先日、広島県江田島市の水産会社で働いていた中国人実習生が、日本語がうまく喋れず職場で孤立しがちだった上に、仕事でたびたび社長から叱責を受けた事も重なり、自暴自棄になって会社で無差別殺傷事件を起こしてしまうという痛ましい事件がありました。勿論これはそんな事をした実習生が一番悪いのですが、昨今こういう事件がある度に「だから中国人・外国人はダメなのだ、早く日本から出ていけ」という短絡的な議論が起こります。これは過去の秋葉原の事件など日本人による類似の事件にも言える事ですが、それでも容疑者が日本人の場合はまだしも派遣切りなどの社会的背景についても取り上げられたりします。しかし外国人の場合はそんな事は殆どありません。そういう意味では、事件の社会的背景について書かれたマイミクの碁苦労さんの日記は、私にとっても非常に参考になるものでした。転載依頼を快諾して戴きましたので、後学の為に以下転載させて貰います。
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我希望中国的朋友知道这一残酷的现实。来日本工作的中国实习生陈双喜因涉嫌杀害日本人而被捕。 尽管杀人是残酷的,不容原谅的,但很多中国实习生被迫在低工资,长时间劳动的情况下劳动,俗称为奴隶劳动。 我想陈双喜是处于超负荷的状况下,才无法保持理性。在选拔这样的中国实习生再派往日本的过程中,不仅有日本人,也有中国人的参与。日本方面是应受到谴责,但参与欺骗行为的中国人同样也应受到谴责,希望实习生将不再受到欺骗。
中国語関連のコミュニティーで懇意になった中国人の方に翻訳して頂きました。持つべきものは友です。
(日本語訳)
中国の友人達に、ひどい現実を知って欲しい。「中国人実習生」として日本に働きに来ていた陳双喜さんが日本人を殺した容疑で逮捕されました。殺人は残酷で許されませんが、多くの「中国人実習生」が奴隷労働とも言える、低賃金、長時間労働の厳しい状況で働かされています。陳双喜さんは我慢の限界を超える状況に置かれ、理性を保てなかったのだと思います。このような「中国人実習生」を選抜し、日本の会社に送り込むという過程には、日本人だけではなく、中国人の協力者がいると思います。日本人側の糾弾もしますが、実習生として騙されないようにして欲しいし、騙す中国人を糾弾して欲しいです。
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※碁苦労さんの日記のうち、上記(↑)がより適切な訳文に書き直された箇所です。ブログに転載した分についても、上記の訳文と標記のタイトルに差し替えます。(4月12日夜に編集)
検索するといろいろと出てきた。これは奴隷制度だ。
◆中国人実習生を最低賃金未満の給与で働かせていたとして甲府労働基準監督署は8日、山梨県昭和町のクリーニング会社 「テクノクリーン」と内田正文社長(60)を最低賃金法と労働基準法違反容疑で甲府地検に書類送検した。
毎日新聞08年8月27日付
◆低賃金労働の温床だとの批判が強い外国人研修生・技能実習生制度で、08年中に「不正行為」を 認定された受け入れ機関が452にのぼり、過去最多となったことが法務省入国管理局のまとめで分かった。 土日や夜間に作業させたり、最低賃金以下で働かせたりしている悪質な実態が続いている。過去最多だった前年の449機関をさらに上回った。 事業協同組合などを通じて研修生らを受け入れる中小企業が416機関と9割以上を占めた。その内訳の 上位を業種別にみると、繊維・被服関係が148、機械・金属関係が81、食品製造関係が62などとなった。クリーニング業者が10カ月にわたり、研修生に月80〜160時間の残業や休日出勤をさせていたり、 縫製業者が実習生に時間外労働をさせながら、時間外の賃金を時給200円しか払っていなかったりしたケースがあった。受け入れ機関は全体で4万近くにのぼるが、不正行為を認定されると3年間、研修生らの受け入れが禁じられる。 法務省は、研修生らを保護するため、今国会に提出している出入国管理法改正案に伴い、不正があれば 受け入れ停止期間を5年に延長する方向で検討している。 asahi.com 2009年4月10日19時29分
◆賃金搾取と中国人元実習生が提訴 受け入れ団体相手取り
技能実習生として群馬県の金属加工会社で働いていた中国人男性(26)が7日、受け入れ団体「日中経済産業協同組合」(東京)に賃金を中間搾取されたとして、組合と組合理事長で故小渕恵三元首相のおいの小渕成康氏に対し、約210万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。訴状によると、男性は2004−07年の研修や実習の期間中、月5万−11万5000円の賃金を受け取るはずが、実際には2万−3万円程度しか支払われなかったという。小渕理事長は小渕優子少子化担当相のいとこ。ほかの中国人実習生らの賃金を着服したとして昨年、労働基準法違反罪で懲役1年、執行猶予3年の判決を受け、確定している。原告側の弁護士は「被害者はほかにも50人以上、被害総額は3000万円に上る」としている。小渕理事長の代理人は「解決に向け、話し合いを続けていた。小渕理事長は訴状を見ていないのでコメントできないと話している」と説明した。2009/05/07【共同通信】
◆外国人研修生 死亡例急増 過労死の可能性で調査要求
外国人研修制度で働いている研修生や実習生が死亡するケースが急増し、08年度は過去最高の34人(07年度比13人増)に上ったことが、財団法人・国際研修協力機構(JITCO)の調査で分かった。特に長時間労働が原因とされる脳・心疾患は16人で07年度の6人と比べ2.5倍以上になった。外国人研修生問題弁護士連絡会は22日、「過労死の疑いもある」として厚生労働省に長時間労働の実態や労災の受給状況などの調査を求めた。
外国人研修制度を推進するJITCOが受け入れ企業からの報告をまとめた。死亡者数は04年度に初めて20人を超えていた。08年度の死亡者34人のうち、急性心筋梗塞(こうそく)やくも膜下出血など脳・心疾患が16人を占めた。作業中の労災が5人、自殺が1人。92年からの調査で死者は総計213人、このうち脳・心疾患は67人に上る。外国人研修生問題弁護士連絡会に寄せられる相談では、月100〜200時間の残業をしているケースが多いという。月100時間の残業は、過労死の危険性が指摘されるラインで、指宿昭一弁護士は「経済の悪化を背景に研修・実習生に過重労働のしわ寄せがきている。脳・心疾患の多くが、過労死の疑いがあるのに労災申請もできずにいるケースではないか」と分析する。
弁護士らと厚労省を訪れた中国の実習生、丁建輝さん(35)は溶接の研修で訪日したが、都内のスクラップ工場で働き、月に100時間以上の残業をしている。丁さんは「背中や心臓に痛みを感じ命の危機を感じる時もある」と話した。厚労省は連絡会に「パンフレットなどで労災防止キャンぺーンをしている」と答えるにとどまったという。JITCOは「死亡者急増は極めて残念な事態で、結果を踏まえセミナーなど労災防止対策を強化したい」と話している。【東海林智】2009年6月23日毎日新聞
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我希望中国的朋友知道这一残酷的现实。来日本工作的中国实习生陈双喜因涉嫌杀害日本人而被捕。 尽管杀人是残酷的,不容原谅的,但很多中国实习生被迫在低工资,长时间劳动的情况下劳动,俗称为奴隶劳动。 我想陈双喜是处于超负荷的状况下,才无法保持理性。在选拔这样的中国实习生再派往日本的过程中,不仅有日本人,也有中国人的参与。日本方面是应受到谴责,但参与欺骗行为的中国人同样也应受到谴责,希望实习生将不再受到欺骗。
中国語関連のコミュニティーで懇意になった中国人の方に翻訳して頂きました。持つべきものは友です。
(日本語訳)
中国の友人達に、ひどい現実を知って欲しい。「中国人実習生」として日本に働きに来ていた陳双喜さんが日本人を殺した容疑で逮捕されました。殺人は残酷で許されませんが、多くの「中国人実習生」が奴隷労働とも言える、低賃金、長時間労働の厳しい状況で働かされています。陳双喜さんは我慢の限界を超える状況に置かれ、理性を保てなかったのだと思います。このような「中国人実習生」を選抜し、日本の会社に送り込むという過程には、日本人だけではなく、中国人の協力者がいると思います。日本人側の糾弾もしますが、実習生として騙されないようにして欲しいし、騙す中国人を糾弾して欲しいです。
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※碁苦労さんの日記のうち、上記(↑)がより適切な訳文に書き直された箇所です。ブログに転載した分についても、上記の訳文と標記のタイトルに差し替えます。(4月12日夜に編集)
検索するといろいろと出てきた。これは奴隷制度だ。
◆中国人実習生を最低賃金未満の給与で働かせていたとして甲府労働基準監督署は8日、山梨県昭和町のクリーニング会社 「テクノクリーン」と内田正文社長(60)を最低賃金法と労働基準法違反容疑で甲府地検に書類送検した。
毎日新聞08年8月27日付
◆低賃金労働の温床だとの批判が強い外国人研修生・技能実習生制度で、08年中に「不正行為」を 認定された受け入れ機関が452にのぼり、過去最多となったことが法務省入国管理局のまとめで分かった。 土日や夜間に作業させたり、最低賃金以下で働かせたりしている悪質な実態が続いている。過去最多だった前年の449機関をさらに上回った。 事業協同組合などを通じて研修生らを受け入れる中小企業が416機関と9割以上を占めた。その内訳の 上位を業種別にみると、繊維・被服関係が148、機械・金属関係が81、食品製造関係が62などとなった。クリーニング業者が10カ月にわたり、研修生に月80〜160時間の残業や休日出勤をさせていたり、 縫製業者が実習生に時間外労働をさせながら、時間外の賃金を時給200円しか払っていなかったりしたケースがあった。受け入れ機関は全体で4万近くにのぼるが、不正行為を認定されると3年間、研修生らの受け入れが禁じられる。 法務省は、研修生らを保護するため、今国会に提出している出入国管理法改正案に伴い、不正があれば 受け入れ停止期間を5年に延長する方向で検討している。 asahi.com 2009年4月10日19時29分
◆賃金搾取と中国人元実習生が提訴 受け入れ団体相手取り
技能実習生として群馬県の金属加工会社で働いていた中国人男性(26)が7日、受け入れ団体「日中経済産業協同組合」(東京)に賃金を中間搾取されたとして、組合と組合理事長で故小渕恵三元首相のおいの小渕成康氏に対し、約210万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。訴状によると、男性は2004−07年の研修や実習の期間中、月5万−11万5000円の賃金を受け取るはずが、実際には2万−3万円程度しか支払われなかったという。小渕理事長は小渕優子少子化担当相のいとこ。ほかの中国人実習生らの賃金を着服したとして昨年、労働基準法違反罪で懲役1年、執行猶予3年の判決を受け、確定している。原告側の弁護士は「被害者はほかにも50人以上、被害総額は3000万円に上る」としている。小渕理事長の代理人は「解決に向け、話し合いを続けていた。小渕理事長は訴状を見ていないのでコメントできないと話している」と説明した。2009/05/07【共同通信】
◆外国人研修生 死亡例急増 過労死の可能性で調査要求
外国人研修制度で働いている研修生や実習生が死亡するケースが急増し、08年度は過去最高の34人(07年度比13人増)に上ったことが、財団法人・国際研修協力機構(JITCO)の調査で分かった。特に長時間労働が原因とされる脳・心疾患は16人で07年度の6人と比べ2.5倍以上になった。外国人研修生問題弁護士連絡会は22日、「過労死の疑いもある」として厚生労働省に長時間労働の実態や労災の受給状況などの調査を求めた。
外国人研修制度を推進するJITCOが受け入れ企業からの報告をまとめた。死亡者数は04年度に初めて20人を超えていた。08年度の死亡者34人のうち、急性心筋梗塞(こうそく)やくも膜下出血など脳・心疾患が16人を占めた。作業中の労災が5人、自殺が1人。92年からの調査で死者は総計213人、このうち脳・心疾患は67人に上る。外国人研修生問題弁護士連絡会に寄せられる相談では、月100〜200時間の残業をしているケースが多いという。月100時間の残業は、過労死の危険性が指摘されるラインで、指宿昭一弁護士は「経済の悪化を背景に研修・実習生に過重労働のしわ寄せがきている。脳・心疾患の多くが、過労死の疑いがあるのに労災申請もできずにいるケースではないか」と分析する。
弁護士らと厚労省を訪れた中国の実習生、丁建輝さん(35)は溶接の研修で訪日したが、都内のスクラップ工場で働き、月に100時間以上の残業をしている。丁さんは「背中や心臓に痛みを感じ命の危機を感じる時もある」と話した。厚労省は連絡会に「パンフレットなどで労災防止キャンぺーンをしている」と答えるにとどまったという。JITCOは「死亡者急増は極めて残念な事態で、結果を踏まえセミナーなど労災防止対策を強化したい」と話している。【東海林智】2009年6月23日毎日新聞
なんでも牡蠣の養殖場で朝早く働いた後、6千個もの牡蠣の身をむく作業のみやらされるのだとか…で、日本語を身につける時間も無く、牡蠣の養殖技術が身につくわけでもない…実習生も帰国したら「縫製」の仕事に戻るとか言っている、「出稼ぎ」状態です。
安田浩一さんの本にもありましたが、「有望」そうな第一次産業が、中国人実習生の低賃金と真面目さ(反抗しなさ)で持っている・・・こんな現実でTPPなんかに参加しても、状況はより酷くなるだけでしょう(加盟国から安い労働力が「自由」に入ってきて、労働者同士の潰しあいになる)
何故、家族同様に接していたなら「向こうの人は怖い」だなんて言えたのだろうか?。また「家族同様に接したのに」とは「家族同様接してやった」とも解釈できるわけですし。
こうした実習生に対する被害者側の思い上がった態度が今回の事件に結び付いたのでしょう。