今回の東京都知事選で一部の市民派が推している浅野史郎氏ですが、ネットから漏れ伝わってくる情報を見ても、「やっぱりイマイチ」というのが、私の今の正直な感想です。
この件については下記の参考記事の中の幾つかが触れていますが、浅野史郎氏が宮城県知事時代に行った施策というのが、石巻の巨大港湾や空港アクセス鉄道の建設にみられるような典型的な箱物行政で、それで県の借金を大幅に増やしているのです。それで当の福祉はと言うと、国保証の取り上げや福祉予算の削減が東北各県の中でもひときわ目立つという事で、これの何処が「福祉の浅野」なのか、全く以って疑問に感じます。
巷では浅野史郎氏の事を「改革派知事」ともてはやす向きもあるようですが、同じ「改革派」といっても、実際に国の地方切り捨てに対する歯止めや脱ゼネコン政治の方向に舵を切った橋本・高知県知事や田中・長野県知事とは違い、オール与党支配やゼネコンの利権構造には手をつけずに小手先の情報公開・綱紀粛正策や若干の人気取り政策でお茶を濁すだけの、所謂「名前だけの改革派」の様です。
大谷昭宏氏や古館伊知郎氏がその典型なのですが、改憲や靖国参拝などの露骨な右傾化路線や旧来保守の利権・談合政治には一応批判的な立場を取りつつも、新自由主義的な経済構造改革路線については諸手を挙げて賛成する人たちがいます。浅野史郎氏の政治的立場も、どうやらこういう「左・リベラルの側からの小泉政治応援団」なのではないかという気がします。実際、浅野史郎氏のHP「夢らいん」を見ても、小泉政治の「三位一体構造改革」や「地方分権一括法」を全体的に賛美した上で、細部であれこれの注文をつけているだけですし、「左・リベラルの側からの小泉政治応援団」と目される五十嵐敬喜弁護士・教授が浅野氏のブレーンについている事も、どうも引っかかります。
その一方で、そういう浅野氏の諸々の政治的立場を百も承知の上で、「それでもあの凶暴なボカサ石原を打倒するための次善の策・緊急避難として、石原対抗馬としては一番有力な浅野史郎に票を集中する」という理屈についても、「それはそれで有りかな」という気もしないではありません。米国大統領選で反戦派がブッシュ打倒の為にケリーに票を集中させた様に。
しかしそれは、吉田万三氏の当選の目が全く無くなり、石原・浅野両氏がデッドヒートを演じたまま選挙最終盤に突入した場合に限ります。またその際には、如何に現与党の新自由主義政治に親和的な浅野氏といえども、最低限「今の石原都政が進めている教育現場での日の丸・君が代強制については見直す」という点での確約が必要です。全てはその為の「次善の策・緊急避難」なのですから。まかり間違えても「第二石原」に票を掠め取られるような愚は避けなければなりません。
若し私が東京都民ならば、以上の限定を付けた上で、今は吉田万三氏を支持します。その理由は、何だかんだ言ってもやっぱり浅野氏よりも吉田氏の方が、「反石原」色もその主張も明快だからです。それに対して浅野氏や黒川氏については、「今まで石原都政に無批判だったくせに、今頃になって反石原の風に便乗してそれを掠め取ろうとしているだけの、単なる機会主義者じゃないか」という気持ちがどうしても拭えません。
どちらにしろ、今は焦らしに焦らしまくっている浅野氏ですが、多分週明けには出馬表明・公約発表するのでしょう。支持・不支持の判断も、具体的には全てその公約を見てからの話です。そして多分、石原陣営も、民主党や浅野氏の、こういう腰の定まっていない点や、石原・小泉・安倍政治を根本から批判していない点については、当然突いてくるでしょう。それに対して浅野氏は一体どう応えるのかという事も、私としては興味のある所です。
(参考記事)
・都知事選と平和共同の大義(平和への結集第2ブログ)
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/35131241.html
・都知事選に向けてー浅野氏擁立運動の問題点(同上)
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/35050753.html
・東京都知事選・浅野氏について 宮城県の“実績”は自民政治そのもの 志位委員長(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-02/2007030202_03_0.html
・日本共産党の大躍進で暮らし守る地方自治の流れおこそう 宮城・仙台市 志位委員長の演説から(志位和夫HP)
http://www.shii.gr.jp/pol/2003/2003_02/2003_0223_01.html
・「ACT」(11月26日号)五十嵐敬喜報告批判 「小泉改革応援団」路線は人権・環境・平和の市民運動を崩壊に導く(かけはし)
http://www.jrcl.net/web/frame0101g.html
・「大型開発という本丸にメスを入れられるのかどうかが都民の立場で都政を変えられるかどうかの試金石」-吉田万三さんが強調(吉田万三活動日誌)
http://www.kakushin-tosei.jp/katsudou/2007/03/3_1.html
・都知事選の動向をめぐってー無党派論争の実践的前進を(さざ波通信・一般投稿欄)
http://www.geocities.jp/sazanami_tsushin/
・都知事選をめぐって2―「はっきりさせない浅野氏」擁立論は誰を喜ばせるか(同上)
http://www.geocities.jp/sazanami_tsushin/
・舵を切ったか、東京の共産党(さざ波通信・「現状分析と対抗戦略」投稿欄)
http://www.geocities.jp/sazanami_tsushin/
この件については下記の参考記事の中の幾つかが触れていますが、浅野史郎氏が宮城県知事時代に行った施策というのが、石巻の巨大港湾や空港アクセス鉄道の建設にみられるような典型的な箱物行政で、それで県の借金を大幅に増やしているのです。それで当の福祉はと言うと、国保証の取り上げや福祉予算の削減が東北各県の中でもひときわ目立つという事で、これの何処が「福祉の浅野」なのか、全く以って疑問に感じます。
巷では浅野史郎氏の事を「改革派知事」ともてはやす向きもあるようですが、同じ「改革派」といっても、実際に国の地方切り捨てに対する歯止めや脱ゼネコン政治の方向に舵を切った橋本・高知県知事や田中・長野県知事とは違い、オール与党支配やゼネコンの利権構造には手をつけずに小手先の情報公開・綱紀粛正策や若干の人気取り政策でお茶を濁すだけの、所謂「名前だけの改革派」の様です。
大谷昭宏氏や古館伊知郎氏がその典型なのですが、改憲や靖国参拝などの露骨な右傾化路線や旧来保守の利権・談合政治には一応批判的な立場を取りつつも、新自由主義的な経済構造改革路線については諸手を挙げて賛成する人たちがいます。浅野史郎氏の政治的立場も、どうやらこういう「左・リベラルの側からの小泉政治応援団」なのではないかという気がします。実際、浅野史郎氏のHP「夢らいん」を見ても、小泉政治の「三位一体構造改革」や「地方分権一括法」を全体的に賛美した上で、細部であれこれの注文をつけているだけですし、「左・リベラルの側からの小泉政治応援団」と目される五十嵐敬喜弁護士・教授が浅野氏のブレーンについている事も、どうも引っかかります。
その一方で、そういう浅野氏の諸々の政治的立場を百も承知の上で、「それでもあの凶暴なボカサ石原を打倒するための次善の策・緊急避難として、石原対抗馬としては一番有力な浅野史郎に票を集中する」という理屈についても、「それはそれで有りかな」という気もしないではありません。米国大統領選で反戦派がブッシュ打倒の為にケリーに票を集中させた様に。
しかしそれは、吉田万三氏の当選の目が全く無くなり、石原・浅野両氏がデッドヒートを演じたまま選挙最終盤に突入した場合に限ります。またその際には、如何に現与党の新自由主義政治に親和的な浅野氏といえども、最低限「今の石原都政が進めている教育現場での日の丸・君が代強制については見直す」という点での確約が必要です。全てはその為の「次善の策・緊急避難」なのですから。まかり間違えても「第二石原」に票を掠め取られるような愚は避けなければなりません。
若し私が東京都民ならば、以上の限定を付けた上で、今は吉田万三氏を支持します。その理由は、何だかんだ言ってもやっぱり浅野氏よりも吉田氏の方が、「反石原」色もその主張も明快だからです。それに対して浅野氏や黒川氏については、「今まで石原都政に無批判だったくせに、今頃になって反石原の風に便乗してそれを掠め取ろうとしているだけの、単なる機会主義者じゃないか」という気持ちがどうしても拭えません。
どちらにしろ、今は焦らしに焦らしまくっている浅野氏ですが、多分週明けには出馬表明・公約発表するのでしょう。支持・不支持の判断も、具体的には全てその公約を見てからの話です。そして多分、石原陣営も、民主党や浅野氏の、こういう腰の定まっていない点や、石原・小泉・安倍政治を根本から批判していない点については、当然突いてくるでしょう。それに対して浅野氏は一体どう応えるのかという事も、私としては興味のある所です。
(参考記事)
・都知事選と平和共同の大義(平和への結集第2ブログ)
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/35131241.html
・都知事選に向けてー浅野氏擁立運動の問題点(同上)
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/35050753.html
・東京都知事選・浅野氏について 宮城県の“実績”は自民政治そのもの 志位委員長(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-02/2007030202_03_0.html
・日本共産党の大躍進で暮らし守る地方自治の流れおこそう 宮城・仙台市 志位委員長の演説から(志位和夫HP)
http://www.shii.gr.jp/pol/2003/2003_02/2003_0223_01.html
・「ACT」(11月26日号)五十嵐敬喜報告批判 「小泉改革応援団」路線は人権・環境・平和の市民運動を崩壊に導く(かけはし)
http://www.jrcl.net/web/frame0101g.html
・「大型開発という本丸にメスを入れられるのかどうかが都民の立場で都政を変えられるかどうかの試金石」-吉田万三さんが強調(吉田万三活動日誌)
http://www.kakushin-tosei.jp/katsudou/2007/03/3_1.html
・都知事選の動向をめぐってー無党派論争の実践的前進を(さざ波通信・一般投稿欄)
http://www.geocities.jp/sazanami_tsushin/
・都知事選をめぐって2―「はっきりさせない浅野氏」擁立論は誰を喜ばせるか(同上)
http://www.geocities.jp/sazanami_tsushin/
・舵を切ったか、東京の共産党(さざ波通信・「現状分析と対抗戦略」投稿欄)
http://www.geocities.jp/sazanami_tsushin/
「都知事選、構図固まる」なんて、オッチョコチョイなことを仰ってるむきもあるようですが、、、まだまだ、まだまだ、固まってなんかいないと思いますよ。
「鳥だっ!ロケットだっ!いや、○○さんだぁ!!!」なぁーんてことも、あるかもしれないじゃないですか。