『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

神無月十月、今月の六品 その1

2011-10-04 09:55:54 | 酒の肴
天高く馬肥ゆる、秋。
透明な青に金色の木漏れ日、
「日本酒の日」からはじまる十月がやってきました。
今月もご用意しております、月替わりの六品。
三人が腕によりをかけてつくった、
旬の味と彩り豊かなお皿たちを、どうぞご堪能ください!

それではいつもどおり、ひとつずつご紹介していきます。



「二色菊と金目鯛のおひたし」

錦秋、ということばがあります。
急に寒くなった昨今、北から紅葉の便りが降りてくる日も間近ですね。
そんな秋の錦を、すこし先取りして、一品に表現してみました。

黄菊と春菊。花と葉の新鮮なハーモニーに、
ぱりっと焼いた皮目も香ばしい金目鯛を加えました。
炙った魚の旨みと二つの「菊」のほろにがさが
自慢の浸し地でしっとりとまとめられています。
赤、黄、緑と季節の色をうつしとったような小鉢は、
お酒に寄り添って盃をすすませるひと品でもあるのです。

(中村作)

神無月十月、今月の六品 その2

2011-10-04 09:54:21 | 酒の肴
「焼き茄子のオクラとろろがけ」

秋、嫁に喰わすなとまで言われる秋茄子のおいしいこと。
焼いても揚げても漬けても旨い茄子は、野菜の万能選手。
今月は、毎年恒例「深雪茄子」の素揚げも人気のメニューです。

シンプルに焼いた茄子も佳肴ですが、
「六品」ですから、ここはさらに、ひとひねり。
おいしい出汁とシャキシャキのオクラを合わせたとろろを
上からかけて、一緒に召し上がっていただきます。
ネバネバ素材の扱いが得意な店長が、王道でつくった、
まさにこれでしょう!という取り合わせです。
焼き茄子のこうばしさにとろろの旨みがからまって、
糸も引けば後も引く。
ついついお箸のすすんでしまう、一品です。

(中村作)

神無月十月、今月の六品 その3

2011-10-04 09:52:48 | 酒の肴
「焼きサバとエリンギの黒胡麻和え」

昔、赤鬼には「ほうれん草の胡麻和え」という
定番メニューがありました。
素朴だけれども、摺りたての胡麻の風味がなんともいえない、
人気の一品でした。
胡麻和えって、お酒の肴にぴったりですよね。

今月つくったこの「胡麻和え」はちょっと意外な取り合わせ。
鯖と、エリンギと、葱なのです。
それぞれをこうばしく焼いて、ざくざくとほぐし、
炒って摺った黒胡麻をベースにした地で和えました。
鯖の脂気とうまみ、エリンギの歯ごたえ、葱の深み。
焼くことでおいしさが増した素材がコクのある黒胡麻で
見事にまとまった、ひそかに自慢の一品です。
ぜひ、おためしあれ。

(北原作)

神無月十月、今月の六品 その4

2011-10-04 09:51:33 | 酒の肴
「里芋と豚スペアリブの煮もの」

根菜がますますおいしくなる季節。
そしてあたたかい煮ものが恋しくなる季節。
根菜の煮ものは秋冬のメニューに欠かせませんが、
今月は、豚のスペアリブと里芋を炊き合わせてみました。

丁寧にあくをひいたスペアリブは、
骨から出汁が染み出るまでじっくりと煮込んでいます。
べつに仕込んだ里芋を合わせてゆっくり出汁を含ませました。
甘辛でもなくお味噌味でもなく、きれいな塩味で炊いたところが
ポイントです。
やさしい豚肉の味と里芋の味、素材本来の妙味が絶妙な加減で活きている、
ほくほく、しみじみ、旨い一品です。

(北原作)

神無月十月、今月の六品 その5

2011-10-04 09:50:22 | 酒の肴
「秋鮭と生湯葉のコロッケ」

先月でも当欄で書きましたが、
秋の鮭は、産卵のため栄養が卵や白子にゆくので
身はさっぱりして脂やけしないのが大きな特徴です。
その鮭をすり身にして、みんなが大好きなコロッケをつくりました。

ご存知、赤鬼のゆばは、京都からとりよせている「ゆば長」さんのもの。
ふんわりして味わい深いこの湯葉を鮭のすり身で包み、
さっくりと揚げています。
揚げたての熱々を頬張れば、口に拡がるほのかな鮭と大豆の甘み。
上品でいてあとをひく、まさに日本酒にぴったりなコロッケです。

(菅作)

神無月十月、今月の六品 その6

2011-10-04 09:48:32 | 酒の肴

「鶏と根菜の豆乳みぞれ鍋」

急に肌寒く、秋らしくなってきたこのごろ。
毎月の定番「赤鬼の小鍋立て」も、いよいよ本領発揮の季節。
そこで登場するのは、
クリーミーな豆乳と大根おろしでつくった「豆乳みぞれ鍋」です。

具材は朝〆の新鮮な鶏もも肉、大根、人参、ごぼう。
豆乳の半煮えはふわっと膜(湯葉ですね)をつくってとろけ、
鬼おろしでざくざくとおろした大根とからんでやさしい味わい。
鶏の旨みと根菜の滋養がとけこんだスープも残らず召し上がれ。
湯気が目にもご馳走な白いお鍋で、
おいしく、あたたまってくださいな。

(菅作)