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競馬神社の駈馬神事を観て来た。

2024年05月06日 21時24分49秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

昨日5月5日に京都市伏見区の藤森(ふじのもり)神社で駈馬(かけうま)神事が行われました。駈馬神事というのは流鏑馬(やぶさめ)の流れを引く伝統行事です。地元の若者が神社の指導の下に馬に跨り参道を駆け抜けます。京都市の無形民俗文化財に指定され、神楽神輿(かぐらみこし)や時代行列と共に端午の節句の年中行事として行われて来ました。

この神社は武運長久を祈って軍馬が祭られている関係で、競馬関係者の信仰を集めて来ました。私も今年の初詣はこの神社にお参りしました。境内の自販機で飲料を購入すると競馬のファンファーレが鳴り、絵馬殿には歴代競走馬の絵が飾られています。
 
私も競馬ファンの端くれとして、今まで何度もこの神社にお参りして来ましたが、駈馬神事はまだ観た事がありません。世間では大型連休のゴールデンウィークも私の勤務先では通常業務です。逆に繁忙期なので有休も他の日に取るよう指導されます。幸い当日は公休日だったので、私も唯一の息抜きにこの駈馬神事を観に行く事にしました。
 
 
以下、神社のホームページより引用。
 
駈馬神事は、古来、早良親王が、天応元年(781年)に陸奥の反乱に対し、征討将軍の勅を受けて、藤森神社に祈誓出陣された際の擬勢を象ったもので、室町時代には、衛門府出仕武官により、江戸時代には、伏見奉行所の、衛士警護の武士や、各藩の馬術指南役、町衆らが、寿及左馬の一字書き、藤下がり、手綱潜り、横乗り、逆立ち、(杉立ち)、矢払い、逆乗り(地藏)等の他、数種の技を、競いあったものであります。行事の形としては、早馬ではなく江戸時代中期に、大陸系の曲芸的な馬術の影響を受けたものと思われます。明治より藤森神社の氏子に引継がれ、毎年5月5日の藤森祭(深草祭)に駈馬神事として奉納されております。昭和の初期までは街道で行っておりましたが、道路及交通事情等により境内参道馬場で行われております。昭和58年より、京都市登録「無形民俗財」に指定され、現在は、1200年前の古来より伝わる、この伝統行事を、藤森神社・藤森神社駈馬保存会・藤森神社駈馬実行委員会・藤森神社氏子により継続公開保存しております。
 
 
以下は私の注釈。781年と言えばちょうど奈良時代。大和朝廷が中国の唐王朝を模倣した律令制国家を建設する過程で、東北の蝦夷(えみし=今のアイヌ民族)や九州の熊襲(くまそ)などの異民族を征服しつつあった頃です。被支配者からすれば朝廷は侵略者に過ぎませんでした。今は競馬の神様として有名なこの神社も、昔は血生臭い歴史を秘め、戦前には軍国主義の宣伝に利用された事もありました。
 
境内には神功皇后が大陸遠征から帰って来た時に、この地に凱旋の旗を立てたとする台(御旗台、左上写真)も残されています。その横には「不二の水」と呼ばれる名水が湧き出ていて(右上写真)、地元の人がペットボトルに水を汲んで持ち帰っていました。私も飲んでみましたが水道水よりも甘い味がしました。
 
以下、再び神社のホームページから引用。
 
駈馬の技(わざ)は下記の通りであります。
一、手綱潜り 敵矢の降りしきる中、駈ける技
二、逆乗り (地藏) 敵の動静を見ながら、駈ける技
三、矢払い 敵矢を打払いながら、駈ける技
四、横乗り 敵に姿を隠して、駈ける技
五、逆立ち(杉立ち) 敵を嘲りながら、駈ける技
六、藤下がり 敵矢の当たったと見せて、駈ける技
七、一字書き 前線より後方へ情報を送りながら、駈ける技
※他にも数種の技が有りましたが、現在は行われておりません。
 
 
以下、私の補足。駈馬神事は午後1時からと午後3時からの2部制で行われました。午後1時15分前になると参道西側の内側にロープが張られ白い布が掛けられます。この白い布のロープが競馬場の内ラチ(コース内側の柵)に相当します。馬はこのロープに沿って走る事になります。観客はそのロープのさらに外側にある鉄製の柵の内側で観覧しなければなりません。
 
馬が暴走して来たらすぐに逃げなければならないので、観客は座らず立って観なければなりません。また、ストロボやフラッシュ、三脚を使用しての撮影行為も、馬を驚かせる恐れがあるので使用禁止です。
 
行事は午後1時きっかりに始まりました。最初に時代装束を着た神社関係者(駈馬保存会?)の行列が続いた後、いよいよ駈馬神事が始まります。最初「素駈げ」と呼ばれる練習用の走りを何回かした後に、いよいよ技ありの早駈けが始まります。
 
駈け馬の動画も何枚か撮りましたが残念ながらそのままの形ではブログに載せる事が出来ません。一旦ユーチューブのサイトに上げてからでないとブログに載せる事が出来ないのです。ところが最近ユーチューブに何度上げようとしても上手くいきません。幸いエックス(旧ツイッター)には動画を上げる事が出来ますので、その動画をブログに貼り付けておきます。
 
ちなみに、この動画は駈け馬の技の一つである「逆立ち」です。エックスの投稿にもある通り、武将が馬上で逆立ちして敵を嘲りながら駈け抜けた故事に因みます。この馬の乗り手は数年前に引退したお爺さんですが、再びこの祭礼で技を披露してくれる事になりました。さすがはベテランだけあって、もうお見事と言う他ありません。
 
左は逆乗り(逆立ちとはまた別の技)、右は一字書きのスクショ写真。
 
絵馬に書かれた願い事も紹介します。春の天皇賞の的中祈願や、先日レース中の落馬事故で亡くなった藤岡康太騎手の追悼メッセージなどが絵馬に書かれていました。私も当日開催されたGIレースNHKマイルカップの的中祈願を競馬予想付きで絵馬に書きましたが、こちらは残念ながら当たりませんでした。
 
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