宅配便のコールセンターと全然繋がらない。私はいつも宅配便のパック米を購入している。一番安い国産銘柄米で200gのパックが36食分入った段ボールを2880円でいつも買っている。1食当たりに換算すると80円。スーパーで売っている米と比べたら値段は若干高いが、電子レンジで温めてすぐ食べれるし、他のパック米のようなカルキ臭がないので重宝している。毎月必ず1ケースずつ注文する事にしている。
ところが今月は数日前から宅配便のコールセンターに注文しても全然繋がらない。いつも電話が混み合っている。今までこんな事はなかった。もう段ボールには5食分しか残っていない。今までは夕方に電話して繋がらなかった。今日は公休日なので朝一番にコールセンターに電話してみたが、営業開始からまだ数分しか経っていないのに、それでも全く繋がらない。
それにしても何故こうもお米が品薄なのか?今年は1993年の平成米騒動の時のような冷夏でもなければ不作でもない。当時はフィリピン・ピナツボ山の大噴火による火山灰で日照が遮られ、各地で異常気象が頻発。記録的な不作で店頭から一斉に米が消えた。しかし、今年は猛暑に見舞われこそすれ、冷夏とは程遠い。コメの作況指数も1993年の74と比べ、今年は101と平年並みだ。余り暑すぎるのも考え物だが、元々米は熱帯性の作物。この程度の暑さで不作になるようでは、日本より暑い東南アジアやインドでは米の栽培なぞ一切出来ない事になる。
私は最初、この米不足は、南海トラフ地震臨時情報発出でパニックになった客が、米の買い占めに走ったから起こったのではないかと思った。あの時は、いきなり地震が近い将来起こるかのような報道がされ、私も面食らった。でも、私がいつも買うパック米は、そのままの形ではすぐには食べれない。地震で電子レンジも使えなくなる中で、パック米だけ幾ら買い占めしても意味がない。
ネットで米不足の原因について色々調べたが、いずれの回答も決め手に欠けた。
①天候不順→前述の理由で承服出来ない。
②不作→同上。
③コロナ禍からの需要回復→なら、もっと早くから品薄になっているはず。
④外国人観光客増加に伴う需要増→外国人観光客が幾ら増えたと言っても日本の総人口に占める割合は数パーセント。従って、その米消費量も日本全体の中では誤差の範囲。
となると、もう残る原因はただ一つ。今までの減反政策のツケだ。少子高齢化による人口減で、「今さら農業に投資しても仕方がない。そんな物よりも万博・カジノ・リニア・原発・軍需産業の方がカネになる。米国からもミニマムアクセスの輸入米をもっと買えと発破をかけられる」と、年々、農林業振興予算をずっと削減してきたツケが、この期に及んで遂に露呈したのではないか?
「ミニマムアクセス」とは最低輸入量の事だ。1993年のガット・ウルグアイ合意で、米の完全輸入自由化を避ける為に取られた輸入義務化だ。たとえ国内で米が不足していなくても、一定割合の米輸入が義務付けられている。厳密には強制ではなく、あくまで任意での米輸入らしいが。米国や国際大資本の意向には逆らえない日本政府はもう彼らの言いなりだ。
今朝、スーパーの米売り場を見て来て、陳列棚がガランドウになっているのに驚いた。普段は宅配便のお米しか買わないので、この惨状に気が付かなかったのだ。でも、よく見ると、隅の方にはまだパック米がいくつか残っている。平成米騒動の時ほど酷い事はなさそうだ。幸い、自宅にもまだ宅配便のパック米が5食分残っている。秋に新米が出揃う頃には米不足は解消されるだろうから、あわてて買い込んだりはせずに、しばらくは様子見でいようと思う。
でも、だからと言って、これは決して「取るに足らない話」ではない。御存じの通り、日本の食料自給率は今や38%と、世界各国の中でも最悪の部類に属する。今までの減反、農業切り捨て政策の結果だ。その中で、米だけが、かろうじて自給率100%を達成して来た。その米ですら、端境期になるともう在庫がひっ迫するようになってしまったのだ。昔はこんな事はあり得なかった。今はまだこの程度で済んでいるが、このまま放っておけば、いつかまた米騒動や大飢饉に見舞われる時が来るだろう。
そんな国民生活の苦境をよそに、政権与党の自民党は総裁選の「茶番劇」に余念がない。これで、今までの裏金問題も、統一教会との癒着も、全て「帳消し」にしないといけないから、自民党も必死だ。でも、冗談じゃない。こちらは食うのに必死なのだ。裏金と言う既得権益だけを守れればそれで良い自民党とは訳が違う。能登半島地震の被災者の中には、いまだに避難所や全半壊した自宅で、飲み水やトイレにも不自由しながら暮らさなければならない人も、まだ大勢残っている。私利私欲にまみれた自民党には一刻も早く政権から退場願いたい。