ヴィクトリアマイル、オークスに続いてダービーも的中!しかし今回は肝心の◎スキルヴィングが17着大敗。押さえの○ソールオリエンス(2着)から流した△タスティエーラ(1着)と穴ハーツコンチェルト(3着)の三連複フォーメーションでかろうじて的中と、余り喜べる内容ではありませんでした。
元々ダービーは、仮柵が外側に移動するコース替わり後に開催される為、内側の距離ロスのないまっさらな芝を走れる逃げ・先行馬が有利とされています。しかし、今年の出走馬について言えば、何が何でも逃げ・先行でなければ勝てない馬はそんなにいません。明確な逃げ馬が2頭いますが、どちらもそんなに強い馬とは思えません。どちらかと言うと、むしろ差し・追い込み馬に有力馬が多いです。そこで、私は各馬の上り時計(ゴール前600メートルの走破タイムで、馬の瞬発力を見る上で重要な指標となる)の平均値を比べ、その中から勝てそうな馬を選びました。
その結果、最後は◎スキルヴィング、○ソールオリエンスの人気2頭の差し比べとなると予想。それ以外に前走好走の▲ファントムシーフ、△タスティエーラ、△サトノグランツと、前述の上り時計平均値上位のシャザーン(4位・34秒15)、ハーツコンチェルト(3位・34秒12)、シーズンリッチ(2位・34秒08)の穴馬3頭を指名。◎○ー◎○▲△ー◎○▲△穴の三連複フォーメーションで馬券を買う事にしました。
ところが、日本ダービー17着でゴール後に馬場に倒れたスキルヴィングは急性心不全で予後不良(死亡)に。ドゥラエレーデも発送直後に騎手落馬で競走中止。波乱含みの結果に。
スキルヴィングは不幸にして予後不良となってしまいましたが、これは何も競馬だけに限った話ではありません。現に私の勤務先の会社でも、T課長は癌で死亡、バイトのMさんも自宅で亡くなっていました。かつて私が働いていた大阪いずみ市民生協でも、旧M支所のN副所長、本部経理のS主任、物流部のS課長と、今思い出しただけでも3名の労働者が過労で亡くなっています。それを思うと、「仕事より人間の命が第一。命あっての物種だ」と言う事を、競走馬のスキルヴィングが、今回のダービーで身をもって教えてくれたような気がしてなりません。
今思えば、今年のダービー勝ちタイムが2分25秒2と、異様に遅かった事も、スキルヴィングの死期を早めてしまう事に繋がったのかも知れません。なにしろ、昨年のダービー勝ちタイムより3秒2も遅く、同日開催・同距離の東京8レース青嵐賞(2勝クラスの条件レース)とほぼ同じくらい遅いタイムでの決着となってしまったのですから。これは、逃げ馬2頭のうちドゥラエレーデが騎手落馬で競争中止となり、格下のパクスオトマニカがレースを引っ張る形になってしまったからですが。
この事で、その後ろにいたソールオリエンス騎乗の横山武が早仕掛けをサボったのではないかと、レース後にネットで非難が集中しました。でも、これは判断が難しい所だと思います。追い込んでこそ持ち味が活きる馬に早仕掛けを強いれば、持ち味が削がれてしまうからです。
この異様なペースの遅さが、スキルヴィングには更に過酷な条件になってしまったのではないかと推察します。ペースが遅いと、最後は更にヨーイドンの追い比べになってしまいます。同馬は、新馬戦こそクビ2着に終わるも、その後は芝2千メートル、2400メートルの中・長距離を、常に上がり最速、2着に0.5秒(3馬身)差で圧勝する過酷な追い込みレースを強いられて来ました。同馬には出遅れ癖があるので、どうしても後方待機からの差しで勝負しなければならなくなります。実際、前走の芝2400メートル青葉賞も上がり最速で追い込んで勝っています。勝ちっぷりが派手な分、人気を集める事になりますが、それがジワジワとスキルヴィングの身体を脅かし続けて来たのではないでしょうか?
いずれにしても、これまでの無理が祟ったと言う事です。これは我々、労働者にとっても決して他人事ではありません。馬車馬のようにこき使われた挙句に、使い捨てされたら死んでも死にきれません。そんな事されるくらいなら、たとえ非難されても、仕事よりも人の命の方を大切にしたいです。
競馬 『日本ダービー2023』スキルヴィングの最後の姿