アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

当ブログへようこそ

 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

 これが、当ブログの主張です。
 詳しくは→こちらを参照の事。
 「プレカリアート」という言葉の意味は→こちらを参照。
 コメント・TB(トラックバック)については→こちらを参照。
 読んだ記事の中で気に入ったものがあれば→こちらをクリック。

腰痛になれば逮捕される国

2011年09月25日 10時11分27秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 

 先日、健保組合から会社経由で調査票が送られて来ました。どういう調査票かというと、整骨院の不正診療請求について問う内容です。
 高齢化社会や腰痛・頸肩腕症を患う人が増えた事で、最近とみに整骨院が街中に増えました。これらの整骨院はいずれも保険適用を謳っていますが、実はその大半が違法なのです。今の制度では、整骨院に保険が適用されるのは、骨折・脱臼・ぎっくり腰などの急性・亜急性症状に限られます。しかし実際には、それ以外の腰痛などの慢性症状についても、実際には発症に至る何らかのキッカケ(例えば腰を捻った等)があった筈だという、言わばグレーゾーン的な拡大解釈によって、今までは整骨院にも保険が適用されていたのです。しかし、近年の保険財政逼迫によって、次第にそういう「お目こぼし」も効かなくなってきた。それで最近、健保組合の方でも、被保険者(私)に直接、整骨院の診療実態を問う、こんな問診表が頻繁に送られて来るようになったのです。
 
 これは私だけでなく、他のバイトにも、今まで整骨院を利用した人には全員調査票が送られてきています。それで私にも、7月にのべ5日通って計1880円(3割負担分)払った施術(治療)について、それが急性によるものか否かを詳細に問う調査票が送られて来たのです。しかも、私の場合は5月に次いでこれで二度目です。
 この調査票の内容については、会社側も恐らく知っているでしょう。現に私にこの調査票を手渡した所長も、「こんなんにまで厳密に保険適用されてしまったら、今後は整骨院に一回行くだけでも数千円もかかってしまうわな」と、至って同情的でした。しかし、所詮は当事者ではないので、「健保組合とうまく話をつけてくれ」で終わりです。

 そりゃあ確かに「不正」と言われればそうかも知れません。でも、私にも言い分は幾らでもあります。
 まず第一に、以上述べた事は、整骨院の保険料不正請求の事実がニュースなどで明るみになってから初めて知った事で、それまでは何も知らずに、自宅の近所で夜8時まで開いているので仕事帰りにも通えるし、何よりも保険で診てくれるので便利だからという事で利用していたのです。それを今頃になって保険適用外だの不正だの言われても、じゃあ現実に腰痛を患っているのに、一体どうすれば良いのですか。今後は一回数千円も払って受診しなければならないのですか。そんなもん毎回毎回払えるか。(注)

 第二に、健康保険や年金などの社会保険は、そもそも何の為にあるのか。労働者保護・国民福祉の為でしょうが。いざ病気になっても治療に専念でき、いつでも社会復帰出来るようにする為にあるのでしょうが。その根本の所を等閑にして、不正請求だ何だと口実をつけて(事実私にとっては只の嫌がらせでしかない)、逆に社会保険が国民を追い詰めるような真似をして良いのか。昨今、国民年金保険料滞納者の給与・自宅差し押さえが国によって強行されていますが、これも無職や月収僅か十数万円の貧乏人に、月数万円もの保険料を支払えという事自体、無茶苦茶な話です。国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(憲法25条)を守る気のない国の方こそ、よっほど違法・不正じゃないか。

 第三に、そもそも何でこんな「不正請求」が横行するようになったのか。私もあれから少しですが、色々調べてみました。そこでおぼろげながら分かってきたのが、手術・投薬が中心の西洋医療偏重の保険体系の下で、整骨院に支払われる診療点数(収入算定の基になる)が不当に低く抑えられており、まともに法を守って営業していたのでは食っていけない実態です。多分、製薬業界が裏で手を回しているのでしょう。
 私、西洋医の診断書があれば慢性症状でも鍼灸・整骨の治療に適用される所があると聞いて、わざわざ電車でそこまで通って診断書を書いて貰いました。そこまでしても、いざ保険で鍼灸治療を受診してみたら、数本しか鍼を打ってくれません。まともに打っていたのでは「骨折り損のくたびれ儲け」にしかならないからです。

 そして第四に、誰も好き好んで腰痛や頸肩腕症になったのではありません。長年の労働の中で、次第に身体を患った結果なったのです。私の場合で言えば、長年物流業界で、長時間に渡って冷蔵庫・冷凍庫の中で作業し、重量物を運んだり腰を捻ったりする中で、身体の筋肉が固くなってしまったのでしょう。ストレッチ体操を試みたりもしましたが、時間や場所が確保できず長続きしませんでした。これは私が悪いのですか?
 また、これは私だけの問題ではありません。今や腰痛は国民病とまで言われるようになった。その背景には、パソコンなどのDVT作業の影響や、トヨタのカンバン方式やコンビニ・百均ショップ、安売り牛丼チェーンに見られるような、人間を部品扱いして低賃金で際限なく働かせ、少しのミスも許さないような働かせ方が蔓延するようになったからでしょう。これも国民の自己責任ですか?

 社会がそのように変貌し、それが整骨院乱立の一因にもなっているのに、国の福祉削減の意図により、保険体系だけが旧態依然として、「整骨院は只の骨接ぎ」「腰痛はぜいたく病」との評価のまま、わざと据え置かれてきた結果、今のような問題が起こってきたのだろうと、私は推測しています。
 じゃあ、整骨院に支払われる診療点数をかさ上げさえすれば、それで問題が解消されるというものでもないでしょう。それはあくまで対症療法にしか過ぎず、今の非人間的な労働環境が是正されなければ、根本的な問題解決にはならないと思います。
 その中で私としては、せめて腰痛治療ぐらい安価で受けれないのかと思います。何度も言いますが、これらの背景を問わずして、国の憲法25条違反(不作為)を問わずして、個別のあれこれの「不正」行為ばかり論うのは、国や製薬企業のお先棒担ぎでしかないと、私は思います。

(注)しかも私の場合は、整骨院とは別に、同じ近所の鍼灸医にも、実費(保険適用外)で通っています。隔週で通っており、会社の定休日もその受診日に合わせて貰っています。こちらは1回に付6千円も治療費が掛かります。治療費が半端じゃないので、高額医療費控除の確定申告を毎年しています。これで税区分変更以前は年間2万円近く戻ってきて来ていたのが、変更後は半減してしまいました。
 但し、こちらは完全予約制で受診日の融通が全く効かないので、合間に整骨院にも時々通うようになったのです。こんなものまで保険適用外にされてしまうと、今後は合間に腰痛になっても湿布薬で凌ぐしかなくなります。しかも私の会社の場合は、当日欠勤については後日医者の領収書を提出しなくてはなりません。こんなんで数千円も出して整骨院には通えないので、勢い近所の町医者通いになりますが、実際、湿布薬処方で終わりです。じゃあ無理して出勤して事故でも起こしたら一体誰が責任を取るのか。
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする