昨日書いたブログ記事「本当の事を言って何が悪い」の内容を取り消します。
まず、記事の背景として、安倍総理の突然の辞任に触発され(または同じタイミングで)、次の様な事が相次いで起こりました。
①立憲民主党の枝野代表が、受動喫煙対策として喫煙が禁止されている議員会館の自室で喫煙していた事が明らかになった(新聞記事参照)。
②同じく立憲民主党の石垣のり子・参院議員が、ツイッターで、安倍首相の事を「大事な時に体を壊す癖がある」と揶揄した(左のツイート参照)。
③京都精華大学の白井聡・講師が、安倍首相の辞任会見を見て「切なくて泣いた」と呟いたユーミン(松任谷由美氏)に対して、「夭折(ようせつ)せよ=早よ死んでしまえ」とフェイスブックで呟いた(右の投稿参照)。
この3つの事例に対して、いずれも強い批判がネット上で広がりました。
①については、与党の不正を糾すべき野党の指導者が法律違反(改正健康増進法違反)を犯している、と。
②については、誰しも病魔には勝てないのに、安倍首相の時だけ非難するのは如何なものか、と。
③については、誰がどの政治家を応援しようが個人の自由なのに、それを表明しただけで「死ね」呼ばわりするのは言論封殺に他ならない。安倍政権の言論抑圧を非難する資格なし、と。
それに対して私は、「安倍は、森友問題の公文書改ざん強要で公務員の自殺者まで出し、河井案里の選挙違反で自ら買収工作を行う等、もっと酷い事を一杯やっているのに、それを批判せず、野党の不手際ばかり咎めるのは、為にする批判であり、ダブルスタンダードだ」という趣旨の事を、当該記事に書きました。
しかし、このうちの①と③については、今から考えると、明らかに私の勇み足でした。
まず①について。
受動喫煙対策が言われるようになった背景には、喫煙による死者が年間13万人、受動喫煙による死者も年間1.5万人に及ぶ事実があります。この為、国もようやく重い腰を上げ、この度の法改正で、公共施設内の全面禁煙が施行される事になりました(参考:日本医師会HP、厚労省HP)。
日本は長い間「喫煙天国」でした。その陰で、非喫煙者は長い間、肩身の狭い思いをしてきました。私自身も、喫煙者が喫煙室にこもって煙草を吸っている間、非喫煙者である私が事務所の電話を取らざるを得なかったという、苦い思い出があります。忙しいのは非喫煙者も喫煙者も同じであるにも関わらず。その陰で、これだけ大勢の人が、たばこの害で亡くなっていたのです。喫煙者だけでなく非喫煙者も、副煙流による肺がん、心筋梗塞などで。
これは、もはや「公害」による「人権侵害」です。非喫煙者の運動によって、このような「人権後進国」の状況がようやく是正されつつある中で、よりによって与党の襟を正さなければならない立場の野党党首が、かつての与党と同じような事をして一体どうするのか?この事に対する自覚が欠けていました。よって①については、記事内容を全面的に撤回したいと思います。