前回記事の続報です。仕事が出来ない派遣社員(Oさん)に対する苦情を、自分の勤務先企業のホームページに投稿したら、早速進展がありました。本社からS部長が来られて、K所長も同席して、私の話を聞いて下さいました。
まず私から、Oさんの仕事が異様に遅い点について、具体的に説明しました。例えば、仕分け終了後の台数カウント作業で、約20台ずつ一列に並んでいるドーリー(台車)のバーコードをハンディ(電子端末)でスキャン(読み取りデータ送信)していく際も、彼は既に列の半分近くスキャンを終えていたにも関わらず、後から追っかけて隣の列をスキャンし始めた私達の方が、途中で追い抜いて早く終わってしまう。それぐらい彼のスピードは遅い事などを説明しました。(左上写真の赤い台車がドーリー。右上写真の緑の上段ケースに貼ってあるのがバーコードラベル。下の写真がその時のドーリー配列図)
また、言われた事しかやらない点についても、彼が、同僚バイトのTさんから、手待ちの時はドーリーの仕分けだけでなく農産カゴ車の仕分けもするよう指示された時も、「僕は派遣ですから」と言って拒否しようとしたり、他の所をウロウロして全然仕事しようとしなかった事について説明しました。
そして、自分の思い込みだけで作業を進めようとする点についても、各作業場毎にレイアウトが異なるにも関わらず、応援に入った農産ドーリー仕分け場でも、それまで担当していた和風惣菜ドーリー仕分け場と同じレイアウトで、ドーリーを並べようとした事や、同じスーパーでも直営店と系列店では仕分け場所が異なるのに、確認もせずに直営店の仕分け場で系列店の仕分けをいきなり始めた事などを説明しました。
その後、会社ホームページへの投稿では触れなかった彼の人となりについても説明しました。
曰く、彼は大阪教育大学を卒業して、前職は塾の先生(塾長)で、教師の嫁さんとも結婚して、既に60歳になろうとする立派な社会人です。しかし、その言動たるや、まるで子ども並みで、とても元教育者の言動とは思えません。
曰く、彼は確かに職場で暴れたり、他の人に危害を加えたりはしません。ただ仕事が遅いだけです。しかし、その事を注意しても素直に聞かず言い逃れする所が多分にあります。
そして、何よりも落ち着きがありません。始終オドオドして、周囲の細かな事をやたら気にかけます。「後どれぐらいで作業が終わるのか?」と言う事もしょっちゅう私に聞いて来ます。しかし、それで作業が遅れていてもペースは全然変わりません。彼が始終現場をうろつくのも、そういう「自信の無さ」や「不安神経症」の現れではないかと思います。その為に、肝心の今やっている作業が逆に疎かになり、注意散漫で仕分けを間違えたり商品を転倒させたりしてしまうのです。
しかも、彼は派遣のダブルワーカーで、午後からはまた別の現場で働かなければならない為に、たとえ午前中の作業が終わっていなくても、12時には退勤しなければなりません。だったら尚更、早く仕事しろと思うのですが、彼は一向にそうしてくれません。彼だけさっさと上がって、残務だけを押し付けられたのでは堪ったものではありません。
そうであるにも関わらず、彼の派遣会社(E社)の時給は1100円と、私達よりも100円も高いのです。私達よりも数倍も段取りが悪いにも関わらず。
確かに、仕事はスピードだけが求められる訳ではありません。正確さや丁寧さも当然求められます。かく言う私達も、新人の頃は仕事も遅く、ミスも一杯しました。その私達が、昔の自分の事を棚に上げて、新人の派遣バイトの悪口を言うような事なぞ、本当はしたくはありません。
でも、私達も、新人の彼には初歩的な作業しかまだ教えていません。数週間もあれば普通の人なら誰でも一人前に出来る作業しか教えていないのです。それなのに、配属後既に約1ヶ月経過したにも関わらず、他のバイトの2倍も作業に時間がかかるようではお話になりません。
私としては、たとえ相手がアウトソーシングの派遣社員だったとしても、現場に投入する以上は会社の方で責任を持っていただきたいのです。特に彼のような「指導困難者」については、ただ既存のバイトに指導を丸投げするだけでは不十分です。それなりの待遇を保障した上で、作業療法士などの専門的知識のある方に指導してもらわなければ、私達だけでは無理です。
それが出来ないと言うのであれば、どっちつかずの飼い殺し状態で放置するのではなく、契約満了などの然るべき措置を取って下さい。実際は「飼い殺し」でしかないものを、「家族経営」「温情経営」などの美辞麗句で誤魔化さないで下さい…。
凡そ、そんな事を言いました。S部長も基本的にはそれに同意してくれました。「確かに君の言う様に、いつまでも中途半端な状態で放置していては行けない。仮に様子を見るにしても期限を設けなければならない」と言ってくれました。その上で、「但し、相手の言い分もあるだろうから、そちらも聞かなければ公平な判断は出来ない。それを行った上で、なるべく早めに結論を出したい」という事で、今日の面談を終わりました。