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田中康夫擁立という第三の選択肢

2007年03月15日 17時17分48秒 | 反石原・’07東京都知事選
 東京都知事選挙で、反石原陣営が浅野・吉田の二大陣営に分裂してしまっています。私は今まで吉田さん支持の立場を堅持する一方で、何とか反石原陣営が統一できないかと自分なりに思い巡らせてきましたが、私も含めて双方の言い分が錯綜しているのが現状です。

 吉田さん支持派は「浅野氏は自民党以上に自民党的」と言い、浅野さん支持派は「吉田さんでは無党派を引きつけられない」と、それぞれ相手を批判してきました。「反自民の旗色が鮮明」で、尚且つ「無党派を引きつけられる」人、それに加えて「行政経験もある」人がいたら一番ベストなのでしょうが、現実にはそんな都合の良い人はそうそう居るものではありません。もう選挙の告示日も迫っているし、「石原の高笑いが聞こえてくる」「このまま浅野・吉田の分裂、候補者乱立で選挙戦突入を指をくわえて座視するしかないのか」という気持ちでいました。

 ところがここに来て、まだ出馬表明こそ表立ってしていないものの、究極の隠し玉候補になり得る人がいる事が分かりました。前・長野県知事で現・新党日本の田中康夫氏が、その人です。

 実は、田中康夫氏は、民主党サイドが都知事選候補の擁立を進めていた時にも、候補者の一人として名前が挙がっていたのですが、その時は長野県議会百条委員会での自身の情報公開もみ消し疑惑への対応で手一杯で、都知事選への出馬を躊躇していたのでした。ところがここにきて、そのもみ消し疑惑そのものがデッチアゲだった事が明るみに出てきて、この問題はほぼ終息に向かいつつある中で、俄然、都知事選立立候補の話が再燃してきたらしいのです。
 http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=429793&log=20070312
 http://ttokura.exblog.jp/4702623

 例えば、週刊「SPA!」掲載の「東京ペログリ日記」の2月26日の記述などを読むと、当人は結構その気になっているのでは、という気もするのですが。
 そう言えば、3月11日放送のTV番組「サンデー・プロジェクト」でも、櫻井よし子と田中康夫氏が対談していた折に、田中氏が櫻井よし子から「あなた、都知事に立候補しなさいよ~」とか言われたのに対して、肯定も否定もせずに笑ってお茶を濁していました。私はその時は、まさか田中康夫が立候補を考えているなどとは露ほども思っていませんでしたので、「国防婦人会が何をまた心にも無い事を」と一瞥しただけで気にも止めませんでしたが。

 若しそれが本当なら、私個人としては、もう田中康夫しかないのではないか、という気がします。願わくば、浅野・吉田・田中の3人の「左派・リベラル」系「反石原」候補の間で、公約のすり合わせと候補者一本化に向けての協議がきちんと為され、合意されれば一番良いのですが。

 田中康夫氏なら、浅野史郎氏よりは遥かに知名度も高いし、政策も浅野氏よりはずっと革新的で、何よりも長野県知事時代の脱ダムの実績もあるので、このタマなら吉田万三氏や共産党サイドも心置きなく一本化出来るのでは。おそらく本人も、立候補について考える以上は、そういう事も視野に入れての事ではないでしょうか。政治的には未知数な部分もあり、石原とは趣こそ違えワンマンな部分もありますが、少なくとも石原のようなゴリゴリのファシストでないのは確かでしょう。国家観・歴史観について言えば、寧ろそれとは対極的な信条の持ち主ではないでしょうか。

 私が「浅野で行こう」と言われてもイマイチその気になれないのは、候補者が民主党寄りで与党にも親和的という事や今までの経緯もさる事ながら、候補者が「優等生」的で「大人しすぎる」という面が否めないからです。相手はあの石原ですよ。あんなウヨクのバケモノみたいなのに対抗しようと思えば、それに圧倒されないだけのキャラの持ち主でないと、今まで石原に投票していた無党派層をこちらに引き戻すのは、はっきり言ってシンドイのではないでしょうか。相手が愈々本格的に軍艦マーチを鳴らして襲い掛かってこようかというのに、「当たり障りの無い八方美人」的な立ち位置や「手作り・市民・情報公開のイメージまず先に在りき」的なマニフェストで、果たして打ち勝つ事が出来るのでしょうか。

 田中康夫氏は、そういう意味で言っても、「石原打倒」のカリスマ性という点でも、吉田氏や浅野氏なんかとは比べ物にならない位の「破壊力」を期待でき、「石原B層」の無党派票もごっそり吸収出来るのでは。そういう手法は「小泉劇場」そのものであり「禁じ手」であるのかも知れませんが、それ以上に、これ位の「毒を以って毒を制する」でないと石原ファシズムを打倒出来ないのではないか、という気がします。新党日本結成に至った経緯については不透明な部分がありますが、それはもうこの際ですから私としては余り拘りません。

 私がこんな事を書いたら、「この期に及んで今頃何を血迷った事を」と訝しがる人もいると思います。「また一人、後出しジャンケンで出てきやがって」という声が、恐らく浅野・吉田の両陣営から上がる事でしょう。しかし、これも双方にとっては痛み分けという事で、逆に言えば、もう一度候補者選定を一旦白紙に戻した上で一から出直すチャンスなのではないでしょうか。まだ当人が正式に出馬表明した訳ではありませんし、告示日が迫っているのも確かです。しかし私は、ここに最後の一縷の望みを託しても良いのではないかと思います。
コメント (4)
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