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「寝た子を起こすな」という事か

2011年09月11日 07時13分11秒 | 福島の犠牲の上に胡坐をかくな
 福島原発周辺地域を「死の町」と言った鉢呂吉雄経済産業相が辞任したそうだが、彼はただ本当の事を言っただけにしか過ぎない。「死の町」を「死の町」と言って何が悪いのか。
 勿論、その言い方については、色々評価はあるだろう。たとえ同じ事を言うにしても、もっと被災者に分かってもらえる言い方があったとは思う。また、それと前後して行ったとされる、同行記者の身体に触っての「放射能を移した」という悪ふざけについては、もはや言語道断というしかない。
 しかし、たとえそんな人物の発言であったとしても、福島原発周辺地域が「死の町」である事は紛れもない事実だ。

 英紙インディペンデントの報道によると、原発事故の影響で、「今後5年間に100万人に上る死者が出るだろう」と言われている。実際にチェルノブイリ周辺地域でも、事故後数年してから、甲状腺がんや白血病による死者が激増している。
 また、福島産だけでなく、関東など他地方の米・茶・野菜・魚・肉・牛乳や土壌からも、放射性物質が検出されている事は、もはや衆知の事実だ。福島の農家が自家栽培の農産物を食べず、スーパーで売れ残りの福島産野菜が翌日には他県産の売場や産地ラベルで売られている事も、みんな大っぴらに言わないだけで、もはや公然の秘密と化している。勿論、一番悪いのは生産者や商店ではなく、そうせざるを得ない状況にまで彼らを追い込んだ者なのだが。

 その上で、それを口にした鉢呂経産相が、自らの「死の町」発言も踏まえた上で、経産相として今後どうするのかこそが、最も問われるべき事なのだ。そう考えると、寧ろ叩かれるべきは、「死の町」発言ではなく、「放射能を移すぞ」という悪ふざけの方ではないか。
 
 そして真に叩かれるべきは、福島を「死の町」にした歴代政府や東電などの経済界、原発推進の御用マスコミなどだろう。その肝心の巨悪をさて置いて、本当の事をうっかり口を滑らせて言ってしまった人間ばかり、これ見よがしに叩くのは、どうみてもフェアじゃないし、作為的なものを感じる。たとえ、「売国・反日」或いは「親米・保守」の民主党・野田新政権の、ロクでもない閣僚が場を弁えずに発言したとしても、だ。発言内容自体に間違いさえなければ、何ら叩かれる筋合いはない。
 肝心の<死の町にした>人間の責任が追求されずに、<それをうっかり口にした>人間ばかりを叩く。正に「寝た子を起こすな」の心理の為せる業である。

・原発周辺は「死の町」=鉢呂経産相(時事通信)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110909-00000068-jij-pol

 上記ニュースに付いたコメントの一部を下記に引用する。御用マスコミの論調とはまた違った反応が見て取れる。

>まさに死の町
別に不謹慎じゃないと思う。
ほんとにそうなんだら。
だから、被災者は、この言葉に憤りを感じるのではなくて、そうなった現状に憤慨すべき。
そして、被災者以外の国民は、それを忌避(タブー化)するのではなく、
自分達のことと認識して個人レベルでできることを考えるべき。(yam*****、2011年9月9日 12時11分)

実際そう見えるはず。ピンポイントだけ取り上げていちいち揚げ足とるな。(yas*****、2011年9月9日 12時3分)

「死の町」その通り。
感情論に堕してはダメだ。
退かせるべきところははっきり言うことだ。
再生できない場所ははっきり言うことだ。
土地よりも、放射能で傷つく染色体は再生しない。
そういうことも考えて、きついことも住民に告げなくてはならない。
夢を持たせて被曝させることは絶対ダメだ。(lis*****、2011年9月9日 12時13分)

要は言葉狩りだろ。
本質的な話じゃない。
こんなんいちいち言ってたら日常会話成り立たなくなる。
政治家を「政治家答弁」にさせているのは
こういう重箱の隅にうるさい新聞記者だなと実感。
「---は論議を呼びそうだ」とか
「---は問題になりそうだ」とか
奥歯に物の挟まった言い方の記事はヤメロ。
記者は堂々と自分の名前を出して「私は問題だと思う」
と欧米の新聞のようになんで書けないのかね。(syo*****、2011年9月9日 12時13分)

言い方はあると思うけど、実際の話そうだよね。
あと、原発を乱立したのって自民党でしょ?ちゃうん?(noc*****、2011年9月9日 12時14分)

意図的に言った訳じゃないだろうが、的確な表現だ。
原発が町を殺したんだ。
住民にも危険だからもう戻れないとはっきり言うべきだ。
東電とグルになってごまかせる部分を探すんじゃなく、
国民のために正直になれ。(bcg*****、2011年9月9日 12時19分)

事実は事実。
「安全です。戻って住めます。農作物も問題ありません。」
というほうがおかしい。
だめなものはダメ。(fis*****、2011年9月9日 13時3分)

 更に付言すれば、「頑張ろう日本・東北」キャンペーンの一環として、スーパーや百貨店で行われている東北支援の物産展についても、少なくとも福島県産の商品については完全に除外すべきだ。これが阪神大震災の様な場合なら、「頑張れ××」でも良いだろう。しかし福島の場合は原発震災だ。今も放射能を垂れ流し続ける原発をそのままにして、何をどう頑張れと言うのか。
 今や放射能に汚染されているのは、原発周辺の警戒区域や計画的避難準備区域だけに止まらない。その周縁部の福島・郡山付近も、チェルノブイリ並みに汚染されているのは、もはや衆知の事実だ。本当は一刻も早く住民を避難させなければならないのに、原発被害や損害賠償額を過小に見積もりたい、つまり「寝た子を起こしたくない」国や県によって、意図的に見殺しにされているのだ。だから放射線量規制値を緩め、安全神話を吹聴する御用学者を県の環境アドバイザーに起用したのだろう。

 真の福島・東北復興は、そんな欺瞞的な「頑張ろう」キャンペーンに加担して、「安心・安全の嘘」を広める事ではない。その嘘を暴き、住民への補償と完全除染を要求し、脱原発を実現する事でしか図れない。実際の汚染に目を瞑り、偽りの「頑張ろう」キャンペーンに加担する者は、原発の瓦礫や放射性廃棄物も国民が分かち合えと思っているのだろうか。
コメント (3)
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