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これではたま駅長が余りにも可哀想だ

2015年02月08日 05時42分20秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

 2月4日、5日と休みを取って和歌山に小旅行に行って来ました。今までほとんど有休を使わなかったので、年度末を前に少しでも消化したかったのと、単純に日頃の疲れを取りたかったので。取りあえず休みを先にとって、後で旅程を組むつもりでしたが、もう組むのも面倒くさくなって、「超近場」の和歌山市周辺に行く事にしました。もう少し遠出をしても良かったのですが、とにかく身体の疲れをほぐしたかったし、1泊2日では日帰りともそう変わらないので、それならむしろ、日帰りでは1ヶ所しか回れない所を泊まってゆっくり数ヶ所回った方が良いかと思いまして。ちょうど、地元の南海電鉄が「加太さかな線」のキャンペーンをやっていたので、それに託(かこつ)けて加太のひなびた漁師町を散策し、その日は休暇村で新鮮な魚を食べて温泉につかって泊まり、翌日は、私はしょうゆ味のラーメンが好きなので、和歌山ラーメンでも食べて、猫の「たま駅長」で有名な和歌山電鉄貴志川線に乗って来ようかと。和歌山電鉄は以前にも乗った事がありましたが、その頃はまだ貴志駅もリニューアルされておらず、「たまカフェ」も無かったので。
 旅行ではそれなりに骨休みも出来ましたが、最後に貴志駅で少し嫌な思いをしました。「超近場」とは言え、それでも一応は旅行記なので、本当は回った所を全部記事にするのがベストなのでしょうが、ここでは問題提起の意味も込めて、その貴志駅での「嫌な思い」を中心に書いていく事にします。その他の、人形供養で有名な淡嶋(あわしま)神社や、休暇村近くにある戦時中の弾薬庫・砲台跡の探訪記や、しらす丼・和歌山ラーメンなどのグルメ報告については、また別に書く機会があれば。



 貴志川線始発駅のJR和歌山には旅行2日目の5日昼過ぎに着きました。そこで1日フリー乗車券を購入。通常の往復切符よりもこちらを買う方が40円もお得。今までこの鉄道の存続運動を支えてきた住民団体「貴志川線の未来をつくる会」の結成から今年でちょうど10年という事で、この2月22日には地元でシンポジュウムも開催されるようです。
 貴志川線は、かつては南海電鉄の支線の一つでした。大手私鉄の南海傘下にありながらも、ずっと赤字続きで一時は廃線の噂も浮上する中で、和歌山県や地元市町村、地域住民が一体となった存続運動の結果、岡山電気軌道(岡山市内の路面電車)を経営する両備グループの支援も得て、2006年に今の和歌山電鉄による運行にこぎつける事が出来たのです。私がこの鉄道を最初に訪れたのもちょうどその頃でした。当時はまだ沿線のそこかしこに「乗って残そう貴志川線」の幟(のぼり)がはためき、ワンマンカーで駅に停車するたびに運転手が運賃収受に追われていて、悲壮感すらただよっていたように思います。

 その危機を救ったのが猫の「たま」でした。終着駅・貴志駅横の売店に飼われていた三毛猫の「たま」に和歌山電鉄の社長が目をつけ、元祖「猫の駅長」として売り出すようになったのです。それがきっかけで、今まで落ち込む一方だった乗客数も上昇に転じ、経費削減策と相まって、黒字転換にはまだ至らないものの、年間の赤字額もそれまでの10分の1にまで圧縮されました。その功績で「たま」は全駅を統括する「スーパー駅長」並びに取締役に就任し、後に別の三毛猫「二タマ」も途中駅で本社・車庫もある伊太祈曽(いだきそ)駅の駅長に就任。貴志駅も猫を形どった駅舎に全面改装し、カフェと販促グッズ・ショップも併設されるようになりました。まさに「たま」様々です。
 私が5日に行った時は、ちょうど「あと4回多く乗って年間利用者数を250万人の大台に乗せよう」キャンペーンの真っ最中で、4枚つづりの特別切符も売られていました。


 和歌山電鉄では色々な電車を走らせています。左から右に、和歌山国体をアピールする「きいちゃん」電車、販促グッズ宣伝に一役買う「おもちゃ」電車、そして猫の顔にラッピングされた「たま」電車。この他に、春のイチゴ狩りをイメージした「いちご」電車もあります。時刻表にも、これらの電車の種別が●〇▲▽などの記号で表示されています。


 「たま」電車の車体デザインと車内風景。座席の座布団にも猫のイラストが施され、警笛音も「ファーン」ではなく「にゃーん」と猫の鳴き声に。


 外から見た貴志駅の駅舎。猫の目・鼻・耳を形どった屋根と天窓に、屋上中央部に「TAMA」の文字も。その「TAMA」下の向かって左側が販促グッズの店で、向かって右側が喫茶店の「たまカフェ」です。


 左から右へ順に、貴志駅の「たま」写真入りの時刻・料金表、タマ・オフィス(駅長室)で仮眠中の「たま」、その「たま」を祀った駅ホーム片隅の「ねこ」神社。神社にはこの他にも「いちご」「おもちゃ」バージョンの物がありました。この貴志川線自体も、大正時代に、沿線にある日前宮(にちぜんぐう)・竈山(かまやま)神社・伊太祁曽(いだきそ)神社への西国三社参りの為に敷設されたので、それにあやかって作られたのかも。なお、伊太祈曽駅長の「二タマ」は残念ながら「公休」で会えませんでした。


 「たまカフェ」の看板と、カフェ店内の様子。カフェではコーヒー・紅茶などのソフト・ドリンクの他に、ハンバーグやアイスも売っていました。


 私はそこで三毛猫を形どった三色のジェラートを食べました。右の写真は和歌山県知事から「たま」に贈られた表彰状。

 最後に、貴志駅で遭遇した「嫌な思い」について書きます。それは中国・韓国人観光客のマナーの悪さです。私が行った2月5日(木)は、平日という事もあってか、日本人観光客はほとんどおらず、中国や韓国からの観光客ばかりでしたが、そのマナーの悪い事。もう15歳にもなる(人間で言えば80歳ぐらいか)老人猫の「たま」が寝ているオフィスのガラスを、外から興味本位に「ニャーニャー」と大声で鳴き真似し、外からガラスをドンドン叩いていたのです。
 確かに、待合室側のガラスには、「叩かないで下さい」と日本語の注意書きのみで、中国語や韓国語の注意書きはありませんでした。販促グッズ・ショップの側には英語・中国・韓国語での注意書きの表示もありましたが。でも、わざわざこの貴志駅まで来る以上は、彼の国のガイドブックにも「たま」が高齢である事は書かれているはずでしょうし、もし書かれていなくとも、叩いて良いかどうか、考えたら分かるでしょうに。いくら会社のマスコットで、見られるのが仕事とは言えども、これでは「たま」が余りにも可哀想です。

 私、よっぽどその中国・韓国人のカップルやツアー客に注意してやろうかと思いました。でも、観光客に日本語が通じるかどうか不安だったので、グッズ・ショップの店員に、ショップ側だけでなく待合室側にも外国語で注意表示を掲示するようにアドバイスしました。でも、店員も諦めムードで、完全に匙を投げてしまっているような状態でした。
 この中国・韓国人観光客のマナーの悪さが、注意書きの不備によるものか、はたまた、彼の国の国民性から来るものなのか、今の私には判断がつきません。でも、「たま」の事を考えたら、最低限、待合室側にも外国語での注意書きが必要ではないでしょうか。和歌山電鉄も、ここまで「たま」を宣伝に使うのであれば、もう少しその辺の配慮も必要だったのではないかと思います。今のままではブラック企業に酷使される「名ばかり駅長」だと言われても仕方ないでしょう。

 その一方で、中国・韓国人のマナーの悪さを指摘する日本人も、「一昔前の自分たちの事を考えたら、そんなに偉そうには言えないのではないか」という気持ちも、私の中にはあります。今でこそ、中国・韓国人を始め、経済力をつけたアジア諸国の観光客が大挙して日本にやって来るようになりましたが、今から20年ほど前までは、むしろ日本人の方が、韓国やフィリピンへのキーセン(妓生)遊び(買春観光)などの形で、私が貴志駅で味わったような嫌な思いを当時のアジア諸国の国民にさせていたかも知れないのですから。そのようなモラル低下を放置したまま、経済のグローバル化や市場開放で、来日外国人観光客の呼び込みだけをいたずらに追い求めても、真の相互理解なぞ出来ないのではないでしょうか。

 そもそも、日本の観光地なのに、なぜ外国人ばかりで、日本人の観光客が減ってしまったのでしょうか。日本人も外国人も、観光客が一杯いてこその観光地なのに。外国人観光客を呼び込むだけでなく、日本人観光客も増やさなくてはならないはずです。ところが、安倍内閣の進めるアベノミクスも、賃上げや長時間労働規制は掛け声ばかりで、実際にやっているのは法人税減税や派遣法改悪、「残業代ゼロ法案」などの大企業優遇策ばかり。
 政府は市場開放を推進し、「おもてなしの心」で外国人をもてなせと言いますが、これも実際にやっている事はと言えば、例えば、介護報酬を低く抑えたまま、日本人の成り手がいないからと、安易に安上がりな外国人家政婦に置き換えて、その外国人も安くこき使うばかりで、労働条件の改善には一向に取り組もうとしません。これでは「おもてなし」どころか、単に外国人を「金づる」としか見ていないだけではないですか・・・。そういう事についても色々考えさせられた「超近場」の小旅行でした。
コメント (4)
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