今回は久しぶりに近況報告でも。物流センターでのピッキング(商品仕分け)作業と一口に言っても、そのやり方は会社によって千差万別。私がついこの間まで働いていた委託先のスーパーでは、「種まき方式」といって、田畑で種まきするみたいに、作業者が商品を積んだ台車と一緒について回り、商品を各店舗に仕分けていくやり方をとっていました。それで一つの部門の仕分け作業が終われば、次の部門に移動して、商品の仕分けと搬送を行っていた。
この「種まき方式」では、ピッカー(仕分け作業者)が商品を持って、広い構内をかけずり回らなければなりませんでした(左上写真)。携帯電話の万歩計機能を使って、毎日の作業歩数を計っていたバイトがいましたが、その数値を見せて貰ったら、毎日3万歩から4万歩にもなっていました(右上写真)。どうりで体重が数ヶ月で数キロも減る筈です。これぞ名付けて「搾取ダイエット」w。
今の委託先のスーパーでのやり方はまた違います。「摘み取り方式」といって、コンベヤに流れてくる商品を摘み取るようにして、仕分けていきます。具体的に言うと、5~6店舗で1レーンのソーター・ラインが計20本近くあって、商品はバーコード読み取り機(ソーター)によって各レーンに予め分別されて流れてくる。それを各レーンに配置されたピッカーが、それぞれ自分の持ちレーンに割り当てられた店舗に仕分けしていく方式になっています。この「摘み取り方式」では、以前の「種まき方式」とは違い、作業者が広い構内をかけずり回る事はありません。動き回るのは、せいぜいレーン付近とその近くにある格納場所の狭い範囲だけです(左上写真)。
しかし、作業者の人力頼みで、一応は作業者のペースで仕分けが出来た以前とは違い、今度は機械の流れてくるスピードに合わせなければならないので、疲れ方がまた違う。以前ほど膝や足腰を痛めなくなった代わりに、今度は腰から上の背中や腕に影響が出て来た。それがこのザマです(右上写真)。
この鍼灸治療は、別に今に始まった事ではなく、もうずっと以前の、まだ「いずみ生協」に勤めていた頃から、ずっと通っていました。日曜日も営業しているので、平日の診療時間には間に合わない当時から重宝していました。今も隔週ごとに日曜日に通っています。1回に付き1時間半みっちり治療してくれます。但し治療費は保険が利かないので高いです。1回に付き6千円かかります。お陰で、医療費控除の確定申告を毎年欠かさずに続けるようになりました。
鍼灸治療に馴染みの無い人からすれば、ひょっとしたら、この写真は相当怖いかも。「うわー、今でも血が吹き出てくるんじゃないか!」「まるで針地獄じゃないか!」ってw。
全然そんな事はありません。これは治療のごく一部のシーンで、この後もベッドに仰向け・うつ伏せになっての治療が続くのですが、確かにこの背中の僧帽筋だけでも、40本以上の鍼(はり)が刺さっています。この場合の1本の鍼の深さは、大体1.5~2センチ。置鍼(ちしん)と言って、このポーズで椅子に座ったまま、赤外線を当てられながら、10分から15分間持続します。
この刺激によって、体内の白血球の増殖が促され、身体の新陳代謝や血液循環、免疫作用が高まるのです。事実、赤外線を浴びながら、呼吸の息が次第に深くなってくるのが分かります。
でも、この鍼治療も所詮は対症療法(自嘲)。もう若くはない中で、何とか身体の老化を食い止めているだけ、老化のスピードを抑えているだけにしか過ぎません(我ながら嫌な表現ですが)。
「餅は餅屋」というか、生協退職後も、バイトで採用されるのはやはり慣れた仕事で、私も別にこの仕事がまんざら嫌いでもなかった(寧ろ性に合っていた)ので、今まで来たのですが、身体にはやはり余り良くなかったようで。
フォークリフトの運転にしても、検品やピッキングの作業にしても、寒い冷凍・冷蔵庫内で長時間同じ姿勢の作業なので、どうしても身体が硬くなってしまう。血液循環や新陳代謝が悪くなり、乳酸や活性酸素などの疲労物質がどんどん貯まる一方。幸い、酒やタバコは殆ど嗜む事無く、暴飲暴食もしなかったので、今までどうにかやって来れましたが。この調子では、果たしていつまで続くやら。福島第一原発じゃあるまいし、いきなりメルトダウンなんて事になったら、洒落にもならない。
上の写真が、じっとしている時や起きがけなどに、重だるさや時々鈍い痛みを感じる所なのですが、上半身左右の腰・背中―ツボで言えば下図の腎兪(じんゆ)・大腸兪(だいちょうゆ)に当たる部分―と、利き腕の右を庇おうとして左に出るのか、特に左首筋―同じくツボで言えば天柱(てんちゅう)・風池(ふうち)―に硬いシコリみたいなのが常にあるような感じで、肘裏(上腕三頭筋)も軽いテニス肘みたいになっています。
しかし、確かに自業自得なのかも知れないが、「これって本当に俺の自己責任なのか?」と思います。「そんな仕事に就くのが悪い」と思われる方も、ひょっとしたら居るかも知れませんが、誰でも政治家や学者・事業家になれる訳ではないでしょう。別になれかたら偉いとも思わないし。転職しても「餅は餅屋」で終わる事も、ごく普通にある訳で、その「普通が悪い」という事には絶対にならない。
普通に働いて普通に生活して、普通にリタイヤしたら、憲法25条にも謳われている「健康で文化的な最低限度の生活」が出来る年金を、誰でも普通に貰えるのが、「ごく当たり前の普通の国」と違うのか。それを、戦前の「おしん」や「女工哀史」「蟹工船」の時代じゃあるまいし、最近では落ち目になりつつあるが、それでも世界第二の経済大国で、何故60歳を過ぎても学生バイト並みの年金しか貰えず、腰痛の不安におびえながら、死ぬまであくせく働かなければならないのでしょうか。
そう言うと、自民党や右翼・産経新聞などは多分、「それでも中国や北朝鮮よりもずっとマシだ」と言うのでしょうが、こんな調子ではこの日本も、北朝鮮辺りと本質的には何ら変わらないのでは。その中で、「下見て暮らせ傘の下」じゃあるまいし、「目くそ鼻くそ」の罵り合いをしても、はっきり言って自慰行為にしかならない。
確かに、西欧・北欧の福祉国家も完璧ではないかも知れない。独・仏やスウェーデンの福祉も、かつての植民地からの搾取や、東欧・中東・アフリカ移民による3K労働の上に胡坐をかいている側面はあり、そういう意味では、決して無条件には肯定できない。でも、それでも日本なんかと比べたら、まだよっぽどマトモな姿だと思う。「生かさず殺さず、死ぬまで働け」なんて、勤勉でも美徳でも何でもない。ただの奴隷根性にしか過ぎない。