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反石原・都政革新の戦いは第二ラウンドへ

2007年04月05日 00時30分39秒 | 反石原・’07東京都知事選
・都知事選 本紙世論調査 石原氏依然リード(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2007040202005336.html
・統一地方選:東京で石原氏優勢 神奈川は松沢氏 中盤情勢(毎日新聞)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20070402k0000m010107000c.html

 今回の東京都知事選挙、マスコミ報道を見る限りでは「今回も石原慎太郎の逃げ切り勝ち」の気配濃厚との事ですが、石原都政2期8年の長期スパンで見ると、又別の姿が浮かび上がってきます。この2期8年で石原は確実に追い詰められつつあります。
 8年前の1999年の都知事選も候補者乱立でした。この時は舛添要一や明石康や鳩山邦夫といった有名人が一杯出て、その間隙を縫って石原が初当選を飾りました。4年前の2003年の都知事選では、石原は300万票以上の大量得票で二期目をスタートさせました。その前2回のいずれの選挙も石原にとっては上り坂の選挙でした。
 翻って今回の都知事選挙はどうでしょうか。石原がここまで追い詰められた事は、かつて無かったのではないでしょうか。オリンピック招致、大型開発、福祉切捨て、日の丸・君が代強制、築地市場移転問題、そのどれをとっても石原は、他候補からの論戦に対して防戦一方の闘いを強いられています。そして他の候補者が全て石原に集中砲火を浴びせている事も含めて、こんな事は今まで無かった事です。ここに、前2回の都知事選とは違う、石原打倒の闘いの新たな質的発展が示されています。

 今回言われている「石原逃げ切り」の気配も(但し選挙は水物なので今後の数日間でどう変わるか予断は許しませんが)、反石原統一戦線の不成立や候補者のタマの問題に助けられて、今の所はどうにか命拾いをしているだけではないですか。石原は論戦では確実に追い詰められています。花粉症対策の都のポスターまで自分の売名行為に動員したり、あの傲慢不遜な性格の持ち主が「ちょっとは反省してよね、でもやっぱり石原さん」なんて内容の選挙ビラを出さなければならない所まで追い詰められたり、オリンピックで言い訳に回ったり、急に中学生までの医療費無料化を言い出したり、演説にもいつもの様な強気の調子が見られなかったり。こんな所にも石原の狼狽ぶりが如実に現われています。

・石原知事ポスターの掲載お断り(JANJAN)
 http://www.janjan.jp/government/0702/0702190366/1.php?action=tree
・【都知事選】「少しは反省してよね! だけどやっぱり石原さん!」今回から配布可能となったビラ、各候補のセンスは・・・(2ch)
 http://news22.2ch.net/test/read.cgi/wildplus/1175334604/

 但し、根拠の無い楽観主義や侮りは禁物です。石原が2期8年に渡って都政の座を維持し高支持率を保ってきた背景やその統治の強さ・巧みさについては、前号エントリーでも言及したように、冷静に分析する必要があります。
 青森や秋田の一人当たり県民所得が200万円そこそこのワーキングプア水準であるのとは対照的に、東京都では年収800万以上の所得階層に属する人が都民の62%を占めます(出典:総務省「全国消費実態調査報告」、「石原都政の検証」P40掲載)。この様な大都市圏への所得偏重、地方との経済格差は、何も今に始まった問題ではないのですが、昨今の経済グローバリズムの進展によって、ますます酷くなりつつあります。
 これらの相対的高所得階層に属する都民の多くも、かつての戦後の高度成長期においては、そのひずみ(公害問題、交通戦争、伏魔殿・黒い霧都政など)を蒙る事によって、美濃部革新都政を誕生させる原動力となりました。しかし、80年代以降の反動攻勢によって革新勢力が退潮し新自由主義イデオロギーが台頭してくるに従い、これらの人たちは次第に「資本の論理」に絡め取られるようになり、今や小泉・安倍・石原政治を積極的に支持するようになりました。
 石原都政打倒が至難の業であるのは、その様な支配構造に絡め取られている事に都民自らが気付いて、意識的にそれを打ち破っていかなければならないからなのです。そういう石原都政の強さ・巧みさも知ればこそ、今回石原がここまで追い詰められた事の意義も初めて理解できるのです。

 終盤戦の各マスコミの世論調査によると、オリンピック招致に賛成は僅か3割で、築地市場の豊洲移転は反対が賛成を圧倒し、都政転換を望む声は過半数超との事。ここにこそ石原打倒の次の展望があります。4月8日の都知事選投票結果がどうあろうと、そこで一喜一憂している場合ではありません。況してや石原に負けて敗北主義に陥ったり反石原陣営同士で責任の擦り合いをするなどは愚の骨頂です。石原が勝っても負けても、その時から石原都政打倒、東京都政民主化の闘いは、それまでの論戦の優位性と反石原の大義を保ったまま、次の新たな発展段階に移るのです。
 これは何も次の都知事選まで待つ事を意味しません。あの傲慢不遜な石原の事ですから、そのうちにまた問題発言・差別発言でボロを出すか何かヘマをやらかすに決まっています。今のブッシュ・安倍政権の様に。その時こそ、石原をリコールに追い詰め、新規まき直しで統一候補を擁立し直して、もう一度都知事選に臨めば良いのです。
 今はまず何よりも、投票箱の蓋が閉まるまでの第一ラウンドで、反石原陣営がそれぞれ最善を尽くす事です。それで石原が負ければ良し、たとえ石原が逃げ切ったとしても、投票結果如何に関わらず、都知事選はそのまま次の第二ラウンドに移るだけです。
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2 コメント

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石原陣営の「勝利するためにはなり振り構わない姿勢」からは学ぶべき面"も"あると思います。 (まこと)
2007-04-05 06:39:25
>花粉症対策の都のポスターまで自分の売名行為に動員したり、あの傲慢不遜な性格の持ち主が「ちょっとは反省してよね、でもやっぱり石原さん」なんて内容の選挙ビラを出さなければならない所まで追い詰められたり、オリンピックで言い訳に回ったり、急に中学生までの医療費無料化を言い出したり(社会主義者さん)

私は別に石原候補の選挙戦術を支持する訳ではありませんが、石原陣営の「勝利するためにはなり振り構わない姿勢」からは「反石原」陣営が多いに学ぶべき一面"も"あるとは思いますね。

今回の選挙では、「反石原」側の人々&勢力の「ナイブさ」が改めて露呈したと私は思っています。選挙中ゆえ、これ以上は書く気はありませんが。

選挙とは権力闘争である-それもまた「現実政治のリアリズム」の一面だと思います。そして、権力にアプローチせねば、自らの「理念」を実現し得ないこと"も"あります。

厳しい「現実」と「理念」との狭間で如何にバランス感覚を保つのかが、いま「反石原」の側には求められているように思います。
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Unknown (まこと)
2007-04-05 06:49:48
あまりこういう事を言いたくは無いのですが・・・。

>ここに、前2回の都知事選とは違う、石原打倒の闘いの新たな質的発展が示されています。

同じような事をもう何十年も言い続けているような気がするんですよね・・・、日本の左翼・左派・市民派etc勢力は。

「闘いの新たな質的発展」では無く、実際に「闘い」から結果という果実を勝ち取らなければ意味はありませんよ。

あえて厳しい意見を書かせて頂きました。
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