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桜谷軽便鉄道の電車を運転してきた。

2017年04月03日 22時49分29秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

  

 今回は森友学園の件は少しお休みして久しぶりに鉄道の話題を。実は、この日曜日に電車に乗って実際に運転もしてきました。もちろん営業用の電車ではありません。場所は大阪府の北端、妙見山の麓にある豊能(とよの)町です。そこの山を切り開いて造成された光風台という住宅街の一角に、鉄道趣味の方が運営する、桜谷軽便鉄道という保存鉄道があり、毎月第一日曜日に運転会を主催しています。私も以前から一度行ってみたいと思っていましたが、場所が北摂の山中で自宅から遠いのと、月一回だけのイベントなので、なかなか行けませんでした。それが今回ようやくかなう事になりました。

 鉄道のゲージ(レール幅)はわずか15インチ(381mm)です。新幹線や阪急などの標準軌が1435mm、JR在来線や京阪・南海などの狭軌が1067mmであるのと比べ、いかに線路の幅が狭いか分かります。鉱山のトロッコ電車と同じ幅です。私が乗った時も、乗り降りするたびに車体が大きく揺れていました。しかし、それでも、単なる模型や遊園地のお猿の電車などとは違い、自分たちで土地を購入してレールを引き、架線も張って実際に送電して電車を動かしているのですから、凄いものです。踏切やポイント、信号機まであるのですから。

 

 梅田から阪急宝塚線に乗り、川西能勢口で能勢電鉄に乗り換え光風台駅で降り、阪急バスで東ときわ台2丁目のバス停に着いたのが12時半。そこから3分で到着するはずが、道に迷ってしまいました。反対方向に歩いている事に後で気付き、近所の方にわざわざ案内してもらって、会場入口の踏切標識(最上段の右写真)までようやくたどりつく事ができました。現地ではもう既に運転会が始まっており、スタッフの人が整理券を配っていました。この整理券の番号順に、スタッフの方の指導の下で運転操作を行う事になります。鉄道主催の「免許試験」もあり、それに合格したら自分一人で運転できるようになります。運転コースは上図の南山(みなみやま)線という軌道で、風の峠駅を出発して桜谷駅をぐるっと回り、再び風の峠駅の車庫をかすめて出発ホームに戻って来るまでです。両駅間の距離は、並行道路に立っている電柱3本分ですから、100mあるかないかでしょうか。南山線の崖の下には後述する子ども人車軌道(実際に人力で車を押します)やインクライン(貨物用ケーブルカー)もあります。

 

 

 運転会出発地点の「本社所在地」風の峠駅の賑わいと駅名標。「風の峠」という駅名は宮沢賢治の童話「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」から取ったそうです。ちなみに、鉄道名の「桜谷」は、この付近に昔あった鉱山の名前で、線名の「南山」も、この付近一帯の昔の地名から取ったそうです。

 

 風の峠駅の車庫と構内の手動式ポイント。ポイントは黒白の車輪のようなレバーで操作します。

 

 赤と白の2両編成の電車は、両駅間を走る10号電動車と150号付随車。青と白の単行車は電車ではなくキハD11ガソリンカー(だからパンタグラフがない)で、ちょうど風の峠駅を出て桜谷駅に向かおうとする所。両方とも運転会では引っ張りだこの超人気者です。

 

 蒸気機関車は実際に石炭で走ります。電気機関車も昔懐かしいレトロ風。いずれも桜谷駅から風の峠駅に向かう所。

 

 さて、いよいよ私の運転する番がやって来ました。スタッフが後ろについてコーチしてくれます。運転席右のレバーがブレーキで、手前に引いて左に回すと解除(発進可能になる)。運転席左の黒いボタンの付いたレバー(マスコントローラー、略してマスコン)も、同じ様に左に回すとスピードが出ます。ブレーキとマスコンを交互に操りながら電車を運転します。踏切を通過する際は足元のペダルを踏んで警笛を鳴らします。さあ、風の峠駅の出発信号機も青になり、電車が発車します。

 

 試乗運転で一番苦労したのが、桜谷駅構内のこの急カーブ。「ここもマスコンを思いっきり開放して(左に回して)通過して良い」と後ろのスタッフに言われましたが、運転席からこの急カーブを見ると、やはり徐行運転したくなります。(;^_^A

 

 最後に記念スタンプを押して帰途につきました。桜谷軽便鉄道のイベントは全て無料で参加できます。「運転免許試験」の講習・実技試験受講も無料です。つまり鉄道職員(スタッフ)は全てボランティアで働いているのです。本当に鉄道が好きでないと務まりませんね。来訪された時は是非、積極的に寄付をお願いします。なお、5月に限り、第一日曜日以外の5月5日も、「桜谷まつり」と称して臨時の運転会が開催されます。詳しい日程については、同鉄道のHPを参照して下さい。

 

 帰りがけに子ども用の人車軌道とインクラインがあるのに気が付きました。明治時代は、鉄道が開通するまで、こんな人車軌道や馬車鉄道が輸送を担った時期がありました。阪堺電車の上町線も最初は馬車鉄道でした。インクラインは、下の駐車場から荷物を上の南山線の駅に上げる為に作られました。京都市東山区蹴上(けあげ)付近の琵琶湖疎水には明治時代のインクラインの遺構も残っています。帰りに乗った阪急電車の運転席も、ブレーキとマスコンで操作するようになっていました。

 最後に少し苦言を申し上げておきます。まず第一に、東ときわ台2丁目バス停から現地までの道順が非常に分かり難いです。鉄道公式HPのグーグルマップには周辺図しか載っていない為に、私のように地図アプリをダウンロードできず土地勘もない人間にとっては、地図だけでは方角が分かりません。普通は上が北になるのですが、新興住宅街でどこも似たような街路が続くので、それだけでは分からないのです。現に迷子になりました。地図に方角を入れるか、バス停付近に案内図の看板を設置しておいてほしいです。初めて来る人は、途中の上り坂さえ苦にならなければ、能勢電鉄終点の妙見口駅から道なりに歩いて来る方が分かりやすいかも知れません。第二に、出来れば駐車場付近に仮設トイレを用意しておいてほしいです。弁当や飲料については途中のコンビニでも買えますが、トイレだけは近くにないと、いざという時に困ります。ボランティアでやっている運営スタッフの方に、こんな事を書くのは私も心苦しいのですが、必要な事なので敢えて書かせてもらいました。

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1 コメント

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桜谷軽便鉄道 (大阪人)
2017-11-29 21:34:11
1月に阪急バスの220円区間 定期券で
桜谷軽便鉄道に乗りに行こうと思うが、
イベントは無料で参加できて応募しなくてもいいので
桜谷軽便鉄道は他の私鉄とは違う鉄道です。

阪急バス 東ときわ台2丁目まで阪急バスをひたすら
乗りついで行こうと思うが、
千里中央9:30発 北摂メモリアルパーク行きの
無料シャトルバスに乗車することができたら
桜谷軽便鉄道に乗車できると思うので楽しみです。
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