打撲を負いました。その際2人目が逮捕容疑を問いただした所、赤坂警察は「理由なんて後で良いんだ」と法治国家を根底から否定する暴言を吐きました。市民の正当な権利である申し入れ行動を暴力で弾圧することは絶対に許されません。
 不当逮捕後も赤坂警察は差し入れと抗議に行こうとした参加者を赤坂警察署の手前で何の法的根拠もなく2時間以上も止め続けました。ここでも赤坂警察は「また持ってっても(さらに逮捕しても)いいんだぞ」と脅しをかけてきました。そして弁護士が来ても、取調べは終わっているのに「取調べ中」とウソをついて1時間近くも弁護士の接見を妨害しました。そして差し入れすらさせませんでした。
 アメリカ大使館は今回の申し入れ書の受け取りを拒否しました。これまでアメリカ大使館は赤坂警察と緊密に連携しながら、「申し入れの警備は全て赤坂警察に任せている」と発言しています。この不当逮捕の責任は赤坂警察とアメリカ大使館、ひいては沖縄に基地を押し付けて反対する全ての声を押さえつける日米両政府にあります。何が何でも沖縄・高江に注目を集めさせないための弾圧であることは明らかです。
 私たち救援会は不当逮捕に断固抗議し、二人の仲間を今すぐ釈放することを求めます。
 みなさまへの幅広い連帯を呼びかけます。

 2011年2月20日 「2.20アメリカ大使館前弾圧救援会」

★抗議行動の呼びかけ

 日本国内の方へ:
 不当逮捕の責任者に抗議行動をぜひ。
 赤坂警察署:
 03-3475-0110 begin_of_the_skype_highlighting
 03-3475-0110 end_of_the_skype_highlighting
 アメリカ大使館:03-3224-5000
 高江基地問題への抗議は
 防衛省:03-5366-3111 沖縄防衛局:098-921-8131    
 他国の方へ:みなさんの国の日本大使館、アメリカ大使館への抗議行動をぜひ。

★救援カンパのお願い(正式に開設後の口座を載せています)

 弁護士費用をはじめとする諸経費のために、どうかカンパをお願いいたします。
 郵便振替用紙に「2.20アメ大Q」とお書きいただき、以下へお振り込みください。
 振込先;ゆうちょ振替
 口座番号:00140ー2ー750198
 口座名称:ミンナノキュー
※他銀行からのふりこみの場合
 019(ゼロイチキュウ)店 当座 0750198


■■3月3日16時半~「勾留理由開示公判」を行います!ぜひ傍聴を(東京地裁429法廷)■■

★★★転送・転載大歓迎★★★

 3月3日(木)16時30分より、霞ヶ関の東京地裁429法廷にて、勾留理由開示公判が開かれます。傍聴席が20席と限られているので、事前に傍聴券が配布されるかもしれません。15時半に東京地裁正門にお集まりください。
 当該と弁護士の陳述によって、裁判所に対して不当な勾留の理由を問いただす場です。当該を励まし、一日も早い釈放を勝ち取る機会ですので、ぜひ皆様お集まりください、傍聴席を埋め尽くしましょう!
(※なお、この日までに釈放される可能性もあります。その場合公判は中止になります、ブログで釈放とともにお知らせしますのでご確認下さい)
 高江でのたたかいは続いています。そして不当逮捕された仲間も留置施設内でたたかっています。2号は不当逮捕に抗議して第一次勾留決定までハンストを続けていました。そして今は勾留決定に抗議して朝晩の点呼の拒否と、毎日の取り調べの拒否をしています。1号も若い仲間に負けずにがんばっています。不当な弾圧を許さないという多くの人々の熱い支援と注目で、一日も早い奪還を勝ち取りたいと思います。

 2.20アメリカ大使館前弾圧救援会blog:http://d.hatena.ne.jp/ametaiQ/
 救援会の抗議声明:http://d.hatena.ne.jp/ametaiQ/20110220
 参考:勾留理由開示って何?(wiki)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%BE%E7%95%99#.E5.8B.BE.E7.95.99.E7.90.86.E7.94.B1.E9.96.8B.E7.A4.BA



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尖閣ビデオの科学的考察

2010年11月14日 17時32分12秒 | 監視カメラよりも自由な社会に
 例の海上保安庁職員による尖閣流出ビデオのコピーがネット上に拡散しており、当ブログにも遅まきながら保存する事にしました。このビデオ流出問題については、自分も折を見て記事を書かねばと思っています。ただ、今は職場の労働問題のほうに力を注ぎたいので(ビデオもまだざっとしか見ていない)、こちらはとりあえずメモ用に保存するだけに止めておきます。

尖閣諸島衝突ビデオ 海上保安庁1.flv


尖閣諸島衝突ビデオ 海上保安庁2.flv


尖閣諸島衝突ビデオ 海上保安庁3.flv


尖閣諸島衝突ビデオ 海上保安庁4.flv


尖閣諸島衝突ビデオ 海上保安庁5.flv


尖閣諸島衝突ビデオ 海上保安庁6.flv



 ついでに、この問題を考える上で非常に参考になる投稿がありましたので、そちらも参考資料として下記に保存しておきます。一つは「まっぺん」さんによる、水平線上の雲の動きから、日本の巡視艇のほうにこそ問題があったとする投稿です。もう一つは「TAMO2」さんによる、船尾の波の動きから、中国漁船のほうに問題があったとする投稿です。どちらの投稿も、結論は正反対ながらも、昨今の「ただ煽るだけ」の投稿とは一線を画した、非常に科学的な論理に貫かれたものです。どちらも、この問題を考える上で非常に参考になると思います。

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●雲と漁船の動きについての考察(四トロ同窓会二次会掲示板)
 投稿者:まっぺん 投稿日:2010年11月11日(木)21時43分16秒、同日21時44分26秒
 (注:二部構成の同名タイトル投稿を一つにまとめました)  

■証拠は充分に残っている

裁判にあたっては「どんなものでも」証拠能力があれば証拠となるのです。ただ、海難審判においてはふつう、ちゃんとした船なら、航海日誌もあるだろうし、こういう船はGPS標準装備ですし、国家機関が運営する船ですから、事故や事件が起こったような場合には詳細な航路記録データが残されているはずなのです。もちろん漁船の方にはそんな記録があるとは思えませんが、巡視船の側は、「国家公務員」が「任務」として行っているんですから、そうした記録を残し、管理するのは彼らの「国家公務員としての職務」なのです。街で警察がチャリンコの無灯火を咎めてるのとワケがちがいます。「国境の最前線」で隣国の漁船との間で起きている問題について、当事者である巡視船が、「何時何分」の単位でその時のデータを詳細に記録・保管していないわけがありません。ビデオ撮影はその材料のひとつに過ぎません。

■裁判には必要ないが…

したがって、裁判などになれば、そうした記録がまず第一に「証拠」として提出されるでしょう。だからビデオに映った雲の状況など、恐らく必要ありません。しかし、それは「証拠能力がないから不採用」なのではありません。航行記録を見れば一目瞭然なので、必要がないだけです。だからまったく違った状況の中ではこうした雲の位置を含む「ビデオ」そのものが証拠となる可能性だってあるのです。例えば当事者が全員死亡し、航海日誌も船の詳細な運行データも消失し、ビデオだけが残されていたとしたら、その時には、このビデオは重大な証拠物件となるでしょう。なぜならそこに映っている雲の位置、波の動き、船舶航行に伴う曳航の位置、船の速度や回転を示すであろう白波の立ち方・・・。それらを総合して検証する他には判断材料がないからです。

■証拠能力は充分にある

さて、これで三ノ窓さんが「何を誤解しているか」がわかったと思います。要するにビデオに映っている雲の映像は、「証拠能力がない」のではなく、それより遙かに精度の高いシステムによる証拠があるからいらない、というだけのことなのです。「証拠とされない」のは「証拠能力がない」という意味ではなく、「差し当たって必要ない。もっといいのがあるから」という事にすぎないのです。しかし映像には充分に「証拠能力」があるのです。ただ、我々は裁判に出て精度の高いデータに接する機会がありませんから、そんなもの、観たくても観ることはできませんね。だから、ここで我々は差し当たって入手できる範囲の「証拠」によって議論をしているだけなのです。

■雲の動きを計算してみる(1)

三ノ窓さんは「雲は動くから証拠とならない」と言いました。私は「水平線近くの雲はそれほど動かないから充分に船の動きを証明する手段となる」といいました。本当はどうなのでしょうね。実際に検証してみましょう。これは単純な「速度」の問題ですよ。角速度を計算することができれば簡単に割り出せます。まず、海上で水平線上に見える雲ってどのくらいの距離があるのでしょうか? 水平線は以外に近くて、半径5キロ程度なのですが、それより1000メートルも上空にあり、そこからさらに何千メートルも伸びている雲は、実はかなり遠くでも見えるのですよ。100キロ程度離れていても見えます。400キロ先でも見えるそうです。また水平線に近いほど遠い雲と言えるでしょう。ビデオに映っているのは水平線近くの雲ですからかなり遠いと判断して差し支えありません。

■雲の動きを計算してみる(2)

次に雲を動かす「風」についての資料を提示します。風速10メートル。かなり速いですねー。100メートル10秒。つまり短距離走者の足の速さです。このくらいの風だと、カサをうまくさすことはできません。これは時速に直すと36キロになります。その倍速にしてみましょう。風速20メートル。身体を30度くらいに傾けないと立っていられません。子どもは飛ばされそうになるそうです。ビデオからお天気をみると、よく晴れていて、そんな大風であるようには見えませんが、オオマケにまけて風速20メートルの風が遠くの雲を動かしていたと想定してみましょう。時速72キロです。その雲の距離もオオマケにまけて観察者から57・32kmの距離にあって観察者を中心にぐるっと円運動をしていた、と想定してみましょう。そうするとかなり分かりやすいでしょ?(=^^=)

■雲の動きを計算してみる(3)

そうすると次のようなことがわかりますね。57・32×2×3・14(円周率)=359・99…。つまり約360キロとなるわけです。角度で1度は1kmになります(なるべく計算しやすいように数字を選んでみました)。つまり、ビデオを撮影していた人を中心に、半径57・32kmの距離を、雲が時速72キロで回転していたという想定です。すると一周するのにどれだけかかるでしょう?簡単ですね。 360÷72=5時間。5時間かかって一周するわけです。さて、そういう「かなりハイスピードな暴風によって動いている雲」がビデオの中で撮影されているとしたら、いったいどんな風に動くのでしょうか? 計算すればわかりますね。

■雲の動きを計算してみる(4)

水平線の向こうを風速20メートルで形も崩さずに動いている雲は観察者にはどう見えるのでしょうか? 5時間で一周ですから、1時間で72度の角度を移動するはずですね。1分間ではどうでしょう?1・2度ですね。ほとんどわからないだろうなぁ。10分かかって12度移動しますね。さて、そこで「問題のビデオ」をご覧ください。「みずき」と接触するとき、中国漁船はおおきく左折していますが、その時に背景の雲もいっしょに大きく左に移動していますね。この間、何秒でしょう?1分にもならない。ビデオからの印象なので正確な角度は専門家でなければ分からないでしょうが、雲の移動距離は1度や2度ということはない。少なくとも20度~30度、あるいはそれ以上動いていますよ。つまり、時速72キロ、秒速20メートルの大風に吹かれた雲でさえ、20分か30分もかかる距離を、ビデオに映った雲はたった数秒で移動しているんですね。どんな音速機でも、この速さには追いつけないと思いますよ。

■雲の動きを計算してみる(5)

よって、雲はそれほど動くはずがない、という事実をてがかりに、このビデオに映っている「漁船が左に回転した」ように見える映像は、背景の雲によって、実は「みずきの方が漁船の進路の前に漁船より速い速度で右へ回り込んだ」という可能性が非常に高い、ということになるんですよ。まさに「コペルニクス」的転回ですな。(^◇^)実は相手ではなく、自分の方が回っていたという。(以下略)
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http://6305.teacup.com/mappen/bbs?

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●「流体力学屋@化学工学系が見た衝突事件」(TAMO2ちんの日常)

どうしても自然科学を政治に従属させたい方々がいるようなので、仕事をやっているつもりで以下を書く。ビデオにコメントを書くスキルはないので、写真をcaptureしてコメントを書いてみたり。

1.はじめに
 現在、尖閣諸島でおきた海保の船と漁船の衝突について、様々な議論をなされている。海保の船が漁船の進路を塞いで邪魔をしたという言説が一部にあるが、海保の船の船尾にぶつかるように旋回していることでその言説は否定されるべきと考える。

 時系列情報のあるビデオを解析したいところだが、論者にはその技量がない。よって、ビデオから得られた二次元情報から、解析を行う。

2.結論
・客観的に見て、漁船は巡視船を追いかけるように舵を切っている。

3.考察
・まず、直進する場合に船舶が引き起こす波について以下に図示する。ある瞬間に引き起こした波は、同心円的に広がる(ホイヘンスの波)。それらが連なって引き起こす波が、いわゆる引き波である。それは、ホイヘンスの波の包絡線として現れる。なお、船は液体を左右だけに排除するのではなく、下にも排除し、それが浮かび上がる場所は船の航跡に当たる部分である。この部分では、乱流は非常に小さな渦構造を持っており、液面は「凪」のように見える。往々にして、気泡を含み、少し白く濁った色に見える。(注:直進の場合の波の図―略)

・次に、船舶が左に曲がる場合について以下に図示する。見ての通り、引き波も、凪も、湾曲する。(注:カーブする場合の波の図―略)

・これらを頭に入れて、captureした下絵を見よう。図中の赤い線は、船首と船尾を結んだ線である。その船尾側の延長上に、引き波が崩れた白いしわぶきがある。そして、しわぶきの手前側、漁船の進行方向を前に見たら左側には凪が発生している。ビデオで見れば、これはもっとはっきりしている。よって、漁船が左に舵を切って海保の船の船尾に突っ込んでいることは明らかである。(下絵の説明―略)
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http://red.ap.teacup.com/tamo2/1406.html
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チリ鉱山作業員救出報道が決して伝えなかった真実

2010年10月21日 23時53分20秒 | 監視カメラよりも自由な社会に
・ウィキペディア「コピアポ鉱山落盤事故」の項目より
チリは鉱業国として長い歴史を誇り、事故当時は銅生産世界シェア35%程と、リチウム生産量世界一を誇っている。しかし、一方で採掘現場の安全確保は立ち遅れ、2000年から年平均で34人が採掘中の事故により亡くなっている。
1995年に鉱山労働組合は、サンホセ鉱山の閉鎖を要求し、話は裁判所にも持ちだされた。2005~2007年にかけて労働監督局は閉山を決定したものの、なんらの改善措置も行政監督もなく、2009年操業の再開が認められた。今回の事故の原因となった強度の欠如も、事故が起きる前の段階で予測が可能だった物を、早期に鉱山閉鎖をしなかった理由について国内外問わず論争を引き起こしている。全国地質・鉱山事業局(Sernageomin)の果たした役割が疑われ、Sernageominの17人の監督官による責任のなすりあいが行われる一方で、鉱山経営者との間に利益提供があったことが疑われている。アタカマ州には2000から3000の鉱山があるが、担当する監督官はわずか2名であった。
 
・8月26日付「しんぶん赤旗」
 チリ鉱山落盤/07年に死亡事故 避難階段設置せず/会社に批判 国が指導へ
 現地からの報道によると、事故が起きた鉱山は2007年にも岩盤崩壊で労働者が死亡。鉱山はいったん閉鎖され、政府は、事故発生時に労働者が地下から地上へ避難できる階段を設置するよう会社に指導していました。しかし会社は無視し、08年から掘削を再開しました。
 チリでは1973年から90年まで続いた軍事政権が、新自由主義の経済政策を取り入れ、労働安全基準の切り下げや非正規雇用の拡大などの規制緩和策を進めました。2006年発足のバチェレ前政権は新自由主義の弊害を是正する政策を取ってきましたが、今でも傷跡は多く残っています。
 同国最大の労働組合、中央統一労組(CUT)は、今回の事故は「利益を求める貪欲(どんよく)さが引き起こした」と述べ、背景に「会社による事故防止策の欠如」「政府の監督力の弱さ」があったと批判。労働条件がとりわけ劣悪な小規模鉱山では、会社が労災をもみ消す例もあることなどを挙げ、企業に対する政府指導の強化を求めました。
(以上、新聞等より引用)

 以上2つの記事を挙げました。いずれも、この夏に大規模な落盤事故が起こった、南米チリ・コピアポ近郊の、サンホセ鉱山の実態を報道したものです。この記事からは、今回の事故が、行政当局と結託した鉱山資本による安全軽視によって引き起こされたものである事がよく分かります。
 それだけではありません。この鉱山では、救出された作業員がマスコミの脚光を浴びる一方で、その他の230名の労働者への賃金未払いで、3度もストが起こっているのです。
 しかし、日本の殆どのマスコミは、この肝心な事は殆ど伝えずに、作業員33名救出作戦の垂れ流しや、お涙頂戴の「よく耐えた、頑張った」美談や、果ては「作業員の妻と愛人が救出現場で大喧嘩」みたいな報道ばかりに終始していましたね。今回の件でも、如何に日本のマスコミが腐っているか、ジャーナリズム精神のカケラもないイエローペーパーと化してしまっているか、官房機密費(マスコミ対策費)の毒が回っているかを、改めて思い知らされました。
 スポンサー大企業の機嫌を損ねるような、「派遣切り」や今回の事故の様な報道は、出来れば避けたいのでしょう。でも、全く報道しない訳にもいかないので、通り一遍の番記事や上っ面だけの美談報道でお茶を濁してきたのです。

 「911」と言えば、米国や日本では、2001年9月11日に米国で起こった同時多発テロの事を指します。しかし、中南米では全く様相が異なります。彼の地では、「911」と言えば、1973年9月11日に南米チリで起こった、米国CIAと右翼軍部によるアジェンデ政権打倒クーデターの事を指します。当時、選挙により成立したアジェンデ左翼政権に対して、鉱山国有化や農地改革などの政策を快く思わない米国が、ピノチェトを初めとした右翼軍人に、クーデターをそそのかしたのです。
 その結果成立したピノチェト軍事独裁政権の下で、その後に米国レーガン政権や英国サッチャー政権、日本の中曽根内閣や小泉内閣の下でも強行されたのと同様の、公共部門の民営化や、福祉・教育・医療・国内農業の切捨て、賃下げ・労働運動弾圧などの新自由主義政策が推し進められました。それが、上記のサンホセ鉱山での安全軽視を招いたのです。
 
 ※写真は、当時のクーデターによって虐殺された歌手ビクトル・ハラのポスター。

 中南米諸国では、何故、「911」が同時多発テロではなく、アジェンデ打倒クーデターの事を指すのか。何故、当時の膿を一気に吐き出すかのような勢いで、今や続々と各国に左派政権が誕生しているのか。それは偏に、当時荒れ狂った弱者切捨ての新自由主義経済政策が、余りにも酷かったからに他なりません。
 しかし、日本の全国紙・メディアの大半は、そういう事はおくびにも出さず、チリでの作業員救出劇の一挙手一投足ばかりを垂れ流していました。そして、南米チリの鉱山と同じく、会社の金儲け優先・安全軽視・ノルマ至上主義によって引き起こされ、現にこの日本で起こった、かつての北海道・夕張新鉱ガス爆発事故についても、その事実に触れたマスコミはごく僅かでした。

・2004年6月2日付「朝日新聞と北海道の45年(04年)」
 (5)北炭夕張新鉱事故―1981年10月16日 59人いるまま坑内注水
 事故直後、坑内に59人を残し、会社は延焼を防ぐため、注水を決断する。当時の林千明社長は「お命をちょうだいしたいということです」と家族に頭を下げた。
 ―今だって許してねえよ。遺体は上がってなかったし、お父さんの無線が応答しているって聞いてたから。生きてるもんを殺す気かって。
 会場となった清水沢体育会館は怒声で揺れた。須摩さんは直後から、折々の気持ちを便箋(びんせん)につづった。3枚目に《私は気も狂わんばかりに友達にすがって泣いた》と書いた。
 注水同意書への押印をもらうため、会社の2人が自宅に来た。
 ―「生きて返すんなら押してやる」って言ったらしいんだ。頭がぼーっとして自分では覚えてねえんだわ。義兄が代わって押した。近所では「殺す気か」って社員につかみかかった人もいた。
 23日午後1時半、注水を告げるサイレンが鳴った。あちこちでヤマ人が手を合わせた。寛さんの遺体が上がったのは翌82年3月23日。その5日後、163日ぶりに全遺体が収容される。
 ―繰込場のお父さんのロッカーを開けた瞬間、泣き崩れた。服や靴がきちんと整理されてるんだわ。きちょうめんな人だったから。

北炭夕張新鉱事故 
 81年10月16日午後0時41分、海面下809メートルの掘進作業現場付近で約60万立方メートルのメタンガスが突出、83人が死亡、39人が重軽傷を負った。その後の坑内火災で救護隊10人も死亡する大惨事に。
 石油危機を背景に「年産2千万トン体制の維持」を掲げる国の新石炭政策が打ち出された75年に営業出炭を開始。「国内最後の最有望炭鉱」と期待されるなか、出炭量が目標を下回ったことで、安全対策より出炭が優先された。事故が引きがねとなり、翌年閉山した。
(以上、新聞等より引用)
 
 ※写真は、北炭夕張新鉱の通洞口跡。 

 斯く言う私も、これらの事実について全て知ったのは、つい最近でした。日々仕事ばかりに追いまくられ、食う事にばかり汲々としていると、知らず知らずのうちに、こうなってしまうのです。「食う事にばかり汲々としている」のは、決して私たちの所為ではなく、政府・財界による弱者切捨て政策によるものなのですが。
 しかし、今さらそれを恨んでも始まりません。肝心なのは、一刻も早く、一人でも多く、この事実を知る事で、二度と夕張新鉱やチリ鉱山の被災者を生まないような世の中を作る事です。これは、決して数十年前の夕張や地球の裏側のチリだけに止まる話ではありません。方や、軍事政権とつるんで暴利を貪ってきたチリの鉱山主や、会社存続の為に生存者を見殺しにした夕張新鉱の経営者。もう方や、何でも上の言いなりで、労働者の安全や生存権は二の次のウチの会社。両者の間に、果たしてどれだけの違いがあると言うのでしょうか?

(追記:参考記事)
・サンホセ鉱山の労働者は英雄か犠牲者か(レイバーネット日本)
 http://www.labornetjp.org/news/2010/1287449592749staff01/view
・チリの亡霊は救われてはいない(マスコミに載らない海外記事)
 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-05b5.html
・ミッシング ―もう1つの9.11 チリの軍事クーデターとアメリカ―(人類猫化計画)
 http://tekcat.blog21.fc2.com/blog-date-20060805.html
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転載:千葉景子新法相に、死刑執行の停止を強く要求する市民の共同声明

2009年09月22日 21時50分39秒 | 監視カメラよりも自由な社会に
 四トロ同窓会ニ次会掲示板に投稿された下記の訴えに、私も賛同しましたので、こちらでも紹介しておきます。

(以下、全文転載)

【全国のみなさんへの緊急のお願い】 ※ どうか、転載・転送歓迎(ご協力ください)

「千葉景子新法相に、死刑執行の停止を強く要求する市民の共同声明」に、至急、ご賛同下さい!!

〔呼びかけ人〕
浦島悦子(沖縄・名護市) 平良 修(沖縄・沖縄市、沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会、牧師) 西尾市郎(沖縄県那覇市、平和をつくる琉球弧活動センター、牧師) 小川みさ子(鹿児島市議会議員) 木村 朗(鹿児島大学教員) 田中信幸(熊本県熊本市、イラク訴訟元原告) 舟越耿一(市民運 動ネットワーク長崎) 梶原得三郎(大分県中津市、草の根の会) 木村眞昭(福岡県福岡市、浄土真宗本願寺派妙泉寺住職) 青柳行信(NGO人権・正義と平和連帯フォーラム福岡・代表) 筒井 修(福岡地区合同労働組合代表執行委員) 脇 義重(平和をあきらめない人々のネットワーク・福岡) 渡辺ひろ子(福岡県築 上郡築城町、平和といのちをみつめる会代表) 浦部頼子(山口県山口市、「憲法を活かす市民の会・やまぐち」共同代表) 大谷正穂(山口県下関市、アイラブ・KENPO・ネットワーク) 纐纈 厚(山口県山口市、山口大学教員) 廣崎リュウ(山口県下関市、死刑廃止を求める市民の声・共同代表) 藤井純子(広島県広島市 、ピースリンク広島・呉・岩国) 宇田川健次(岡山県総社市、ハンドインハンド岡山) 安西賢誠(愛媛県松山市、真宗大谷派専念寺住職) 宮本 恵(愛媛県松山市、キリスト教牧師〔日本バプテスト道後キリスト教会/中国・四国バプテスト教会連合社会委員〕) 奥田恭子(愛媛県松山市、死刑廃止を求める市民の声・共同代表) 阿部悦子(愛媛県今治市、愛媛県議会議員) 岩崎淳子(香川県高松市、前高松市議会議員) 安斎育郎(立命館大学名誉教授) 長谷川存 古(大阪府箕面市、関西大学名誉教授) 吉田孝子(大阪府大阪市 グループ・テ) 近藤ゆり子(岐阜県大垣市、9条の会・おおがき) 山本みはぎ(愛知県名古屋市、不戦へのネットワーク) 石下直子(神奈川県横浜市、かながわ憲法フォーラム) 細井明美(神奈川県横浜市、ピースアクティビスト) 小牧みどり(神奈川 県相模原市、ブログ「ブーゲンビリアのきちきち日記」) 本野義雄(神奈川県川崎市、市民の意見30の会・東京) 石川逸子(東京都葛飾区、『ヒロシマ・ナガサキを考える』発行者、詩人) 岡田良子(東京都杉並区、西東京平和遺族会) 葛西則義(東京都府中市、市民意見広告運動) 諸橋泰樹(東京都小金井市、フェリ ス女学院大学教員) 漢人明子(東京都小金井市議会議員・みどりの未来) 田鎖麻衣子(東京都新宿区、NPO法人・監獄人権センター、弁護士) 武田隆雄(東京都渋谷区、日本山妙法寺) 辻子 実(東京都目黒区、キリスト者) 西田和子(東京都港区、市民の意見30の会・東京) 花村健一(東京都江戸川区、樹花舎代 表) 谷島光治(東京都三鷹市、アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会) 長谷川修児(東京都世田谷区、『遊撃』発行者、詩人) 井上澄夫(埼玉県新座市、死刑廃止を求める市民の声・共同代表) 澤野耕司(埼玉県さいたま市、神父) 志茂美栄子(埼玉県新座市) 加賀谷いそみ(秋田県男鹿市、死刑廃止を求める市民の声 ・共同代表) 七尾寿子(北海道札幌市) 大嶋薫(北海道札幌市、札幌市議会議員)  〔順不同〕
&nbs p; 2009年9月17日

 鳩山内閣の法務大臣に千葉景子氏が就任しました。就任直後の記者会見で千葉新法相は死刑執行については「慎重に判断する」とのべ、死刑制度について「国民的な議論が必要」と表明しました。

 みなさん、死刑執行を停止させる重要なチャンスです。千葉新法相に、これ以上、死刑を執行しないよう、みんなで、強く、強く要求しようではありませんか。下記の「市民の共同声明」に、どうか、至急、ご賛同下さい。
 声明はご賛同の締めきりのすぐあと、千葉法相と鳩山首相に提出します。ご賛同の要領は次のとおりです。

◆賛同は個人・団体(グループ)を問いません。

 ▼賛同者になっていただける場合は、大まかな在住の地(たとえば、大分県中津市、岩手県岩手郡滝沢村)をお知らせ下さい。

 ▼団体(グループ)賛同の場合は所在地(たとえば、静岡県浜松市)をお知らせ下さい。「九条の会・○○」のように名称に地名がついているときはその限りではありません。

◆賛同の締めきりと連絡先
  ▼賛同の表明は【10月4日(日)までに】お願いします。

  ▼賛同表明の連絡先は次の通りです。

    「市民の声」電子メール アドレス : shikei_haishi@yahoo.co.jp

 ※ お名前・おおまかな住所、団体(グループ)名・所在地に加えて、必ず「声明に賛同します」とご明記下さい。なお上記メールアドレスはご賛同の連絡専用です。

 【ご協力のお願い】この共同声明にご賛同のみなさんにお願いします。このメールをみなさんのご友人やお知り合いの方々にご転送下さい。またご関係のメーリングリストやそれぞれのブログ、ホームページでご紹介下さい。どうか、よろしくお願いします。

 ◆〔個人情報の保護について〕 賛同者や賛同団体のお名前をインターネット上で公表することはありません。ただし賛同件数については、声明提出後、賛同者と賛同団体のみなさまに、運動の経過とともにご報告します。また賛同件数はインターネット上で公表いたします。

 ◆賛同の集約と千葉法相・鳩山首相への提出は、「死刑廃止を求める市民の声」が担当します。「市民の声」の共同代表(兼事務局)は下記の4人です(順不同)。
  井上澄夫 (埼玉県新座市、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
  加賀谷いそみ (秋田県男鹿市、男鹿の自然に学ぶ会)
  奥田恭子 (愛媛県松山市、心に刻む集会・四国)
  廣崎リュウ (山口県下関市、下関のことばと行動をつなぐ『海』編集委員)


 ■■千葉景子新法相に、死刑執行の停止を強く要求する市民の共同声明 ■■

 私たちは、日本政府・法務省が現在、人権を何よりも尊重する世界の大勢に逆らって死刑の執行を強行し続けていることに、耐えがたい恥ずかしさと深い憤りを感じています。

 私たちは法務大臣に就任したあなたに、死刑執行命令を下さないよう、強く要求します。

 世界の流れは死刑廃止へと向かっています。死刑を廃止した国の数は1981年末には63カ国でしたが、1991年末には83カ国、2000年末には118カ国と年々増え、本年(2009年)6月には140カ国に達しました。192の国連加盟国中、実に72%の国々が死刑を廃止しているのです。

 最近では、3月19日に米国のニューメキシコ州が、4月27日にアフリカのブルンジ共和国が、さらに6月23日には同じくアフリカのトーゴ共和国が死刑を廃止しました。
 また昨年10月、国連の自由権規約委員会が日本政府に死刑廃止を強く勧告したことは記憶に新たなところです。そして同年12月の国連総会は死刑執行停止決議を採択しましたが、それはその前年(2007年)12月の同決議採択より多くの賛成を得てなされたのでした。

 さらに本年7月28日の森英介法相による3人の死刑執行に対しては、欧州連合(EU)が議長国声明を発して「遺憾の意」を表明するとともに、日本政府に「死刑を法的に完全に廃止するまでの間、その適用を停止するよう」要求しました。

いわゆるG8の中で死刑を存置しているのは、米国と日本だけですが、米国は死刑を大幅に減らしています。

 しかし日本はこのような世界の流れにあえて挑戦するかのように、死刑の執行回数を増加させています。2006年には4人、2007年には9人、そして2008年には15人、2009年には7月までに7人の確定死刑囚に死刑が執行されました。しかも日本の法務省は隔月執行を方針とし、司法における死刑判決も2 004年以降激増しています。
 日本はまさに「死刑大国」の醜態を世界にさらしています。

 足利事件では無期懲役の判決を受けていた菅谷利和さんについて再審開始決定がなされ、菅谷さんは釈放されましたが、それが意味するものは刑事事件にも誤判がありえるということです。ところが飯塚事件で死刑判決を受けた久間三千年さんに対しては、再審請求の準備中であったにもかかわらず、昨年10月、死刑が執 行されてしまいました。

私たちは重ねて、あなたが死刑を執行しないことを強く要求します。あなたがなすべきことは、死刑廃止の滔々たる世界の大潮流に沿って、死刑制度廃止の努力を始めることです。法務大臣としてのあなたの最初の仕事が「死刑大国」の汚名を返上することであることを私たちは心から望みます。
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CML(市民のML)がいよいよ始動

2009年05月15日 22時44分47秒 | 監視カメラよりも自由な社会に
■AMLからCMLへ

 かつて、AML(Alternative Information for People's Movements Mailing List)というメーリング・リスト(以下MLと略す)が在りました。「Alternative」という言葉からも分かる様に、「大手商業メディアには流れない、様々な市民運動・人権運動に関する貴重な情報交換の場」として、長らく機能してきたMLでしたが、諸般の事情により、今年3月を以って閉鎖となりました。しかし、その後も、前述の交換の場を求める元AML会員有志の尽力によって、その精神を発展継承すべく、新たに「市民のML」(略称CML)が、近日中に立ち上がります。
 下記がその案内文ですが、私も早速、会員登録させてもらいました。AMLの時は、もっぱら閲覧のみの「お客さん」に止まっていましたが、今後は自らも積極的に発言していこうと考えています。この間のマスコミ報道の胡散臭さは、北朝鮮ミサイル・草なぎ逮捕・豚インフルエンザ騒動からも明らかです。その様な「お仕着せ・御用」色を排した市民メディアが、今求められています。
 とは言え、カネや時間の余裕も無く、自分のブログ更新で手一杯で、今までその種の集まりに誘われても、大抵は名前を連ねるだけに終わっていた私の事ゆえ、どこまで出来るか、保証の限りではありませんが。


■CMLの当該案内文(四トロ同窓会二次会掲示板より引用)

新AMLは明日15日から会員登録受付を開始させていただきます。横断的な民衆の情報発信・情報交換の場の再構築のためにも多くのみなさまのご参加を期待しております。

以下は、14日22:00段階で新AML発足の呼びかけ人になっていただいた方々です。

呼びかけ人:
青柳行信 在野真麻 伊藤孝司 Esaman 大津留公彦  小川みさ子 長内経男 長船青治 加藤和博 楠正昭  小池/パンチョ  坂井貴司  酒井信 高田健 鷹嘴 田口敬三 田口弘子 田中宏 寺尾光身 寺町知正  冨田杏二  豊田義信  中田妙佳  南雲和夫  仁井谷明  林田力  東本高志  平野慶次 二見孝一  藤谷英男  前田朗  前田純一  増田都志美  増田都子  まっぺん 毛利正道 八木隆次 薮田徹、横田英明
*発起人を含んでいます。また、上記のハンドルネームは発表用としてのものです。

さて、当初、新AMLはその名称を「民衆のML」(PML)として発足させる予定で事務を進めてきましたが、私たち発起人委員会の事務手続き上の不手際で、明日15日の新ML会員登録開始を控え、その名称を変更しなければならなくなりました。改めて発起人委員会として新AMLの名称を「市民のML」(Civil mailing list/CML」ということにすることで合意し、JCAにも正式に登録しました。私たちの不手際をお詫び申し上げますとともに、この新AMLの名称の変更についてご理解をいただければ幸いです。

上記名称の変更にともない明日15日からの会員登録受付の送信先メールアドレス等も以下のとおり変更しました。この点についてもご周知していただければ幸いです。

1.変更後の新AMLの名称を以下のとおりとします。

  変更後の新AMLの名称:CML(Civil mailing list/市民のML)

2.新CMLの「会員登録」受付の開始日時及び送信先メールアドレス、参加要領は以下のとおりとします。

  [1]「会員登録」受付の開始日時:5月15日午前0時~

  [2]「会員登録」受付の送信先メールアドレス:cml-owner@list.jca.apc.org

  [3] 参加要領:以下の事項を記入の上、件名欄に「登録希望」と明記して、上記の「会員登録」受付送信先メールアドレスにメールを送ってください((4)以外は必須)。住所はML管理者以外には公開されません。また、参加資格も特にありません。

  (1)住所
  (2)氏名
  (3)メールアドレス
  (4)使用するハンドルネーム

折り返し「"Cml" メーリングリスト へようこそ」というタイトルのメールを返信します。約一週間経っても返信のない場合は恐れ入りますが再度上記手続きを繰り返してください。

3.新CMLの投稿先アドレスと投稿開始日時は以下のとおりとします。

  [1] 新CMLの投稿先アドレス:cml@list.jca.apc.org

  [2] 新CML立ち上げの開始日時:2009年5月20日午前9時

なお、新AML(CML)の賛同人(呼びかけ人)募集は明日の24:00まで引き続いて行っています。さらにいっそうのご応募、ご協力をお願いするものです。

たびたびの追記、変更でご迷惑をおかけしていることを深くお詫び申し上げます。


■参考:AML掲載記事から、この間の経過が分かるものを抜粋。

・[AML 25045] 今後についての提案(まっぺん、3月 12日)
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024478.html
・[AML 25051] [AML] について意見表明(伊達 純、2009年 3月 12日)
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024484.html
・[AML 25052] 14日夕方  AML よもやま話の会の提案(くすのき、3月 12日)
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024485.html
・[AML 25098] 3・14  AML よもやま話の会のご報告(くすのき、3月 15日)
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024531.html
・[AML 25136] 管理人より閉鎖の日程のお知らせ(小倉利丸、3月 16日)
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024568.html
・[AML 25164] [AML] の今後について提案(伊達 純、3月 17日)
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024595.html
・[AML 25238] 第2回、 AML よもやま話の会報告(くすのき、3月 19日)
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024665.html
・[AML 25325] aml の閉鎖にあたって(NOMURA Tomoyuki、3月 22日)
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/024747.html
・AML 2009年3月 保存書庫 スレッド
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2009-March/thread.html#24478
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芸能化報道の陰でほくそ笑むのは一体誰か

2009年04月25日 22時21分43秒 | 監視カメラよりも自由な社会に
   

 以下、4月24日(金)付・朝日新聞(大阪版)朝刊・テレビ番組欄より、「草なぎ剛逮捕」関連分をピックアップした一覧。

・NHK総合 
 4:30「おはよう日本」草なぎ容疑者・送検へ
・毎日テレビ
 5:30「みのもんた朝ズバッ!」”酒酔い裸で騒ぎ…”草なぎ容疑者自宅も捜索/逮捕一報にファンは?
 11:00「ひるおび!」草なぎ剛容疑者最新情報
 14:55「ちちんぷいぷい」続報…スマップ草なぎ剛容疑者逮捕の余波は?
 18:45「THE・NEWS」草なぎ容疑者…ファンの失望と社会への影響と
・ABCテレビ
 6:45「おはよう朝日です」衝撃・草なぎ容疑者に何があった?
 8:00「スーパーモーニング」スマップ草なぎ剛容疑者/深夜の泥酔全裸大騒ぎ/通報者が語る大捕物!!/同時刻現場を追跡取材
 12:00「スクランブル」公園で全裸…草なぎ容疑者逮捕泥酔を追跡
・関西テレビ
 5:25「めざましテレビ」草なぎ容疑者逮捕の波紋
 8:00「とくダネ!」スマップ草なぎ容疑者①泥酔して全裸で奇声…わいせつ容疑の動機②顔青ざめ移送の瞬間表情③自宅捜索…CMも中止続々/今後活動は
 16:53「ニュースアンカー」全裸で…公然わいせつの訳は?草なぎ容疑者逮捕の波紋
 23:58「ニュースJAPAN」全裸草なぎ容疑者送検へ
・読売テレビ
 5:20「ズームインSUPER」草なぎ容疑者全裸で逮捕①CM中止…韓国速報②検証酒量どれだけ?
 8:00「スッキリ!!」泥酔全裸スマップ草なぎ容疑者が深夜に公然わいせつで逮捕
 13:55「ミヤネ屋」自宅を捜索/草なぎ容疑者の逮捕で各界に衝撃…
 23:55「ニュースZERO」捜査は?草なぎ容疑者
-----------------------------------

 上記が、23日夜から24日にかけての、例の、SMAP所属タレント草なぎ剛が泥酔で全裸姿になって公然わいせつで逮捕されたニュースについての、テレビでの取り上げられ方ですが。苗字クサナギのナギの字は、よくある「薙」ではなく「」という難しい漢字だった事を、この事件で始めて知りました(注:当該漢字は、PC・携帯の機種によっては文字化けしてしまうので、先程全てひらがなに置き換えました)が、それは兎も角として。

 「泥酔した位で逮捕されるか?」という素朴な疑問はみんな抱きつつも、「海賊対処法案が衆院通過」よりも「草なぎ逮捕」の方が大事なニュースだとは到底思えないのに、マスコミが我も我もと書きたてて。
 それに加えて、総務相の鳩山が、散々「地デジ推進」PRにこのタレントを起用しておきながら、自身の任命責任を棚の上げての「最低の人間」発言に、こちらも民主党の鳩山が、それまで政府・与党と馴れ合って右傾化・警察国家化を散々推進してきた一蓮托生ぶりを棚に上げての「揚げ足取り」に、これまた政府・与党の犬のネットウヨクが噛み付いて、もうシッチャカメッチャカになっているのを横目に。
 「果たしてわざわざブログで取り上げるような事か」と思いながらも、マスコミの体たらくが余りにもアンマリなので、このエントリーを書いています。

 そんな私が今回のこのニュースにつけて思うのは、上っ面だけを面白おかしく取り上げるしか能が無い三流スポーツ紙の中で、殆ど唯一「日刊ゲンダイ」だけが、辛うじて「社会の木鐸」としての機能を果たしている事については、率直に評価しつつも、下手にこの問題でキイキイ叫べば叫ぶほど、先の「海賊法案」などのもっと大事なニュースがどんどん陰に隠れてしまい、逆に政府・与党の思う壺となりつつあるのではないか、という事です。

 そこで、ここは少し視点を変えて、この様な「ニュースの芸能化、バラエティ番組化、2ちゃんねる化」が、一体何処から始まったのか、という問題意識を抱いて、その次の定休日に、図書館で過去の新聞記事やテレビ番組欄を、ちょっと調べて来ました。
 その結果は、やはり予想通りでした。80年代中頃の、久米宏や小宮悦子が司会をしていたテレビ朝日「ニュースステーション(Nステ)」を皮切りに、テレビのニュース番組がバラエティ番組の形式を取り出す以前は、ニュースとバラエティ番組の棲み分けがはっきりしていて、今の様な、視聴率稼ぎがミエミエの、奇をてらった様な番組タイトル命名も、殆ど在りませんでした。

 「Nステ」放送開始に当たっては、ともすればお堅いイメージを持たれていたニュース番組を、お茶の間の視聴者にも分かりやすい形で提供するという事で、それなりに期待を持たれていた筈なのですが。
 それが、類似の番組が次々と登場するに連れて、何時の頃からか「2ちゃんねる化」の道を辿る様になって。ただひたすら安いコストで、外注の番組制作会社に丸投げする形で、ひたすら視聴率稼ぎの、「センセーショナリズム」「安かろう悪かろう」に走る中で、「やらせ」の問題も起こってきたのではないでしょうか。
 特に酷いのが、平日昼の主婦層をターゲットにした、後に「!」や「?」をやたら付けた、長ったらしいタイトルの、芸能番組だかニュース番組だかよく分からない番組です。中には延々と、スポーツ新聞の三流記事の解説を、公共の電波でやっているものまである。そんなモン、わざわざ公共の電波を使ってやるものではないと、思うのですが。

 本来、マスコミと言うのは、「社会の木鐸」として機能すべきものでしょう。それは一流全国紙であろうと、三流スポーツ新聞であろうと、変わらない筈です。但し、対象とする読者層が自ずと違うので、大事なニュースを伝えるのに、逆に三流紙の方こそ、「必ずしも分かりやすい事柄ばかりとは限らないが、それでも知っておかなければならない大事なニュースを、ポイントを外す事無く、分かりやすく伝える」工夫と努力が、一流紙以上に求められなければならない筈です。本来であれば。
 ところが実際は逆で、全国放送がわざわざ公共の電波を使って三流スポーツ新聞の解説をやっているのを見ても分かる様に、一流紙が三流の後塵を拝するが体たらくとなってしまっているのが、現状ではないですか。
 その結果、「こんなニュースばかりなら一層の事見ないほうがマシ」という事で、それがやがて転じて、「こんな政治家ばかりなら投票に行くだけムダ」という事になっているのが、日本の政治ではないでしょうか。正に政府・財界の思う壺というか。

 日本や欧米諸国では、「政治の右傾化・保守化」が叫ばれて久しいですが、更に憂慮すべきなのは、長年に渡るマスコミの世論操作によって、単なる「右傾化・保守化」に止まらず、「パロディ化・白痴化」とも言うべき政治状況にまで、立ち至っている事ではないでしょうか。
 そうでも考えなければ、アフリカが大陸の名前か国の名前か町の名前かも分からない様なバカウヨ女が、アラスカ州知事から副大統領候補にまで上り詰める事の出来る米国ネオコン政治の体たらくや、「太平洋戦争開戦は日本を陥れようとする米国の謀略だった」と盛んに言い募りながら、現代の米国発謀略戦とも言えるイラク戦争への加担については平気で居直る、田母神某のトンデモ雑文が大手を振ってまかり通ったり、これだけ格差社会の弊害が誰の目にも顕になっても、未だに小泉純一郎や橋下徹などの新自由主義デマゴーグが人気を博し、自己責任論が蔓延る日本国内政治の異常さが、何故生まれてきたのか、説明が付きません。単に「ベルリンの壁崩壊や北朝鮮・拉致問題顕在化によって世論の右傾化・反動化が促された」といった捉え方だけでは、説明が付かない部分がある。

 こんな状況にまともに対抗していくには、「草なぎ逮捕が警察国家化への道だ」という事はきちんと押さえつつも、徒に相手の土俵に乗って同じ様にキイキイ叫ぶのではなく、「そんな土俵は贋物で、本物の土俵は寧ろこちらにある」という事を、何度も何度も繰り返し言っていくしか無いのではないかと、私は思うのですが。
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これでは「見守り隊」ならぬ只の「市民監視隊」だ

2009年02月04日 00時25分08秒 | 監視カメラよりも自由な社会に
 この前、元祖・猫カフェの喫茶店に立ち寄った時の事です。其処のお店のママが、地元で活動している「見守り隊」の所業について、大変怒っていました。
 「見守り隊」と言うのは、他にも「住民パトロール隊」とかの通称で呼ばれている、PTAや町内会などの地域住民有志で作られている防犯パトロール隊の事です。最近、スーパーの駐輪場などで、「見守り隊」などと書かれたステッカーを前カゴなどに張ってある自転車が止められているのを、時々目にする事が多くなりましたが、それがその「見守り隊」です。
 午前中に通学路に立って交通誘導をしたり、放課後は子どもに声をかける不審者がいないかどうか見回っている、そういう人たちの事です。警察庁のHPには、「自主防犯ボランティア」として、全国各地の事例が掲載されています。

 以上の知識はあるものの、「見守り隊」の実際の活動については、私もそれ以上の事は分からず、ただ漠然と「緑のおばさん」に近いイメージを持っていたのですが、猫カフェのママさんの話を聞くと、さに在らず。実際は、そんな牧歌的なものではない様です。
 くだんの喫茶店の前の道は、店の前が丁度交差点になっており、信号と横断歩道があります。其処は通学路にもなっており、毎朝「見守り隊」の人がお立ちになるのですが、ママが言うには、その態度が余りにも横柄なのです。

 曰く、交差点の角の縁すれすれに立って、我が物顔に其処を占拠し、通行人が通ろうとしても、決して自分からは避けない、との事。交通量もそこそこはある道なので、通行の邪魔になるからと、店の朝のモーニング・セットを食べに来た客が、見るに見かねて注意すると、逆に睨みつけられたり、とか。
 その所為で、客は険悪な表情で店に入ってくるわで、商売も上ったりで、「これでは営業妨害だわ」と、ママは相当お冠な口ぶりでした。
 実際、それで喫茶店の客とトラブルになり、近くの交番に通報された事もあるそうです。それで通報された警官こそ、いい迷惑です。一応駆けつけては来たものの、民事不介入の建前もあるので、「見守り隊」をなだめすかすのに苦労していたのだとか。

 私、その話を聞いて、「まるで警察官気取りで、戦前のオイコラ警官と全く同じ目線で活動している」「見守り隊と、名称こそソフトなものの、実際にやっている事はまるで市民監視そのものじゃないか」と思いました。
 そもそも、見守りや見回り、地域巡視は、一体何の為にするのでしょうか。「地域で困っている人は無いかどうかをこの目で見て、困っている人が在ればみんなで助ける」と言うのが、これらの活動の本来の姿ではないのでしょうか。それが相互扶助というものの、本来の在り方ではないでしょうか。そうすればこそ、独居老人の孤独死や生活困窮者の餓死といった事も無くなるでしょうし、オレオレ詐欺や訪問販売を装った悪徳セールスマンも撃退出来て、犯罪の抑止にも繋がろうというものを。

 ところが、話を聞いていると、そういう「民生委員」的な活動ではなく、逆に独居老人や生活困窮者を、取締り対象として囲い込んでいく様な、「自警団」的な活動に、ひたすらのめり込んでいっている様な気がしてなりません。そんな「不審者狩り」の行き着く先は、自分以外は誰も信じられず、互いに「隣の人は何する人ぞ」と疑心暗鬼ばかりが先走る、ギスギスした世の中ではないでしょうか。そこまで行くともう、もはや「地域社会」でも「市民社会」でもない、ただの「監視社会」でしかありません。

 しかも、そんな「自警団」活動に現を抜かしている町内会の実態たるや、古くからの保守系の有力者連中が、他に対抗馬が出てこないのをいい事に、選挙の洗礼も受けずにずっと世話役に居座ったまま、三桁を超える世帯から集めた年間3600円の町内会費を、自分たち取り巻きだけが参加する慰安旅行などの遊興費に費やしているだけだというのですから、開いた口が塞がりません。
 これでは、飲み食いに明け暮れている自分をさて置いて、「たらたら食って飲んでいる奴に何で俺の税金が使われなければならないのか」と言い放った、どこかの国のアホー首相と、全く同じではないですか。
 そんな金があるのなら、相互扶助の精神に則った「言葉通りの、本来の見守り隊」活動に、もっと注力すべきではないでしょうか。自分たちと言えども、いつ生活困窮に陥るかも知れないのですから。

 以下、数年前の新聞記事ですが、山陰中央新報というローカル紙から引用します。

>米国の郊外に多い「ゲーティッド・コミュニティー」と呼ばれる高級住宅街は、あらゆる「敵」を排除した究極の小社会だろう。そこでは、不審者の侵入を防ぐため外周を柵や塀で囲い込み、出入りの門には警備会社の警備員が不審者をチェックする。許可無き「よそ者」の入れない犯罪の無菌室のような街。だが、これが私たちの求める「安心なまち」なのだろうか。
>私たちは空気中に病原菌があるからとて呼吸をせずにはいられない。犯罪予防や捜査のために市民のプライバシーや通信の秘密の権利を犠牲にすることは、空気中から病原菌と一緒に酸素を取り除くようなものだ。犯罪の無菌室作りよりも、まずは病原菌への免疫力を高める方策を考えたい。犯罪増加の背景にある格差社会の是正は、この免疫力を高めることにつながる。
>この文脈では、暮らしの「安心」すなわち「健康で文化的な最低限度の生活」を保障した憲法二五条の描く「安心」こそが重視されるだろう。しかし現在の政治は、治安強化だけで「安心」を求める一方、社会保障費等の削減により実は「安心」を切り崩しているのである。('06/01/31付 「憲法から見た安全・安心(下) 監視社会より格差是正を」)
 http://albatross.soc.shimane-u.ac.jp/src/news/scs44.htm

 上記記事の趣旨が本当に活かせていたら、昨年の秋葉原無差別殺傷事件も、昨年末からの「派遣切り」被解雇者大量流出も、起きる可能性は大幅に減少していた事でしょう。たかが一ローカル紙のコラム記事ではありますが、犯罪容疑者本人やその家族へのバッシングばかりに終始し、犯罪の社会的背景については一切見ようとしない、右翼御用新聞・産経のイエローペーパー記事よりも、こちらの方がよっぽど読み応えがあります。
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市民主権とは名ばかりの強制動員

2008年12月12日 00時09分33秒 | 監視カメラよりも自由な社会に
裁判員制度の正体 (講談社現代新書)
西野 喜一
講談社

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 いよいよ来年5月に施行が迫った裁判員制度ですが、ここに来て辞退の申し出が激増しているのだそうです。また、裁判員候補予定者として認定されたら、家族など自分のごく身近な人以外には、一切その事実を口外してはいけない事になっているにも関わらず、そんな通達など何処吹く風で、裁判所からの呼出状がネットに流出しまくっているのだそうです。それだけを見ても、如何にこの制度が国民から支持されていないかが、よく分かります。

 プロの裁判官・検察官・弁護士以外に、無作為抽出(くじ引き)で国民の中から選ばれたアマチュアの裁判員が、裁判に加わる事で、裁判に市民感覚や社会常識を反映させる。片や市民の方でも、今までの「お上にお任せ」意識を払拭して、裁判員として参加意識を持ってもらう。劃して、市民(国民)主権の確立や司法の民主化が実現に向かう。―それが、この制度の狙いなのだそうです。

 しかし、そんなに上手く行く筈がありません。何故ならば、上記著書「裁判員制度の正体」にも在る様に、裁判員に期待されているのは、せいぜい「裁判官の手助け」「お飾り」としての役割でしかなく、到底「市民主権」と呼べる様な代物ではないからです。逆に「現代の徴兵制」として、有無を言わさず裁判に協力させられる恐れすら在ります。それは下記の理由からも明らかです。

 まず第一に、若し国が本心から「市民主権の実現」や「司法の民主化」を望んでいるのであれば、こんな制度の導入よりも、もっと先にすべき事が他に幾らでもあります。例えば、労災認定・労働裁判の場や、「日の丸・君が代」訴訟、公害調停、原爆被爆者認定などの場に、労働者・教員・被爆者の代表を参加させて、もっと実態に即した判決や認定を出させるとか。今の形骸化した最高裁裁判官国民審査の手続きを、もっと国民にとって分かりやすい形にする等。その方が、裁判員制度の導入よりも、よっぽど緊急で焦眉の課題の筈です。それを何故しないのか。
 そもそも何故、裁判員制度の対象を、禁固・無期懲役・死刑相当の刑事事件だけに限るのか。「市民感覚や社会常識を取り入れた判決を」というのであれば、尚更の事、先の労災認定以下の場や、痴漢冤罪事件、行政裁判についても、制度で捕捉しないのか。

 そして第二に、裁判員候補予定者を「くじ引き」で勝手に選んでおきながら、辞退の自由も認めないとは、国や裁判所は一体何様のつもりか。裁判員制度擁護論者の中には、恰もこの裁判員制度を、投票・納税・教育と同じ様なものと、軽く考える向きも在るやに聞きますが、何をか況やです。
 投票や教育は、国民側からすれば、れっきとした権利(主権)の行使です。義務は主権者が国に対して負うべきものではなく、国が主権者に対して負うべきものです。その上で、選挙で意中の候補者がいない場合には棄権も認められており、税金を払えない低所得者には減免措置が認められているのです。翻って裁判員制度の方はと言うと、「くじ引き」なぞという、いい加減な方法で裁判員を選任しておきながら、拒否権には高いハードルで、違反には刑事罰まで加えるとは、一体どういう了見なのか。

 これでは、裁判員制度は「市民参加を装った徴兵制」そのものではないか。何故こんな制度に、与党だけでなく日弁連や共産党までが賛成してしまっているのか。共産党は今頃になって保留・延期に態度を変えてしまっていますが、その一方で「お上任せではいけない」と、まるで橋下徹みたいな事も未だに言っている。しかし、仮にも左翼であるなら、国家権力の本質がどういうものであるか位は、知っている筈。知っていたら、こんな能天気な言説など吐けない筈です。
 戦前の陪審員制度が結局立ち消えになったのも、第二次大戦でのドサクサ以前の問題として、偏に主権在君・絶対天皇制の明治憲法体制には一切手をつけないまま、上辺だけ国民参加を取り繕ったからではないでしょうか。

 しかし、その一方で、右翼の城内実みたいな「和を以って貴しとする我が国情には合わない」なんて立場からの裁判員制度反対論にも、ちょっと組する気にはなれません。我々が目指しているのは、あくまでも民主主義の実現であって、封建時代への懐古なんかではありません。実際、右翼の中にも裁判員制度に反対する意見が少なくないと言います。しかも、その理由が「左よりの判決が出るから反対」と言うのを聞くと、無碍に反対する気になれないのも事実です。

 また、識者によっては、「構造改革・年次改革要望書」絡みの、米国からの圧力を指摘する向きもあります。そう言えば確かに、米国からの年次改革要望書には、裁判員制度についての言及こそ無いものの、司法分野についても規制緩和や効率化の要求が、矢継ぎ早に突きつけられています。電車内での弁護士業務の中吊り広告解禁なども、その流れの中から出てきたものです。
 裁判員制度導入の本当の狙いも、公判期日の短縮などの効率化や規制緩和にあるのではないか。それで仮に手抜き裁判が横行しても、裁判員という形で市民を巻き添えにする事で、裁判への批判を封じ込める意図があるのではないか。

 それで、この前NHKで放送していた裁判員制度特集番組「日本の、これから」も、後半部分は視る時間が出来たのでじっくり見せて貰いましたが、どうしてもこの手の番組は、せいぜい双方の意見を通り一遍に紹介するだけで、それで終わってしまう。その時もそんな感じで、制度に対する不信感だけが依然として残りました。
 当該番組でも、裁判員反対論者がそれぞれ具体的に論拠を挙げて反対していたのに対して、賛成論者の方は総じて「逃げてはいけない」と根性論だけに終始していたのが、印象に残っています。中には「被告の人権ばかり守られている」とばかりに橋下徹みたいな言説を振り向くバカウヨオヤジまで出てきたりして、はっきり言って、もう見ていられなかった。

 裁判の目的は真相の究明にあり、それに沿って被告の有罪・無罪の別や量刑を決めるのが、法治主義の下での裁判の在り方です。そうであるにも関わらず、刑事訴訟と民事訴訟の区別もつかず、裁判をまるで「江戸時代の仇討ち」かなんかと勘違いしている様な人たちが、くじ引きで裁判員に選ばれたりしようものなら、裁判が「ワイドショー、2ちゃんねる、北朝鮮の公開処刑」のレベルに堕してしまいます。実際、産経新聞などの三面記事レベルの法廷取材記事を見ると、それが現実に起こり得るのではないかと危惧します。

 そもそも、裁判員制度の根底にある「国民に統治主体意識を持たせる」という発想自体が、「市民主権」の建前に相反するものです。「統治主体意識」というのは、「お上任せや傍観者ではなく当事者意識を持って参加しろ」とか、「国に何かして貰うのではなく自分自身が国にどう貢献できるか考えろ」という事の様ですが、「笑わせるな」と言いたい。

 そんな意識を国民持ってもらいたければ、裁判員制度で国民を締め付けるより先に、麻生を初めとした為政者自身が襟を正すのが筋でしょうが。それが、碌に漢字も読めず、行く先々で人の神経を逆なでする発言ばかり繰り返した挙句に、誕生してからまだ数ヶ月しか経っていないのに、早や支持率20数パーセントの体たらくの麻生自民党政権の面々から、こんな事言われる筋合いなぞ無い。

 「市民感覚の反映」で以って「国民主権や民主化」が実現されなければならないのは、麻生・自民党政権自身です。それを等閑にしたまま、小手先で裁判の仕組みだけをいじくっても、何も変わりません。そんなに「くじ引き」で国民を総動員したければ、国会議員や閣僚の何人かを無作為で選んで、裁判員と同様に「最低限プロから1名とアマチュアから1名の賛成」が無ければ、閣議決定も一切出来ない様にすればどうか。

(参考記事:但し未読も含む)
・NHK「裁判員制度がはじまる 今夜とことん考えます」を観て、改めて馬鹿馬鹿しい制度だと思った件について(創難駄クリキンディーズ2004福岡)
 http://osa3.blog.ocn.ne.jp/project/2008/12/post_de57.html
・裁判員制度 - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%81%E5%88%A4%E5%93%A1%E5%88%B6%E5%BA%A6
・日本の司法制度 - 陪審制・参審制
 http://ms-t.jp/Law/Court-system/Participation.html
・よろしく裁判員(法務省)
 http://www.moj.go.jp/SAIBANIN/
・はじまります。裁判員制度(日弁連)
 http://www.nichibenren.or.jp/ja/citizen_judge/
・司法制度改革推進計画(首相官邸)
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sihou/keikaku/020319keikaku.html
・「司法改革」解説版パンフレット(同上)
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sihou/others/pamphlet_h16.pdf
・裁判員制度はいらない!大運動
 http://no-saiban-in.org/index.html
・高野善通のブログアネックス
 http://antisaibanin.arekao.jp/
・裁判員制度導入は誰が決めたのか。(KSTK)
 http://kiyosakari.blog105.fc2.com/blog-entry-102.html
・裁判員に選ばれたブログ(牧村しのぶのブログ)
 http://d.hatena.ne.jp/pinsuke/20081203/1228406421
・裁判員制度と司法改革(城内みのるの「とことん信念」ブログ)
 http://www.m-kiuchi.com/2008/04/11/saibaninseido/
・日本共産党と裁判員制度(アルバイシンの丘)
 http://papillon99.exblog.jp/7634136
・09年5月実施にNO!の訴え 国民動員システムはごめんだ(週刊かけはし)
 http://www.jrcl.net/frame081208c.html
・市民の裁判員制度・つくろう会
 http://www.saiban.org/index.html
・【法廷から】「父の手術代を稼ぐため」裏DVD店経営男のあきれた言い訳(産経新聞)
 http://sankei.jp.msn.com/topics/affairs/6961/afr6961-t.htm
・富山強姦冤罪服役事件の研究 - ウェブテレビ
 http://www.webtelevi.com/toyama.htm
・高知「白バイ事件」の闇(JANJAN)
 http://www.news.janjan.jp/living/0801/0712318233/1.php
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元厚生次官宅襲撃事件の闇

2008年11月27日 23時14分19秒 | 監視カメラよりも自由な社会に
 改めて、例の元厚生次官宅襲撃事件について。既に多くの人が言及し、私も前号エントリーの中で触れていますが、余りにも辻褄の合わない事が多すぎます。

・元事務士官宅襲撃事件に自首してきた容疑者についていろいろ考えてみた。(ふじふじのフィルター)
 http://fujifujinovember.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-bf3f.html
・元厚生次官殺害事件:小泉容疑者を銃刀法違反で逮捕(容疑者の動画あり)(カナダde日本語)
 http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-1276.html
・石井こうき(石井紘基)事件と元厚生次官ら連続殺傷事件の経過があまりに似過ぎていないか?(弁護士紀藤正樹のLINC TOP NEWS-BLOG版)
 http://kito.cocolog-nifty.com/topnews/2008/11/post-ce71.html
・「小泉容疑者を厳しく追及する」…拷問を認めるってことではないか? (情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊))
 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/f1d6954b6890c6253adef326294e9dea
・ヘイトクライム(自国民通信)
 http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/b67d5e5d1129852bde595270a450a9ae
・「報道が犯罪・失言を誘発する」の論調は問題(杉浦ひとみの瞳)
 http://blog.goo.ne.jp/okunagairi_2007/e/1de9b3ec25b6c189da0a7e2b85b6f4e8
・テロリストからのメール(文藝評論家・山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記』)
 http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20081125/1227572185
・元次官ら殺傷事件:容疑者は「昔、保健所にペットを殺され、腹が立った」と供述~安易に「テロ」と即断するのは、もう止めるべきでは?(Because It's There)
 http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-1588.html
・「元厚生次官宅連続襲撃事件」(小泉某が本当に真犯人なのかしらねぇ?)(晴天とら日和)
 http://blog.livedoor.jp/hanatora53bann/archives/51309951.html
・なぜ小泉容疑者は働いている様子もないのに家賃を支払ってこれたのか(木走日記)
 http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20081124/1227494218
・襲撃された2人の元次官を「証人喚問」する計画が進行していた?(低気温のエクスタシーbyはなゆー)
 http://alcyone.seesaa.net/article/109980873.html
・元厚生事務次官の連続殺傷事件は構造改革派の足掻きなのだろうか!?(神州の泉)
 http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/11/post-a0a8.html
・元厚生次官宅連続襲撃事件の犯罪心理学(心理学総合案内こころの散歩道)
 http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/news2/2008/undersecretary_murder.html
・小泉毅容疑者を追い込んだものは何か 元厚生事務官らの殺傷事件から(JANJAN)
 http://www.news.janjan.jp/living/0811/0811242184/1.php

 今月18日に2件の襲撃事件が相次いで発生し、その僅か4日後の22日には、小泉毅(こいずみ・たけし)という46歳・無職の男性が、「俺が犯人だ」と早々と名乗り出てきて、後はもう「背後関係無しの、小泉の単独犯行」の、その線に沿った報道ばかり。余り陰謀論めいた事は書きたくないので、書こうかどうか迷いましたが、これだけ矛盾点が指摘されながら、「単独犯行」説が恰も既成事実であるかの様になってしまうのは、どうしても納得がいかないので、ここで私なりに、この事件について、問題点を整理しておこうと思います。

(1)犯行動機の不可解さ。子供時代のペットレスのトラウマが、何故46歳になった今頃になって、容疑者の頭の中でもたげてきたのか? しかも、自分のペットを処分した保健所にではなく、直接には何の関係も無い厚労省の元官僚に、何故怒りの矛先が向かったのか? そのくせ、それだけ厚労省への復讐心に囚われていた割には、保険所の直接の所管官庁が厚労省ではなく市町村や都道府県であった事も知らなかった(調べていなかった)のは、一体何故?・・・この疑問は、職場の他のバイトにも何人かぶつけてみましたが、同じ疑問は大なり小なり抱いていたものの、結局は「世の中には、そういう色々変わった人も居るだろう」で、落ち着いてしまいました。

(2)収入源の謎。小泉容疑者は、この数年来は職にも就かず、実家との連絡も途絶えていたのに、何故家賃を滞納もせずに払えていたのか? 実際、銀行には数千円の預金しか残っていなかったのに、何故犯行当時も8万数千円もの現金を所持していたのか? 株で生計を立てていたといっても、利益は殆ど出なかった筈だし、サラ金・クレジットの借金が300万円に達していたという事についても、何故無職なのにサラ金・クレジットから金を借りる事が出来たのか? 仮に、リボ払いの繰り返しで利息だけ返済していたとしても、3年間もの間、貸出限度額の枠内で遣り繰りするのは、相当無理があります(バイトに就いていても、家賃払って自活していくのは至難の業なのに)・・・この点に関しては、私が聞いた人全員が、同様の疑問を抱いていました。

(3)そもそも自分の氏名を言い間違えるか? 小泉容疑者は、警視庁への出頭時に、ご丁寧にも住民票まで持参していました。単に身分証明だけなら、運転免許証で充分なのに。それをわざわざ、住民票まで取り寄せて、芝居じみた行為をしていながら、当の住民票にも振り仮名で「こいずみ・たけし」と記載されていたのに、何故自分の氏名を「こいずみ・つよし」と言い間違えたのか? これが確かにアカの他人の名前であれば、「たけし」と「つよし」と言い間違える事も在り得るでしょうが、こと自分の氏名については、言い間違える事なぞ、まず在り得ないのでは。

(4)容疑者の過去と現在との落差。この容疑者も、秋葉原事件の加藤容疑者と同様に、中学・高校時代は秀才で鳴らしています。しかも加藤とは違い、中学・高校時代には反抗期らしい反抗期もなく、国立大学に現役合格している。それが大学中退以後は、次第に職を転々とするようになり、秀才からトラブル・メーカーに豹変、人相も人格も学生時代とは変わってしまっています。そんな悲惨な体験をしたにも関わらず、転職期間中にどんな体験をしたのか、一体何がキッカケでその様に豹変してしまったのか、具体的な事が殆ど何も報道されていないのは、一体何故?

(5)事件に先立つ「厚労省叩き批判」為政者発言との奇妙な符合。この元厚生次官宅襲撃事件に先立って、行政サイドから「厚労省叩き批判」発言が、相次いで為された。まず事件発生前の12日に、政府の懇談会の席上で、トヨタ自動車相談役の奥田碩が、「あれだけ厚労省だけ叩かれるのは、ちょっと異常な話」「本当に腹が立っている・・・なんか報復でもしてやろうかな。例えばスポンサーにならないとかね」と、唐突に発言し出しました。次いで発生直後の19日にも、自民党の津島雄二元厚相が、元厚生次官宅襲撃事件の原因を、「マスコミや野党による厚労省批判にある」と責任転嫁。今まで散々、規制緩和・民営化・「ガス抜き」推進の立場から、寧ろマスコミを煽る形で公務員批判をやってきたのは、自民党や財界だった筈なのに。それが此処に来て、何故一転して自分だけ「良い子」ぶろうとするのか。責任追及が、次第に現場の末端公務員からキャリア・高級官僚に向かいつつあったのを、敏感に察知して、先に予防線を張ろうとしたのか? それとも、襲撃された被害者の元次官はいずれも、年金問題で国会に参考人招致される予定だったとの事なので、「口封じ」の為に、誰かが小泉(或いは小泉の名を騙る誰か)に殺させたのか?

・メディアから広告引き上げ トヨタ奥田氏「報復宣言」の効果(J-CASTニュース)
 http://news.livedoor.com/article/detail/3899286/
・連続殺傷で野党とマスコミを批判 津島元厚相(共同通信)
 http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008111901000557.html
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ネット規制など所詮は張子の虎、自粛・萎縮こそ敵の思う壺

2007年07月16日 00時22分55秒 | 監視カメラよりも自由な社会に
 この間の記事の続きで、公選法とHP・ブログ記事との関わりについて、改めて考えてみました。

 公職選挙法には「選挙の公示期間中は、政党や候補者の宣伝(選挙運動のために使用する文書図画←最後の二文字はズガではなくトガと読む:難解な法律用語の一つ)は、選挙公報や法定ビラでしか出来ない」「何人も、それ以外のモノを使って、政党や候補者の応援・落選運動をしてはならない」という規定があります(第146条・他)。

 そして、この「それ以外のモノ」の中にはHPやブログも含まれる、という解釈が一般に為されてきました。それが為に、ネチズンやブロガーの間では「選挙期間中は政党や候補者の批評は一切出来ない」とか「選挙期間中はHP・ブログの更新は一切出来ない」とか、はたまた「選挙活動はダメだが政治活動ならOK」「誰それを支持します(支持しません)という自らの意思表示まではOKだが、それを他者に呼びかけてはいけない」とか、色んな解釈が一人歩きしていて、それが選挙期間中における政治的発言を自粛する動きにも繋がっていました。

 しかし、そもそも、この公選法上のビラ配布制限規定の本来の趣旨(建前)は、特定の大政党や有名候補による金力に物を言わせての物量作戦で、他党や他の候補の宣伝機会が不当に奪われてしまう事が無いように、という事で設けられた措置です。現実には、公選法でそういう様にしてビラ配付や戸別訪問には各種の制限を課しておきながら、企業・団体献金は事実上野放しで、実際には大政党に有利に作用しているのですが。(現行の政治資金規正法など只のザル法でしかない事は、松岡前農相・赤城現農相の所業一つとっても明らか)
 http://tukui.blog55.fc2.com/blog-entry-407.html

 そういう「財力にモノを言わせての一部政党による選挙戦乗っ取りを防ぎ、出来るだけ万人に宣伝の機会が行き渡るようにする」という当該規定本来の趣旨(建前)からすれば、今や誰でも殆ど元手無しに開設出来るHPやブログを、その他の金のかかる政見放送や選挙ビラや新聞の意見広告と同列に扱うのは、矛盾も甚だしいと言わざるを得ません。
 それに第一、一般ネチズンやブロガーは、あくまでも選挙当事者(候補者・運動員)ではなく一般ピープルの立場から、「年金返せ、最賃上げろ、不払い残業無くせ」などの自身の生活要求の延長線上で、各種の政治的発言をしているのです。それに対してまで、恣意的な基準で以って「ここまでは政治活動でOKだが、これ以上は選挙活動になるからダメ」などと一方的に決め付けられても、全然納得出来るものではありません。そんな事を言い出せば、選挙期間中は凡そ政治批判は一切出来ない事になってしまいます。

 故に、HP・ブログでの政治批判は、選挙期間中であろうと無かろうと、そんな事とは無関係に、当人の自由と責任において為されるべきものであると考えます。

 更に、現行の公選法だけでは飽き足らず、新たな法律まで作って、マスメディアから個人のHP・ブログまで規制を加えようという動きも見られます。総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」が出した「中間とりまとめ」という文書がそれです。それによると、放送法や電波通信事業法などの業態別の現行業法を情報通信法という法律に一元化して、そこに適合性審査という名目で、放送内容にも規制を加える事が出来るようにする、という事が目論まれています。そして、その適合性審査の対象に、テレビ・ラジオ・新聞などのマスメディアだけでなく、個人のHPやブログも加えるというものです。
 http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/it/coverstory/news/20070627org00m300068000c.html

 これは、昨今問題になっている「あるある大事典」などの番組データ捏造問題や、「学校裏サイト」などに見られるネットでの個人情報流出・虐め問題を口実に、国がマスコミと併せてネットにも規制を加えようとしてきたものです。謂わば「バウネット弾圧のネット版」「ネット共謀罪」「ネット治安維持法」ともいうべきものですが、そんなに簡単に弾圧などされて堪るか。そして実際にも、そう簡単にはいかないでしょう。

 何故なら、ネットの特性そのものが、ウェブ(網の目、クモの巣)と言われているように、双方向で捉えどころのないものだからです。そこが、許認可や免許で国からがんじがらめに管理され、スポンサー資本に資金源を握られている新聞・放送などのマスコミなどとの大きな違いです。勿論、ネットと言えどもそれを技術的に支配しているのはマイクロソフトなどの巨大資本ですから(ネットそのものが軍事技術の民間転用から始ったものである)、資本の首根っこを抑えさえしたら言論規制は可能だ、という一面は確かにあります。しかしそれも完璧ではありません。それは何故かと言うと、前述したように、ネット自体が捉えどころのない、グローバルで開放的なものだからです。

 今まで鎖国状態を曲がりなりにも続けてきて国外からの情報流入を辛うじて防いできた北朝鮮の様な国ならまだいざ知らず、既にとっくに情報社会に突入してこれだけグローバル化が進展してしまったこの日本で、今更「ネット治安維持法」みたいな事をやったところで、一体どれだけの事が出来ると思っているのでしょうか、国は。(そういう意味では、グローバル化は、市場経済万能の新自由主義という形で資本主義の凶暴化を招来しているという負の側面を有する一方で、情報流通の活発化によって専制体制の自壊を促すという正の側面をも有している)

 政府がシャカリキになってマイクロソフトやグーグルと釣るんで言論規制をしている中国ですら、情報はどんどん国外に流出しているのです。既に80年代末の時期ですら、中国の六四天安門事件が東欧に飛び火して「ベルリンの壁」崩壊をもたらし、更に今度はそれが直ぐにネパールに飛び火して専制王制崩壊のキッカケとなったのです。同時期の韓国や台湾における民主化運動の進展にも、ネットが果たした役割は大きいものがあります。(この東欧その他の革命にしても、初期の頃には、社会主義に対する資本主義の勝利だとする皮相的な捉え方が持てはやされたが、実際はそれだけに止まるものではなく、前述した様に、左右を問わず独裁・専制体制はやがて崩壊するが、それを真に民主化への契機に出来るか否かは当該国市民の政治的力量如何に因ると、捉えるべきものであろう)

 その当時から比べても更に情報伝播が進んだ今日の日本において、「ネット共謀罪、ネット治安維持法」みたいな事が、そう簡単に出来る訳がありません。いくら規制をかけてきても、海賊版メディアと同じで、次から次へとミラーサイトが出てきて、やがて規制そのものをなし崩しにしていく動きが出てくるのではないでしょうか。

 既に当の与党自身にしてからが、今度の参院選で、公選法上のネット規制を有名無実化するかのように、公示後もHPの更新をやってのけているのですから。まさか「自分たちだけは良くて他の人がやるとダメ」という事ではないでしょうね。若しそうだとしても、それならそれで、その「靖国・グッドウィル」連合の「美味しい国」の「北朝鮮・中国ぶり」が全世界に曝け出されるだけです。その時には、北朝鮮向けの民間拉致被害者救出放送「しおかぜ」と同じノリで、派遣・請負企業で横行するピンハネ・パワハラや、ネットカフェ・マクドナルド難民や、「おにぎり食べたい」と言って死んでいった生活保護難民の実態告発を、海外から「美味しい国・日本」に向けて、やってやれば良い。
 http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin2007/news/20070713iaw5.htm 

(参考記事)
 情報通信法関連の事項については、ヤメ蚊さんのブログで、下記の様にシリーズとして精力的に取り上げられています。
 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/97954b4f23c2540c2dd6ac270b1cbb40
 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/1f1b493848de98ca677b7bf7176a12c3
 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/a54d50e01cd7d431d348098e83b1e8e3
 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/2903aafd735cdee87dadc03696c3b012
 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/63c9b601bf3eebb047413ea3898175d4
 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/3e9c133a311dd293b8f7006a9e1c7a73
 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/85099eeb655e7d2322edc68882129424

 ネット言論と公選法との関係については下記参照。とりあえずは、今までのTB・引用先記事から再掲(適宜追記予定)。
 http://tukui.blog55.fc2.com/blog-entry-407.html
 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/9119a4f6419207b69c7b9a5892171d8b
 http://selgae.exblog.jp/1698425
 http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2007/07/post_cdae.html 
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