自分史 物怖じしない国際人を育てるヒント集

近現代史に触れつつ自分の生涯を追体験的に語ることによって環境、体験、教育がいかに一個人の自己形成に影響したか跡付ける。

身にしみた落雷の怖さ

2013-08-01 | 体験>知識

このころ最初の落雷が身近に起こった。
真夜中に一瞬部屋が閃光で真っ白になりガリッという音波で寝ていた体が宙に浮いた。
雷が玄関前にある電柱のトランスを直撃したのだった。
わたしの寝床から10mと離れていなかった。

やはりその頃、雨上がりの草野駅で2,3人で遊んでいたときだった。
あたりが暗くなった。外は大雨だったはずだ。
やはり閃光とガリッという音と同時にわたしの両膝がガクッと折れた。
一瞬何が起こったか分からなかった。
ゴム長を履いていたので落雷による感電だと信じられなかった。
その日一日両足がだるくなったので濡れたゴム長はいくぶん電気を通すと信じるようになった。

3度目は高校時代に湯布院にキャンプに行って体験した。
久大線の仲の良い数人で鶴見岳(由布岳かも)に登った。
快晴で暑かったので途中の岩陰に荷物を置いて上半身裸で頂上を目指した。
登頂するかしないうちに天気が急変し大粒の雨が降り出した。
雹が降ってもおかしくないほどに気温が下がり震えながらシャツを置いているところまで走り下りた。
山の怖さをはじめて知った。
後年低体温症で落命することがあると知った。
落雷で死ぬかもしれないと恐怖したのはその晩だった。
そこより下がった斜面にテントを張り、わたしが独善的に用意したマカロニ料理で夕食を済ませた。
降り出し時間は覚えていないが一晩中雷雨に悩まされた。
斜面に樹木はなくあったとしても白骨木ばかりでその辺りが落雷の多い斜面であることを物語っていた。
間近な稲妻と雷鳴の度に自分たちが非常に危険な場所にいることを思い知らされた。
テントの支柱の先っぽは金属だった。
それが雷をよぶのを恐れて土砂降りの中気休めにビニールをかぶせたりした。
未経験から正しい危険回避策をとれなかった。
周りに避難場所が無い山岳では窪地で姿勢を低くして待機するのが常識、と後に知った。