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国やマスコミがやたら「規範」や「自己責任」を持ち出してくる時は要注意

2007年03月05日 10時31分20秒 | 戦争・改憲よりも平和・人権
 以前私は「給食費滞納問題で「目くそ鼻くそを哂う」の愚」というエントリー記事をアップしました。当該記事では「学校の給食費を踏み倒す方もそれをバッシングする方も、どっちもどっちだ」という趣旨の事を書きましたが、それはあくまでも「給食費を払えるのに払わない親」の存在を一応念頭に置いての事でした。正確に言うと、そういう親の存在についても内心では「ちょっと胡散臭いな」と思いつつも、それでも一応はそれを前提に記事を書きました。しかし、実際はその前提そのものが、やっぱりどうも非常に胡散臭いものであった様です。

 雑誌「女性の広場」4月号の、「子どもの貧困と給食費」という特集記事の中で、その事について触れた記事がありました。その雑誌編集部の手による記事『「規範意識」のない未納が急増!?』曰く、

 文科省が初めて実施した学校給食費未納調査によると、<全国の小中学校の43%に給食費未納者がいて、その6割が「払えるのに払わない親」であり、その滞納総額は22億円に上る>という事ですが、その情報を簡単に鵜呑みにする事は出来ない。何故ならば、

(1) その調査は未納者本人に確認したものではなく、「学校側から見てどうなのか」を聞いたものでしかないからだ。「払えるのに払わない親が6割」というのも、あくまで学校側の主観による勝手な判断だ。
(2) 「全国の小中学校の43%に給食費未納者」についても、校内に1人でも未納の生徒がいたらそれでカウントされてしまう。同調査で給食費未納児童・生徒の総数が約9万9千人である事が明らかにされたが、これは全国の児童・生徒総数の約1%にしか過ぎない。
(3) 調査期間も短く、調査主体も教諭・学校事務職員・栄養士・教頭と様々。そんな調査で、保護者の経済状態が簡単に分る筈がない。また、見た目には親の素行に問題があるような場合でも、その裏にはリストラ・離婚・DVなどの社会的・経済的背景が潜んでいるものだ。それはこんな通り一遍な調査では分らない。
(4) 単月度で未納とされたものが全て未納者にカウントされてしまっている。翌月になって給食費を払った数は一切カウントされていない。
(5) 調査では月々4千円程度の給食費未納だけに焦点が当てられているが、実際の保護者の負担はこんなものではない。修学旅行費なども含めれば月1万円ほどになる。生活困窮家庭にとっては決して生半可な負担ではない。
(6) 従来は就学援助という形でセーフティ・ネットが機能していたが、その機能が年々切り縮められてきている。2005年度からは非生活保護世帯(実際は生活保護水準ギリギリの世帯)に対する国庫補助が打ち切られ、自治体による就学援助額の削減や適用範囲の縮小を招いている。

 そういう事も抜きにして、徒に保護者の規範意識のみを殊更クローズアップするのは如何なものかと、くだんの記事には書かれていました。
 そういえばそうですね。OECD(経済協力開発機構)の調査によると貧困ライン(全世帯平均所得の半分)以下の世帯割合が全世帯の15%余の400万世帯以上にも上ろうとしている今の日本で、「未納者が全校生徒の約1%」というのは、寧ろ少なすぎる位ですからね。それでも中には「払えるのに払えない親」もいる事はいるでしょうが、問題はそんな所にあるのではなく、寧ろ「払いたくても払えない親」の存在こそが大問題である筈です。

 国保や国民年金の滞納問題といい、教育基本法改悪の為のやらせTMといい、釜ヶ崎労働者の住民票削除の問題といい、この給食費未納の問題といい、国やマスコミがやたら「規範」や「自己責任」を持ち出してくる時は、よっぽど眉に唾つけて見なければならないという事ですね。そういえば80年代の国鉄分割民営化攻撃の時も、ポカ休や勤務時間内の入浴なんかが槍玉に上がりました。実際は現場の汚れ仕事で身体を洗わなければ仕事を終えられないにも関わらず、「勤務時間内の入浴」なんて書かれて事情に疎いホワイトカラーなどはそれで簡単に騙されましたからね。私も危うくその手に騙される所でした。
コメント (1)
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